ある大手企業で己の不祥事から辞任したトップが、ほとぼりが冷めた頃同じ企業内の要職に就くということはあり得ない。 しかし「ありえないこと」が平気で行われるのが自民党であろう。
初老のジャーナリストの高野孟がこんな風に怒っていた。
「安倍元首相の派閥会長就任は「みっもとない」の一言に尽きる」
近頃まことに不愉快きわまりないのは安倍晋三元首相の派閥会長就任で、みっともないの一言に尽きる。 そもそも一般論として、麻生太郎副総裁もそうだが、総理大臣まで上り詰めた者は潔く退くのが当たり前だろう。しかも安倍は「アベノミクス」の8年間でかえって日本のGDP(ドルベース)を減らしてしまうという大失敗を演じながら、その結末をコロナ禍による不況に紛れさせて頬かむりしている。モリ・カケ・サクラ・アンリなど数々の金銭絡みの疑惑も、知らぬ存ぜぬでひたすら逃げ回るばかりの卑劣漢ぶりである。 それならそれでおとなしくして、いつの間にか消え去っていたというふうにすればいいだろうに、先の総裁選では子飼いの高市早苗を押し立て、かなわぬと見るや岸田文雄に票を回して恩を売り、その見返りに高市を幹事長にするよう人事に口出すなど、チョロチョロと立ち回った揚げ句、党内最大派閥の会長に就任して政権に睨みを利かせようという算段である。 が、岸田も顔に似合わずしたたかで、細田派から安倍派に衣替えした清和会の中には、岸信介に発して3代目の安倍に連なる系統と、福田赳夫から数えてやはり3代目となる福田達夫の系統とがあることに着目。「萩生田官房長官-高市幹事長」という安倍の人事要求を蹴っただけでなく、わざわざ福田系の松野博一を内閣の要の官房長官にし、まだ54歳の福田達夫を総務会長に大抜擢して、安倍の言いなりになるつもりがないことを宣明した。また、衆院に鞍替えした林芳正の外相起用も、一面では安倍に対する強烈な嫌みである。林と安倍は親の代から地元の山口県で政敵の関係にある。 清和会には、福田系だけでなく安倍系の中にも安倍のゾンビぶりに眉をひそめる者もいて、安倍が思い通りに政界を操ることなど到底できそうにない。(敬称略) |
確かに安倍晋三は、みっともない辞め方をしながら平然と2度目の「総理大臣」になり、自民党内の規則を強引に変更し「連続2期6年」から「連続3期9年」に延長し総裁の椅子に居座っていた。
当然ながら、こんな声が党内外から出てくるわけだ。
「こんなボスを担ぐのか 安倍派とか茂木派とか醜悪な自民党」
【巻頭特集】
— 日刊ゲンダイDIGITAL (@nikkan_gendai) November 17, 2021
スネ傷、嘘つき、疑惑まみれの人でなしらが蠢く昨今の浅ましさとこうした動きをしたり顔で解説する大マスコミの派閥記者たち
こんなボスを担ぐのか 安倍派とか茂木派とか醜悪な自民党 https://t.co/gKRNPb2NEz #日刊ゲンダイDIGITAL #安倍晋三 #麻生太郎 #自民党 #田中角栄
「派閥復帰、会長就任にあたって安倍元総理が『派の総意』にこだわったため、議長就任時の慣例で党や派閥を離れる細田さんが幹事会で後任に推挙し、全会一致で同意。安倍側近で事務総長を務める西村前コロナ担当相らの要請、総会での満場の拍手、という段取りを踏んで安倍派誕生と相成った。8年近くも総理をやったのに、派閥の領袖もなんて……。よくやりますよ」(中堅議員)
「小選挙区制で党本部がカネと公認権を握ったことにより、派閥の形骸化が進んできましたが、ここへきて21世紀型の派閥政治が復活した印象です。その象徴が安倍元首相の清和会会長就任、安倍派への衣替え。安倍元首相の動きは、ロッキード事件で追い込まれた田中角栄元首相を彷彿とさせる。権勢をふるってきた田中角栄は自身が率いた最大派閥の力をバックに、検察に対抗しようとあがいた。憲政史上最長の政権を率いた人物が逮捕、刑事被告人となりかねない現実がある。安倍元首相の痩せ方を見ても、その心労は想像を絶するものがあるのではないか。総裁選でかつて派閥を飛び出した子飼いの高市政調会長を担ぎ、河野広報本部長を潰し、岸田首相誕生の流れをつくったキングメーカーのように振る舞い、最大派閥の領袖となったのも、何としても火の粉を払いたいがためでしょう」
(政治評論家の本澤二郎)
「自民党は国民を裏切り、国会軽視もはなはだしい。人徳のない政治家がのさばれば、政治はますます腐敗します。ひと昔前の経世会(平成研の前身)であれば、参院側が人徳も人望もない『茂木会長』など蹴っ飛ばして分裂したでしょうが、派閥は大きければ大きいほどいいという根性ナシがいるのも事実。政治家ほど信念が求められる職業もないというのに、もはや自民党は無能力者の集まりですよ」
