いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

哨戒艦沈没に関するG8首脳宣言について

2010年06月27日 18時52分14秒 | 外交問題
新聞の見出し的には、大々的に「北朝鮮を非難」とか書いてるけど、実際どうなのよ、ということを見ると、文言を入れてもらったのがやっと、というところではないのかな。


チーム・オバマの外交戦術としては、あまりに弱々しいかぎりだ。
もっとズバッと「お前がやったんだろ、ちょっと顔貸せや」くらいの勢いなのかと思いきや、全然違うのな。笑える。

参考までに、記事を並べてみますよ。
(一部引用)


○首脳宣言で各国首脳は、イランに対し、交渉の中で核開発計画の透明性を上げるよう求めた。また、3月に韓国の哨戒艦が沈没した件については、北朝鮮の攻撃が原因だったという調査結果に言及し、「この文脈において哨戒艦の沈没につながった攻撃を非難する」とした。(AFP)

○宣言は、韓国哨戒艦の沈没を「地域内外の平和と安定に対する挑戦」と位置付け、北朝鮮に「韓国に対するいかなる攻撃、脅迫的敵対行為も慎むこと」を要請。核問題では、北朝鮮に核開発、拡散活動を「完全で検証可能かつ不可逆的な」方法で停止するよう求めた。(CNN)

○主要国(G8)首脳会議(ムスコカ・サミット)は二十六日、前日に引き続きカナダ東部ムスコカで全体会合を開いた。安全保障面では北朝鮮製魚雷が原因とされる韓国哨戒艦の沈没事件について、韓国の合同調査団が北朝鮮に責任があると結論を出したことに触れ、「この文脈で攻撃を非難。事件の説明責任を追及する韓国を支持する」と首脳宣言に明記し、事実上、北朝鮮を非難した。(東京新聞)


これは、事実の断定ではないのですな。
極端に言えば、伝聞形式の「△△さんは、~と言った」というのを取り上げただけに過ぎない。G8首脳は、「犯人は北朝鮮だ」と言ったわけではない、ということである。米国の主張してきたのは、一体何だったのよ、という話になってしまいますわな(笑)。

それに、哨戒艦『沈没』であって、『撃沈』じゃない。「沈没」というのは、自動詞だよね。他動詞じゃない。あくまで「沈んだ」という事実を述べているのみで、誰かが攻撃して沈めた、という事実認定まで踏み込んでいるわけでもない。なんて力弱いんだ、米国の主張は。韓国が参加していない以上、米国が頑張るしかないわけで、日本も一緒に主張しましたって、バカ丸出し。


宣言文の公式の全文がないので、正確には分からないけれども、報道から分かる範囲でまとめると次のようなことである。

ア)沈没は域内内外の安定と平和への挑戦
イ)合同調査団は、北朝鮮に責任があると言った
ウ)この文脈において、沈没につながった攻撃を非難
エ)韓国への攻撃や脅迫的敵対行為はやらないように


もう苦しいこじつけみたいな、いわゆる官僚的作文技術の駆使、ということでしょうか。
誰も北朝鮮が攻撃して沈めた、なんてことは、一言も言ってないわけ。そんなことに合意は得られていないわけだ。情けないよね、オバマ大統領も。ウソをつくとこうなる、といういい例だな。

ア)は、沈没という事実は、安定を乱すし平和に不安をもたらすから、よくないね、というだけ。

イ)では、合同調査団は北朝鮮に責任があるという報告を出していましたね、ということを言ったまで。

ようやくウ)で、もしそうであるという仮定に立って、”その文脈”でならば、「攻撃するのはよくないね、非難に値する行為だね」ということを肯定。
従って、北朝鮮が犯人であり、沈没させたのは北朝鮮の魚雷攻撃であったので、その行為を非難します、というようなものではない。

平たくいえば、「合同調査団はこのように言っていたみたいだが、もしそういう話があるなら、攻撃するのは危ないからやめようね」ということだ。

つぎはぎ文章で、「後は読み手が連想を働かせてね」という、非常に苦しい指摘になっているという、本当に情けないシロモノに過ぎない。
読み手が独自で補って、犯人である北朝鮮を「暗に非難」しているのか、ということを、宣言から読み取ってくれ、というものだということ。


これが、”事実上”「北朝鮮を非難」の正体だということであろう。
もし本当に非難するのなら、事実上もヘチマもありまへんで。率直に「お前がやったんだろう、観念しろ」と言えば済むだけのことなんですから。たったこれだけのことさえも不可能になってしまったのが、今の米韓の外交ということなんですよ。


