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霞ヶ関「埋蔵金伝説」論争(笑)

2007年12月09日 03時06分33秒 | 政治って?
本物の小判が埋まってるわけない、でもそんなの関係ねえー
というのはどうでもいいですが、色々と盛り上がっているようです。

永田町で「埋蔵金探し」過熱 複雑怪奇、28特別会計積立金(産経新聞) - Yahooニュース

実は「埋蔵金」という表現を先に使ったのは与謝野氏だった。自らが会長を務める自民党財政改革研究会(財革研)は先月21日にまとめた中間報告で、増税なき財政再建路線を「埋蔵金伝説の類にすぎない」と切り捨てたのだ。
 中川氏はこれにカチンときたらしく、翌22日に自らが代表世話人を務める町村派で財政健全化の基本姿勢を発表。まず、「特別会計の余剰積立金の活用」を盛り込んでジャブを放つ。その上で、12月1日の愛媛県新居浜市の講演で、「40兆~50兆円の埋蔵金がある」とぶち挙げたのだ。
 中川氏の攻勢はこれで終わらず、5日には「埋蔵金は実在する」と題したメモを記者団に配布。同日夕には首相官邸を訪問し、福田康夫首相との直談判となった。
 中川氏は「埋蔵金の話をしたら首相も『わかっている』と言っていた。10兆円ほど出せば一般会計の重みが楽になる」と周囲に漏らし、自説が来年度予算に反映されることに自信を見せる。


 ■埋蔵金をめぐる発言

中川秀直元自民党幹事長
「特別会計の過剰な積立金は国民に還元すべきだ。40兆~50兆円は『埋蔵金』があるのではないか」(1日、愛媛県新居浜市での講演)
「最近の政治家は複雑な予算書から埋蔵金を探す能力が求められている。財務省は財融資金特会から国債整理基金に多分10兆円ぐらい出すのでないか」(6日、佐藤ゆかり衆院議員のパーティー)

福田康夫首相
「埋蔵金というのを探しに行きましょうか、一緒に。まあ、あるかないかを議論する前に無駄を削ることに全力を挙げる方がいいんじゃないか」(4日、記者団に)

町村信孝官房長官
「恒常的に費用が増える財源に1回きりの積立金の取り崩しはありえない。恒常的な支出には、恒常的な歳入を考えないといけない」(4日、記者会見)

伊吹文明自民党幹事長
「取り崩しは1度だけ。次の年はない。埋蔵金を発見したら、ある年には突然成金の気分になるかもしれないが、次の年の埋蔵金は1つもない。恒常的財源は税収以外にない」(7日、記者会見)

=====


まあ飛び火が広がって、かなり燃え盛っているようですな。民主党は胸を撫で下ろす、と(笑)。
上の記事中にもありますが、発端というのはこんな話ではなかった。11月21日の話からこうなってしまった。

NIKKEI NET(日経ネット):政治ニュース-政策、国会など政治関連から行政ニュースまで

自民党の財政改革研究会は21日の「中間とりまとめ案」で、民主党の歳出削減案を「霞が関埋蔵金伝説」と皮肉った。民主は政権公約で補助金の一括交付金化や特殊法人の廃止などで約15兆円の財源を捻出(ねんしゅつ)するとしているが、財革研はこれを「具体的な根拠のない提言」と一蹴(いっしゅう)。「埋蔵金」にたとえて実現性の低さを強調した。

=====

ここにもあるように、財政改革研究会が「民主党の選挙公約」について、埋蔵金伝説の類ということを非難したものであった。単年度収支の話であるから、フローの話なんですよね、元々は。単年度の歳出から15兆円を削ってくる、というのは、困難でしょう、そんな金はどこにあるんですか、ということが自民党の言い分だったわけです。別に、霞ヶ関が埋蔵金を隠し持っている、いない、とか、上げ潮派の手法を「埋蔵金伝説と同じだ」みたいに言ったことではなかったんですよね。この後、「死人にクチナシ男」(笑)の伊吹幹事長が講演会か何かで「民主党の公約なんてのは、埋蔵金伝説みたいなもんだ」とか言ってたんですよ。

で、これとは関係なく、この数日後に日テレ系番組に竹中平蔵さんが出演した時に、「霞ヶ関にも埋蔵金はある」とか表現したと思うんですね。このことから、当初の民主党批判の為に持ち出された「埋蔵金」という言葉が、霞ヶ関が隠し持っている「埋蔵金」に変化していったということです。まあ埋蔵金というくらいですから、フローの話ではなくてストックの話でしょう。

<ちょっと寄り道:
昔あった、コーラの空き瓶なんかに小銭を溜め込む、みたいなものと同じかと。「ブタの貯金箱」をトンカチでガシャン、というのでもいいんですけど。子どもの頃、取り出し口のないブタの貯金箱というの実際に見かけたことはなかったんですけれども、どういうわけだか漫画やアニメなどでは、典型的描写であったんですよね。このブタの貯金箱を割るというのが。なけなしのお金、というのがよく判るのですが、ブタの貯金箱という理由は謎でした。でも、その後にブタの貯金箱が本当の商品として登場したのを見るようになりましたね。>

こうして竹中さんが「霞ヶ関埋蔵金」伝説を、実際にあるんですよ、と強調するに至ったので、問題は広がったんです。タネ本は当然高橋洋一氏の例の著書です。竹中さんが総務大臣時代には、財務省に「積んでる金を出せ」と言ったら、本当に10兆円だったか12兆円だったかを国債償還費用に出してきたんですね(笑)。それ以前から埋蔵金がある、というのはみんな知ってたわけですよ。

参考記事:エコノミー・オブ・スコープ

政府資産圧縮の問題で、個別に調べていたからね。土地建物の不動産関係も、会計別の金融資産も、結構資料を出させられたはずですからね。本間先生なんかも色々とやっていたんじゃなかったでしょうか。もう随分前からの話ですわね。


でも今は、財政再建派と上げ潮派との仁義なき抗争みたいな方向になってみたり、町村さんみたいにフローじゃないんだから、とかの見当違いの方向に行ってみたり(貯金箱の中身の話なんだから当たり前すぎだわな)、与謝野さんの金持ちボンボンの家財道具売り払い生活にまで話が拡大して、民主党の影も形もないんですよね。これも一つのネタ投下、といいますか、燃料投下で釣りを狙っているのかもしれませんがね(笑)。

今の独法改革が頓挫しているのだから、いつまで経ってもフローでは「離れですき焼き」喰ってるヤツラが蔓延ることに変わりはない、ということだわな。これも満足に成果を挙げられないのに、財政再建なんて夢のまた夢、ってこと。クチナシ男が言うように「一回きり」ということであって、まさしく天下り軍団にすき焼きを食わせ続ける為だけに家財道具を売ることになってしまっているのです。それを止めさせない限りは、いずれ売るものもなくなるし、掘り返した埋蔵金も有限ですので底を尽くでしょうね。

埋蔵金を活用するのは当然であるとしても、フローで無駄に食い尽くしているイナゴみたいな連中を排除しない限り、状況が改善することはないでしょう。ところでイナゴと書いたのは結構昔だったね。「ネットイナゴ」よりも早かったよ(笑)。

参考記事:
開発王国の不正疑惑

公益法人の構図2




日本の報道機関は科学的応用力や読み取り能力が低いのか

2007年12月09日 01時51分40秒 | 社会全般
だから何遍も言ってるように、勝手に事実を作り上げるのですよ。報道機関の方々が。日本を代表する報道機関であり、入社試験や年収などの面では他業種から見ても「ずぬけて」(笑)いるはずの朝日新聞だろうと思うのですが、その記者をしてこのレベルなのですから、子どもたちに「ゆとり教育のせい」で成績や能力低下を来たしたんだ、みたいな非難はできんでしょう。はっきり言えば、科学リテラシーの欠如、読み取り能力の欠如としか思えないのですよ。そんな連中が判ったようなことを言い、好き勝手に書く。それは誰からも咎められない。罰も受けない。だから何度でも繰り返される。


asahicom:インフル治療薬 リレンザで少年が異常行動 - 暮らし

(一部引用)