「中選挙区時代の派閥は事実上の政党で、自民党は政党連合のような性格を帯びていた。派閥に新人が入れば幹部が教育し、選挙のやり方から政治家としてのマナーまで徹底的に指導して鍛え上げたものです。親分を総理総裁に押し上げようと激烈な派閥間抗争を繰り広げたため、カネがかかり過ぎる弊害も確かにあった。ですが、中選挙区時代は候補者一人一人が有権者に評価され、無所属でも勝ち抜ける環境だった。たくましい政治家が養成される側面もあったのです。それが小選挙区制への移行で候補者個人は重視されず、党首の人気が結果を左右するようになった。派閥の親分よりも総理総裁に忖度し、ゴマをすり、時には金を貢いでまで公認を得るヤカラまで出てきて、まるで“買われた命”みたいなヒラメ議員がいかに多くなったか」
(政治評論家の森田実)
以前、「不祥事・問題議員のデパートである改憲勢力の維新」とつぶやいたのだが、作家の適菜収はもっと激しく厳しい内容のコラムを書いていた。
「公選法違反容疑でまた逮捕者 公然わいせつから詐欺まで維新の“犯歴”を振り返る」
選挙後の摘発と逮捕は維新の会の風物詩でもある。今回もさっそく兵庫4区から出馬し比例復活した赤木正幸の運動員森宏成が公職選挙法違反(買収約束)容疑で逮捕された。森の孫の森弐奈も同容疑で逮捕。2人は共謀し、知人ら6人に対し赤木の選挙運動を手伝う報酬を約束したとされる。
これまでも足立康史、上西小百合、桜内文城、田坂幾太、升田世喜男、石関貴史ら維新議員の運動員や元秘書らが公選法違反容疑で逮捕されてきたが、県議や市議周辺まで含めれば膨大な犯行の数になる。 |
どうやら、「ベスト5」は次回のお楽しみらしい。
しかし維新の議員の不祥事はまだある。
1週間前に、「今度は“マルチ商法企業”セミナー 維新3回生・伊東信久議員が議員会館を不適切使用の疑い」と文春砲に指摘されたコヤツが決定的な証拠を握られたいた。
「《動画入手》維新・伊東信久議員「マルチ商法業者」との関係で虚偽説明「私が監修・開発」」
日本維新の会の伊東信久衆院議員(57)が、いわゆるマルチ商法で行政処分を受けた業者に関連する講演を行っていた問題で、業者との関係で虚偽の説明をしていたことがわかった。この企業の商品について、伊東議員は「監修・開発していない」と説明しているが、「週刊文春」が入手した講演の動画では、伊東議員自身が「私が監修、研究させて頂いている」と明言していた。
伊東氏は今回の衆院選で、大阪19区から3回目の当選を果たした。現役医師で、故・やしきたかじんの主治医を務めていたことでも知られる。 伊東氏は11月8日、「週刊文春」の取材に対し、「伊東が、アイテックの化粧品製品『MATRIX』の監修者・開発者として活動したことはありません」などと回答していた。 だが、実際はどうだったのか。
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もっともらしい「大阪大学の招聘教授」という肩書だが、年間2時間だけの講義とは、まさに詐欺師そのもの。
そしてまさに「嘘つき」なところは、維新の会の創設者の橋下徹譲りなのだろう、とオジサンは思う。
何回でも言っとこう。10月末の1日で100万もらえたのは制度の問題。10/1で辞めて100万円意図的にもらってHPにも公開しなかったのは制度を悪用した本人の性根の問題。法改正で後者は糾せません。 https://t.co/YldktIWz6Y
— shinoda soshu (@ssoshu) November 16, 2021
橋下さんは、「文句があるなら政治家になってから言え」と言ってませんでしたっけ?いま橋下さん政治家でしたっけ?
— 🇮🇹イタリアでゆる〜く (@casumitalia) November 16, 2021
いや、維新・橋下氏の様にお金持ちなら兎も角、れいわ・大石さんなら、100万円は本人の所に全く留まらず、正しく活動資金に消えてなくなる事は分かるでしょう。それをこういう言い方をするのが、本当に橋下氏だと思います。法律に定められたお金を貰い使う事をとやかく言われる謂れはないでしょう。 https://t.co/ExJFQIeRGG
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) November 16, 2021
ほらほら。窮地に陥ってしまった橋下氏、「新人議員たちに期待!」と、お得意の“議論のすり替え”だ。もうさ、この「維新こそ改革派だ」「他の野党は何やってるんだ!」の欺瞞がバレてからの「私たちも間違ってたから正す」からの「維新こそ改革派だ」という言い訳ループ、見苦しいから止めたら如何か。 https://t.co/hD1taYAVBd
— 木村知 (@kimuratomo) November 16, 2021