いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

ロイターの思い出

2008年04月23日 11時12分52秒 | 俺のそれ
そういえば、ロイターの名前が変わっていた。
トムソン・ロイターになった。


昔、海外ニュースの多くは通信社の記事が多かったように思う。小学生の頃、家で取っていた新聞は地方紙だったのだが、記事の末尾に(UPI)とか(AP)とか入っていたように思う。

新聞を読み始めた頃の毎日目を通す欄というのは、4コマ漫画、テレビ欄(笑、これは普通だろうと思うけど)、スポーツ欄、将棋欄、とかだった。少しして、地方・社会欄のゴシップ記事(殺人事件とか強盗事件だとか)を見るようになった。

あとは「ウソ放送」みたいな、小さい欄かな(最近はあまり見てない)。あれも毎日みていると、ペンネームみたいなのが決まっているから、名前を見れば「ああ、この人、また採用されてる」とか判るんだよね。どうでもいいんだけど。いいのが思いつかないけど、こんな感じの欄。

<例>
お題:後期高齢者医療制度
『もうすぐ入山予定』―福田内閣

みたいな。
シャレってことで、アレだ、いわゆる「うまいこと言う」ってヤツですよ。


これはどうでもいいんですけど、要するに、1面とかそういう前の方の記事は読んでなかったんですね。必ず、後ろからめくっていくんですよ。
で、少し大きくなってくると、前の方を読むようになるわけです。3年生か4年生くらいでしょうかね。そっちに書いてあることは、あんまり興味も持てないし、読める欄は少なかったんですよね。

でも、海外面とかにロイターの記事が片隅に載っていたんですよ。あの、面白い話、見たいな記事が。毎日こぼれ話みたいなのが、小さい囲みの中に紹介されるんですね。トマトぶつけ?のお祭りの話だの、おばけカボチャの話だの、宝くじに当たった話だの、どうでもいいような記事なんですよね。でも、子どもが読むには丁度いいわけです。で、通信社の記事同様に(ロイター)って出ていたんですよ。これを読むことがなければ、海外面とかには興味を持たなかったかもしれない。


そういうわけで、小学生の時からロイターという名前は知っていた。それがどんな通信社なのか、というようなことは全く知らなかったんですけど。


UPIが潰れるくらいですので、通信社の生存競争は過酷になるでしょうから、今後も合従連衡は時代の趨勢なのかもしれませんね。伝書鳩でニュースを伝えたというような、牧歌的な時代は遠くに過ぎ去った、ということなのでしょう。

日本の新聞社や通信社も、こうした競争に晒された方がいいのではないかと思えますがどうなんでしょうか(笑)。



だから言ったろ

2008年04月22日 21時04分55秒 | 経済関連
外資を排除するだの、内向きだの、日本に散々文句を言っていたではないか。
欧米かぶれの連中も、誰かさんのお先棒担ぎばかりやっているのだ。

そういう人たちは、今こそ、「明らかな外資規制強化じゃないか、何すんだ合衆国!規制すんな、US!」とか言うんだろうな?

米国に向かって、規制強化反対を迫ってこいよ。当然だよな?
それが資本主義原理なんだろ?

いいか、日本がバカでボケッとしてるから、こんな目に遭わされたのがわからんのか?彼らがルールを変えろ、開放せよ、と言っても、自分たちが同じ事をやると約束しているわけじゃないんだって。何でもかんでも譲歩すればいいってもんじゃないだろ。

見てみろよ。
米国だって規制してるんじゃないか。
ま、そういうことも考えずに、日本が悪い、日本の構造が悪い、ルールが悪い、全ていいなりの「欧米かぶれバカ」みたいな連中がいるのさ。


まさかウチのブログごときが陰謀を書いたから、ということではないだろうが、彼らは手段を封じる策を講じてきたってことだ(笑)。


追記:23日10時半頃

リンク先の記事が抜けてました。ごめんなさい。
これでは、何が「だから言ったろ」なのか、全く判りませんもんね(笑)。

米財務省、外国資本による米企業投資に関する新基準案を発表 Reuters

記事中の記述によれば、
『同法案は、外国資本が米企業の経営権を取得するような取引の見直しを求めているが、財務省の新基準では、出資比率や取締役の人数ではなく、たとえ行使しなくとも「事業に対し影響を与える重要事項に対し一定の力を行使できる能力」が審査の対象になる。』

ということで、明瞭な数値基準とかではなく、「一定の力を行使できる能力」という曖昧なルールとなっているんですよ。つまり恣意的な運用を可能にしておく、ということです。

別に日本だけが外資にルールを課しているわけじゃない。




五輪サッカーは

2008年04月22日 19時48分56秒 | いいことないかな
3連敗だけは避けてくれ、ということが目標でしょう。
1勝してくれ、とか、無理なお願いはしませんて。
だって、どう見ても強豪だもん。
中国の入ったグループが一番チャンスがあったと思うが、どうだろうか。

サッカー五輪代表、相手国をビデオでチェック(産経新聞) - Yahooニュース

米国、オランダ、ナイジェリア、と、いずれも上がれる可能性があるだろう。日本は、…ちょ、ちょっと難しいんじゃないか、というか、かなり奇跡が起こらないと無理っぽい。
引き分け狙いというか、引き分けだけ重ねて、タナボタでもなけりゃ、まず難しそう。

例えば、オランダ2勝1分け、日本3分け、ナイジェリアと米国が2分け1敗、とか。日本の場合、3連敗も有り得る。なので、どこか1つでもいいので、負けないでくれればいいな、と思う。


因みに中国の入ったC組は、ブラジル以外はベルギーとNZなので、結構狙い目だろうと思う。ブラジル当確で、残り2つの戦い方次第ですから。日本が中国のところに入っていたら、ひょっとすると…とか考えてしまいますね。


オリンピックに出られるのは立派なんですから、頑張って下さい>五輪日本代表




すかさず反論ですか?(笑)

2008年04月22日 17時03分09秒 | 社会保障問題
なに、なに、ウチのブログに書いた途端に、反論ですか?(笑)

後期高齢者医療制度に文句を言ってる人たちは、調べて理解してから言え

後期高齢者医療制度への攻撃の手が緩んだのは何故?

いや、単なる偶然に過ぎないんだけどさ。
掌返しですか?それとも、大企業さまのご意向を汲んでみたんですか?

asahicom:企業健保、高齢者医療費4300億円負担増 新制度響く - 暮らし

健保連 高齢者医療支援5000億増 ニュース 医療と介護 YOMIURI ONLINE(読売新聞)


なんで、一斉に「健保組合だって苦しいんだ」の論調に変わるんだろうね?(爆)
な、だから言ったでしょ。
後期高齢者医療制度の反対をする時には、中身を知りもしないで散々文句を言う。そうかと思えば、急に健保組合の擁護を始める。どっちなんだよ?今回の高齢者医療制度には賛成なのか、反対なのか、どっちなんだ?いいのか、悪いのか、どっちなんだよ?
まず、それをはっきりさせてもらおうか、って言ってるんですよ。どうしてこんなにコロコロの変われるんだろうね。、結局、どんな制度であろうとも、必ず文句をいい、難癖つけてるだけなんじゃないの?それと何が違うのよ。

マスメディアの方々というのは、何かを自ら考えるとか、学ぶとかできないもんなの?
どうして、「大本営発表」みたいなのを、ただスラスラと流すだけなんでしょうか?確かに時事的というのか、タイムリーな新鮮ネタを提供しなけりゃいけない、という役割もあるでしょう。けどね、全部の人たちがそれに右へ倣えで、一斉にやる必要性ってないんじゃありませんかね?主要メディアの一部が既に流しているのであれば、もっと違う角度とか掘り下げるとか、重要な問題点はどこにあるのか、とか、そういうのに目を向けるべきなのではありませんか?

あるテーマについて問題意識を持っているのであれば、年金問題でも、医療問題でもいいのですけど、落ち着いて考えた後から報道することができるでしょう?深く考えてみる、とかできるでしょう。詳しく調べて、国民に判りやすく示すことだって、利点欠点を洗い出すことだってできるでしょう?なのに、安易に単純なネタに飛びつくだけ。
これでは、ネットの「炎上」現場に大量に集まってきてる○○さんたちと、全く同じなんですって。マスメディアが「炎上」を演出しているのと何が違うっていうのですか?まるで同じなんですよ、マスメディアのやっていることというのは。


後期高齢者医療制度になったから、75歳以上の老人に医療費が大量にかかるので健保組合の拠出金が増加し、赤字が続出している、と言いたいわけですか?マスメディアの方々は。
何を言ってるんですかね、あなた方は。

参考までにヒントを差し上げましょう。
99年度に健保組合が老人保健に拠出した額は1兆8800億円だ。就職氷河期の02年度でも1兆8370億円だった。まあ年齢基準が70歳以上から、75歳以上に引き上げられた制度改正の影響は若干あるかもしれんが。
これと比べて、拠出金は昨年度1.2兆円、今度の新制度でも1.3兆円に過ぎないではないか。健保組合は6000億円もの「老人保健拠出金」削減を行ったんですよ。違いますか?別に新制度になったから大幅負担増となったわけじゃない。新制度のせいで拠出が増加したわけではないんですよ。
マスメディアの方々は、こういう事実を拾い集めて考えることができんのです。リテラシーがどうの、読み取り能力がどうの、と教育批判を行う当のマスコミが、自分たちは全然できないのではありませんかね、って話です。

じゃあ、何が変わったか?記者諸君には判らんでしょう、多分。
普通、会社勤めを終えた人々はどうなるでしょう?
定年退職して、別な仕事に就く人も少しはいるかもしれないが、大半は健保組合から外れ国保に加入するんですよ。健保(被用者保険)→市町村国保となる、ってことです。で、過去の動向からすると、昔は自営業者や農家が多くてサラリーマンは社会の大部分ではなかったが、段々会社員が多くなったんですよ。なので、毎年毎年退職者は増加するだろうと思われるのです。過去にリストラで切ったといっても、それでも団塊世代の退職が続く限り、退職者は増加していくわけだ。
そうすると、その退職者医療費というものが多くなることは当然なんですな。今まで自分たちの健保組合にいた人たちが「大量に退職し医療費の給付も大量にかかる」、ということなんですよ。そういう、「昔:健保組合」「今:市町村国保」となった人たちが増加するから、組合では面倒をみきれません、だから市町村でやれ、ということだわな。4月からは都道府県単位で、ってこと。

健保組合に加入していた前期高齢者(65~75歳未満)の人たちに金がかかるから、老人医療費は切り離せ、ってことです。健保組合の負担増とか上の記事で報じられているが、旧でいうところの老人保健拠出金(後期高齢者医療制度への拠出)が大幅に増加したんじゃない、自前の退職者が増加しただけだ。