 インフルエンザ治療薬リレンザ(一般名ザナミビル)を服用した横浜市の少年(12)が無意識のまま歩いて外に出たり、意味不明な話をしたりする異常行動を起こしていたことが7日、わかった。診察した病院は「因果関係が否定できない」とし、国に副作用として報告することを決めた。

 病院側によると、少年は6日に医院を受診、インフルエンザと診断された。同日午後5時ごろ、処方されたリレンザなどを服用。直後から意味不明の言葉を発し、約4時間後には家族が目を離したすきに自宅外に出た。無意識のまま寝床を出て歩いたとみられる。少年は病院に運ばれ入院したが、夜中にベッド上で立ち上がり、壁をなでるなど異常行動が続いた。

=====


この見出しを付けた人は誰ですか?記者氏ですか?発表して下さいよ。
こういうのを「煽り」と言わずして何と言う?もし誤報であった場合には、何らかの罰を与えたり、裁判で責任を取らされたりするといいよ。威力業務妨害みたいなもんですよね、製薬会社から見れば。明らかな営業妨害だってこと。「リレンザ『で』少年が異常行動」と書いている以上、リレンザが原因だ、という特定ができたことを意味するでしょうよ。本当に記者氏にそんなことが判るんですか?これこそ「何様のつもり?」って話なんですよ。もっと正確な書き方ができるはずでしょう。

普通に考えれば、「リレンザ服用後に異常行動」とかでもいいじゃないですか。それを何ですか。この見出しを見た人たちは、どう思いますかね?全員が記事内容を全て正確に読むと思いますか?明らかに誤認を与えるものだ。こういうのを引っ掛けというのですよ。病院の話を聞いてみても、誰も「リレンザが原因だ」なんて言ってませんよ。あくまで「(可能性が)否定できない」と言ってるだけです。


例えば、見出しに「朝日新聞、買収される」とか書いてみますか?(笑)
記事をよく読むと、近所のじいちゃんが「朝日新聞を1部購入しただけであった」とか、「買収したいな、それがオレの夢だ」と語ったとか、そういう記事でいいとでもいうのでしょうか?そんなのが通用するのであれば、何とでも書けますよ。好き放題で書けますよ。


「リレンザで異常行動」と書くからには、相当の信頼性をもって原因と特定できていなければならないでしょう。そんな報告はあったのですか?あるなら朝日新聞が証明をできるはずですよ。それとも、何かの薬害利権みたいなものでもあるんですか?
タミフルやリレンザを投与できなくなった時、インフルエンザで死亡とか重篤な脳症になったら、マスコミが責任を取るのか?高齢者ではなくとも数百人規模でそうした被害が出る可能性があるのだからね。何一つ責任も取らないクセに、煽るだけなのだよ、マスコミは。


タミフルとの因果関係を調べてみると、どうやら否定的であるらしい、ということが厚生労働省から出されていたと思うが、それに関する報道では確かタミフル以外の服用例においても異常行動はあった、ということであったと思う(ソース探したが見つけられなかったのでうろ覚え)。もしもインフルエンザという疾患そのものが原因であるとすれば、何を服用したかには関係なく、異常行動例が出現することは有り得るだろう。そうであれば、「リレンザで」なんて言えないはずなのですよ。「タミフルが原因だった」なんてことも言えなくなくなるのですよ。朝日新聞ではそういうことが結論として出ているのですかね。本当に判るの?
毎日新聞の理系白書っぽく表現すると「文系専門バカ」の記者の方々に、薬理学的な結論が出せるもんなんですか?

判らないなら、判らないなりに書けばいいのですよ。なのに、いかにも判ったように書く。何でも勝手に断定するな、と何度も言ってるのに、未だに「文系専門バカ」には理解できないらしい。これが有名大学を優秀な成績で出て、何十倍だか何百倍だかの競争に勝って朝日新聞社に入社した記者の科学的応用力のレベルなんですよ(笑)。これで日本の教育水準が低下しているだとか、よく言えますね。それはあなた方が実証している、ということなのではないでしょうか。

教育の低下はもっとはるか昔から始まっており、上の年齢層でもその影響で科学リテラシーは貧弱なのであり、高等教育を受けた高学歴の人たちでさえも大学教育の水準が低いせいだ、ということなのでしょう。



若い子が好きだから♪

2007年12月08日 17時04分21秒 | 社会全般
何故って、そりゃ、普通の男性の多くは若い方がいいだろ、やっぱ。

男性はなぜ若い女性と結婚するのか? フィンランド人研究者が研究発表 - Technobahn

(以下に一部引用)

ヘレ博士は狩猟によって生計を立ててきたフィンランドの3のサーミ部族(サーミ人はスカンジナビア半島で放牧生活をしてきた少数民族)の17世紀から19世紀までの教区記録を分析することで、生涯に1度だけに結婚した男女のその後の寿命や子供をどれだけ生んだか、また、その子孫が世代を経て生存することができたか、など、様々な側面の生存能力についての分析を実施。

 その結果、男性は自分よりも14.6歳若い女性と結婚すると個体としての生存能力が最も高いことが判ったとしている。

 ヘレ博士はサーミ人の場合、14.6歳の年齢差の場合、もっとも男性は狩猟などの生産性の面で、女性は生殖能力などの面で優位を維持することができたのではないかと述べている。

 ヘレ博士は今日の社会の場合、男女の年齢差が大きい場合には社会的背景が異なるために上手く行かない場合も多い。恐らく、サーミ人の場合は世代間で違いのある社会的背景に関しては男女間の間の結びつきを維持するための強い障害とはならなかったのではないか、とも述べている。

=====


14~15歳違いくらいか…。
微妙っていうか、よく判らんけど、例えば猫猫先生のトコくらいかな?


大昔で言うと、女性が妊娠可能になる13歳から15歳くらいだとして、男性は27~30歳くらい程度ってことか。

平均寿命はかなり低かっただろうけど、生き延びてた男のうち、リーダー格が30歳前後、ってことなのかな?恐らくリーダー格の男は、小集団内での女性を独り占めか、多くの数を占有する可能性が高かったのかな。


昨今のロリコンとか何とか言うが、大昔なら出産可能年齢に達するとみんな即産み始めたんじゃないかなと思うけどね。明治人とかでも、大体16歳くらいで嫁に行かされて出産してたでしょ。20歳過ぎまで独身女性、ってかなり珍しいとか変わり者とか特異的な存在だったんじゃないでしょうか。なので、今の女子高生くらいの年代に興味を持つ男性というのは、そんなに異常というわけでもないでしょう。


けどね、自分の娘とかが対象にされたら怒るよ、やっぱり。
どんなに生物的な現象であるとしても、人間なんだから「理性で乗り越えろよ!」と激しく非難するよ。

だって人間が「食いたいから」食い物をかっぱらうとか、「怒ったから」殺したとか、許されないもんね。宗教的な教えの多くは、こうした「生物としての人間」に対して、それを乗り越えるための知恵を授けたものと思うんですよね。本能との葛藤を克服することや、理性として生物的欲求を抑制する為に、宗教から学んだのだろう、と。生き物としての不自然さを身に付けることで、人間は繁栄してこれたんじゃないのかな、ということ。


話が飛びましたが、結婚相手としては自分よりかなり年下の女性を選択する男性は今後も数多く出るでしょうね。40歳男性には25歳女性、みたいな組だね。うーん、自分に置き換えてみると(別に置き換える必要性はないのだけど、既婚だし)、25歳くらいの女性の相手をするには、結構疲れそうな気がしますがどうなんでしょうか。どう考えても、自分には合わないと思う。ま、繁殖力が旺盛な男性の場合には、若い女性を選ぶ方がいいんじゃないかと思います。

そういうわけで、日本の未婚男性諸君、もっと頑張って下さい。




ウチの子のコメント

2007年12月08日 16時15分23秒 | 俺のそれ
我が家での下らない話なのですけど。

私は時々家族の前でもオヤジギャグを言います。妻や子どもは笑ってくれる時もあるし、さしたる反応がない場合もあります。

で、いつもの如くつまらないギャグを言ったら、子どもが無反応というかあっさりスルーだったのですね(こんなところで「スルー力」を鍛えんでもよろしい、笑)。そこで私は「何か反応はないの?」と問いかけました。すると、わが子が次のように言ったんですよ。