イスラエルへの非難決議なんて、ソッコウで出されたでしょ?ああいうのが普通なんですって。


今回のG8の宣言に無理矢理ねじ込んだことが、逆にアダとなっていますね。
それは、こんなにまで「こじつけなければ、言えないことになってしまっているのか」ということが全世界中に知れ渡ってしまったからですね。いい恥晒し。

そして、何でも追従の日本の外務省とか菅総理をはじめとする閣僚とか、本物の犬っころと一緒ってことが、これまた世界中にお披露目されてしまって、恥の上塗りですわな。


勇ましい見出しとは裏腹に、「哨戒艦沈没」に大きく後退、更には「事実上非難」という間接手段に訴えるよりないという敗北感溢れる首脳宣言になりましたとさ。

超大笑い。

また、そういう誤魔化しをスルーして、お先棒担ぎのマスコミ連中が喜び勇んで「北朝鮮を非難」とかの見出しを打つ間抜けぶり。ホント、どうしようもない国だな、この国は。



ところで、「北朝鮮の魚雷で撃沈された」とか豪語していた連中が、日本にも大勢いたよな?
ほら、軍オタだかのJSFっていったかな、その他信者たちとか、いたよね?
「哨戒艦撃沈」の話はどうなったのかな?

首脳宣言は、『沈没』だったみたいだけど、訂正でもしたらいいんじゃないか?



旗色が悪い場合には、逃げの一手、と。
よくいるパターンだね。



完全に座礁した”チーム・オバマ”の外交

2010年06月27日 17時58分06秒 | 外交問題
人々は見ている。
お天道様だって見ている。神様だって、必ず見ているんだよ。
今や世界中の人々が瞬時にして知るグローバル化が達成され、「悪事千里を走る」を地で行く時代なのである。昔はあまり知られることのなかった悪事が、現代では世界中の人々に広まってしまうということだ。信頼を失うのに、そう長い時間はかからない、ということでもある。当然の報いだ。


さて、以前にちょっとばかり持ち上げたら、お調子者たちが天狗になったみたいで、図に乗ると落とし穴に嵌り易い、というのを実践して見せてくれたようである。

4月20日>Obama's 10 Days ~鳩山政権の逸機


鳩山政権に北朝鮮の脅威を殊更強調して、日米共同声明を出させることに成功した。確実に言質を取った、ということである。

これに大きな役割を果たしたのが、韓国哨戒艦沈没事故であった。3月26日の事故発生以降、4月中にも遅々として事故原因の特定には至らず、最終的に「処理をどうするか」というのが、明確になっていたわけではなかった。たぶん、決めあぐねていた、ということだろう。それは、ホワイトハウス内での対立というものがあったが為であろう。結果からすると、一部の者たちが「北朝鮮犯人説で押し切れ」ということにして、強引に突き進んだのだ。

5月20日に合同調査団の報告が公表された。この頃の米韓は大変元気一杯で、勇ましいことを言っていたわけである。

韓国・対北朝鮮措置の要旨 - 47NEWS(よんななニュース)

この中の経済制裁関連以外の主なものを取り上げると、
①国連安保理提起(→非難決議や制裁措置)
②対北宣伝放送等
③米韓合同軍事演習(空母含む)
といったものがあったわけだ。

韓国大統領は、「断固たる措置」と涙ながらの演説までしてくれたわけだが、どれほどその約束が守られたのか?どれくらい実行されたのか?
これらは本当に実現したのだろうか。

米国は、同盟国への攻撃はアメリカへの攻撃とみなす、とまで断言していたのに、今となってはすっかり尻すぼみですか?(笑)


オバマ外交が座礁した経緯について、順に見て行くことにしますか。
まず、安保理で新たな制裁だの決議だの言っていたのに、これは頓挫。1か月以上経った現在でも、正式な議題にさえ取り上げられていないのでは?
爆笑もの。あんなに豪語していたのにね。


失敗例を列記してみるよ。
・ゲーツ国防長官の訪中予定を中国がキャンセル
時事ドットコム:中国、ゲーツ長官訪問断る=台湾武器売却影響か-米国防総省

台湾武器売却が問題にされるなら、そもそもヒラリーだって来させないに決まってる。頭悪いね。
ヒラリーが数日前に日韓を駆け足で通り過ぎ、本命の中国では長時間対話を実施したばかり。この時の米国側のお願いはあったはずで、話を聞いていたわけである。ただ、やや半信半疑の部分が中国側にはあったのであろう、と思われる。拙ブログで書いているようなことが本当にあるものなのか、ちょっと信じきれないでいたとしても不思議ではないだろうからね。