健保組合に加入するのは、現役の時だけで(自分の子どもも組合員なら扶養家族に入れてもらえるかもしれないが)、そういう現役世代の頃には医療費が高齢者ほどかかるはずもなく、そりゃ給付は少ないに決まってるんですよ。医療費が大量にかかるようになる年代になってきて「後期高齢者」になれば、後は知らん、そっちで面倒みてもらえ、ってことだわな。

<寄り道:
社会保険庁が解体された後で社保庁職員の行き場がないと困るしね。できるだけバラバラと組織が細分化されていて、事務が複雑な方がいい、って腹もあるかもしれんがね。これはただの勘繰りなので、全然違うかもしれない。笑>

年金だと、若い世代の払った保険料が高齢世代に回されるんだが、医療保険では必ずしもそういうバランスにはなっていないわけだ。健保組合の現役世代の払った保険料のうち、老人保健に回されてたのは一部だけなんですから。高齢者になった途端に、組合から弾き出されて国保に混ぜられるんだから(笑)。

それから、健保組合の保険料率だけど、安いんですよ、ちょっとだけ。
確か政府管掌は8.2%で、うち特定保険料率は3.3%だったはず。健保組合の保険料率は組合ごとで違いはあると思うが、7.7%くらいでしたよね?高齢者に回される特定保険料率は3.2486%でしたか?政府管掌よりも「得」しているのは何故なんでしょうか、って話もあるわな(笑)。大企業さま優遇制度でもあるんですか、って話だわな。

ああ、これはド素人でしかない私が書いてることなので、本当は大企業さま・健保組合さまが正義であり、彼らの言い分が正しいのかもしれませんので、真偽のほどはマスメディア各位で確認をお願い申し上げます。


要するに日本は、医療費は自己責任の自前でやれ、というアメリカ型になっていけばいいのだそうです。
アメリカ万歳の方々の目論見どおりに行けば、米国なみにGDP比15%の国民医療費が達成できることでありましょう。日本の倍近くですけれども、そういう方向を目指せ、ということらしいです。高齢化率は日本の方が高いから、もっと上げられるかもしれません。良かったじゃないですか。

ですよね?>マスメディアのみなさん。

で、マーケットは資本家に差し出せ、ということで、利益は某国系企業に吸い取らせろ、ということなんだそうです。民間保険会社とかがボロ儲けできるようになればいいんだそうです。医療を受けたければ金持ってこい、貧乏人は医療を受けなくてもいい、という社会を希望しているのが、「市場主義原理が正しい」派の方々なのだそうです。



後期高齢者医療制度への攻撃の手が緩んだのは何故?

2008年04月21日 21時37分30秒 | 社会保障問題
何と申しましょうか、マスメディアの方々というのは反応が非常に単純なのではなかろうかと思えるわけですが、どうなんでしょうか。ひょっとして、制度導入は「大企業さまのご意向なのだよ」とウチのブログでアドバイス(笑)をしてあげた途端に、「姥捨て山ダ!」バッシングが鈍ってしまうもんなんですか?私個人の印象なんで、実際どうなんだか判りませんけれども、「ウェークアップ」だと健保連がスポンサーについてるからしょうがないとしても(この前の番組中では、まあまあ制度を客観的に説明していたように思います)、あれほど制度が悪い!、とんでもない制度だ、お年寄りの切り捨てだ、と叩いていたトーンが急に変わったのはどうしてなんでしょうか?(笑)

制度を廃止に追い込めるようにマスメディアが頑張ってみたら宜しいのではなかろうか、と思わないでもありません。いや、別に旧制度に戻るだけだから、今すぐにはどってことないでしょ。戻せばお年寄りの怒りも鎮まるし、マスメディアの方々のバッシングネタも毎日盛り上がって一石二鳥ではないかと思いますが?続けたらいいのではありませんか?バッシング。徹底糾弾したらいいですよ。
制度が酷いんでしょ?
(入山料さえ取る―by 共産党)「姥捨て山制度」なんでしょ?
マスメディアはその意見を貫けばいいではないか。何故それをしないのだ?スポンサーに顔向けできないからか?大企業さまを怒らせるわけにはいかないからですか?それとも、自社の健保組合からさえ文句が出るからか?腹がいてえ。毎度のことながら、マスメディアの上滑りっぷりには幻滅しますぜ。


もうね、スポンサーが怒ろうと、文句言おうと、やっちゃってくださいよ。トコトン戦って下さいよ。それもできんのですか?(笑)
ならば、始めから文句をつらつらと並べるのは止めればいいのにね。バツが悪くなるだけだもんね。


医療保険制度の概要


健保組合の老人保健給付対象者はたったの2.1%に過ぎない。加入者は本人が約1500万人で家族も大体同じくらいだな。つまり加入者3000万人で、老人(75歳以上、今でいえば後期高齢者)は僅か60万人しかいないんだよ。
だが、国保では約23%が老人なんだよ。な、言ったろ?市町村国保でそんなに支えきれると思うか?税金とか何とかで補助があるとしても、全然足りないのだよ。

健保組合が文句を言うのは判るよ。だって、加入してる老人は僅か60万人しかいなくて、その人たちの給付は2千億円しかかからないんだもの。老人医療費約11.5兆円のうち、僅か1.7%だけだもんな。そりゃ、払いたくないと。で、老人保健拠出金を9千億円も取られて、超ムカつくぜ、ってことを健保が言うわけだ。そーですか。

もうちょっと数字を見ますか。大雑把ですからね。
老人保健対象者は約1450万人、うち、被用者保険(健保組合、共済、政府管掌等)加入は約260万人(うち健保組合が60万人)、残りは市町村国保で1190万人だ。つまり、健保組合が面倒をみてもいいよと思うのは自分とこの60万人で、他の年寄りなんて知らねえぜ、自分とこは自分で面倒みろ、ってことなんですわ。そっちはそっちでやれ、と彼らは強硬に主張しているんだわ。

まあ市町村国保が約1190万人を支えきれるわけでもあるまい。公費投入額が大きいといったって、全てがカバーされるわけじゃないからな。日本国民の健保組合3000万人の人が面倒みるのを分担する老人が60万人、残り9700万人の人で1390万人分担せよ、と大企業の健保組合さまが言うのですから、しょうがないでしょうな。
3000万人の人々の先祖は60万人ですか。随分と少ないですが、相当出産人数が多かったことでしょう(笑)。健保組合の基本的な方針としては、「他人の親だの年寄りだのの面倒なんてみれるか、現役世代の俺たちが稼いだ金なんだから、俺たちに使わせろ」ということですね。

で、市町村国保には1190万人の老人―つまり後期高齢者―がいるけど、自己責任でやれ、ということだそうです。老人は金がかかり過ぎるから切り離せ、と強硬に主張したのは一体誰だったんでしょう?
国民はこのことをよく知るべきだ。

大企業で、日本の法人税が高すぎる、医療費も高すぎる、利益も国内ではなく海外のおかげだ、とか言ってるヤツラがいるんだが、だったら日本からあなた方が消えればいいだけだろ。そんな簡単な経営方針が何故判らんの?とっととどこへでも好きなところへ行けって。税金が安くて社会保障費も全然少なくて、賃金が低くても文句も言わず働いてくれる国なんて、日本以外でもごまんとあるだろ。そういうところへ、金を持って経営陣も本社も移転したらいいだろ。


そういうわけで、大企業は自分の先祖は切り捨てろ、ということを先導したいんだそうです。さすがだ、民間は。効率を追及しているだけのことはある。先祖は金だけかかるが、生産性が低いというか生産がほとんどできないからだね。生産性の低い人間は、どんどん切っていけばいいんだね。それが効率化を図るポイントなんだね!なるほど!!
日本国民はこのことをよく考えた方がいい。


自分の年老いた親がいた場合、親を田舎に残して、自分だけはサッサと社会保険料の安い地域に移動すればいいだけなんですって。そうすると、その田舎の地域の人が親の面倒をみてくれるんですって。へえー、そうなんだ。日本って、そんなうまいシステムができたんだね。こりゃ、素晴らしいライフハックだ。大企業と健保組合のお墨付きですからね。

そういう大企業の言い分に沿って、マスメディアの論調が決まっていく、と。
これも経済合理性の結果なんだね!
いやー、勉強になるなー(笑)。



プロアマの

2008年04月21日 15時10分33秒 | 俺のそれ
特に意味はない。が、ふと気になったので。

はてなブックマーク - プロとアマの話 - REVの日記 はてな

「プロのサラリーマンとか、プロの農家という言葉は一般的でない」


言われてみれば、確かにそうだ。
だが、「アマのサラリーマン」とか、「アマの農家」とかは、多分いないからだろう(確かめたわけではないけど。極稀にはいるのかも?)。

もし、滅多にいないのなら区別する必要がなく、一般的に「農家」というとそれはプロを指すということが判るかもしれない。

アマの比率がそこそこ存在する場合には、「プロの○○」と冠されるのかも。


ところで、「プロ市民」なる語を見たことがある。ネット上以外では知らなかったのであるが、この場合の「プロ」というのはプロレタリアとかのプロ?で、プロフェッショナルのプロではないのでしょうか?
それとも、プロの作家のプロとおんなじで、すると「アマの市民」というのがいることになるんでしょうか?

ナントカ修正主義者とかに騙されるのは「アマの市民」だからで、(最低限新書2冊くらい)本で調べたり専門家の知識を仕入れたりせずに意見を言う、「甘い」市民だからでしょうか?
アマちゃんの「アマ」でしょうか?
或いは、ヤクザ屋さんのいう「このアマぁ!」のアマの市民でしょうか?

それらに比べ市民のプロは違う、というようなことなんでしょうか?


