いまさらながら、「嘘の上塗り」を実践している国会議員でしかも岸田文雄内閣の閣僚が現存していることに、改めてあきれてしまう。
そもそもこの嘘つき女の「上塗り」は「化粧だけにしてくれ」と昔から言われてきたのだが、年齢を重ねるとますます磨きがかかっているようである。
「高市早苗氏『日本語が乱れました』と答弁〝修正〟も…立憲・小西議員バッサリ「荒唐無稽」
高市早苗経済安全保障相が11日、放送法の政治的公平に関する総務省の行政文書をめぐる自身の発言を〝修正〟した。 礒崎陽輔首相補佐官(当時)が総務省に圧力ともとれる問い合わせをしたことが記されている同文書を「捏造」と繰り返している高市氏は、9日の答弁で「礒崎さんという名前は今年3月になって初めて聞きました」と発言した。 ところが、ネット上で高市氏が磯崎氏に言及していた過去が、次々と掘り起こされる事態に。 するとこの日、自身のツイッターで「詳細な質問通告も頂けず即座に答弁する中で日本語が乱れました」と前置きした上でこう修正した。 「『礒崎さんという名前、もしくは放送行政に興味をお持ちだと知ったのは今年3月になってからです』の答弁で大嘘つきとの批判ですが、放送法解釈に関して礒崎氏の名前が出ているのを知ったのが今月という意味。礒崎氏は元同僚議員です」 だが、今回の問題を追及している立憲民主党の小西ひろゆき参院議員は「『放送法解釈に関して礒崎氏の名前が出ているのを知ったのが今月』という高市大臣の主張を維持するためには、それを真っ向から否定する事実が克明に記録された文書を『ねつ造』と主張する他ない」と批判。 続けて「しかし、この主張はあらゆる点から荒唐無稽であり、反民主的だ。即刻、辞職すべきだ」と断じている。 |
まるで3歳児の言い訳のような「詳細な質問通告も頂けず即座に答弁する中で日本語が乱れました」という乱れた発言はむしろ「化粧が乱れました」と即答していれば「座布団1枚」の声もあがったかもしれない。
「放送法解釈に関して礒崎氏の名前が出ているのを知ったのが今月」という高市大臣の主張を維持するためには、それを真っ向から否定する事実が克明に記録された文書を「ねつ造」と主張する他ない。
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) March 11, 2023
しかし、この主張はあらゆる点から荒唐無稽であり、反民主的だ。
即刻、辞職すべきだ。 https://t.co/e1FWafzoiO
ある意味ではこの番組は忖度なしの番組であろう。
この問題の本質は「嘘つき上塗り大臣」の首を取ることではないことは言うまでもない。
「一連の“高市騒動"の前提 安倍晋三による言論弾圧は疑惑ではなく客観的事実だ」
今回の高市早苗を巡る一連の騒動。前提として確認しておきたいのは、安倍晋三という異常な人物が、言論統制・言論弾圧を行っていたのは疑惑ではなく、客観的事実であるということだ。アメリカ国務省が発表した人権状況に関する2016年版の年次報告書には、放送局が政治的な公平性に欠ける放送を繰り返した場合、高市が電波停止を命じる可能性に言及したことを挙げ、「安倍政権によるメディアへの圧力強化に懸念が強まった」と指摘した。 16年、国境なき記者団は「国境なき記者団は日本のメディアの自由の低下を懸念する」という文書を発表。「安倍政権によるメディアの独立性への脅し」「主要な放送局内で自主規制が進んでいること」などを挙げた。 3月2日、立憲民主党の小西洋之議員が安倍政権時代に作成された総務省の内部文書を公表。そこには礒崎陽輔首相補佐官(当時)が14年11月26日に、放送法の解釈や違反事例などの説明を総務省に問い合わせてから、翌15年5月に高市が従来の政府見解を事実上見直すまでのやりとりが時系列でまとめられている。 要するに政府にとって都合の悪いテレビ番組を潰すために悪党が動いたわけだ。内部文書には「現在の放送番組には明らかにおかしいものもあり、こうした現状は正すべき」という安倍の発言や「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある」という礒崎の発言も記載されている。 