たまにネット上で見かける「ルサンチマン」という言葉。
初めて見たときに調べたところ、近代ドイツの哲学者フリートリッヒ・ニーチェ(1844~1900)が提唱した言葉で、平たく言えば「ねたみ、うらみ」という意味だった。
その時、ブログでよく使う御仁がいたので、調べたところ「kojitakenの日記 ルサンチマン」で検索したところ、約1830件ほどが引っ掛かった。
最も新しいエントリー「『上級国民』騒ぎの虚しさと『呼び捨て報道』の思い出」では、こんな風に使っていた。
「上級国民」の件は、「リベラル」のみならず右翼からも憤激を買っており、リテラなどは人々のルサンチマンを煽りまくっている*1。だが、私はこの流れに同調する気など全く起きない。 |
なるほど、この「日記」の内容にはコメントしないが、「ルサンチマン」の正しい使い方は、「人々のルサンチマンを煽る」ということらしい。
「バカを煽ってルサンチマンを焚き付けて」というタイトルで「ネットゲリラ」なるサイトで興味深い記事があった。
世の中では「医者」とか「弁護士」というのは知的な職業だと思われているんだが、実際は、医者も弁護士もせいぜい「職人」だよね。「医学者」というのは学者だが、全ての医者が医学者というわけではない。弁護士は基本的に職人であって、「法学者」ではない。だからハシゲとか、学者にコンプレックスがあって、こうやって噛み付く。日本人の中でも知的に劣る一部の人間が、それで溜飲を下げて大喜びw |
誰のことを批判しているのかといえば、最近、「学術会議」に対して「煽りツイート」を飛ばしていたこの輩であった。
しかも社会に対して何の貢献をしているのかわからん仕事でも学問の自由の名目で許される。もう少し謙虚になれ。その謙虚さがないことが、学術会議に対して国民の圧倒的応援が生まれない原因だと、もうそろそろ気付けよ。
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) October 11, 2020
こんな戯言に対しては、さっそくお返しが!
橋下氏には言われたくないでしょ。
— 松永澄 (@TBEerHrXgRlHpgi) October 11, 2020
謙虚さが微塵もなくて、風見鶏みたいに空論を操って大阪をダメにしたのは誰だっけ?
自分は賢い!一般国民はバカ!
これは橋下氏の行動の基底にある根本認識。骨の髄まで染みてる。
橋下氏の特異点は、税金を自己利益に使用することへの抵抗感が微塵もないこと。
先の記事の投稿者はこう解説していた。
この手の話でありがちなのが、「理系はわかるが、文系はみんな反日、役立たず」という論調で、日本人の底辺ではそういう志向が強い。まぁ、田舎の中学では、一部のトップクラスは別として、「ちょっとアタマの良い子は工業高校、馬鹿は農業高校か私立の普通科」というのが定番で、馬鹿業界では「理系はアタマが良い」というのが常識になっているw |
あとは、当サイトへのコメントと「2ちゃんねるの無責任なネットすずめたち」のオシャベリを参考に!
そもそも、こんな低レベルの話に堕した張本人の、こんなふざけた記者会見もどきに「グループインタビュー」の中身が酷すぎる。
国会ウオッチング】10・9菅首相グループインタビュー
なにしろ、記者の質問に対してまともに答えず、まさに文字通りの「壊れたテープレコーダー」のごとく同じ回答を平然と答える菅義偉。
学術会議からの推薦者リストをうっかりと「見ていない」と言わざるを得ないほどに追い込まれてしまった菅義偉。
あたかも見てないと言っとけば責任から逃れられるとでも思ったらしいが、そんな卑怯といえる手で逃げられるわけがなくますます事態は悪化するばかりになっている。
その後で、それが重大な事態に発展することに気づいたようで、「だったら学術会議なんか潰してしまえ」となりふり構わない暴挙に出てきたらしい。
「俺たちの言うことを聞かないなら金の蛇口を閉めてやるぞ」という河野太郎氏の脅し、何かに似ていると思ったら、パワハラやセクハラ、レイプの被害を訴えようとする被害者の女性に「そうか、ではお前を業界から干してやる」と脅す加害者男性の姿とそっくり。河野太郎氏という人物の人間性が露呈した。 pic.twitter.com/cQsDGYt7UR
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) October 11, 2020
弁護士の郷原信郎は、橋下徹と違って弁護士らしく冷静に問題点を指摘していた。
「日本学術会議任命問題、「改ざん」指摘の当否、首相決裁「虚偽公文書作成」の可能性」
日本学術会議任命問題、「改ざん」指摘の当否、首相決裁「虚偽公文書作成」の可能性
日本学術会議の会員任命見送り問題に関して、菅義偉首相が、任命を決裁した時点で、6人がすでに除外され、99人だったと先週土曜日(10月10日)に報じられた。その直後にアップした記事【日本学術会議問題は、「菅首相の任命決裁」、「甘利氏ブログ発言」で、“重大局面”に】では、報道の通りだとすると、誰がどのような理由で、或いは意図で除外したのか、そして、6人の任命見送りの問題表面化直後に、菅首相が任命決裁の際に学術会議の推薦者名簿を見ていないのに「法に基づき適切に対応」と発言したことについて、「適切」というのがどういう意味だったのか重大な説明責任が生じることを指摘した。