結構謎です。


といいますか、冗談です。
けど、「プロ市民」の由来はよく知りません。
誰の命名なのか気になるところです。




金融教育は日銀が張り切ってやってたよ

2008年04月20日 17時38分25秒 | 経済関連
大した話ではないんだけど。
この前、金融リテラシー教育がどうのという話を書いた(「○○リテラシー教育」は本当に効果的なのか)んだけど、内閣府じゃなくて日銀がやってたみたいだよ、かなーり。


今週の指標 No868にも取り上げられてたから、タイムリーな話題かも。金融広報中央委員会の調査。

これは前に取り上げたよ>格差社会10


で、問題のHPだが(別に問題でも何でもないんだけど)、くだけてた。
知るぽると:金融広報中央委員会

以前のデザインがどうだったかは思い出せないんだけど、なんかかわいくなってる気がする。どうしちゃったの、日銀、って感じ(ウソ)。

いや、これはこれでいいんじゃないか(笑)。
前は、金融広報中央委員会、って、漢字ばかりで(?、忘れた)超お堅い感じだったし、こんなフレンドリーな感じではなかったように思うから。


できれば、イラスト関係ね、若い人向けに「萌え系」とか何か考えた方がいいと思うよ。
ネット上でキャラを募集し人気投票するとか。人気のあったものを採用するんだよ。そういうイベントそのものが、大きな宣伝・広報効果を持つのではないかと思うけど。どうせ高いお金を払って、外注とかになっているんだろうから、安くできそう。どうなんでしょう。まあ、ストーリーは完全指定でいいわけだから、日銀の意に反するようなものはできてこないと思うんだけど。


これはまあいい。
何といっても、注目は職員募集ですよ、みなさん!
大チャンスですよ。
日銀が金を出してくれるんだから、きっと条件は悪くないのではないかと思うけど。仕事を探していている人とか、応募してみてはいかがでしょうか。

金融広報担当職員の募集について

金融教育担当職員の募集について


なんか、楽そう。冗談だけど。
あれだな、金融庁とかもそうだけど、時々公的機関の職員募集が出ていたりするので、定期的に巡回していると発見できるかも。

けど、多分人気が高いので倍率が20倍とか、100倍とか、平気で行きそうかも。
それでも、誰かは採用になるからね。採用チャンスに賭けてみなけりゃ、永遠に採用にはならないから。



やっぱ「オトコマエ!」は良かったよ(笑)

2008年04月19日 22時53分42秒 | いいことないかな
テンポのよさと若さがいい。
柴田の金さんと鶴太郎のイヤミな鳥居殿とか、全体に新鮮味がある。

今日よく見たら、あれだな、オーボエの黒木君だな、確か。カツラが似合うね。


話は変わるが、ゴルフの石川遼君は凄いな。プロ初戦でこれ程の活躍というのは、大物というか逸材の証明だな。16歳なのだからね。本当に凄いと思う。
精神力も立派だが、自分が求められていることをよく考えている。既にプロ根性が備わっている、みたいな感じだな。こんな16歳が…と驚嘆。


話はもっととぶけど、レッドソックスのGMはメチャ若い。34歳!
アメリカの凄さって、こういう若さとか関係ないことだな。
年寄りが、若い才能とか能力を邪魔しないというか、芽を摘まない。執拗に「若い能力」を潰しにいかない、ということなのかな。日本が見習うべきは、こういうことなのではないかと思ったよ。日本でも、30代の事務次官とか高級官僚が生まれると、何かが変わっていくのかもしれない。



傍論、傍論って暴論ゆうな!

2008年04月18日 16時54分34秒 | 法関係
名古屋高裁判決に対して、「傍論で違憲っていうな」だの、「傍論に過ぎないからいいんだ」だの、言いたい放題な方々がたくさんいるわけですが、まず判決文を学ぶことをお勧めします。法の精神を学ぶべきは、政治家や御用学者や報道関係者であると思います。それと、辞め際の「最後っ屁」みたいに言う人がいるかもしれませんが、それも全然違うと思います。裁判官は法に則り、忠実に判断されたものと思います。

「蛇足判決こそ違憲」 イラク派遣 最高裁判断封じる(産経新聞) - Yahooニュース

(一部引用)

 福岡地裁判決の問題点を指摘してきた弁護士の稲田朋美衆院議員も「最終的な憲法判断は最高裁にあるというのは憲法81条からも明らか。非常に高度な政治的判断について、上告を封じ、最高裁判断を封じることは憲法に違反している。まさに『蛇足』の判決だ」と批判する。

 控訴審で国は「控訴人(原告)の法的利益を侵害していない」などと主張しただけで、憲法判断には言及もしていない。一方、原告側の証人申請だけが積極的に認められ、法廷は違憲主張の独壇場となった。

 白鴎大法科大学院の土本武司院長も「裁判所は訴えたことについてのみ判断する義務がある。争点になっている訴え以外のことについて判断を下すことは、やってはいけないことだ」と批判している。

=====


傍論も何も、「主文」だけしかなかったら、中身がまるで判らんじゃないの(笑)。被告は原告にいくらいくら払え、とかだけ聞いて、何が判るというんですか?大体、こういう連中は都合の悪い時になると「蛇足の判決」だのいうが、この前の大江氏の裁判なんかで原告側請求が認められなかった時でも、そんな主張をしていたのか?
「名誉毀損は認められなかったが、判決では~~は認定されなかった」とか自慢気に言ってるじゃないの。そういう時にも「蛇足」だの「傍論」だの言えっての(笑)。こういう都合のよい使い分けは、報道しか知らない一般国民には殆ど判らないからね。都合の悪い時には「傍論にすぎない」、気に入った部分だけは「裁判には負けたが、~が認められた(or事実認定されなかった)」と切り取ってるだけじゃないか。判決を冒涜するにも程がある。

原告(控訴)側が主張しているのであれば、被告側が受けて立って反論するしかないではないか。論破しようと思わなかったのであれば、原告側が自らの主張を立証するのを黙って見てるしかなかろうて(笑)。違憲主張の独壇場、って、産経新聞ご用達の小林節慶大教授(日本の憲法学者の真意を問う)みたいに、憲法違反だ違憲立法だ、と一方的に違憲主張を言い立てるのはごく普通に見られる現象なんではありませんかね?(爆)

裁判中において、原告側の憲法違反だという主張は、さほど珍しくもあるまいに(弁護士の決め台詞は「憲法違反」?)。しかも小林節教授のご高説によれば、判決の効力自体が「判決以前には不遡及とすべき」とまで仰るわけですから、今回の国側勝訴であっても「判決後から」しか効果がないんだろ、って話になるわな(笑)。そんな裁判がどこにあるかっての。話が逸れた。

産経記事中に登場する、元最高検検事だったらしい土本氏にしても、保守系で重宝されているみたいだが、こんなことを言う人が元最高検ってのは、日本の法学・法曹界というものがどういうものなのかを表しているであろう。魂を売り渡したというのは、こういうことなのかもしれないな。争点以外には判断を下すな、というごく普通の原則を言っているだけなのだが、それはあたかも本件裁判において「主張点ではなかった」かのような誤解を与え、まるで裁判所が勝手に独自の判断を持ち出したかのように産経記事が構成されているのだ。法曹の風上にも置けない。私の中では、またしても検察の信頼は地に落ちた。最高検レベルでさえ、これなんだよ。原告側主張に違憲だという主張があったからこそ、判決文で述べたに決まっておろう。主張してない論点について勝手に触れたわけではないだろ。
法とは何だ?
法を守るべき立場の人間が言う言葉か?

憲法の番人であり、最後の砦が裁判所なんだよ。それを「傍論」だの「蛇足」だのと中傷し、挙句の果てには元最高検の人間をして「やってはいけないこと」だと?それが元検事のいうことか?ふざけるんじゃない。ドイツの行政裁判所が違憲判決を出した(米軍基地問題についての補足)ことは書いたが、日本人もこういうドイツやフランスの気質を学んだ方がいいんじゃないかと思う。オレは、魂を売り渡したような法律家の言うことなど絶対に信じない。詭弁士に過ぎないような人間が、法律家だか法曹だか判らんが、中に混ざっているということは銘記しておいた方がいい。


こういう連中に比べれば、名古屋高裁は真摯に法に基づき判断したものと思う。裁判官の言ってことは、よく判るからね。

イラク派遣訴訟控訴審判決要旨

判決要旨を読むと、これまでの憲法判断や解釈に沿って判断されている。検討の道筋としては極めてオーソドックスなものであり、特に内閣法制局を中心とした法解釈論に立脚したものであると考えられる。これら論点については、既にブログに書いてきたものとほぼ同じであるので、割愛する。

自衛隊のインド洋派遣に関する考察

続・自衛隊のインド洋派遣に関する考察


傍論だ傍論だ、と騒ぎ立てる(×××の悪い)連中の為に書いておくが、裁判の原告側請求は、例えば損害賠償請求とかなのだから、主文に「~は違憲である」なんて主文が登場することなんざ永遠にないだろう。あんた方は一体何を言ってるんですか?法曹の人間ですら、こうした悪意の主張をするというのはどういうことですか?

また例で申し訳ないが、書いてみます。

今、「○○建設法」という法律が作られ、甲という地域において○○が建設開始となったとする。建設主体は国で、甲地域のAさん、Bさんが○○建設反対を主張したが聞き入れられず、国を訴えることにした。○○の建設について差止請求と、建設に伴って蒙った損害の賠償請求であるとする。

・原告=A、B
・被告=国
・原告側主張:
①「○○建設法」は憲法違反
②違憲なのだから工事を止めろ
③工事が違法行為につき賠償せよ
・被告側主張:
④原告の権利を侵害しない


◎原告勝訴でも主文に「違憲である」なんてことは謳われない

原告側主張の①が認められ、傍論中で「○○建設法」は憲法に違反する、と認定されたとしても、主文にはそんなことは書かれない。違憲立法なのだから、違法な法律を根拠として建設工事が行われることは認められず、必然的に工事は差し止められるであろう。同時に、憲法違反による損害賠償責任は国が負うものとなるであろう。従って、原告側勝訴であろうと、原告側の請求を認め○○建設を中止せよ、ということと、(損害賠償として)いくらいくらを払え、ということしか主文には出てこないであろう。
法曹(元検事だの弁護士だの)であるなら、そういうことを十分判った上で「傍論だ」とか言ってるので、もっとタチが悪いんですよ。被告側である国が原告側主張の①に反論できるなら、相手側論点を潰せばいいものを、④だけしか主張しないのは被告側の国がバカだからだ。ただ単に①への有効な反論ができなかっただけに過ぎない。もしも議論の正当性が国にあるなら、相手側立証に穴を見つけられるはずだし、その穴を確実に指摘しておけばいいだけだ。原告側論証は崩されるのだから。