当時、総務相だった高市は自身の言動に関する記述から「全くの捏造文書だ」と主張。捏造でなかった場合は閣僚や議員を辞職するかと問われると「結構だ」と答えた。その後、総務相の松本剛明が「すべて総務省の行政文書であることが確認できた」と述べ、礒崎が総務省に「問い合わせた」ことも認めた。内部文書によれば、礒崎は「この件は俺と総理が二人で決める話」「しかし、俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ」と圧力をかけたという。 結局、高市は議員辞職を否定、「私に関しての4枚については内容が不正確であると確信を持っている」とトーンダウン。アホくさ。ちなみに15年、礒崎は安保法案に関し「法的安定性は関係ない」と口を滑らせている。安倍政権がやったことは、自由と法に対する挑戦だった。 |
こんな「そもそも」論もある。
「【放送法問題】先進国で政府がテレビを監視しているのは日本だけ…本来論じられるべき3つの問題」
■放送法の議論は論点が違う 放送法に定められた政治的公平性をめぐる、安倍政権下の官邸と総務省のやりとりの文書に関し、与野党の攻防が続いている。放送法の政治的公平に関する問題は20年以上にわたって繰り返し浮上するが、何一つ解決していない。報道機関であるテレビ局が政府である総務省に監督される仕組み自体、そもそもおかしな話なのだ。こんな先進国はほかにない。 放送法に関して本当に論じられるべき問題は次の3つだ。 第1にテレビ局が、政府である総務省に監督される仕組みを続けていていいのか。報道機関であるテレビ局は本来、政府を監視する立場なのだ。 政府がテレビ局を監督している先進国は日本以外にない。海外先進国には政権党をはじめとする政治から独立した放送規制機関がある。米国はFCC(連邦通信委員会)、英国はOfcom(放送通信庁)、フランスはCSA(視聴覚高等評議会)、ドイツはBNetzA(連邦ネットワーク庁)である。 これらの組織はテレビ局と番組を厳格にチェックする一方で、政治がテレビ局に介入することを許さない。だから海外先進国のテレビ各局の独立性は守られ、厳しい政権批判も行えている。 象徴的なのは英国の公共放送であるBBCの報道。例えば1982年、時のサッチャー政権がアルゼンチンを相手にフォークランド紛争に臨もうとしていた矢先、「紛争は回避できるか」と非戦の可能性を探る番組を放送した。戦意の昂揚に努めていたサッチャー氏は激怒した。 さらにサッチャー氏はBBCに「英軍」を「わが軍」と呼ばせたがったが、BBCは最後まで「英軍」で通した。過激な愛国主義が台頭するのを恐れたからだ。日本のNHKと民放だったら、どうするだろう。 ■「政府がテレビ局を監督する」という歪んだ仕組み 放送法をめぐる与野党の議論はほかの先進国からすると、完全に周回遅れの話なのだ。野党は「総務省がテレビ局を監督する奇怪さ」を真っ先に問題視すべきなのである。新聞報道もそうだ。 ただし、その声を上げにくい事情が新聞と民放にはある。海外先進国には独立放送規制機関がある一方で、新聞とテレビ局が同一資本で結びつくクロスオーナーシップを禁止または制限している。朝日新聞とテレビ朝日、読売新聞と日本テレビのような関係はあり得ないのだ。 独立放送規制機関はテレビ局への政治の介入を許さぬだけでなく、ほかの報道機関がテレビ局に影響力をおよぼすことも認めない。テレビ局の独立性が損なわれるからである。独立放送規制機関が生まれたら、現状のクロスオーナーシップ制度は許されない。 そもそもクロスオーナーシップは視聴者に不利益をもたらす。報道や言論の多様化の妨げになるからだ。事実、在京キー局5局と系列新聞は論調がほぼ一緒で、グループのマイナスになることはまず報じない。これでは報道や言論の幅が狭まる。また新聞は系列民放の不利益に繋がるNHKの業務拡大には猛反対する。 「政府がテレビ局を監督する」という歪んだ仕組みが許され続けた責任の一端は、新聞と民放にある。クロスオーナーシップに踏み込まれることを好まない新聞と民放は、独立放送規制機関の必要性を強く訴えなかった。海外先進国の実情を報じることすら少ない。 