「コメントは差し控えさせて頂きます」

大爆笑。何でそんなうまい答弁を覚えているんだよ!
あまりにうまい返答に感心しましたよ。
どこからそういうセリフを仕入れてるの?とか思って、尋ねると、「いや、何となく。ニュースとか」だってさ。
そうなんだろうけど、冗談に対するリアクションとして言うのが何とも可笑しくて、私よりも笑いのセンスはいいのではないかと思ったよ。そういえば、国会答弁とか証人喚問とかそういう場面でも多用されてるもんね。
いっそはっきり言うことにすればいいのに。
「言いたくない」
「言うとまずいので言わない」
とか。

いずれにせよ必殺技というか、決め台詞ですよね。
「コメントは差し控えさせて頂きます」
自分でも今度使ってみようかな、と思ったよ。まだその機会には恵まれてないけど。


また別な時の話。

仕事帰りに会合と飲み会があるので遅くなるから、とか妻と話していたら、妻が
「どうせキャバクラでも行くんじゃないの~~?」
とか冷やかすので、私は違うよ、行かないよ、とか言ったんですよ。
すると、隣で聞いていたウチの子が、

「キャバクラで会議や打ち合わせって、よくある話だからね」

とかボソッと言ったんですよ。

もう大うけ。
中三のくせして、一体どこからこんなことを、とか思うんですよ。見たんかい、みたいな。
でも確かに議員さんたちの視察団とかでも、沖縄くんだりまで出かけていってゴルフだの夜の会だの色々とやってる方々なんかがテレビで報じられたりしているので、そういう知識を仕入れているのかもしれませんね(笑)。

うまいこと言うじゃないか、と褒めたら、そうでもないけど、とあっさり言われてしまった。

いやはや、子どもというのはよく見ているんですよ、やっぱり。

一応念のため言っておきますが、我が家でのことではありませんよ、勿論。
私はキャバクラで打ち合わせ、なんてしたことないですから。断言。




警察が麻薬の売人になるって?

2007年12月07日 17時59分45秒 | 社会全般
テレビとかでやると効果も期待できるけど、逆効果もあるので注意が必要だ。

大体、タミフルの譫妄みたいな話だけでも大騒ぎするのに、もし問題が起こったら誰がどう責任を取らされるのか、って話もあるね。ましてや麻薬を解禁しましょう、とか、やれるもんならやってみ、と思うよ(爆)。


NHKクロ現:終末期の在宅がん患者にモルヒネが処方されない!

(以下に一部引用)

シャーロック・ホームズの時代の19世紀の大英帝国では、麻薬は自由化されていて、誰でも薬局で買えた。ホームズもコカインを日常的に下宿で愛用していたし、時には麻薬窟にも出かけた。現代ニッポンの末期がん患者も、19世紀のイギリスに住んでさえおれば、苦痛無く最期を迎えることが出来たのである。ところが現代ニッポンでは、生きていて不幸だった思うぐらいの苦痛の中で最期を迎える。これが文明の進歩なのか。

麻薬の一般市場への流出を危惧するのであれば、エライ資格を必要とする医療チームなんかではなく警察官の管理で十分だ。末期がん患者はどうせ死ぬのである。患者が望むことは、苦痛なしに最期を迎えたいと言うことだけ。複雑でお金のかかる医療チームの編成などは、全く必要がないと思う。

がん末期治療での麻薬使用は専門家にしかできないとして自分の職務利権を広げようとする専門家集団は、日本全国津々浦々のがん末期患者の願いを無視し、患者に末期の激痛を味合わせて、患者の人生の終末を悲惨なものとしているのである。患者の福祉を第一に考えれば、麻酔薬の処方にもっと規制緩和が必要だ。

=====


問題の発端として、ガン性疼痛に対する麻薬使用が少ない、ということはあるかもしれない。そのモルヒネの投与をどんどん増やしましょう、みたいな話だけなら、まだ判るね。でも、警察でモルヒネよこせ、ってな話になれば、これはちょっと話が別だな。記事を書いている方は、是非ともガンになったあかつきには「自分で好きな分だけ」モルヒネを使って、楽に逝って頂ければ幸いである。何か問題が発生したり副作用に苦しんだりしても、きっと自分で何とかするか警察で何とかしてもらえることだろう。吐きまくっても助けてくれるぞ。
勝手にやればいいと思う。

一応参考までにこちら>モルヒネ - Wikipedia

映画でも、『プライベート・ライアン』だったかなと思うけど、戦争映画では衛生兵がモルヒネアンプルを注射するシーンがあって、これは中々よく描けてるなと感心した記憶があるな。兵士の中毒は昔のことなので、今とは違うからね。ま、何とも言えないけど。少なくとも天国でもなかったみたいだけどね(笑)。


うまく使えば薬というのは役立つ。これはいつもそうだよ。けど、悪いことも起こり得る。それを世の中の人々の多くは許容できないのだよ。だからこそ、タミフルで大騒動になったりするし、肝炎訴訟でも「原因を特定するのが難しい」ということを何度も説明しても、「納得できない」「命を何と思ってるのか!」と言われるんですよ。
大体、裁判所の判事すら、「肺炎を予防する薬を飲みやすい環境になっていなかったから義務違反」とか言い出すんですからね。最高裁判事たちだって、B型肝炎の感染可能性が極めて困難なことであっても「高度の蓋然性」とまで言うわけですからね。

要するに、攻め方についている人間はどのような状態であっても、攻め続けることができるのですよ。彼らの中で互いに説得して結論を導いてからにしたらいいんじゃないか、と思わないでもないですがね。ま、私は医師ではないので直接的には関係ないですが。




内閣が悪けりゃ改革なんてできない

2007年12月07日 17時17分56秒 | 政治って?
やはり総入れ替えでトップを交代してもらわないと、無理なのではないか。

独立法人改革足踏み 渡辺担当相“孤立” 主要閣僚「ゼロ回答」連発(産経新聞) - Yahooニュース


渡辺大臣も切ないな。
こうした図式は以前の小泉政権でも見られたわけだが。竹中大臣がこんな感じであったからね。

あの時と絶対的に違うのは、竹中さんがどれほど他の自民党議員たちから叩かれていたとしても、必ず「小泉さん」という後ろ盾があったこと。竹中さんは無力ではあったけれども、総理が全力で守ってくれた。

しかし、今の渡辺大臣を見れば判る通りに、閣内の誰からも支援を受けられないのだ。党からの支援などもっと期待できない。外様の舛添・増田大臣とも「肩を寄せ合って」協力関係を作れるかというと、無理なのである。内閣府の中でも協力を得られそうな大臣などいない。彼らとて、もう既にあやつり人形にされつつあるだろう。年金問題で騒ぎになる前の舛添さんと、大臣になった後の舛添さんは同じように発言し、行動しているだろうか?(笑)結局、官に支配されてしまうのだ。

渡辺大臣はまさに孤立無援。四面楚歌。
何故こんなことになってしまうかと言えば、元から「政官業癒着」という構造を守り抜いている方々がいるからだ。そして、その旧式を止められる方法は、政治のトップ連中(普通は内閣だな)が変えることを決断することだ。けれども、悉く役人に言いくるめられ、懐柔され、しまいには後退していくのである。


下らんタカリ組織を存続させてもしょうがないのに、やめられないのだ。もっと将来性のある分野に移行していけばいいだけなのに、一度確保した「イス」(天下り指定席)を手放すことが悔しくてしょうがないのである。だから誰も応じたりはしないのである。理事長や理事なんかの席を保つことが、最大の利益になっているのである。こんな連中が優秀だ、とか言われても信じられないのだけど。


渡辺大臣がこのまま干されて、腐れ組織存続に結託したやつらが勝利するのは目に見えている。


止められない、というのであれば、大掛かりな入れ替えをやってもらうしかないのだよ。そこに行き着いてしまうということ。




これでこそ企業経営者というものだ

2007年12月06日 20時56分45秒 | 社会全般
これは素直に立派だ、と思ったよ。
よく英断できたな、と。

NIKKEI NET(日経ネット):特集 銀行経営

三井住友銀行は5日、約2000人の派遣社員を来年夏に正社員として採用する方針を決めた。併せて本部や支店で補助的な業務を担う「一般職」を廃止する。女性の働き方の多様化に対応し、営業や管理職への道を開く。メガバンクは総合職と一般職から成る伝統的な人事制度を守ってきたが、人手不足の解消と競争力強化のため、柔軟な形へ転換する。

=====

派遣社員約2000人は正規の方々と同じになれるんですね。本当に良かったですね。
こうした流れが他の大企業にも波及していけばいいなと思います。


日本人には日本の社会にあった変革がきっとできるはずだと思う。
いくらでも工夫できるし、技術や機械の力を借りることもできるはずだと思うよ。そういう社会の土台の部分をしっかり作って、今後の少子高齢化・人口減少に備えていかねばならないのですからね。


文字列は

2007年12月06日 20時20分53秒 | 俺のそれ
最近の雑誌で標的となっている政治関係の人物がいるが、彼が何故打たれているのかは知らない。けど、今日の新聞報道でも出てた。

横浜の4消防署員、中田市長のパーティー券購入で事務 社会 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

これは別に関心がないので、今後どこかに堕ちて行かれてもいいのですが、ここでふと思ったわけですよ。

ある会話。


「~の記事に出てた横浜市長って誰だったかな」
「中田市長じゃなかったっけ」
「ああ、テレビに出てる『中田氏ね』」

うーん、ここだけクローズアップすると、いわゆる「ナントカ用語」みたいなものかもな、と。米兵事件で初めて覚えた切込隊長風な表現の場合には、もっと……な感じになってしまうわけですが。


例えば、こんな用法>

「○○で××しちゃって、中田氏で早速できちゃったわけですが」

「ケータイ小説って、必ず中田氏されておろすのが定番でアホみたい」

うーん、何とも言いようがない。
けど、そうなんだ、そういう用い方はアリだったんだな、と思うのですね。


このような場合、最初に書いた「中田氏ね」という表記を、これは「~~という意味を込めて書かれたものだ」とか主張できるのだろうか?、という疑問があるわけです。書いた人が、イヤ、普通に中田氏だよ、とか言った場合には、それ以上追及することはできないんじゃないでしょうか。

つまり実質的にある意図で書かれているとしても、仲間内とか一定規模の集団内でスラング化していると、その中では殆どの人が「ああ、きっとこれは~という意味でかかれているものだよ」と理解できるか推測可能であるとしても、外形的にはこれを否定できる、ということになりそうな気もするんですね。


いやー、中田氏のニュースからこんなに広がりがあるとは思ってなかったわけですが(笑)、ある集団内で特定人物に対してイジメとか評価を低下させようとする場合には、スラング化をまず行い、その後にその用法による特定人物への攻撃が可能になってしまうかもしれないな、とか思いました。

そうであるなら、「君、ダメじゃないか、こんな表記をして」とか突っ込まれないことになるので、見かけ上はやりたい放題も可能になったりして。それはそれで問題ではないかな、と。

ところで、「中田氏」は可哀想だね。「増田氏」もそうかもしれんけど。偶然自分の名前がそうであるというだけで、色んな用法をされてしまうもんね。どちらも原点はオヤジギャグとあんまりレベルの違いはなさそうなんですがね(笑)。




米国の「cyber bullying (サイバーいじめ)」

2007年12月06日 12時25分33秒 | 社会全般
小倉先生、出番です!!

というのは冗談ですが、米国でも匿名の卑怯者による「サイバーいじめ」が問題になっているらしい。

米国「サイバーいじめ」1・5倍増(産経新聞) - Yahooニュース

【ニューヨーク=長戸雅子】米疾病対策センター(CDC)は3日までに米国の児童らの間で電子メールやチャットなどによる「サイバーいじめ」が増加しているとする報告書「インターネットの攻撃性と若者の暴力」を公表した。

 報告書によると、10歳から17歳までの児童・青少年のなかで「サイバーいじめ」にあったと答えた割合は9%(2005年時点)で2000年の6%の1・5倍に達した。CDCによると、全米の学校から「サイバーいじめ」にどう対処したらいいかという相談が相次いだため、報告書をまとめたという。

 報告書によると、「サイバーいじめ」は携帯電話のメールなどのインスタント・メッセージによる中傷が最も一般的だが、校内でのいじめと違っていじめる側の顔が見えない匿名性が特徴。サイバーいじめを受けたと主張している生徒の多くが、「攻撃相手が分からない」と回答し、うち64%が学校ではいじめを受けていなかったという。

 報告書の執筆者らは「技術に支えられた攻撃性は『サイバーいじめ』という言葉をはるかに超えるものだ」と匿名性による問題の深刻さを指摘。「サイバーいじめ」を受け流せる子供もいるが、敏感で深く傷つく子供もいるという。

=====


意外にも、日本で言う所の総務省みたいなインターネットとかネットワーク関連の役所が出している報告書ではなく、何と「CDC」なのだね。最近流行りの「CDO」とは全然関係ないよ(笑)、似てるけど。CDCは有名なので、拙ブログでも取り上げたことがあったな。

この辺>
テロ対策1

話題シリーズ22

日本とは若干状況が違うのかもしれませんが、cyber bullyingというのは言ってみれば病気みたいなもので、特に感染症に似ているのかもしれませんね。CDCという機関が報告を出しているということから、そんな印象を受けてしまいます。

参考記事:炎上とアウトブレイク


米国のサイバーいじめというのが、匿名性が問題とされているのと、人によって受け止め方が異なる、という2点がポイントであろうか。

受け流せる子もいるがそうじゃない子もいるということで、できれば「右から左へ受け流す」歌なんかを覚えてもらうといいかも。というのは、冗談ですが、アレルギー反応なんかも同じで、同じ物質に対してある人は「アナフィラキシー」を来たすけれども、別な人には何ともない、みたいなのと同じようなものですね。それとも、抗体のない人が攻撃を受けると最悪の場合敗血性ショックで死亡、とか。抗体が獲得されていれば被害は少ない、みたいなこととか。

なので、脱感作のような方法、免疫を獲得させるような方法、みたいなものを何か考えるべきなのかもしれません。

攻撃側への対策としては、感染源となるような場所(本物の感染症であれば汚物溜めとか下水など)や媒介の繁殖する場所を、清潔な環境にするとか場所そのものをなくすなどの方法が必要なのではないかな、と。


この前、ヤフージャパンの社長さん(?)が、「健全な場」ということをインタビューで答えていたと思うが、まさにそういうこと。
アンデッドの巣窟があちこちに増えると、汚染ゾーンは拡大していく。感染者も増える。そういうことなんですよね。伝播していくというのは、感染拡大と似てるのです。



君は生き延びることができるか?~アンデッド対策

アンデッド対策の補足


要するに、いじめは止めましょう、ということなんだけど、対策としては、
・スルー力を鍛える=右から左へ受け流し=脱感作的な何か
・はまらない&はめられない強さを獲得=重篤な敗血症とならない程度の免疫獲得

みたいなことかな。




ウェブ混『厨』?生態学

2007年12月05日 12時16分37秒 | 俺のそれ
たまたま発見。

厨房の一覧 - アンサイクロペディア


くだらないが、笑える。
こんな無駄な「~ぺディア」が必要とも思わないけど(笑)、ウェブ初心者には親切だね。歴史的価値というか、民俗学っぽい価値があるかもしれない。

10年後に○○厨とか書いてたら、

・ギャハハハー!こいつ「板化石」だぜ
・見ろよ!「三丁目」野郎はっけーん
・「夕日萌」がまだ生存してるぞ
・絶対「昭和人」だ、こいつ
・「シーラ2.0」間違いないな

などと言われるんじゃなかろうか、などといらぬ心配をしたりする。
「板化石」とは、かつて一世を風靡した「掲示板」と呼ばれる何かの巣窟に棲息していた人々のことで、未だにその習慣が抜けてない人のこと、とか。
「三丁目」は懐古厨に似ていて、「昭和は良かった」派の人とか。
「夕日萌」も「三丁目の夕日」に感動してた人のこと、とか。
「昭和人」はその名の通り、昭和生まれ世代のこと、とか。
「シーラ2.0」とは、昔流行ってた何でも「~2.0」世代で当時のままのシーラカンス的存在のこと、とか。

こんな想像をしてもしょうがないけど。ネーミングは難しいね。

話を戻そう。
時々目にする「~厨」という用語がどういうイキサツでそう呼ばれるか知ることができて便利だ。これは並大抵の観察では書けないね。

まあいろんな人がいるんだな、ってことか。
よく出てくるのが「ゆとり(教育)」のせいにするとか、ゆとり教育世代であるというラベリングを行うもので、こういうところにも「ゆとり教育」がいかに酷いものであるか、というような宣伝が行われているようなものだな、と思ったよ(笑)。

「~のようなヤツ」とかではなく、短い言葉で表現できるのは便利なのかもしれないね。分類と命名なんかが大変だけど。よく観察していると思った。

でも、こういう観察や分類している人のことを「~厨」と名付けることも可能かもね。特徴としては、

・よくもまあこんなに掲示板などを読んでるな(暇なの?)
・あちこちを徘徊してるな(監視エージェント?)
・分類したり命名したりするのが得意

みたいな感じでしょうか(笑)。


ということで、候補をちょっと考えてみた。

「観察厨」
「監視厨」
「徘徊厨」
「分類厨」
「命名厨」

どれもセンス悪いな。うまいこと思いつかないよ。
ああ、「厨房厨」ってのはどう?ダメ?
まさに「厨房」についての厨、なんではないかな、と。
でもダメ?? そーですか。


因みに私は「食事中」。
いや、これから食べるところですので(笑)。
どちらかといえば、自分は「昔は良かった」派だな。昭和人だし。
こうなったら、モスラみたいに糸を吐いてやる!(←話題が既に昔)
これぞカイコ厨、ってことか(笑)。



毎回落ちていく話ですね

2007年12月04日 18時56分31秒 | 教育問題
ああ、またですか。

NIKKEI NET(日経ネット):社会ニュース-内外の事件・事故や社会問題から話題のニュースまで

【パリ=野見山祐史】経済協力開発機構(OECD)は4日、世界57の国・地域の15歳約40万人を対象に2006年に実施した学習到達度調査(PISA)の結果を発表した。日本の高校生は「読解力」15位(前回14位)、「数学的応用力」10位(同6位)、「科学的応用力」6位(同2位)の全3分野で、前回03年調査から順位を落とした。

=====


この試験は15歳が対象なので、小中での勉強に問題があった、ってことなんでしょう。つまり今回の結果は約10年くらい前からの規定路線だった、ということかと。90年代後半、つまり本格的に日本が危機に陥り(参考記事:「’97ショック」が原因なのでは?)自殺者が増加したり、破産者が増加した頃で、社会的荒廃と言いますか、大人たちの頽廃傾向が明らかになった頃、ということなのではないかと。


多くの大人たちが、所詮こんな人生・社会なんだよ、だからどうせ努力してもしょうがないのさ、頑張ってきたって結局切られるだけなんだから、みたいに、考え方を変えていった時期なのではないのかな、と。

子どもたちは大人をよく観察しているし、大人がやるように学ぶことは多いと思う。それが社会の仕組みなのだろうな、と。だから、試験の対象となった15歳の生徒たちは、そういう生き方を学んできた結果だと思う。なのでしょうがないんですよ。


本当に「ゆとり教育」のせいだから、という理由だけで、そんなに変化していくものなのだろうか?
勤勉とか努力とか礼儀とか、そういった良さが失われていくのは、大方が「酷い大人」の責任なのではないか?我々のことなのではないか?

そう思わずにはいられない。

大人たちが信じることを失ったのだろう。
そういう時代、社会になってしまった、ということなのであろう。




防衛計画はゲームじゃない

2007年12月04日 13時26分14秒 | 防衛問題
以前の防衛大綱頃の話と重なるのであるが、単なる趣味とかゲーム感覚で装備をされても困るのである。防衛力整備はある種の保険のようなものなので、無闇やたらと金をかけてもしょうがないということはあるのである。心配性のせいなのか判らないが、中にはとんでもないことを言い出す方々がいるわけだ。それは防衛族なのか防衛ヲタなのか知らないが、あんまり意味があるとは思えないのですね。


いま、年収500万円の4人家族という典型的モデル世帯があるとしよう。
この一家の父ちゃんは、次のように言った。
・盗難に遭うのが心配だから盗難保険に5万
・地震が心配だから地震保険10万円
・火災も怖いから火災保険5万
・病気が心配だから医療保険15万
・事故が怖いので傷害保険5万
・子どもが心配なので子ども保険20万
・命が心配だから生命保険30万
・年金が不安なので年金保険30万

一家の保険料は合計すると年間120万円。これが高いと思うか安いと思うかは、その一家の考え方による。掛けたければもっと増やすこともできる。すると、万が一何かあった場合には、保険でカバーされるので安心だ、と。年間収入の24%を保険料として払うことに同意できるのであればやればいい、という話だ。

中には不思議な人たちがいて、保険を全てに掛けていないと絶対にダメだ、みたいに盲信しているように見える場合があるのだ。そういう人たちは、大体次のような感じで言うのである。
「地震保険に入ってなくて、地震に遭ったらどうするんだよ!」
「父ちゃんが死んだら子どもの学資がないじゃないか!」
「ガンになったらどうすんだよ!」

いや、心配しようと思えば、いくらでも心配できるので。別に全てに加入しなくてもいいと考えるのが普通だろうな、と。収入の具合との兼ね合いもあるのだし。高給取りなら、もっと多額の保険料を払っている人たちも大勢いるでしょう。それは収入が大きいからできるだけであって、その保障と同程度のものを低収入の世帯が求めるのは難しいのだろう、ということなのですよ。


従いまして「敵が上陸してきたらどうすんだよ!」みたいな心配だけ主張しても、意味はないということです。
90式戦車が1両もなくても、別に困ることなんてないのですよ。アパッチを1機も保有してないとしても、敵は上陸してきたりはしませんよ(笑)。仮に、九州北部とか新潟近辺とか北海道に上陸してきたとして、どこを進軍してくるんですかね?空でも飛んできたり、山を飛び越えて来ますかね?どうやって進軍してくるんですかね?
幹線道路なんかを通過しないと、敵軍だって移動できんのですよ。日本みたいな狭っ苦しい地形で、一体どこで戦車戦が展開されるんですかね(笑)。結局市街地なんかを通過することが多いのだし、山間部の幹線道路を移動するくらいしかないのですよ。砂漠地帯とか大きな丘陵・平野地帯の野っ原を戦車隊が移動してきたりはせんのですよ。つまり戦車で戦車隊を迎え撃つなんていう戦闘は殆ど想定できない、ということ。複雑な地形であればあるほど、歩兵戦の方が重要になるでしょうし、移動速度の速い機械化部隊の方が必要になるんですよ。装輪車の方が道路を移動することが容易なので、有利なのです。市街地戦であれば、歩兵に対戦車兵器をそれぞれに持たせて迎え撃つ方が有効です。山間部でも縦列で移動するしかない敵を待ち伏せするには、歩兵が持つ誘導兵器や対戦車ロケットなんかの方が役立つのです。

大きな橋やトンネルが数多くある日本では、それらを通過しなければまず陸上部隊の移動というのは困難です。最悪、これら橋やトンネルを爆破してしまえば、進軍は遅くなるのですし。結局、上陸地点を想定したり、敵の移動などを考えるならば、戦車部隊や対戦車ヘリを多く配備することは、かなりの無駄な戦力となってしまう、ということです。同じ金額をかけるなら、例えば800億円規模の予算であれば監視衛星ネットワークの運用数を増やすことを考えるとか、護衛艦を増やすとか、対空兵装を兼ね備えた高速ミサイル艇を増やすとか、歩兵用対戦車兵器の数を増やすとか、いくらでも考えることができます。にも関わらず、90式戦車とかアパッチとか自走榴弾砲とか、ほぼ意味のない装備を増やすのは、無駄としか思えないですね。この意味とは何でしょうか?考えた方々の思考に疑いを抱かざるを得ません。

イラク戦争なんかでも、米軍のエイブラムスは敵戦車軍団に対抗するのに有効なわけでもなく、戦車を持たない不正規兵のテロがIEDやロケット弾で潰しているわけで、費用対効果では圧倒的に安価に対抗できているということですよ。日本で90式を大量に配備する意味なんてない、ということです。それとも、どこかに持って行って使う予定でもあるとでも?(笑)


それと、高額な戦闘機が大量に配備されていないと、敵がこれ幸いということで爆撃しに来たりしますか?
たまたまに過ぎませんが、F-15は米国での機体亀裂発見の影響を受けて、「全機運用停止」となってしまいましたが?
F-2も炎上事故で「全機運用停止」となり、日本の主力機は軒並み「長期お休み」状態になっていますが、どこかの軍隊が大挙して爆撃隊を編成して攻撃しにやってきた様子はなさそうですが?(笑)
極秘にされてるけど、日本の国土のどこかが爆撃を受けたりしたんですか?対空戦闘能力が落ちたからということで、ここぞとばかりに攻め込んでくる航空機はあったんですか?そういう話は聞いてないですけれども、まあ、大事は今までのところなかったようですけど。

つまり、日本の誇る約200機ものF-15が休んでいても、日本の防空能力は保たれており、約100機のF-2の戦闘能力が失われていても、誰も攻め込んできたりはしない、ということですわな。防衛力を過剰に持つ必要性というのは、感じられないということです。サウジの配備数が日本より少なくて済むのであれば、幾度も戦争が起こった危険性の高い地続きの地域でも防衛できてるのであるから、海に囲まれた圧倒的に狭い国土で過去50年間一度も戦争に巻き込まれていない日本に、過剰な戦力は必要がない、ということです(笑)。

そもそも敵軍は日本の何を攻撃するのか、ということが問題なのですよ。攻撃側は防衛網を突破していくというのが中々難しいのであり、守る側よりも圧倒的に強い戦力が必要だろう。なので、今の日本が攻撃する側に回ることがないのであれば、通常戦力は効果の高いものから選択し、重要度の低い装備は大して必要ない、ってこと。


要するに防衛計画を考えてきた連中というのは、ほぼ適当にやってきただけのようにしか見えないんですよ。これぞまさしく「政治的」決着ということなのかもしれんが、90年代以降で防衛力整備についての変革はいくらでも可能であったにも関わらず、金をドブに捨ててきたようなもんだ。愚か者の見本市でも開けそうな勢いだね。防衛族はこういうのにタカってきたわけだ。ナルホド。


防衛予算というのが今の日本にとって「過度に心配性な人に合わせた保険料」みたいになったりしないようにするべきです。




大勝利!!台湾戦

2007年12月03日 22時06分53秒 | いいことないかな
初回の新井に死球だったのが取り消されて、大ラッキーの先制点。今日も相手のミスにすかさず1点をもぎ取る。
意外に両投手の投げ合いが続く。
ダルビッシュは球の感触が悪いのか、酷いワンバウンドの球が多かったりして、かなり荒れ球。それでも悪いながらも、無得点に抑える。
しかし、6回に投げた外の球は狙われていた。
上位打線は外の球を右打ちするのを研究していただろう。ライトへの大きなファールがあったが、あれは研究の成果であったろう。
痛恨の逆転2ラン。

しかし、その裏、またしても相手のミスでチャンスを掴んだ。
村田が死球、続く稲葉には打たせた。いかに当たっているとはいえ、勇気のある選択だった。
それに見事に応えてヒットで繋ぐ。

ここで意表のランナー、主将の宮本。
速さだけなら、荒木もいるのに敢えて宮本だった。もしスクイズを想定して宮本を選択したのなら星野監督も宮本も凄いな。
里崎のバントは上手くなくて、ピッチャー正面に転がった。
しかし、宮本のスタートは良く、3塁セーフ。満塁の大チャンス。

今日は打順が9番に下がっていたサブローという、まさに運命。
里崎と逆だったら、違ってたかもしれない。
3塁ランナー宮本とスクイズのサインのタイミングを計っていたのかもしれない。
しかし、サブローは落ち着いて決めた。凄い!
昨日も偉かったけど、今日もよく決めたよ。
あんなにプレッシャーがかかる場面で、事も無げに決めた。

代走宮本、サブローのスクイズ。
まさにドラマの筋書きのようだ。
これで一気にみんなの気持ちが解けていった。
初回以降攻めきれずホームが遠かったが、貴重な1点が入った。
以後、ビッグイニングの一挙6点。
全部が単打。
ホームランじゃない、つなぎの得点。
日本チームを象徴する打者一巡以上の攻撃。これが野球の怖さだ。

ホームランは確かに破壊力は大きいが、単打の攻撃はボディーブローだ。
じわじわ効いていく。ピッチャーの投げる球も難しくなる。
1~3番は足があるから、ゲッツーもあまり心配しなくていい。
西岡、川崎連続タイムリー、新井、阿部のタイムリーを呼び込めた。
素晴らしい集中力だった。
代走宮本、サブローのスクイズが魔法のように呪縛を解いた。


後は勝利を待つのみ。

藤川が伸びのあるストレートで抑えた。予定通り。

ああっ、青木長打、新井2ランだ!
阿部長打、荒木代走でまた1点だ。
台湾がちょっと可哀想になってきた。


上原の仕上げを見るだけだ。

いやー、勝ったよ。ナイスゲームだ。
野球というゲームはやっぱり難しいな。


運命を分けた8回の攻防~日韓戦

2007年12月03日 17時00分40秒 | いいことないかな
今日も大事な台湾戦だけど、多分波に乗って勝つと思うよ。

昨日の8回の攻防が大きな山場だったので、もう一度振り返りたい。

表、日本の攻撃。先頭阿部がショートの頭上を越える打球。
1塁を回った後で阿部は微妙なタイミングながらも2塁へ猛然とダッシュ。
フェンスに到達する前に打球に追いついていたので、迷ってたらアウトになってた。
あの走塁が運命を分けるお膳立てとなっただろう。

星野監督は1点をもぎとりに行く。
絶対に点を取って、試合を決める、という決断だった。
好調かつ捕手という阿部に代走荒木。
あそこで点を取れなかったら、大変なことになっていたかもしれない。
打者稲葉。
韓国はすかさず投手交代でデカイ左投手を投入。
割とストレートで押すタイプだった。
ボールが3球続いた後の1-3からの5球目。
待っていたストレートが来たので振りにいく。しかし、空振り。
外角低め一杯のギリギリのいい球だった。球速もあった。
あの空振りで自信を取り戻した韓国投手。
次も渾身の力でストレート。さっきの5球目のコースとほぼ同じ。
稲葉は辛くもバットに当てた。危なかった。
5球目の軌道が目に残ってなければ、三振だったかもしれない。
これをバットに捉えたことが大きな意味があった。
次の7球目。連続ボールになった時に投げた球。外角速球3つの後の変化球。
裏をかかれた上に、ストライクゾーンから低めのボールになる難しい球だった。
稲葉のバットは止まるわけがない。が、驚異的バットコントロールで当てた。ファール。
ストレートだろうと思ってたところに、落ちる変化球。よく当てた。
この後、更に2球ファールで粘り、10球目を引っ張ってライト前タイムリー。

「稲葉の10球」として記憶に残る一打だった。


8回裏、韓国の攻撃。
4番がセンター返しで1塁へ。5番のデブは前の打席で川上から死球をゲットした男だった。
インサイドのシュートに対し左膝を前に出して、ワザとぶつかりに行ったのだ。
この打席でも同じく岩瀬のインコースに当たりに行った。
成瀬の投球の前に連続三振、しかも3球三振も食らっていたので、打てる気がしなかったからだろう。
ノーアウトで1、2塁のピンチ。
次打者送って、1アウト2、3塁。セオリー通り。
そして、レフトにフライが上がる。やや下がってキャッチ。
難しければバックホームしない、と確認していたので、2塁ランナーの進塁を防ぐ。
韓国3点目が入った。

この時の選択が重要な意味を持っていた。
もし、日本の4点目が入ってなければ、恐らく思い切ってバックホームすることにしていたかもしれない。
そうなると、同時にスタートして2塁ランナーは3累にタッチアップしていたかもしれない。
ホームでアウトにできず3点目を取られ、更に3塁にランナーを残すことになっていたかもしれない。
4点目があったからこそ、3点目は取られてもしょうがない、アウトカウントを確実に取れ、という作戦にできたのだ。
次打者はこの日2塁打を放って2点目を叩き出した打者だった。
この打者は2-0から粘って、レフト前に打球を放つ。
2アウトだったので、2塁ランナーは勿論スタートを切っていた。
打球は森野の横っ飛びをすり抜けてレフト前へ転がった。

レフトのサブローが猛然と前にダッシュ。素早くゴロを拾ってカットマンへ送球。
2塁ランナーは「ホームに帰れる」と思っていたのに、3累で止められ慌てて戻る。
このヒットで追加点を許さなかったことが、結果的には勝利を呼んだのだった。
さっきの犠牲フライでホームへ投げ、2塁ランナーが進塁していたら、同点になっていた。

続いて代打を送ってきた。が、韓国は打者を出すまでに5分くらいは時間をかけてきた。
岩瀬はヘンに間が空いて、プラプラしてなければならなくなった。肩も冷える。
集中力も途切れるかもしれない。
妙な焦らし戦術だったが、再び岩瀬の投球。ランナー1、3塁で、ピンチに変わりはない。
2-2からキャッチャー矢野がインサイドに真っ直ぐを要求。
微妙な判定やイヤな死球があったが、岩瀬を信じたのだった。
外の変化球を予期していたであろう打者は手が出なかった。
球はドーンとミットに収まって、三振に仕留めた。

「2点目を取らせない」
いくら監督が信じていたとはいえ、難しい場面だった。
特に、レフト前の打球で、サブローがランナー生還を食い止めたことが大きかった。

結局8回表の1点がものをいい、反撃を抑えて勝ち切った。


思えば、2回のチャンスにサブローのレフト前タイムリー、森野のラッキーヒット、3回阿部のタイムリー、8回稲葉のタイムリーと、みんなバラバラでに打点を挙げている。幾度かチャンスを作って攻めの確率を上げることができた日本が、その通りに勝ったということであろう。まさにみんなの勝利だ。


ところで、宮本さんは選手(主将)として呼ばれていると思うが、昨日見てたら殆ど監督みたい、と思った。凄いね。

今日も日本チームに期待している。
きっと決めてくれるだろう。



※ちょっと追加。


この記事が中々面白い。

コレ>北京五輪野球:韓国、決定打不足に泣く Chosun Online 朝鮮日報


『戦力はわずかな差だった。しかし集中力の差で明暗が分かれた。とはいえ、ワンランク上の戦力を相手に善戦したのは称賛すべき点といえる。』

一応、日本の戦力の方が上だ、という見方をしているんですね。これ意外。素直じゃないですか。善戦が称賛すべき、というのも、好感が持てるよ(笑)。
でも、

『投手力の面で劣勢の韓国はこの日、試合前に偽装オーダーを組んで日本を翻弄(ほんろう)したが、チャンスで集中力の差が出た。』

って、何じゃ?と思ったよ。
「偽装オーダーを組んで日本を翻弄」って、翻弄されてないと思うけど。
多分日本の監督・コーチは韓国の戦力分析をやっていても、自分のチームの編成を優先して考えるから、相手によってあんまり大きく変えないと思うけど。そもそもそんな作戦をあれこれ立てられるような方々ではないよ。
特に、打撃陣は田淵、浩二のコンビだよ?
とりあえず調子のいいものを優先、国際試合経験とか、そういった部分も大きいと思うよ、やっぱ。

なので、韓国選手がどんな人だから、ということで細かくオーダーを入れ替えたりしないと思う。それと、バッターの分析なんかも、さほどインプットされてないと思うし、ごく一部の人(ばかデカイ人とか)の見分けがついても、後は誰が誰だか全然思い出せないもん。多分阿部はピッチャーのいい球を優先して投げさせたと思うけど。あとは野性の感では?

なので、偽装オーダーと実際の試合のオーダーでは、どのくらい注意点が変わったのかはよく判っていなかったのではなかろうか?、と。それより、自分たちの力を発揮する、ということだったんではないかな、と。相手に合わせてもしょうがないもんね。

最後に、
『特に、主軸の金東柱と李大浩がチャンスでことごとく凡退したのが痛かった。』という部分だけど、これは日本が学んだことなのだ。
パンチ力はあった方がいいけど、三振が少なくコンパクトなバッティングができ、守備が良く走れるタイプの選手であれば、こうした「主軸が不振だった」みたいなことにはならない、ということを学んだのだ。長打で打ち勝つのは、相当実力がなければ難しい。パワーでは外人に負けることも多いのだから。日本人には日本人に向いた戦い方がある、ということ。それをキューバやアメリカとやって、勝ってきた経験があるからこそ、今の形ができてきたんだろうと思う。

実際ホームランなんかそんなに打てなくても、ロッテやハムや中日はアジアシリーズで優勝してきている。そういう野球の形もある、ということ。
06年のアジア大会では日本のアマチュアチームが打力主体で戦って準優勝したけど、打撃戦を挑むことは苦手というわけでもない。韓国には10-7でサヨナラHR勝ちだったみたいだし。でも、台湾には逆にサヨナラ負けだったけど。要するに確率の問題なのだな。

勝つ確率が高い方、つまりは負けにくい戦い方を選択するというのは、賢明ということだ。特に一発勝負においては。一戦必勝が求められるのだから。そういうことなんではないかな、と。



装備調達は直接調達でなければならないか

2007年12月03日 13時59分44秒 | 防衛問題
今回の事件を受けて、調達方法の見直しが進められることとなった。

NIKKEI NET(日経ネット):政治ニュース-政策、国会など政治関連から行政ニュースまで

防衛省は防衛装備品を海外メーカーから輸入調達する部門を増強し、商社に依存しなくとも適正価格の見極めや輸入手続きなどができる体制づくりを進める方針だ。海外に駐在し、見積価格などを精査する「輸入調達専門官」の増員などを検討する。商社が介在する現在の仕組みのままでは、調達の明朗化は困難と判断した。

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問題となるのは、商社に依存することが悪いのではなく決定過程の問題なのであって、これは基本的には手続論なのではないか。調達専門官とかを増員したりせねばならないので、結局コストが増加してしまい、外部委託(=納入商社に任せる)よりも長期的にコストが増加することになってしまえば意味がないということである。

大まかに、主要装備品とその他で分けて考えた方がよいだろう。主要装備品は必ずしも「価格」が第一条件となってくるとは限らないからである。品質、すなわち要求される性能といった部分の比重が大きいと思うので、何が何でも低価格品じゃないとダメだ、みたいな話にはならないからである。これを踏まえて、考察してみたい。


1)総論

いつもの例で申し訳ないが、自分がビールを購入する時の例で考えてみることにする。
まず、自分が普段よく利用する量販店があるとして、そこでビールを売っているものとする。一番安いビールを求めて街中を彷徨い歩いたりするのは面倒だし、他の買い物ついでにビールを購入することが多いだろう。この時の価格が「街中で一番安いのか」と問われれば、それは判らないことも多い。一番低価格ではないこともあるだろうが、概ね「購入してもよい」価格となっているだろう。少なくとも、近所にあるコンビニとか、自販機に比べれば「安い」ということを知っている、という程度ではあるだろう。

ここで、自分は量販店がメーカーからいくらで仕入れているか、ということなど知ることはない。その必要性もあまりないと言えるだろう。少なくとも、量販店、コンビニ、自販機、酒屋、みたいな大体の価格帯の情報を知っていればよい、ということになる。メーカーの納入価を全て調べる必要などないのである。

メーカー → 中間業者 → 消費者 
という流れになっており、それぞれの段階で価格があるが、それらは違いがあるのである。中間業者のマージン率も判らないことが殆どであろう。ここからは、最初の段階の価格を「メーカー納入価」、最終段階の価格を「購入価」と呼ぶことにしよう。