◎請求が適法でない、という理由は珍しくない

上記例で原告A、Bのうち、Aは建設工事現場の「半径△m以内」の住居があって、建設工事に伴う具体的な損害を蒙っていることが明らかであるとしても、Bはずっと遠くに居住しており建設工事からは実害を受けない、ということもあるでありましょう。そうなると、Aについて損害賠償すべし、となるけれども、Bには賠償されないことはあります。「○○建設法」が違憲立法であり、工事そのものも違法であるとしても、Bには請求権がない、という判断は普通に有り得ます。そういう場合には、Bの差し止めや賠償請求権(行使)は認められず、不適法である、と判示されてしまう、ということ。そもそも、そういう権利を有する人でなければこれら請求権をもたず、同時に実質的損害を受けてないので違憲かどうかを裁判所に判断してもらうことを請求できるわけではない、ということです。たとえそういう願望を訴え出ても、「あなたにはそういう権利はありません、不適切です」と言われる、ということ。はなから原告として不適格、とか言われる事もあるかもしれません。
仮に、「半径△m以内に居住する者」が請求権があるとして、原告全員がその条件から外れている場合には、「○○建設法は違憲」、だけどあなたもあなたも請求権はなく差し止めや賠償は認められません、という判決になってしまうことだって有り得ます。


名古屋高裁判決では、「○○の建設が違憲かどうか」というのを検討したのが「イラク派遣が違憲かどうか」ということである。原告側請求権の妥当性を見れば、実際の損害を蒙っていない(例ではB)人が訴訟を提起して「違憲ですか、どうですか」と確認する行為(訴訟)は適法でない、という判断が下されたものと思います。
また、最高裁判例では具体的事件を離れて違憲か否かだけを形式的に判断することはできない、とされているのであるから、抽象的違憲確認請求権のようなものはないよ、と言われたのは当然ということになりましょう。

いずれにせよ、傍論で言うな、と言ってる連中というのは、まともな判決文を知らないかロクでもない主張をしている、と考えた方が宜しいでありましょう。

貸金の過払金(不当利得)返還請求訴訟にしても、主文だけあればいいというなら、「業者甲は乙に100万円払え」が判るだけで、何が違法であったか全くの未知のままでよい、ってことなんだな?(笑)
傍論なんていらねえぜ、ってか?

いい加減にしろよ。




誰か「BOEの女」の名前を教えてくれ

2008年04月17日 21時36分39秒 | いいことないかな
唐突なお願いなんですが。申し訳ありません。

発端はここから。

イギリスの新硬貨は奇抜で面白ユカイなデザインGarbagenewscom

別に新しい硬貨のデザインなんてどうでもいいんですが、元々は女神が描かれていた。

ブリタニア 女神 - Wikipedia


ああ、そうなんだ、という話なんですが、ブリタニアはどう見ても強そうなんですよ。トライデントも装備(核ミサイルとかではなく、笑)してるし。

で、例のイングランド銀行(BOE)なんですが、謎の女性がいるんですよ。
通称名で「スレッドニードルの老婦人」って誰ですか、ってな話もあるらしいんですが、これはただのBOEのことらしいんですね。通りの名前がそうだから、ということらしいんですがね。結構安易ではあるな。
イングランド人はどうも「老婦人」が好きらしい。


それはいいとして、この前ロイターの記事を見ていたら、BOEのマークが出ていたんですよ。で、コインとか郵便の消印マークみたいな感じなんだけれども、真ん中に女性が腰掛けているのか、やや斜めに横たわっているのか、よく判らんけどいるんですよ。

Bank of England|Home
(タイトルのところにチラッと見えます)


この女性が一体誰なのか?

というのがこの前から気になったいたんですが、謎のままなんですね。
まさか「老婦人」がこの人、ってことはないだろうし、多分女神か、紙幣にならえば女王様とか?

トライデントの装備がないことから、ブリタニアではないであろう、とは思ったんですがね。

女王様ならメアリー2世とか?
それとも、全然知らない女神?


いずれにせよ、謎。
気になる~~




後期高齢者医療制度に文句を言ってる人たちは、調べて理解してから言え

2008年04月17日 00時39分12秒 | 社会保障問題
タイトルは勿論冗談です。
が、中には意見を言う前に本を読めだの、理解してから言えだの、調べて議論を俯瞰できてから言えだの、難しい要求を出す人たちはかなりいるわけです。いや、別に特定の誰かを非難しているわけではありませんよ。けれども、そういう要求を突き付ける以上、それができていない一般個人全般について、是非それを求めてみたらいいのではないかな、ということです。

今、マスコミで大騒ぎを演出されている後期高齢者医療制度ですけれども、理解していない高齢者の方々が殆どなのではありませんかね?そうであれば、判りもしないで文句ばかり言ってる高齢者の方々を是非とも徹底糾弾して欲しいんですよ。そういう批判をしない理由なんてないのではありませんかね、ってことです。
一般個人であっても、自分で調べたり何かを読んだりして最低限度の努力(笑)さえしてないとか、理解できてないのに文句や反対を述べてはいけないんですよね?

くだらないたとえ話ばかりの記事で申し訳ないんですが、参考記事を挙げておきます。

万人に「本を読んでから意見を言え」と要求するのは不適切

前の続きだけど(追加あり)


本題に戻りましょう。新たな制度が複雑だの、天引きは許せないだの、色々と文句が多いわけですが、これらについて書いてみます。


1)じゃあ、旧制度を説明してみてごらんよ

後期高齢者の方でもいいですし、年齢に関係なく旧制度をどれくらい理解していたんでしょう?
多い不満は「わかりにくい」「複雑だ」とかなんですが、だったら、前の制度が簡単で説明可能であったのでしょうか?って話ですよ。調べてないから判らないわけですが、恐らく殆どの後期高齢者の方々には理解できないだろうし、説明できるものであったとは思えないわけです。なのに、制度が変わった途端に、複雑だ、とか言い出すのは何故なんだろうか、と思うんですよ。前も判らなかった、今も判らない、ということなら、別に何も変化なんてなくて、「前からずっと判らなかった、複雑だった」ってだけなんではありませんか?

何なら、マスメディアの人でもいいですし、みのさんでも古館さんでもいいんですが、本当に説明できるかやってもらえませんかね?できますか?個人的予測では、まず無理だと思いますけど。私も難しいな、思いますしね(笑)。

旧制度ですけれども、老人保健法と多くは国民健康保険法に規定されていた部分があるのですが、分けて書いていきます。

①老人保健法という制度

75歳以上の方々はこれに該当します。老人医療券とか書かれた保険証みたいなものを受けるわけです。で、老人医療の費用分担の仕組みは、大雑把に言うと、a)自己(利用者)負担分(1割又は2割)+b)老人保健拠出金+c)公費負担、となっています。

自己負担分というのは1割なので全然少ないですから、殆どの部分は拠出金と公費で賄われていました。自己負担分は所得水準に応じて個人の月額上限と世帯月額上限などがあって、入院と外来でも上限が異なりかなり複雑です。個人の所得水準で異なり、自治体ごとでも異なります。

自己負担分を除いた部分を2等分し、半分は拠出金、半分は公費です。拠出金の額は健保組合、政府管掌、共済、国保等保険者ごとで割合が異なり複雑な計算式を用いて算出されます。これも凄く大雑把にいうと、保険料収入が多く財政的に裕福な保険者は負担割合が大きくなり、貧乏な保険者(典型的には過疎地の国保とか)は少ない割合です。
残り公費部分は、国が3分の2、都道府県と市町村が各6分の1の負担となります。

ここまでを一言で言えば、「複雑です」ということですわな(笑)。

②国民健康保険

これもいろんな場合があって、子どもが被保険者で老人がその扶養家族であることもあるので、全員が国保というわけではありません。年金暮らしであっても、子どもが健保組合とか共済とか政府管掌であれば、それぞれの社会保険に扶養家族として加入していたことになります。しかし、現実には子どもは都会で暮らし、親が田舎で暮らしていたりするので、扶養にはなっていない(子ども世帯自体が生活が苦しいというようなこともあって保険料まで負担できないということがある)こともあるでしょう。

こういう人たち以外では、自分で仕事をしていて社会保険に入っているケースは極めて少ないので、殆どの人が国保ということになります。国保の保険料計算は以前にもちょっと取り上げたことがありますが、これは複雑なんですよ。
基本的な部分だけ書くと次のようになります。

d)所得割:前年の基準総所得×料率(約8~12%程度)
e)資産割:今年の固定資産税額×料率(約20~30%程度)
f)均等割:被保険者数×定額(3万円前後?)
g)平等割:世帯ごとに定額(3~5万円程度?)

これを計算し、最高限度額(約50~60万円)を超えると上限額、それ以下であれば、計算額に応じて月額が決定されることになります。国保の料率や均等割、平等割は市町村ごとに異なるので、計算結果は一概には言えないのです。あと、低所得者については免除制度があって、住民税額に応じて減免されたりします。
一般的傾向としては、国保の加入者には高額所得者は少なく、社会保険適用となっていない(つまり正社員ではない低所得)フリーターとか自営業者とかが現役世代ということになり、その他は年金暮らしの高齢者が多いので、保険料の「払い手」(現役世代)の割合が少なく所得も少ない、ということです。社会保険であれば、労使折半なので同じ所得水準(例えば年収300万円)であっても負担が少ないし、高齢者の加入率も少ないのです。それに比べれば、国保の保険料は高いのですよ。

こんな複雑な保険料制度を高齢者の方が理解できていて、説明可能であると思いますか?自分の住んでいる市町村の料率だの均等割や平等割の額を言えると思いますか?そんなのは、殆ど無理なんですよ。後期高齢者医療制度が複雑なんじゃない、元から複雑なんですよ。こんな仕組みを理解できていた高齢者なんて、いたと思いますか?高齢者に限らず若者で現在の国保加入者であっても、知らない人たちの方が圧倒的に多いと思いますよ(笑)。

a)~g)の説明ができたら、合格ですね。そんなに理解されているとも思えませんがね。


2)何故決定前に文句を言わなかったのか

かつて医療費抑制策が本格的に問題とされたのは、05年だ。郵政選挙の前じゃないか。どうしてその頃から、大騒ぎして反対しなかったんだよ。
自民党内でも反対の声、ってオマエら○○か?
そもそも03年に閣議決定されたのが発端じゃないか。その後棚上げされていたが、05年春頃から社会保障費、殊に医療費抑制策が問題とされてたんじゃないか。私は反対したけど。キャップ制は回避されたものの、翌年度以降の大幅削減が決まった。更に、医療費適正化について骨太に書かれ(閣議決定)、郵政選挙後にはスイスイと医療制度改革大綱が決まってしまった。翌06年には法案提出し可決されたんじゃないか。今いる自民党議員が賛成票を入れたからこそ、通ったんだろ。

参考:社会保障改革の文献的考察

05年初め頃から散々医療費の問題が出ていたのに、みんなは反対しなかったじゃないか。あの当時に大騒ぎしていれば、骨太には書かれず、閣議決定にも至らなかっただろう。それを何だ。今になって、制度が悪いって、アホか。少なくとも郵政選挙前だったのだから、何らかのアクションをやるべきだろうが。都道府県単位構想が出されたのは、ずっと前からだろ。