しかし、鳩山総理辞任で事態は一変したはず。
ああ、あながちウソではなかったのだな、そうだったのか、中国は米国に利用されていた面があったのだな、と、ストーリーに納得した部分がかなり多くなったということさ。半信半疑から、かなりの確信に至った、ということだろうね。
だからこそ、「ちょっと待て、今は来ないでくれ」と急に態度が変わったと。そう考えると、一連の反応は、合点がいくわけである。


更に、発表済みであった対潜軍事演習が突然謎のキャンセルとなった。空母を派遣するぞ、と意気込んでいたのが一体全体どうなってしまったのか、という話だな。
・空母ジョージ・ワシントン参加の演習予定が急遽延期
donga.com[Japanese donga]

これは大幅な予定変更を余儀なくされた、ということを物語っている。少なくともヒラリーが中国に訪れた際には、事前に説明もお願いもしていたはずである。僅か1週間程度前のことだったのだからね。その時には、中国がゲーツ訪中を断ってはいなかったはず。そこまでは踏み切れない、という状況だった。

しかし、僅か数日後である2日には中国側から「ゲーツが来るのはお断り」という連絡が入った、ということだろう。この時点で、中国側は「やっぱ、あれは本当だったんだな」と知ってしまった、ということである。当然安保理協議は暗礁に乗り上げることを意味した。ロシアだけならまだしも、中国も難色ということになれば、常任理事国の同意を取り付けるのは容易ではない、ということは当然なのだから。少なくともイランへの対応では協力してもらわねばらないことは明白だったので、北朝鮮については後回しにするよりなかった、ということだ。

米国はゲーツ訪中をいきなり断られたので、その真意を測りかねた。
ヒラリーが行った時には演習をやる予定と言っておいたのに、気に入らなかったということなのか、と考えて、仕方なく「じゃあ空母引っ込めるか、演習もなしにするか」ということになったんじゃないのか?何が直接の原因なのかよく分からないけれども、とりあえず中止ということで様子を見ることにしたんだろう。


こうした予定変更が起こった背景には、中国が米国側の手の内を知ることになったから、ということがあるはずだ。
捏造国家のことなんか、そう簡単には信じられない、というのがごく普通の反応なのだよ。

その後にも、どうして中国が北朝鮮のことをそんなにかばうのかな、と米国側では不思議に思ったのかもしれないが、実際にはそういうことじゃないんだろうよ。哨戒艦沈没事故について非難を言うだけなら(反対するほどの)大した話じゃないのにね、と米国で思っていようと、中国はそうは考えなかったということさ。


個人的経験則を書いておいてあげるよ。
何かと損得計算をするヤツってのは、いざという時には信じられないんだよ。そういうヤツは必ず自分の為だけに行動するからさ。勿論、裏切るのも平気だ。損すると思えば、寝返るのも裏切るのも当然だ。そういう行動原則を持つ人間というのは、そう簡単には信じることはできないものだ、ってこと。

本当に困った時とか、いざって時に信頼できる人間というのは、損得勘定で行動しない人なんだよ。


で、米韓の言ってた安保理決議は、どうした?
日本のルーピー外務官僚とかも一緒になってご主人様の提灯持ちをやって、その結果どうなったんですか?

オバマ大統領及びチーム・オバマの側近たちが愚かであれば、こうしたルーピー官僚一派やそれを支援する犬ども(マスコミや識者たち)を重用し、そいつらの言い分を聞き入れるだろう。その選択は、後々大失敗となって必ず跳ね返ってくるだろう。現に、哨戒艦沈没の一件では、こんな有様じゃないの。

組む相手を間違えると、必ずそうなる。


米韓の「口だけ番長」な姿は本当に痛々しい限りだな。
空母出すぞ、示威行動だぞ、なんて言っていながら、全て企画倒れとはね。空想だけで満足って、それは自慰ですか。もう滅茶苦茶ですな。これが恥ではなくて、何なのか?
因みに、米国のマスコミは、そういうことを感じてないのかもしれんがね。



ちょっと追記ですが(22時頃)。

ところで米国は、韓国の軍人たちを大勢殺したであろうはずの北朝鮮を、テロ国家に再認定してのかというと、「見送り」だったそうで。爆笑。
何じゃ、この出鱈目は。

じゃあ、米国の独自制裁というのが、何か実施されたんですか?
何をやったの?
経済封鎖?それとも報復の空爆とかですか?

まさしく「口だけ番長」。
出鱈目のハッタリ野郎というのは、よくいる。

まあ国をあげてのハッタリというのは、みっともないわな。


ダセー。