一方で、テレビ局の監督を続けたいであろう政府が、独立放送規制機関の設立を呼び掛けるはずがない。これでは独立放送規制機関を望む世論は生まれない。その存在すら、あまり知られていない。 ■政府が経営委員を選ぶ…NHKと政権の奇怪な関係 第2に、放送法で規定されたNHKの統治システムが今のままで良いのかという問題である。 放送法の「日本放送協会」についての定めにより、NHKは政権党にとって極めて都合の良い存在になっている。受信料を支払っている視聴者がオーナーであることが忘れられている。 NHKの基本方針を決める12人の経営委員は政府が選び、それを国会が同意することになっている。しかし、政権党が国会の過半数を握っている限り、不同意はあり得ない。すんなり政府案で決まる。さらに会長は経営委員会が選ぶから、政権党は容易にNHKをコントロールできる。 こんな公共放送が存在する先進国も存在しない。ちなみにBBCの場合、組織の方向性を決める理事会(14人)のうち、理事長と4人の地域担当理事は公平性を確保した上で、受信許可料を支払った市民の目に見える形で決められ、最終的には政府が任命する。 トップの理事長は公募制だ。残り9人の理事はBBCが任命する。会長はBBCが任命した理事から選ぶ。この仕組みは理想が追求され続けており、定期的に見直されている。 一方、政権党に首根っこを押さえられているNHKは、政権党内の権力者が交代すると、同局内も変わってしまう。 デイリー新潮が3月7日に報じた通り、今年1月に就任した日銀元理事でNHK新会長の稲葉延雄氏(72)は、元みずほフィナンシャルグループ会長の前田晃伸前会長(78)による改革を見直す方針である。全職員に対し、前田改革についての意見を募り始めた。 トップが交代した途端、前任者の改革が見直されるのは前代未聞のことだ。株式会社だって極めて珍しい。背景にはNHKに最も強い影響力を持っていた安倍晋三元首相の死がある。 安倍氏には経済人による応援団的組織「四季の会」が存在した。前田氏は同会のメンバーだった。会の中心人物は故葛西敬之・JR東海名誉会長で、「NHKのキングメーカー」とも呼ばれていた。安倍氏に会長人事を進言する立場にあったからである。 ■NHKトップ交代でも政府との関係は続く 前田氏も安倍氏と葛西氏の眼鏡にかなったから会長に就任したとされている。強大な力を持つ2人が後ろ盾になっていたから、大胆な人事改革、賃金カット、NHKの歴史と伝統を否定するような組織改革が断行できた。 ところが、昨年5月に葛西氏が他界。安倍氏も同7月に逝去した。2020年1月の前田氏の会長就任時とは状況が全く変わってしまった。後任の稲葉氏は安倍氏、葛西氏とはほとんど関係がない。それもあって、前田改革の見直しに躊躇しないのだろう。 前田氏は現職会長だった昨年2月の定例会見で「(改革の)成果は時間が経たないと見えてこない」と語っていた。だが、その成果が出ず、職員から怨嗟の声ばかりが聞こえてくる段階改革は修正されることになる。後ろ盾だった安倍氏、葛西氏が存命だったら、こんなことはなかったはずだ。 前田氏はさぞ悔しいだろうが、2人がいたからこそ会長になれたのだから、仕方がない。視聴者や職員たちの信任を受けての就任ではなかった。 ただし、これで政治とNHKの関係が切れたわけではない。稲葉氏は岸田文雄首相(65)と近い。岸田氏が会長を務める派閥「宏池会」の先輩・故宮沢喜一元首相が、敏腕日銀マンだった当時の稲葉氏を高く買っていたことが発端だ。 また、稲葉氏は宮沢氏の甥の宮沢洋一・自民党税制調査会長(72)と東京教育大(現筑波大)付属中高の同級生で、気脈が通じている。これも岸田氏を安心させる材料になっているようだ。 NHK会長の任命権者が「清和会」(旧安倍派)から「宏池会」に移っただけとも言える。これではNHKが視聴者のものであるはずがない。放送法「日本放送協会」の下りは改定されるべきだ。海外の公共放送にならえば、そう難しいことではないはず。問題は政府がそれを許すかどうかのみだ。 政権とも戦うBBCへの高い支持は世論調査でも裏付けられている。「オレたちの公共放送」である。一方のNHKは今のままでは受信料をどれだけ下げても視聴者の不満は収まらないだろう。政権と近い分、視聴者との距離があり過ぎる。 ■放送法に政治的公平なんて必要なのか? 第3に、放送法4条にある政治的公平が必要かどうかである。 もう、なくしてもいいのではないか。極論ではない。例えば米国にも「フェアネス・ドクトリン(公平原則)」があったが、1987年に撤廃された。日本でも2018年、当時の安倍政権下の政府規制改革推進会議が政治的公平の撤廃を検討している。 もはやネット配信は当たり前の時代になり、テレビと同様にスポーツ中継が楽しめる。政治を扱う配信チャンネルもある。にもかかわらず、テレビにだけ政治的公平が求められ、それを逸脱したと政府が考えると、停波の可能性まで浮上する。不思議な話だ。新聞、雑誌にも政治的公平の縛りなんて存在しないのは書くまでもない。 米国の法学者で国連特別報告者のデイヴィッド・ケイ氏は、2017年に提出した訪日報告書で、政治的公平を定めた放送法4条の廃止を勧告した。政治的公平がテレビ局の報道の自由を制限しているという指摘だ。思うような政治報道をやりにくくしているからである。 一方、政府は政治的公平があると、テレビ局を管理しやすい。政権党が、気にくわない政治報道をするテレビ局に対し、総務相を通じて「公平ではない」とレッテルを貼り、停波を命じることも可能だからである、停波になったら潰れる恐れもあるため、テレビ局は政権に楯を突けない。 テレビが政治的公平から解放されようが、そう大胆な番組はつくれないから、心配は無用だろう。特定の政党に与する報道をしたら、視聴者から「偏向番組」として糾弾される。偏った新聞や雑誌、動画が広く受け入れられず、時に激しく批判されるのと同じである。 政治的公平が定められている限り、現在の与野党攻防のような問題は永遠になくならない。公平かどうかなんて、誰にも判断できないのだから。 |
政権に忖度し委縮してしまったメディアの代表が「朝日新聞」であった。
それは2001年1月30日にNHKで放映された「『女性国際戦犯法廷』を題材にしたETV特集「問われる戦時性暴力」に対する当時の中川昭一(経産相)、安倍晋三(自民党幹事長代理)らによる政治介入問題を朝日新聞が報道したのだが、当初は「政府vsNHK」だったがその後NHK側が安倍晋三らの圧力に屈し「政府vs朝日新聞」という構図になってしまい、最終的に朝日新聞が謝罪する羽目になったという忌まわしい事件があった。
その後もことあるごとに安倍晋三から目の敵扱いをされ、遂に朝日新聞は「両論併記」という報道スタイルに変節してしまった。
【参考】 「巨大メディアは何を誤ったか ジャーナリスト 魚住 昭
証言記録を独占入手!NHK vs. 朝日新聞「番組改変」論争」
やはり、総務省内部文書問題は、「嘘つきオバサン」とか「放送法の問題」なんかではなく、もっと低次元の争いが根本に潜んでいたようである。
「行政文書騒動は、自民党内で勃発した菅と安倍の「代理戦争」だった…!低次元すぎるニッポンの権力闘争の正体」
放送法の解釈変更を巡る総務省の行政文書騒動は、黒を白と言い繕う安倍晋三一強政権の歪みを象徴している。 文書の作成は'14年から'15年にかけてのこと。奇しくも、あの森友・加計学園問題が進行していた時期と重なる。 森友・加計問題では、官房長官だった菅義偉が文科省の行政文書を「怪文書のようなもの」と嘯き、今回は総務大臣の高市早苗が膝元の総務省文書を「捏造」と言い放つ。どちらも墓穴を掘っているとしか思えない。反面、彼らの慌てぶりはある意味、想像がつく。 一強と謳われた安倍政権は実のところ一枚岩ではなく、内情は常に熾烈な権力闘争が繰り広げられていた。今度の総務省文書をよく見るとそれが読みとれる。 総務省文書で、解釈変更に前のめりになってきたと指摘されているのは、首相の安倍本人と首相補佐官の磯崎陽輔、所管大臣の高市である。だが、そのほかに重要なキーパーソンがいる。官房長官の菅、政務担当の首相秘書官・今井尚哉、総務省から派遣されていた事務担当の首相秘書官・山田真貴子の3人だ。 '15年3月5日、首相官邸で補佐官の磯崎と秘書官の山田が、安倍に放送法の解釈変更について説明した。そこには政務秘書官の今井も同席している。官邸の首相執務室で「番組をただす」と意気込む安倍や磯崎に対し、秘書官の山田は「官邸と報道機関との関係に影響がおよぶ」と諭したという。 総務省から派遣されている山田は8日後の13日、実務にあたる同省情報流通行政局長の安藤友裕に報告、と同時に安倍と高市の電話会談があったことが文書に記録されている。そこから5月12日の参院総務委員会で高市が「一つの番組のみでも極端な場合は政治的公平性を確保しているとは認められない」と法解釈変更の答弁をする。 ■大声で叱咤する「総理の分身」 一方、総務官僚の山田と安藤は当初、総務官僚として放送の自由を尊重しようと抵抗を試みたのだろう。そこで官邸ナンバー2の官房長官で、総務大臣経験者の菅を頼ろうとした。だが、磯崎から「この件は総理と私の2人で決める」と一括される。それも文書に残っている通りだ。そこから法解釈変更の流れが一気に加速する。 キーパーソンの一人、「総理の分身」と異名をとった首相の政務秘書官・今井は、安倍政権であらゆる政策に口を挟んできた。政務秘書官は各官庁から派遣される事務担当秘書官を束ねる官邸の首席秘書官に位置づけられ、山田の上司にあたる。 今井にとって部下の山田は菅が見出し、内閣人事局人事により'13年11月、女性初の首相秘書官に登用された総務官僚だった。本来、官邸の広報担当秘書官は経産省出身の者が担うのが恒例で、政権発足当時は柳瀬唯夫が担ってきたが、柳瀬に代え菅人事により山田がそこに就いたのである。ちなみに、柳瀬は加計学園の獣医学部新設問題で「総理の意向」文書に記録された首相秘書官だ。 女性の広報担当秘書官登用は安倍政権にとって鳴り物入りの官邸人事だっただけに、初めは今井も山田を大事にしてきたのかもしれない。そのため放送法解釈の変更について、当初の3月まではむしろ慎重だったように文書に書かれている。 だが、いったん法解釈変更の流れが出来上がると、今井の山田に対する態度が豹変する。ある官邸関係者はこう話した。 「たとえば、そのあとの『女性が輝く社会推進法案』に関する中間とりまとめのときも、今井さんは山田さんにつらく当たるようになった。彼女は『各省庁のヒアリングができていない。何やっているんだ』と怒鳴られていました。実際、山田さんが担当した首相のフェイスブック更新が一晩滞ってしまうこともありました。 で、今井さんは、『ふざけるな』とエキセントリックに大声でがなり立てる。それで叱られたほうは縮こまってしまうのです。とにかく今井さんは立て板に水のようにまくし立てるので、山田さんは何も言い返せない。今井さんから怒鳴られ、よく泣きじゃくっていました。しまいに仕事をとりあげられ、山田さんは放心状態になってボーとしていました」 ■菅と今井の確執 そうして菅が寵愛した女性初の首相秘書官は、わずか1年8ヵ月の在任期間で官邸から去り、総務省に出戻った。そして、このあたりから官邸内で菅と今井の確執が囁かれるようになっていった。 菅は'15年7月、今井にあてつけるかのように、古巣の総務省に出戻った山田を情報通信国際戦略局長に抜擢する。これも総務省初の女性局長誕生と話題になり、山田はさらに翌'16年6月には中央省庁初の女性大臣官房長とむしろ出世街道を駆け上がっていく。 山田は'17年7月、放送法を所管する情報流通行政局長になるのだが、皮肉にもそこで例の東北新社問題に直面する。東北新社に就職した菅の長男・正剛らによる総務官僚接待だ。 東北新社は'16年7月以降、延べ13人の総務官僚に対し、39回の料亭接待などを繰り返していた。そのなかで放送行政の責任者である情報流通局長の山田は、接待問題の中心にいた。 その後、安倍政権がコロナ対応で失速し、菅と今井の溝は深まり、'20年9月、菅政権が誕生する。と同時に山田も内閣広報官に就任。東北新社による接待問題が発覚し、広報官の座を追われる羽目になる。 放送法解釈変更を巡る行政文書の裏には、安倍・菅政権の低次元な権力闘争が潜んでいる。 |
こんな「安倍・菅政権の低次元な権力闘争」が潜んでいたのならば、小西ひろゆき参院議員が総務省の内部極秘文書を入手できたのは、菅義偉政権時代の法務省の官僚の意趣返しであり、内容的には捏造どころか真実満載文書であったのであろう、とオジサンは思う。