3)何故この制度が通されたのか

元々医療費抑制を強く求めていたのは誰なのか?
これが今回の混乱の根本原因であろう。国民の多くは政治家が悪い、とか、厚生労働省が悪い、というような誤解を持つのではないかと思う。確かに、一部にはそうした意向が働いていた人はいたかもしれないが、私の予想は全然違うと思う。

恐らくは、企業だ。特に大企業だ。そして健保組合(大企業が中心の運営主体だ)。それに連なるのは経済学者だの、欧米かぶれの何とかだの、そういう連中だ。入れ知恵していた人間がいて、強く主張できたのは「金持ち資本家」っぽい大企業なんだよ。
何故そう思うかって?
大企業にとっては、厚生年金の保険料率が上げられたのは、煮え湯を飲まされたのと同じであったからさ。料率は確実に上がっていくことは決まってしまったからだ。18.3%まで着実に毎年毎年上がっていく。これに輪をかけて、労働保険料が上げられた。更には介護保険料も年々増加していく。高齢者率が増大するのだから、止むを得ないわな。

そうなると、残るは医療費抑制策だけであり、特にGMが医療費の負担増やデルファイ破綻などで経営悪化や格下げを招いたこと(05年初め頃だったと思う)が、影響していたであろう。自動車業界は日本の主要企業群の中ではとりわけ発言力があったからだ。奥田さんが諮問会議にいたし、経団連会長であったからね。だからこそ、医療費は抑制されねばならない、という意見が主流であったであろう。
更には、企業のメリットというものが期待されたのだ。それは医療という「成長分野」に企業が参入したい、という強い意向があったからだろう。これを唆していたのは、某国のコンサル軍団だの、かぶれた学者だの、そういう資本家腰ぎんちゃくがいたからだ。マッキンなんちゃら~、とかもそういう一部だろう。実際、彼らの言い分通りに市場化して、そのうまみにありついた人々は多く存在した。介護事業や人材派遣業なんかがそうなのだ。結果、どうなったかは、見てのとおりさ。日本がどうなったのか。

大企業の健保組合は高齢者の加入している割合が国保なんかに比べれば断然低いのだよ。そりゃそうさ。田舎に自分の親を残してきて、都会で暮らしてるから。自分の親の面倒は知らないぜ、田舎の人間が面倒をみろ、ということなのだよ。だから高齢化が進んでいる地方では国保財政が極めて苦しくなるのだ。だが、健保組合は自分の保険に加入している高齢者の割合が少ないので、上記b)の拠出金割合が多いことについて、昔から不満タラタラで、「老人保険のせいで健保組合が大迷惑を蒙っている」と散々文句を並べていたのだよ。そういう大企業さまの意向に合わせると共に、年寄りが多い地域が医療費をたくさん使ってるんだから、たくさん使っている都道府県が自分の分は自分たちで負担するようにしろ、と強く求められた結果が、今回の後期高齢者医療制度なのだ、ということだ。

だから、広域連合という形式となり、都道府県単位とされたのだ。地方は地方、大都会は大都会、という、いってみれば「東京だけ(プラス愛知?)が生き残ればいい」ということさ。東京とかの大都会にある大企業さまのご意見が最優先された結果なのだ、ということ。そういう国になったんだ、ということを、地方の人間はもっと自覚せよ、ということだな。


4)文句を言う前に

世帯の年金収入が300万円を超えている人たちは結構いる。いや、全部ではないよ、そりゃ。でも、貧しくて目立っている高齢者たちがいることは確かなんだが、若者が年収200万とかもっと安い中で年金や医療保険料を払い、税金も払い、苦しい生活を強いられているという現実がある。年金生活者が若者よりも多くの年金を受け資産もあって自宅に住んでいながら、年金保険料もなく税金も払わないで「負担増で生活が苦しい」とか言ってることは多いわけだ。じゃあ、若者は我慢して高齢者の為に税金を払って貢げ、ってことか?

本当に生活が苦しい高齢者には補助とか支援が必要だろうと思うが、それは全員ではないんだよ。金融資産は中央値で2000万円を超えている世代が、若者から援助をそんなに必要とするか?違うだろ。もっと低収入で年金や医療や税金を払わねばならない若者こそが、支援すべきなのではないのか?高齢者で生活苦の人たちの子どもは一体何をしているのだ?親の援助くらいやれよ、って話だな。同居できないにしても、資金援助くらいはできるだろが。いや、みんなが子どもいるってこともないというのは判るけど、昔なんだから兄弟が何人もいるとか珍しくない世代でしょう?だったら、親に少しずつ援助くらいできるだろ。そういうのが無理な人たちはいると思うけど、1割にも満たないのではないかとしか思えないんだが。
75歳以上で子どもが1人もいなくて、金融資産も全然持ってなくて、年金額が凄く少ない人、って、そんなに大勢いるかな?
年金だけでは足りず預貯金を取り崩さねばならなくなった、ってそりゃ当たり前だろ。若者は取り崩すべき預貯金もないのに、税金や年金保険料を払わねばならんのだから、それを思えば少しくらいは我慢できるだろう。どうしても生活の苦しい年金生活者には支援をすればいいのだよ。支援の方法なんていくらでもある。

それから、天引きが許せない、って言うんだが、じゃあ市町村の引き落とし手数料とかどんだけ多いか知ってんのか?
いや、私も知らないんだけどさ。けど、国保の未納を回収する為の費用とか、かなりかかってると思うよ。高齢者ばかりではないだろうが、それでも徴収コストがかかるし、口座引き落としであっても手数料を取られるから、そういう経費を節約できれば市町村にとっては大きなメリットがあるんだよ。そういうことを考えて「天引きすんな」とか言ってるのか?とてもそうとは思えないんだが。過誤調整とかにしても、たった100円振り込むのに105円の手数料とか払うのって全くの無駄だろ。そんな無駄な手数料を使うくらいなら、相殺して天引き額で調整する方が圧倒的に経費節約に繋がるんだって。国保の徴収業務のコスト削減に繋がるなら、天引きがいいに決まっておろうが。各個人の払う手間暇も軽減されるから、願ったりかなったりじゃないか。コストが減るのだから、何が不満だというのか。


結局のところ、自分の金は払いたくない、けど、サービスは満額やってくれ、みたいな不満が多いだけなのではないのか。自分たちにはこんだけ「もらう権利がある」というような、既得権益意識が強いだけなんじゃないのか。今になって生活が不安だ、とか言うなら、どうしてもっと昔から不安に思ってこなかったんだよ。30年前から不安に思って貯金するなり何なり、しておけばよかったんじゃないのか。

支援が必要ならばするべきだが、それは大勢ではないと思うぞ。他の多くの年金生活者は同水準の年収の若者よりもいい暮らしをしているだろう。そういう若者を犠牲にしてもいい、という人がいるなら、出てきてもらって議論をしたらいいよ。

いずれにしても、文句を言い始めるのが遅すぎる、後悔するのも遅すぎる、というようなことかな。それと、一番得した人は誰なんでしょうか?ってことをよく考えてみるべきだろう。



調書漏出事件についての考察

2008年04月16日 17時50分36秒 | 法関係
極めて異例の事件なので、注目度が高いのではないかと思う。情報源の秘匿とか、出版側の問題とか、様々な論点があるかもしれないが、少し考えてみる。

asahicom:奈良調書漏出事件、「無罪主張」を表明 初公判で弁護側 - 関西

(一部引用)

 長男の精神鑑定を担当した崎浜医師は、06年10月ごろ、自宅や京都市内のホテルで、正当な理由がないのに、フリージャーナリストの草薙厚子氏に供述調書の写しや鑑定結果などを見せ、医師として業務上知り得た長男と父親の秘密を漏らしたとして起訴された。秘密漏示の罪で公判が開かれるのは極めて異例だ。

 冒頭、弁護側は「無罪を主張する予定です。事実関係については争いません」と述べた。崎浜医師自身による鑑定結果を踏まえて「少年に殺意がなかったことを社会に広く伝えたかった。広汎性発達障害に対する社会の誤った認識を是正する正当な行為だった」と主張した。

 また、精神鑑定は学識経験者として命じられた業務だとしたうえで「医師としての業務ではなく、(刑法上の)秘密の保護の必要性はない」と訴え、検察側に鑑定を医師の業務と主張する根拠をただした。検察側は「裁判所から医師として命じられた業務だ」と反論した。

 弁護側は「『秘密』の定義」や「誰との関係で守秘義務違反にあたるのか」などもただした。検察側は「起訴状記載の各事項が秘密にあたる」などと答えたが、それ以上の釈明はしなかった。

 調書漏出の際には講談社の編集者らも立ち会ったのに訴追されず、起訴状にも記載されていない点について、弁護側は「報道を規制するには、むしろ情報提供者のみの刑事責任を問うて情報源を絶つべしという政治的判断だ」としており、この日も「検察が事実をゆがめた」と主張。長男と父親の告訴についても「真の意思に基づくものではなく、検察側が告訴を促した『国策捜査』だ」と批判した。

=====

事件の全体像としては記事から大体判りますが、個別の論点について見ていきたいと思います。

1)秘密漏示罪とは

刑法13章134条に規定があります。

(秘密漏示)
○第百三十四条
医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2  宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前項と同様とする。

(親告罪)
○第百三十五条  この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。


135条のごとく、親告罪であり被害者の告訴がなければ公訴提起できません。弁護側はこの告訴が実質的に法務省(検察)が唆したようなもので(笑、言葉は悪いですが、そういうようなこと)、国策捜査だと非難しています。この辺の経緯とかは判りませんので、おいておくことにしますが、起訴された医師の行為がこの罪に該当しているのかどうかを考えてみたいと思います。

134条1項の部分を本件についてみれば、起訴された理由を簡単に言うと「医師が、正当な理由がないのに、業務上取扱った人の秘密を漏らした」ということです。医師は当然該当しますから、残る部分を検討してみたいと思います。


2)秘密及び漏示について

まず定義から。
定義集 刑法3

・「秘密」とは:
特定の小範囲の者にだけ知られている事実であって、本人が他の者に知られたくないという意思をもっており、さらに他人に知られることが客観的に本人の不利益になると認められるもの 大谷149

・「漏らす」とは:
秘密を知らない他人に当該の事項を知らせる行為(抽象的危険犯) 大谷150


弁護側は外見的に「漏らす」という行為については認めているようであり、この事実については争わない姿勢のようです。確かにある事項を知らない他人(著者、編集者等出版社の人間)に当該事項を知らせる行為を行った、ということは言えそうです。ただ、ある事項が刑法でいうところの「秘密」に該当するものであるかどうか、ということは検討余地があるかと思われます。

「本人が他の者に知られなくないという意思」については、親告罪であることと密接に関連しているでしょう。そういう意思を持つが故に、告訴するということでもあります。しかし、客観的に「本人の不利益となる」ことが立証できる必要があるでしょう。これは本人が「不利益になる」と思い込んでいるだけでは足りず、それが客観的にも認められなければならない、ということです。


3)医師の証言と拒否について

一般に秘密漏示罪に該当するような身分の者には、証言拒否権が与えられています。刑事訴訟法149条規定です。

○第百四十九条
医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについては、証言を拒むことができる。但し、本人が承諾した場合、証言の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。


これと同様の権利は押収物についても与えられており(同105条)、「業務上委託を受けたため知り得た他人の秘密」については、証言や押収を拒否できる、ということです。しかし除外規定(但書)があって、本人承諾、権利濫用、裁判所規則で定める事由、の場合であると、拒否できない、ということになるかと思います。

被告人の不利益が極めて甚大であるなら、これら身分の者は刑事訴訟法105条や149条に従い「業務上知り得た秘密」を保持するべきということで、証拠として押収させたり証言したりすることそのものが刑法134条の秘密漏示罪となってしまいかねません。けれども、通常であれば、そうした拒否権は被告人利益のみを優先させる「権利の濫用」であるとか、裁判所が定める事由が優越するであろう、ということで、証拠押収や証言に応じたとしても罰せられることはないでありましょう。つまり客観的には、押収や証言に応じることによる「被告人の不利益」はあっても小さいか、必ず守られるべき法益ということにはならない、ということではないかと思います。
もしも本当に被告人利益を守らねばならないのであれば、裁判での証言は完全に拒否できるはずです。同時に秘密保持を破った場合には、秘密漏示罪となるとか被告人からの民事責任追及(損害賠償請求とか)が可能である、ということになるでしょう。そうではなくて、裁判で証言をさせたり、証拠物として押収させたりできるのであれば、客観的には「被告人の不利益」は殆どない、あったとしても他に優先するべき事由がある、ということになりましょう。

単純に書けば、
「秘密を漏らすことによる被告人の不利益よりも、秘密を漏らすことによるその他利益の方が大きい」
ので、そちらが優先される、という考え方でありましょう。


4)鑑定とは何か

鑑定は刑事訴訟法12章で定められており、次のように規定されます。

○第百六十五条  裁判所は、学識経験のある者に鑑定を命ずることができる。

個人的理解でいえば、裁判所命令であり、いってみれば「処分」みたいなもの(行政庁の出す処分というようなこと)です。裁判所は行政ではないので、本当は同じではありませんけれども、裁判所という機関が出した命令ということになるんじゃないかな、と。
また、精神鑑定は「身体の検査」に該当するものであり、同168条に規定されるものと思います。

ここまでで、鑑定(中でも「身体の検査」)というのは、普通の医師が行う医療とは異なる、ということです。あくまで裁判所の命令であり処分である、ということです。そうであるなら、通常の医療という業務で求められる守秘義務というものは、鑑定においては同様に守られるべき義務であるとする証明はないように思われます。

更に、鑑定人が法的に秘密保持を義務付けられているのであれば、条文上で規定されなければならないはずです。
例えば、土地収用法を見ると鑑定人の秘密保持義務はありません。収用委員会委員・予備委員・あっせん委員・仲裁委員について守秘義務が課せられているだけです。

○第百三十七条  収用委員会の委員及び予備委員並びにあつせん委員及び仲裁委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。これらの者が、その職を退いた後も、同様とする。
○第百四十一条  次の各号のいずれかに該当する場合は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一  第六十五条第一項第二号(第九十四条第六項(第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)、第百二十四条第三項(第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)において準用する第九十四条第六項又は第百三十八条第一項において準用する場合を含む。第百四十六条第一号において同じ。)の規定によつて、収用委員会に出頭を命ぜられた鑑定人が虚偽の鑑定をしたとき。
二  第百三十七条の規定により秘密を守る義務がある者が、職務上知り得た秘密を漏らしたとき。


また、著作権法では鑑定人にのみ必然的な秘密保持義務が課せられてはおらず(規定がない)、秘密保持命令等で対応するようになっています(鑑定人については同法114条の四、秘密保持については同法114条の六~八)。特許法においても同様です(鑑定人については同法105条の二、秘密保持については同法105条の四~七)。

刑事訴訟における鑑定、特に身体の検査が通常の医療とは全く異なるものであり、鑑定人に守秘義務を生じているものではないことを窺わせる規定があります。刑事訴訟法170条です。

○第百七十条  検察官及び弁護人は、鑑定に立ち会うことができる。この場合には、第百五十七条第二項の規定を準用する。

秘密保持という被告人利益が最優先されるものであり、通常の医師業務であるということであれば、検察官の立ち会いは当然不可でなければならないでありましょう。医師は一定の範囲においては秘密保持を優先して証言拒否さえ認められるのに、ただの赤の他人に過ぎない検察官が当人の秘密を知る権利など有しているわけがないでありましょう。そうではなくて、通常の医療とは異なり、裁判所が命令して行わせる処分の一つであって、それ故検察官や弁護人の立ち会いが法的に認められているものと解するべきでありましょう。行政庁が行う調査権や証拠類提出を命じたり質問に答えさせたりする権限と近いもので、これに応ずるからといって守秘義務違反を負わされるということにはならないでしょう。

鑑定人に秘密保持を命令するのであれば、裁判所命令が必要であろうし、事件の記録(調書や鑑定書等)の非公開を決定したとするような証拠が必要ではないでしょうか。



5)記録の閲覧、公開

これまでにも度々問題となってきたのが、記録の公開拒否ということである。本来的には、刑事訴訟法53条により訴訟記録の閲覧は可能であるはずが、多くの場合には閲覧拒否とされてきた。

○第五十三条
何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のあるときは、この限りでない。
2  弁論の公開を禁止した事件の訴訟記録又は一般の閲覧に適しないものとしてその閲覧が禁止された訴訟記録は、前項の規定にかかわらず、訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があつて特に訴訟記録の保管者の許可を受けた者でなければ、これを閲覧することができない。
3  日本国憲法第八十二条第二項 但書に掲げる事件については、閲覧を禁止することはできない。
4  訴訟記録の保管及びその閲覧の手数料については、別に法律でこれを定める。

53条1項では、終結後であれば誰でも閲覧可となっているが、裁判所や検察がこれを拒否すると、この決定を覆すことはできない。更に、情報公開法や個人情報保護法は適用外ということになっている。次の条文である。

○第五十三条の二
訴訟に関する書類及び押収物については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律 (平成十一年法律第四十二号)及び独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律 (平成十三年法律第百四十号)の規定は、適用しない。
2  訴訟に関する書類及び押収物に記録されている個人情報については、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 (平成十五年法律第五十八号)第四章 及び独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律 (平成十五年法律第五十九号)第四章 の規定は、適用しない。


この閲覧に関する絶対的決定権限を裁判所や検察は死守したい、ということなのであろうか。裁判終結後にあれこれと穿り返されると、色々と不都合を生じることがあるからなのであろうか。本件の場合には、この絶対的権限を侵したので「許さん」ということなのではないかと見えなくもない。

ただし、少年事件であって訴訟記録に該当しないものであるなら、刑事訴訟法53条規定の閲覧権は有しないと解されるであろう。公訴前であるには違いなく、53条1項の「被告事件終結後の訴訟記録」には該当しないからである。逆に言うと、「訴訟に関する書類及び押収物」でもなくなることから、情報公開法による公開請求権は発動できうる。が、これを請求したとしても、閲覧拒否を判断するのは法務省であるとか検察であろうから、これを不服として提訴したとして裁判所が判断するだけなので、決定権限は検察若しくは裁判所にある、ということからは逃れられないのであるが。


6)正当事由はあるか

本件鑑定が問題となる以前から、閲覧についての問題は存在していた。

緊急特集 長崎・駿ちゃん誘拐殺人事件

ここでも閲覧問題というのが持ち上がっていた。また、本件鑑定でも取り上げられた「広汎性発達障害に対する社会の誤解」ということへの危惧が、全く同様に述べられているのである。著者や出版社の意図がどういうものであったのかは私には判らないが、少年事件の記録公開というものが検察や裁判所によって阻まれてしまえば閲覧機会は持ち得ないのであって、これを社会に対して明らかにすることが公共の利益に資すると考えるのは理解でき得るものである。不起訴事件の調書や鑑定書等においても、公開拒否の壁は厚い。

例えばこんなの>答申書 特定の事件番号に係る不起訴裁定書の不開示決定(適用除外)に関する件

不起訴事件に関する書類であっても、刑事訴訟法53条規定の「被告事件の訴訟記録」と同等であると言っているのである。だから情報公開法の適用除外だ、と。ならば、53条の基本的原則である「何人も閲覧することができる」ということでいいはずなのに、これについては但書や2項規定をもって閲覧拒否を検察(や裁判所)が決定できる、という絶対的権限を行使しているのである。重大な国家機密とかでもなく、安全性が脅かされるような機密でもないのに、「公開拒否」と決定できてしまうのである。こうした問題点が背景にあったということは、いえるのではないか。


7)まとめ

以上の検討から、だいたいまとめますと次の通り。

①鑑定は裁判所命令による処分のようなもの
②鑑定は医師の通常業務(医療)とは異なる
③鑑定人には秘密保持義務の法的規定はない
④鑑定結果は「業務上委託を受けたため知り得た他人の秘密」には該当しない
⑤鑑定書や調書等には法的な秘匿義務があるわけではない
⑥被告事件訴訟記録とほぼ同等物であるなら公開が原則
⑦正当事由は主張でき得る(閲覧拒否の壁、社会の誤解をとく、等)

たとえ鑑定が広義に医師の業務であるとしても、秘密保持が法的に義務付けられるような「秘密」には該当しない(④)。該当してしまうなら、医師の証言拒否や証拠提出・押収を回避できるのが当然となってしまうからである。①~⑤で刑法134条には該当しないと考える。追加的に主張するなら、⑥や⑦ということになるであろうか。

あと、弁護側の著者や編集者が不起訴なんだから、という主張であるが、これはやや的外れではないかと思われるがどうなんだろうか。刑法134条では、もとから「秘密を漏らした者」を罰する規定であって、「秘密を漏らされて聞かされた(知った)者」を一緒に罰する規定ではない。行為者側が罰せられるが、受動的にそれを受けた者が罰せられない条文というのは、いくつもあると思うのだが。情報を盗ってこいとか、情報を持ってくるようにそそのかすとか、そういうことが立件できるなら、教唆や共犯関係であると認定可能であるかもしれないが、秘密をバラされた側は刑罰対象とはならないというのが134条の条文では普通の解釈ではなかろうか。

因みに、本気の本気で秘密漏示罪を適用しようと思えば、報道の多くはみんな引っ掛かるであろう(笑)。国家公務員法違反だの、何だのに該当してしまうんじゃないかな?検察だって、逮捕前に「今日逮捕」とか報じられるのは明らかに漏れ漏れ詐欺じゃなかった、守秘義務違反だし公務員法違反を構成しとるんじゃないか?(笑)
自分たちは散々マスコミに漏らしたりしてるし、小出しにしたり情報提供をエサにして影響力行使の材料としているのにね。本件を許せば、今後供述調書とか鑑定書が公開(請求)の嵐に曝されて、自分たちに都合の悪いことやマズいことが起こるから、ということなのかもしれない。だからこそ、閲覧許可権限を絶対に保持しておきたい、ということなのかもしれない。そういう意味があるのであれば、本件裁判は極めて興味深い、といえるだろう。


こんなことばかり書いていると、私は撃たれてしまうかもしれん。
このままいけば、誰かに刺されたりするかも。

某金融機関に関係する連中?とか、マジにやる気で狙ってきてるし。
情報が本当に漏れてるね。こういうのって、誰が漏らすんだろうね?
利用しているネット証券?
それとも、私のパソコン画面が外部から見えているとか?
怖い。
相当マズい部分に踏み込んだのかも。

何の予告もなくブログ更新が止まった時には、本当に私が刺されたと思っていただいていいです。各方面から恨みを買っていること間違いなしですので。



比喩はオレの十八番だろ

2008年04月15日 16時46分08秒 | 俺のそれ
以前にも、何らの関係もなく「さてはオレを撃ってきたな」論を考えたことがあるが(笑)、またしてもオレを撃ってくる気配を察知したので書いてみる。

前がこれ>「ソツロン」って何ですか?


今これ>はてなブックマーク - 比喩兵器説 - ARTIFACTハテナ系


いや、比喩や寓話が「ダメ論」ってのは承知した上で書いてるんだってば。
それとも、id:kanoseはあっしに何か文句でもあるというんですかい?(笑)


多分ウチの記事を見たわけではないだろうけど。それはいいや。
偶然にしちゃ、この記事(「○○リテラシー教育」は本当に効果的なのか)拳銃の比喩を書いたばかりだからな。タイミングが良すぎ(笑)。


たとえばこんな話だな。

沙世ちゃんの装備:
・頭―ヘルメット
・顔―目だし帽or手ぬぐい
・腕―連帯リング(誰かと繋がれる)
・手―軍手
・武器―ゲバ棒、○○論の本


175モンスターor雨夜アンデッドの必殺技:
・大きな声
・仲間を呼ぶ声
・影分身
・どこでもこら!
・壊れたレコード
・ナカッタ飛礫
・くさい逝き
・バンザイ突撃


いつも、沙世ちゃんはモンスターやアンデッドを狩っているんだ。対決して、やっつけなければならないからだ。激戦中の沙世ちゃんは、近寄り難いし怖い形相だから、見かけた者たちは無言で過ぎ去るか恐れおののいて走って逃げる。
強固な「連帯リング」を互いに連結して、「~の輪」とかの包囲網を完成したりして、集団戦に持ち込んだりすることもできる。輪の内側では、「ゲバ棒」で死ぬほど叩かれ、「○○論の本」で往復ビンタを食らったりする。


<ちょっと寄り道:
因みに学生の頃に、機動隊に取り囲まれた、沙世ちゃん風ないでたちの学生諸君を見たことがある。本当に機動隊は円陣になって、輪の内側に基本装備をした数十名の学生諸君を閉じ込めていたよ。機動隊員の腕には勿論「連帯リング」はなかったけど(笑)、カップルの腕組と同じく互いに腕を組んでるだけで強固な包囲陣形を形成していた。そこに閉じ込められていた学生諸君は哀れではあった。この時、生まれて初めて機動隊員を見たが、こりゃ本物だ、と思った。色んな意味で。

話が外れるけど、先日東京では警察の観閲式みたいなのがあったと思うが、SAT隊等の特殊車両(機動隊ではなさそうと思ったんだが、よく知らない)の屋根には、「かざぐるま」が付いているんですか?多分風向計だろうと思うのだが、それを調べる・チェックするということは「毒ガステロ」とか「ガス弾使用」とか、そういった条件をみる為?理由はいいんだけど、路上を走る時には、もの凄い勢いで回るから面白いな、と思って。格納式になっているといいんだろうけど、かなりコスト高だもんね。使う時だけ覆面パトの赤色灯が上がるみたいな仕組みになっているといいかもしれん、とか思ったんだけど。それが高価なので完全固定式にするしかなく、路上を走る時には風車を猛烈に回しながら走ってるのかも(笑)。>


175モンスターやアンデッドはどこでもわいて来る(=どこでもこら!)し、倒しても倒しても次から次へと現れるのでキリがないのかもしれないが、沙世ちゃんも結構怖いよ、というのが一般人の感想なのではなかろうか。双方の戦闘シーンを目のあたりにすると、かなり引くと思う。

思わず口をついて出るセリフが「どっちもどっち」というのは、私には判る気がするもん。これを、「お前はどっちの陣営なんだよ!中立を気取るんじゃねえ!」とか怒られても、答えようがないと思うんですけど。

沙世ちゃん派か?
それとも、175モンスターや雨夜アンデッドを庇い立てする気か?悪辣な連中を擁護しようってのか?一体、どっちなんだよ!

とか選択を迫られてもねえ…
判らん、というか、どっちにも「参加したくない」と考えるのは普通の反応ではないだろうか。

◇◇◇


機動隊と学生闘士が戦っているんだ、戦闘の歴史や全体像を俯瞰できないなら首を突っ込むな、黙ってろ、とか、調べて理解してから表明せよ、とか、難しい要求が多すぎるね。

見たまんまに、
「今日は機動隊と学生闘士が小競り合いをやっていて、どっちが正義で主張が正しいのか全然判りませんでした。権力側が悪いのか、フル装備して暴力的行為を行う闘士が悪いのかは、自分では選べません。どっちもどっちだと思います」
と日記には書いておこう(龍角散か)、って話だな。

少なくとも、「オレはどっちもヤダ」という普通の意見が拒否されることが理解できない。そりゃ、機動隊員は職務や命令とはいえ、体張って一般市民を守ろうとしているのだろうし、学生闘士側にしたって「俺たちゃ不当な権力に立ち向かっているんだ、権力に屈っせず命懸けで戦い続けねばならないんだ」みたいに思っているだろうからね。真剣にやってるのは判るよ。

かといって、どちらか選べ、他人事だからそんな態度なんだ、とか、本気で言われても、どちらにも参加したくないし。学生闘士の人たちを見ていても、ただ暴れてるだけなのと全く区別をつけられないんだもの。特別な政治的思想を持たない暴走族が暴れていて、機動隊が出動して制圧しているのと明確に判別できないってこと。
だからこそ、沙世ちゃん側とモンスターやアンデッドが戦っている現場を見かけたり遭遇したりしても、加担しようなどとも思えないし、どっちかの陣営に与するのも躊躇われるのですよ。


長々と最終兵器的な「比喩攻め」で申し訳ありませんが、これをマジに書いてしまったりしようものなら、沙世ちゃん陣営からもモンスター&アンデッド陣営からも猛烈爆撃を食らいそうだし。だって、機動隊と学生闘士諸君の戦闘中の輪の中に、無防備で飛び込めといわれるようなもので(また比喩でゴメンね)、もみくちゃにされて潰れされて鼻血まみれで瀕死になると思うけど。
そんな覚悟もなけりゅ、やりたくもないし、参加はゴメンだね、と。ゲバ棒でぶっ叩かれて本で往復ビンタされるのと、仲間を呼び集められて「ナカッタ飛礫」を死ぬほどぶつけられ「壊れたレコード」攻撃を受けるのと、どっちがいい?とか尋ねられても…どっちもヤダとしか言えない。



これがホントの「これはひどい」(笑)

2008年04月15日 14時02分20秒 | 経済関連
GEショックが相当こたえたようで。
偶然この前コメントに書いたりしたのですが、天下のGEといえども「かなりの手傷」を負わされた、ということでしょうか。まあやり過ぎたんですわな。

発表された米企業業績は「ひどい状態」、株式は下落へ=ゴールドマン Reuters


本業に専念しておけばこんな酷い損失を蒙ることはなかったであろうに、GSが日本政府内から退去させられてから急速に力をつけてきたのがGEだったのではないかと思っているのだが、どうなんだろう。


例の防衛省の守屋次官騒動の頃にも、色々と名前が挙がってきていたよね、GE。
今では守屋事件があまり報道されないし、その後の捜査進展とか状況とかどうなっているのかは知らないが、本丸にどの程度近づいているのか判らんな。


話がかなりあちこち飛ぶが。

裁判員制度がどうして持ち上がってきたのか、出所がわからないとかテレビで出ていたらしい(ボツネタさんのところではそう述べられていた)が、単純な対日政策の一環でしかないのではないかな。


某国が求めていたことの一つには、まず会計業務の開放みたいなことがあったであろう。国際的に大きな事務所は米国にたくさんあるし。日本上陸を果たして、勢力拡大を目指してきたであろう。そういう中にあって、巨額資本を有する事務所にとっては、日本の既存会計事務所というのは目障りでしかないだろう。何かで責めあげて、倒れてくれれば好都合なのさ。で、サクッと頂く。シェアも勿論頂戴する、ってことだ。


漫画などでもよくあるが、金満レストランが金にものをいわせて攻めまくるが、腕とか技術とか熱いハートで対抗する弱小料理店の店主、みたいな構図だな。かつては小規模店を守っていた寿司職人だの板長だの同業者たちが大勢いたのに、耐え切れずに金満レストランの軍門に下っていく、みたいなもんだ。そうして金満レストランは弱小を飲み込みながら、自分の勢力を拡大していくのさ。

軍門に下ってしまった腕のいい職人たちは、いいように使われるのだよ。支配されてしまうのさ、スーツに。そういうようなものだ。


弁護士も大体は似たようなものさ。
まずは兵糧攻め。これが何かって?
収入を大きく減らすように仕向けるんだよ。医療費抑制を強烈に言い出したのも、同じ理屈さ。金満レストランの軍門に下らせる為には、職人連中に「ギブアップ」と自ら言わせられなけりゃ支配できないからね。専門職の傾向としては、所謂「職人気質」っぽいから、独立心(志向)が強く、専門外(大抵はスーツだな)の介入を嫌う、といったことがある。こういう連中を屈服させるには、自分の口から「ギブアップ、参りました」と言わせられなければならんのよ。ギブアップした時に救ってくれる人間には驚くほど従順で、極めて熱心に働く。条件悪化でもすんなり受け入れる人間に生まれ変わっているのだよ。

