新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

安倍晋三の1周忌に岸田文雄が報告するのは「アベ超え」なのだろうか

2023年07月07日 12時04分29秒 | 岸田文雄

ネット上で「マイナンバーカードを返上!」と狼煙をあげたのはタレントのラサール石井だったと記憶している。
 
それに対してオジサンも賛意を示したのだが、「カード返上しても個人に付加された12桁の番号は永遠に消えないはず」と指摘された。 

その後ラサール石井には同じ業界らしい輩からの反論が寄せられたらしい。
 
マイナカード返納運動に政権擁護タレントが反論…せめて紙の保険証廃止撤回を!
 

マイナンバーカード返納の話を書いたらネットニュースになったりして反響が大きい。ネトウヨ民はこれを矮小化しようと必死で「批判してたのに持ってたのが草」「ポイントは貰ったんだろう」とうるさい。これにはTwitterでも反論したが、私が加入したのは一番最初。コンビニで住民票が取れて便利だと思ったからだ(この時点でうさんくさいと思う先見の明はなかった)。当時はポイントなどない頃で、そもそもポイントなどに興味がないので後からもらってもいない。
 ところが保険証や銀行口座をひも付けすると言い出し、果ては紙の保険証を廃止して、任意のはずなのに事実上の強制に転換した河野大臣の強引さに危機感を覚えてからは私も批判を始めた。
 今更カードを廃止できないので、これ以上加入するのはやめよう、持っている人は返納しよう、と呼びかけて抗議運動「返納一揆」に参加したわけだ。定例会見で松野官房長官に記者が「最近の返納数」を聞いたが、全く答えなかった。これはかなり多いのではないか。
 そこにもってきて不具合が続出。おそらく政府はかなり危機感を覚えているのだろう。慌ててNHK「日曜討論」に河野大臣が出演した。「マイナカードの問題点を考える」という趣旨だったが、いつものような野党議員はおらず、御用コメンテーターで固めて利点ばかり強調する、まるで政府広報番組。天下のNHKもここまで落ちたか。「討論」はどこに行ったのだ。
  
 
  
■雑な反論に辟易
 さらに、いつもの政権擁護タレントさんたちもやたら反応してくる。頭に「」と「」のつくおふたりも、私に噛みついてきたが、その反論がもう「雑」で「大ざっぱ」。どう見ても私のツイートもこのコラムもちゃんと読んでない。しかも結論が「カードないと不便でしょ」「デジタル化はしなきゃならない」とこちらも政府広報誌にあるような話。
 こちとらあえて不便を選択して闘ってるんだよ。デジタル化するのはいいんだよ。だけどちