本物の小判が埋まってるわけない、でもそんなの関係ねえー
というのはどうでもいいですが、色々と盛り上がっているようです。
永田町で「埋蔵金探し」過熱 複雑怪奇、28特別会計積立金(産経新聞) - Yahooニュース
実は「埋蔵金」という表現を先に使ったのは与謝野氏だった。自らが会長を務める自民党財政改革研究会(財革研)は先月21日にまとめた中間報告で、増税なき財政再建路線を「埋蔵金伝説の類にすぎない」と切り捨てたのだ。
中川氏はこれにカチンときたらしく、翌22日に自らが代表世話人を務める町村派で財政健全化の基本姿勢を発表。まず、「特別会計の余剰積立金の活用」を盛り込んでジャブを放つ。その上で、12月1日の愛媛県新居浜市の講演で、「40兆~50兆円の埋蔵金がある」とぶち挙げたのだ。
中川氏の攻勢はこれで終わらず、5日には「埋蔵金は実在する」と題したメモを記者団に配布。同日夕には首相官邸を訪問し、福田康夫首相との直談判となった。
中川氏は「埋蔵金の話をしたら首相も『わかっている』と言っていた。10兆円ほど出せば一般会計の重みが楽になる」と周囲に漏らし、自説が来年度予算に反映されることに自信を見せる。
■埋蔵金をめぐる発言
中川秀直元自民党幹事長
「特別会計の過剰な積立金は国民に還元すべきだ。40兆~50兆円は『埋蔵金』があるのではないか」(1日、愛媛県新居浜市での講演)
「最近の政治家は複雑な予算書から埋蔵金を探す能力が求められている。財務省は財融資金特会から国債整理基金に多分10兆円ぐらい出すのでないか」(6日、佐藤ゆかり衆院議員のパーティー)
福田康夫首相
「埋蔵金というのを探しに行きましょうか、一緒に。まあ、あるかないかを議論する前に無駄を削ることに全力を挙げる方がいいんじゃないか」(4日、記者団に)
町村信孝官房長官
「恒常的に費用が増える財源に1回きりの積立金の取り崩しはありえない。恒常的な支出には、恒常的な歳入を考えないといけない」(4日、記者会見)
伊吹文明自民党幹事長
「取り崩しは1度だけ。次の年はない。埋蔵金を発見したら、ある年には突然成金の気分になるかもしれないが、次の年の埋蔵金は1つもない。恒常的財源は税収以外にない」(7日、記者会見)
=====
まあ飛び火が広がって、かなり燃え盛っているようですな。民主党は胸を撫で下ろす、と(笑)。
上の記事中にもありますが、発端というのはこんな話ではなかった。11月21日の話からこうなってしまった。
NIKKEI NET(日経ネット):政治ニュース-政策、国会など政治関連から行政ニュースまで
自民党の財政改革研究会は21日の「中間とりまとめ案」で、民主党の歳出削減案を「霞が関埋蔵金伝説」と皮肉った。民主は政権公約で補助金の一括交付金化や特殊法人の廃止などで約15兆円の財源を捻出(ねんしゅつ)するとしているが、財革研はこれを「具体的な根拠のない提言」と一蹴(いっしゅう)。「埋蔵金」にたとえて実現性の低さを強調した。
=====
ここにもあるように、財政改革研究会が「民主党の選挙公約」について、埋蔵金伝説の類ということを非難したものであった。単年度収支の話であるから、フローの話なんですよね、元々は。単年度の歳出から15兆円を削ってくる、というのは、困難でしょう、そんな金はどこにあるんですか、ということが自民党の言い分だったわけです。別に、霞ヶ関が埋蔵金を隠し持っている、いない、とか、上げ潮派の手法を「埋蔵金伝説と同じだ」みたいに言ったことではなかったんですよね。この後、「死人にクチナシ男」(笑)の伊吹幹事長が講演会か何かで「民主党の公約なんてのは、埋蔵金伝説みたいなもんだ」とか言ってたんですよ。
で、これとは関係なく、この数日後に日テレ系番組に竹中平蔵さんが出演した時に、「霞ヶ関にも埋蔵金はある」とか表現したと思うんですね。このことから、当初の民主党批判の為に持ち出された「埋蔵金」という言葉が、霞ヶ関が隠し持っている「埋蔵金」に変化していったということです。まあ埋蔵金というくらいですから、フローの話ではなくてストックの話でしょう。
<ちょっと寄り道:
昔あった、コーラの空き瓶なんかに小銭を溜め込む、みたいなものと同じかと。「ブタの貯金箱」をトンカチでガシャン、というのでもいいんですけど。子どもの頃、取り出し口のないブタの貯金箱というの実際に見かけたことはなかったんですけれども、どういうわけだか漫画やアニメなどでは、典型的描写であったんですよね。このブタの貯金箱を割るというのが。なけなしのお金、というのがよく判るのですが、ブタの貯金箱という理由は謎でした。でも、その後にブタの貯金箱が本当の商品として登場したのを見るようになりましたね。>
こうして竹中さんが「霞ヶ関埋蔵金」伝説を、実際にあるんですよ、と強調するに至ったので、問題は広がったんです。タネ本は当然高橋洋一氏の例の著書です。竹中さんが総務大臣時代には、財務省に「積んでる金を出せ」と言ったら、本当に10兆円だったか12兆円だったかを国債償還費用に出してきたんですね(笑)。それ以前から埋蔵金がある、というのはみんな知ってたわけですよ。
参考記事:エコノミー・オブ・スコープ
政府資産圧縮の問題で、個別に調べていたからね。土地建物の不動産関係も、会計別の金融資産も、結構資料を出させられたはずですからね。本間先生なんかも色々とやっていたんじゃなかったでしょうか。もう随分前からの話ですわね。
でも今は、財政再建派と上げ潮派との仁義なき抗争みたいな方向になってみたり、町村さんみたいにフローじゃないんだから、とかの見当違いの方向に行ってみたり(貯金箱の中身の話なんだから当たり前すぎだわな)、与謝野さんの金持ちボンボンの家財道具売り払い生活にまで話が拡大して、民主党の影も形もないんですよね。これも一つのネタ投下、といいますか、燃料投下で釣りを狙っているのかもしれませんがね(笑)。
今の独法改革が頓挫しているのだから、いつまで経ってもフローでは「離れですき焼き」喰ってるヤツラが蔓延ることに変わりはない、ということだわな。これも満足に成果を挙げられないのに、財政再建なんて夢のまた夢、ってこと。クチナシ男が言うように「一回きり」ということであって、まさしく天下り軍団にすき焼きを食わせ続ける為だけに家財道具を売ることになってしまっているのです。それを止めさせない限りは、いずれ売るものもなくなるし、掘り返した埋蔵金も有限ですので底を尽くでしょうね。
埋蔵金を活用するのは当然であるとしても、フローで無駄に食い尽くしているイナゴみたいな連中を排除しない限り、状況が改善することはないでしょう。ところでイナゴと書いたのは結構昔だったね。「ネットイナゴ」よりも早かったよ(笑)。
参考記事:
開発王国の不正疑惑
公益法人の構図2
というのはどうでもいいですが、色々と盛り上がっているようです。
永田町で「埋蔵金探し」過熱 複雑怪奇、28特別会計積立金(産経新聞) - Yahooニュース
実は「埋蔵金」という表現を先に使ったのは与謝野氏だった。自らが会長を務める自民党財政改革研究会(財革研)は先月21日にまとめた中間報告で、増税なき財政再建路線を「埋蔵金伝説の類にすぎない」と切り捨てたのだ。
中川氏はこれにカチンときたらしく、翌22日に自らが代表世話人を務める町村派で財政健全化の基本姿勢を発表。まず、「特別会計の余剰積立金の活用」を盛り込んでジャブを放つ。その上で、12月1日の愛媛県新居浜市の講演で、「40兆~50兆円の埋蔵金がある」とぶち挙げたのだ。
中川氏の攻勢はこれで終わらず、5日には「埋蔵金は実在する」と題したメモを記者団に配布。同日夕には首相官邸を訪問し、福田康夫首相との直談判となった。
中川氏は「埋蔵金の話をしたら首相も『わかっている』と言っていた。10兆円ほど出せば一般会計の重みが楽になる」と周囲に漏らし、自説が来年度予算に反映されることに自信を見せる。
■埋蔵金をめぐる発言
中川秀直元自民党幹事長
「特別会計の過剰な積立金は国民に還元すべきだ。40兆~50兆円は『埋蔵金』があるのではないか」(1日、愛媛県新居浜市での講演)
「最近の政治家は複雑な予算書から埋蔵金を探す能力が求められている。財務省は財融資金特会から国債整理基金に多分10兆円ぐらい出すのでないか」(6日、佐藤ゆかり衆院議員のパーティー)
福田康夫首相
「埋蔵金というのを探しに行きましょうか、一緒に。まあ、あるかないかを議論する前に無駄を削ることに全力を挙げる方がいいんじゃないか」(4日、記者団に)
町村信孝官房長官
「恒常的に費用が増える財源に1回きりの積立金の取り崩しはありえない。恒常的な支出には、恒常的な歳入を考えないといけない」(4日、記者会見)
伊吹文明自民党幹事長
「取り崩しは1度だけ。次の年はない。埋蔵金を発見したら、ある年には突然成金の気分になるかもしれないが、次の年の埋蔵金は1つもない。恒常的財源は税収以外にない」(7日、記者会見)
=====
まあ飛び火が広がって、かなり燃え盛っているようですな。民主党は胸を撫で下ろす、と(笑)。
上の記事中にもありますが、発端というのはこんな話ではなかった。11月21日の話からこうなってしまった。
NIKKEI NET(日経ネット):政治ニュース-政策、国会など政治関連から行政ニュースまで
自民党の財政改革研究会は21日の「中間とりまとめ案」で、民主党の歳出削減案を「霞が関埋蔵金伝説」と皮肉った。民主は政権公約で補助金の一括交付金化や特殊法人の廃止などで約15兆円の財源を捻出(ねんしゅつ)するとしているが、財革研はこれを「具体的な根拠のない提言」と一蹴(いっしゅう)。「埋蔵金」にたとえて実現性の低さを強調した。
=====
ここにもあるように、財政改革研究会が「民主党の選挙公約」について、埋蔵金伝説の類ということを非難したものであった。単年度収支の話であるから、フローの話なんですよね、元々は。単年度の歳出から15兆円を削ってくる、というのは、困難でしょう、そんな金はどこにあるんですか、ということが自民党の言い分だったわけです。別に、霞ヶ関が埋蔵金を隠し持っている、いない、とか、上げ潮派の手法を「埋蔵金伝説と同じだ」みたいに言ったことではなかったんですよね。この後、「死人にクチナシ男」(笑)の伊吹幹事長が講演会か何かで「民主党の公約なんてのは、埋蔵金伝説みたいなもんだ」とか言ってたんですよ。
で、これとは関係なく、この数日後に日テレ系番組に竹中平蔵さんが出演した時に、「霞ヶ関にも埋蔵金はある」とか表現したと思うんですね。このことから、当初の民主党批判の為に持ち出された「埋蔵金」という言葉が、霞ヶ関が隠し持っている「埋蔵金」に変化していったということです。まあ埋蔵金というくらいですから、フローの話ではなくてストックの話でしょう。
<ちょっと寄り道:
昔あった、コーラの空き瓶なんかに小銭を溜め込む、みたいなものと同じかと。「ブタの貯金箱」をトンカチでガシャン、というのでもいいんですけど。子どもの頃、取り出し口のないブタの貯金箱というの実際に見かけたことはなかったんですけれども、どういうわけだか漫画やアニメなどでは、典型的描写であったんですよね。このブタの貯金箱を割るというのが。なけなしのお金、というのがよく判るのですが、ブタの貯金箱という理由は謎でした。でも、その後にブタの貯金箱が本当の商品として登場したのを見るようになりましたね。>
こうして竹中さんが「霞ヶ関埋蔵金」伝説を、実際にあるんですよ、と強調するに至ったので、問題は広がったんです。タネ本は当然高橋洋一氏の例の著書です。竹中さんが総務大臣時代には、財務省に「積んでる金を出せ」と言ったら、本当に10兆円だったか12兆円だったかを国債償還費用に出してきたんですね(笑)。それ以前から埋蔵金がある、というのはみんな知ってたわけですよ。
参考記事:エコノミー・オブ・スコープ
政府資産圧縮の問題で、個別に調べていたからね。土地建物の不動産関係も、会計別の金融資産も、結構資料を出させられたはずですからね。本間先生なんかも色々とやっていたんじゃなかったでしょうか。もう随分前からの話ですわね。
でも今は、財政再建派と上げ潮派との仁義なき抗争みたいな方向になってみたり、町村さんみたいにフローじゃないんだから、とかの見当違いの方向に行ってみたり(貯金箱の中身の話なんだから当たり前すぎだわな)、与謝野さんの金持ちボンボンの家財道具売り払い生活にまで話が拡大して、民主党の影も形もないんですよね。これも一つのネタ投下、といいますか、燃料投下で釣りを狙っているのかもしれませんがね(笑)。
今の独法改革が頓挫しているのだから、いつまで経ってもフローでは「離れですき焼き」喰ってるヤツラが蔓延ることに変わりはない、ということだわな。これも満足に成果を挙げられないのに、財政再建なんて夢のまた夢、ってこと。クチナシ男が言うように「一回きり」ということであって、まさしく天下り軍団にすき焼きを食わせ続ける為だけに家財道具を売ることになってしまっているのです。それを止めさせない限りは、いずれ売るものもなくなるし、掘り返した埋蔵金も有限ですので底を尽くでしょうね。
埋蔵金を活用するのは当然であるとしても、フローで無駄に食い尽くしているイナゴみたいな連中を排除しない限り、状況が改善することはないでしょう。ところでイナゴと書いたのは結構昔だったね。「ネットイナゴ」よりも早かったよ(笑)。
参考記事:
開発王国の不正疑惑
公益法人の構図2