だから、兵糧攻めは効果的なのさ。


弁護士を急速に増やす政策は、供給過剰をもたらすことが明白なのに、どうしてそんなことをやったのか?
利害の一致する人々が大勢いたからさ。あっち方面も、こっち方面も、大喜びで賛同してしまう人たちがいたからさ。

あとは日本国内の需要を喚起し、掘り起こしていく作業をすればいいのだ。
もっと国民に提訴を身近なものとしてもらえばいい、法的争いを普及させればいい、そうすれば某国みたいに弁護士の仕事は増える。とても短い時間でも、イスにちょっと腰掛け、知的な光を瞳に宿して、あとは依頼人の話を熱心に聴くふりをするだけで数百ドルを生み出せる、とても生産性の高い仕事だ。丸なんとか商社を訴えるだけで弁護士費用が10億円から入ってくるような、極めてオイシイ仕事だ。



(世の中には不思議な仕事がたくさんあり、「ぼったくりバー」よりもはるかに暴利であったとしても、社会の尊敬を集められる仕事があり、その唯一の違いとは合法だということだ。弁護士がそうだ、などと言っているのではありません。)



金満レストランは今でもいると思うけど、まだまだ支配が少ない。もっと大きく支配せねばならんのだよ。
仕事が少ないのであれば、もっと増やせばいい。色んな法律を大きく変えて、もっともっと複雑にして、強制的に法的仕組みを整えさせたり、プロじゃなけりゃできないくらいに難しい業務にしてやらねばならんのだよ。そうじゃないと、自分でやってしまったりして、依頼してこないからね(笑)。

ま、大量供給してたくさん頭数が余るだろうから、ギブアップしてきたところを「こき使い部隊」の兵隊として雇い、散々働かせると、金満レストランががっぽり儲かるからそれでいいのさ。会計、法務、これらの市場開放は全然進んでいなかった、だから、市場原理を導入すべしということなんだよ。まあ市場開放というよりも、解体・駆逐みたいな印象がないわけでもないが(笑)。

他に開放が進んでいない分野で残ってるのは、医療くらいではないか?(笑)


これが正しい資本主義だ。
正当な競争の結果に過ぎんのだよ、日本の諸君(笑)。

まだ判らんの?
金満レストランが正しいんだよ。
だから早くギブアップしろ。


※誤解を招くような書き方かもしれないので、一応追加しておきますが、勿論金満レストランを許すことなどできない、という意味ですからね。反語的な意図で書いているのであり、金満レストランが推し進める「競争原理」だの「市場開放」だのは日本のマーケットを奪い取ろうとする為の都合の良い口実に過ぎない。国際的な会計や法務に関する業務においては、海外の大手事務所がなければできない部分はたくさんあるし協力関係が必要だろうと思うが、海外資本に席巻され飲み込まれてしまうのとは意味が違う。従属でなく、対等な関係でなければならない。社長と平社員の関係ではなく、ファームのパートナーの関係ということだ。



リーマン提訴の謎

2008年04月15日 02時57分37秒 | 経済関連
丸紅がリーマンに訴えられたという事件である。
事件だけ見れば、リーマン側の主張は無理筋に見える。大手企業社員が偽造書類で架空投資を誘い込む詐欺事件というのは、さほど珍しいものではないからだ。

例えばコレ>架空投資損賠訴訟:元証券会社員に3860万円賠償命令--地裁高崎支部判決 /群馬 - 毎日jp毎日新聞

使用者責任が認定されるというのは、ハードルが高いと考えられるそうだがどうだろうか。
こんなのもある>大和証券グループ本社 大和のCSR 持続可能性報告書2003

朝鮮総連本部詐欺事件でも、元銀行員が逮捕された。大手金融機関社員などによる詐欺事件は起こり得るということであろう。


話を戻そう。
丸紅側のリリースがあったので、読んでみた。
リーマン・ブラザーズ証券株式会社の関係会社から受領した訴状の内容についての当社の見解

これを読むと、問題となっている出資スキームが判りやすい。どう見ても丸紅は被害者に過ぎず、元嘱託社員の行為を防ぎ得たかというと、極めて困難ではないかと思われる。書類偽造や演技をすることを完璧には防げないだろう。大事な社印とかがずさん管理になってとか、重要書類(たとえば取締役会議事録?とか稟議書?とか、大企業の仕組みや仕事を知らないので適当です)をいつでも偽造できるような安易な管理になっていた、とかのような、重大な(善管)注意義務違反でもあれば別だが、そうでなければ社員全員を四六時中監視監督しておけるわけではないのだから。話す内容とか行動全てについて、使用者の注意が及ぶものではないだろう。
なので、リーマン側の主張は無理があるとしか思われない。


この事件には、更なる謎があるようである。

深層 丸紅偽造保証書問題で意外な波紋:NBonline日経ビジネス オンライン

出資スキームで登場するアスクレピオスなる会社が出資しないのに、投資事業組合を組成しているのだ。しかも、全然利益の出ていない(売上高の殆どは薬局で稼いでいる程度の)医薬ベンチャー企業が親会社なのだ。これがLTTバイオファーマということだ。アスクレピオスは多額の病院債権を持っていたメデカから、157億円の債権を53億円で買い取り、なおかつ子会社(ファイティング・ブル・インベストメント)の発行する社債35億円を掴まされたということらしい。これだけには留まらず、メデカ株の筆頭株主から大量に買い取ったのも謎である。

丸紅が病院再生事業を約400億円もかけて行うのであれば、アスクレピオスとかその関連会社を通じて行う必要性というのは、考え難いであろう。しかも、高々400億円くらいの資金を丸紅が出さず、「リーマンに出資させる」ということの意味も意図も全く判らないであろう。安易な偽造書類と丸紅の部長を名乗った替え玉男の登場くらいで、数百億円もの金をリーマンがすんなりと出すのも不自然ではある。


警察が捜査するだろうから、いずれ事件が明らかにされていくかもしれないが、思うところを書いてみる。予断を与えるのはよくないかもしれないが、ご容赦願います。

リーマンが騙されたとして、何故丸紅を訴えたのであろうか?アスクレピオスや親会社であるLTTバイオファーマなんかの方が、関与が深いのであるから、まずそちらから回収するべきなのではないか?これが素朴な疑問。
投資事業組合というのは、ある種の隠れ蓑的なものでもあるので、実態が掴みにくいのだろうと思う。わざわざ組合を組成する意味って、一体何なのだろうか?会社に直接金を出せば済む話ではないかと思えるのだが。本当に病院再生事業をやるのであれば、その事業を行う会社に金を出し、回収する時にも会社から金を引き上げれば済むだけなのだ。丸紅が保証するのであれば、会社が払えない時にその債務を肩代わりするだけなのだし。投資事業組合である必然性というものがない。

LTTバイオファーマという会社の謎部分は多い。会社本体の売上も利益も全然ない。連結子会社に売上高があるだけなのだ。しかもアスクレピオスを株式交換で子会社化したのだが、これもよく判り難い。売上はこちらの方が全然大きいからね。


全くの仮定の話を考えて見る。
ある出資主体があって、投資事業組合を組成しそこに資金を入れる。その組合はベンチャーとかに金を出したり株式売買などで儲けたりするのと、上場バブルとかでも何でもいいので市場で売り抜けたりして、ひたすら錬金術に勤しんでいたと。しかし、別件で大騒ぎになって(○○○モン逮捕とか?)、その後も思ったようには行かず、初期投資が回収困難となってきたとしたら?出資主体のケツにも火がついて、資金回収に躍起になっていたら?太平洋の向こう側で、ヤバい事情になっているもんだから、保有する投資事業組合をいくつも解散したりせねばならず、その資金引き上げの一環で初期投資を或いは1円でも多くどうしても回収せねばならない状況に追い込まれたとしたら?
初期投資100億円を入れていて、回収できそうなのが50億円だと。足りないぜ、と。どこか1箇所に全てのゴミを集めてダメ会社を破産させる。が、破産する前にできるだけ資金を多くそのダメ会社に引っ張ってこなければならない、と。ある架空スキームをつくり、保険を掛ける。資金回収が困難になった時に、支払われる保険だ。いや、保険じゃなくてもいいのだが、保険同様の仕組み(デフォルト・スワップとか?よく判らん)があればいいだけ。保険金の支払条件が、債務者や債務保証者への提訴であるとしたら、提訴すればいいだけなのだ。後は、ダメ会社を利用して金を集める。ダメ会社に出資したように入金記録を残す。300億円とか入れるわけだ。ダメ会社からは入金した金を裏でバックさせる。合計400億円(初期投資100億+後から入金した300億)を入れたことになるが、ダメ会社倒産で債務保証会社を提訴すれば保険金300億円が入ってくるので、回収50億円と合わせると350億円になる。裏でバックさせた300億円も懐に入るなら、650億円が回収される。うまい話じゃないか。後は投資事業組合を消滅させれば、跡形もなく消える。裁判の勝敗はどうでもいい。大事なのは、入金した金をバックさせることと、保険金をもらうことだ…。


こういうのを陰謀論と言います。なので、決して本気にしてはいけません。


そういえば、こんな話もあったな。
米リーマンLEHN株が一時10%近く下落、資金繰りめぐるうわさで マネーニュース 最新経済ニュース Reuters

投資ファンド解散の話も。
リーマン・ブラザーズ、3つの投資ファンドを清算 ビジネス Reuters


鬼のような米系証券会社が、ただの偽造した紙っぴらだけを信じて、数百億円もの金を出すのだろうか?事業の評価とか内容の確認とかを行うことなく、ベンチャー企業の子会社でしかない得体の知れない会社に数百億円もの金を短期間で入れるものなのだろうか?それも、昨年11月以降のサブプライムショックが本格化して、「リスクを取り難い」状況になってからなのに?

NIKKEI NET(日経ネット):主要ニュース-各分野の重要ニュースを掲載

この焦げ付き話が出てから、ロイター記事にあったような「ウワサ」が流れたようだが、何か関係があるのかな?
業界内で何か知ってる人たちとか、そういうところから情報漏れとなったとかなのかな?いや、そういう業界事情みたいなことは全く知らないんだけど。


ま、謎の多い事件であることは確かです。