この問題について、学術会議側から、「学術会議は総理に対して105人を推薦している。総理に伝わる前に他の誰かがリストから6人を削ったのであれば、文書の改ざんとなり大きな問題」との指摘が行われていると報じられている【(TBS)学術会議側から「文書の改ざん」指摘相次ぐ】。
学術会議側が指摘するように「文書の改ざん」に当たるのか、それに関して、どのような犯罪が成立し得るかについて考えてみたい。
まず、日本学術会議が、内閣総理大臣に提出した「推薦者名簿」は、日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。
と規定する日本学術会議法17条の規定に基づいて、日本学術会議会長の名義で作成され・内閣総理大臣に提出された「有印公文書」だ。
もし、この推薦者名簿の中の6名を除外し、99名の推薦者名簿であるように内容を改変して菅首相に提出したとすると、「作成権限者である日本学術会議会長に無断で、既に存在する公文書である推薦者名簿に手を加えて、新たに不正な推薦者名簿を作り出した」ということになるので、有印公文書変造罪(1年以上10年以下の懲役:刑法155条1項)が成立する。
しかし、会見での菅首相の発言を確認すると、(任命決裁の際に)「見たのは99人の任命者リスト、推薦者リストは見ていない」と述べている。この説明によれば、学術会議が提出した「推薦者名簿」自体は菅首相に提出されておらず、ニュース等で目にする「黒塗りの推薦者名簿」は、「105人の推薦者名簿」の一部を黒塗りにしたものを、「推薦者名簿」ではなく「99人の任命者名簿」として作成したものということであれば、内閣府側の作成名義による文書ということになり、「公文書の変造」は成立しない。学術会議側が指摘する「改ざん」にも当たらないということになる。
そうなると、問題は、会員任命の首相決裁の際の「決裁文書」がどのような内容だったかである。「日本学術会議の会員推薦者が99名であった」かのような決裁文書が作成・提出されたのであれば、「事実に反する記載」ということになり、そのような内容の決裁文書を作成し、菅首相に提出する行為は、虚偽有印公文書作成・同行使罪に当たることになる(法定刑は有印公文書偽造・変造罪と同じ)。
もっとも、菅首相の会見での発言からは判然としないが、任命見送りとなった6名については、「自分のところに任命の決裁が上がってきた段階で6名は任命対象から除外されていたので、除外された6名の名前は知らなかった」という趣旨であり、6名が除外された事実を知らなかったということも考えられる。実際の決裁文書には、推薦者が105名であったことが記載され、そこから選定された99名の「任命者リスト」が添付され、その99名を選定することの決裁を求めたというのであれば、決裁文書に虚偽の記載はないので、犯罪は成立しない。
しかし、そうだとすれば、菅首相の説明は「舌足らず」であり、推薦者名簿が「改ざん」されたかのような誤解を学術会議側に与えたことについて責任がある。
ノーカットで公開されている会見映像を見ると、菅首相は、記者の質問に答える際、終始手元の資料に目を落とし、「総合的、俯瞰的に」と言う言葉を繰り返している。そして、この問題について、唯一、自分の言葉で答えたのが、前記の「推薦者リストは見ていない」という言葉である。菅首相の説明能力・答弁能力の致命的な欠如を示していると言えよう。
菅首相は、推薦者名簿の取扱い、決裁文書の作成経過などについて至急調査を行い、「見たのは99人の任命者リスト、推薦者リストは見ていない」と発言したことについて納得できる説明を行うべきである。
官僚というのは、一般的には、「首相の意向を忖度するなどして、不当な行為を行うことはあっても、『違法行為』だけは絶対に行わない」という“習性”があるので、意図的に虚偽公文書を作成したとは思えない。しかし、まだ記憶に新しいところでも、森友学園問題での「財務省決裁文書改ざん問題」も発生しているので、全くあり得ないとは言えない。
もし、その決裁の過程で、虚偽公文書作成などの犯罪が行われた疑いが生じた場合には、「公務員は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」として公務員の告発義務を定める刑事訴訟法239条2項の規定に基づいて、刑事告発を行わなければならない。— 盛田隆二??Morita Ryuji (@product1954) October 9, 2020
ちょっと待って。「私が6人の任命を拒否した訳ではない。私が決裁する前に(官邸の)誰かが6人を外していた」との論に切り替えたのか? 説明責任を逃れるために。https://t.co/DALBZMuRrT
以下の画像を見れば、学術会議会員候補推薦書に菅義偉や加藤勝信官房長官の印鑑は一体何を意味するのか、まさか側近が勝手に印鑑を持ち出したという言い逃れはできないだろう、とオジサンは思う。