今回の事件で問題となったのは、中間業者からの購入価が「吹っかけられた」ということであり、吹っかけられた価格で利益を得た中間業者が不正の原資として使っていた、ということになる。防衛省側が「正しく選べる」という体制になっているのであれば、中間業者を使っても使わなくてもどちらでもよく、中間業者を使った場合のコスト増加分と使わなかった場合の防衛省側のコスト増加分との比較の問題ということになる。なので、商社が介在していること自体が不正を生むということにはならない。得になる方を選べばよいだけである。ビールで言えば、メーカーが行っている直接通販を利用した方が安いのであれば(実際にはそんな制度はないと思うけど)、自分が発注とか価格調べの手間暇はかかるけど、そちらを利用すればよい、ということだ。


住宅購入のような場合でも、建設関連業者が全ての納入を直接行うわけではないことが多いだろう。建主は細かい見積書をもらっても、基礎工事代、電気工事代、水道工事代、みたいに複数業者との直接取引を行うことは少ないだろう。建設関連業者の数はかなり多くなってしまい、それぞれ個別に価格の比較などを行ったりするとコストが嵩むし、内容全部を専門的に判断できるとも言えないのである。なので、中間業者的に、設計士とかパッケージ的な業者などを通じて「1棟丸ごと」の価格や長期的ランニングコスト比較などを行って、購入を決定するだろう。個々のクロス代金が相場よりも高かったとか、サッシが割高だったとか、網戸とスイッチ基盤は吹っかけられたとか、そういうのを全部調べていたら、自分が全ての専門業者と同じ知識でないと無理なのだから。

なので、購入する側が「1棟丸ごと」の価格一覧表みたいに比較検討できる体制となっていればよく、商社利用はあってもなくてもどちらでもよいだろう。コストの少ない方を選べばよいだけである。全てのメーカー納入価を正確に調べることよりも、購入価を比較検討できるようになっていればよい、ということである。


2)主要装備調達に関して

先日触れたように、技術研究本部(技本)があるわけだから、専門的見地からの検討はなされるのであって、防衛装備においてはこうした専門性が優先されることは多いであろう。そこから本省の装備審査会議があるのであるから、基本原則としては、技本評価会議→装備審査会議、という決定過程を経ているはずであろう。

この手続を生かす意味では、正確な議事録を残すとともに、全ての資料を揃えて保管するべきである。後日検証できる体制としておく、ということである。また、予算の配分前に、こうした基本手続を踏むのが当然である。導入決定前に費用対効果の比較検討を綿密に行っておくべきである、ということだ。それがいい加減であるとアパッチ導入みたいに、無意味な出費が嵩むことになってしまうのだ。

また、主要装備については、要求性能が重視されることになるであろうから、必ずしも低価格品でなければならない、ということに拘る必要はない。効率よく調達できればいいだけであり、調達に関して不正な介入がないのであれば問題とはならない。

例えば自分でパソコンを組み立てて作る場合を考えてみよう(組み立てたことがないので全然判らず、超適当に)。
調達すべき部品は色々とあるし、性能に対する要求も多くあるであろう。
CPUは○○が王道だ、いや代替品の××製でもいける、ハイエンドマシンと同レベルでないと、普通に使うなら100ドルパソコンと同程度でもいい、ゲーム機だって性能いいよ、メモリは○○社製がいい、512MBじゃ話にならん1GBは必要だ、HDDは50GBもあれば十分使えるよ、いやHDDは250GBはあるべきだ、モニタは19インチじゃなきゃヤダ、CPUやメモリに高額品を使うならモニタは安くてもいいよ、最低2面は使わせろ、キーボードはやっぱり○○だよ、……等々、いろんなことがあるだろう。
でも重要なことは、(自分が)「使う場面を想定」して要求を出したり、自分の持ってるお金、つまり払える予算の大きさによって変わるし、優先事項も影響を受けるのである。必要となる性能は全員同じでなくても不思議ではないし、みんなに共通しているとは限らない、ということでもある。下手に自分で組み立てるよりも、始めからパッケージになってる出来合い品を求める方が楽になることだってあるだろう。

そういったことを導入前によく検討した上で、予算としていくべきであり、秘密事項なので言えないといった答えは明らかにおかしい話である。昔みたいに、「オレがF-22を何機持ってるか秘密だ」なんてことはないのである。普通に主要装備の情報公開は進んでおり、「ああ、アイツらあんなに買って増やしてんだな」みたいにお互い判っているのである。なので、迂闊には手出しできんな、みたいなことになるのである。どんだけ~、は関係ないけど、持ってる武器や量的なことが判らないのはテロの方々であって、主要国の装備というのは公開されている情報が昔に比べると多くなっているであろう。ましてや値段の話なんかは、隠してもしょうがないのである。

商社云々の問題以前に、調達過程が検証できるような体制をとっておけばよく、それは防衛省の内部的な話でもそうであるし、防衛委員会とか安全保障会議のような場において、防衛省外の人間の検証に耐えうるものになっていなければならないであろう。


3)主要装備以外について

どんなものがあるのか判らないが、食べ物とか下着の類まで色々とあるだろう。そういうものまで含めて調達業務の全てを防衛省内部でやらねばならないとすれば、膨大な作業となるので人員を大幅に増やさねばならないことになってしまう。これもあんまり効率的とも言えないであろう。ある程度一括して中間業者が請け負った方が安く済むことはあるだろう。

業者選定に関して不正があったりするのは防ぐのは難しい、ということがある。内部監査制度を整えて対応することも必要だろうと思うが、調達結果について情報公開するのが効果があると思うがいかがであろうか。

仮に、靴下を納入するとしよう。防衛省の内部で靴下のカタログを全部調べたりするのは大変だ。なので、面倒だからある程度の価格帯で靴下1万足でいくら、みたいに中間業者から購入するしかないだろう。安く納入できる中間業者から買えばよい、って話だ。中間業者は自分たちの努力で利益を出すのは構わないのではと思うが。業者Aが1足300円の購入価を提示したとしよう。この業者では1足100円のメーカー納入価で、差額200円分は業者Aの利益となる。他の全ての業者が300円以上の提示価格であるなら、自衛隊は300円で購入するのが得になるのであり、業者Aの利益率がどれ位とかは関係ない。問題となるのは、市販品を自衛隊が直接購入してくると200円でも普通に買えてしまう、みたいなことである。

主要装備ではないので、要求性能みたいなものは重視する必要がないことが多いであろう。使っていて、すぐにダメになるとか隊員たちから不評であるとか、そういうのはある程度は改善されるべきだが、同等品が普通に200円で買えるのに、「自衛隊特別価格」として中間業者が1000円で納入する、みたいなことがあると「官製価格ですね」とか「特定業者への利益移転と同じですね」みたいな話になるのである。一般人が普通に買えば500円するものを、自衛隊で大量購入するので300円で買いました、というようなことなら中間業者がいても誰も文句は出ないと思う。これを全部自前で調達、みたいなことになると、煩雑な作業が増えるだけで得にもならない。自衛隊内部で「300円で買える靴下」を自力で探し出してこなけりゃならない、ってことになってしまう。そうじゃなくて、全国で下着2万着購入するので、その分割安で納入できます、って業者がいるのであれば、そういうのを利用した方がいい、ということ。

こういうのを網羅的に監査するのも限界があると思うので、購入した情報を公開するのが一番なのですよ。普通の人たちには興味はないことが多いと思うけれども、中にはどうしても調べたい、という奇特な方々もおられるので、誰かが異常に気付いたりするものなのですよ。購入した商社とか業者を公開されても困る、とかあるのであれば、業者番号だけ載せておけば済むのでは。番号の同一性があればそれでよくて、番号ごとに納入額の実績を入れておけばいい。ヘンに癒着があると、同一の番号に限って妙に単価が高いとか、納入額が不自然とか、そういうことが出てくると思うので。

公開されると思えば業者も自衛隊も慎重にならざるを得ず、目立たない程度にしかできなくなるであろう。政治資金の公開情報で事務所費の不正計上がボロボロと出てきたのと似たようなものかな、と。



以上のことから、必ずしも全てを直接調達にするのがいいとも限らず、人員を増強しなければカバーできなくなって業務の効率が悪くなるのも問題である。手続的なことで回避できる部分や情報公開によって予防的効果を期待できるのであれば、そういった他の方法もよく検討してみるべきであろう。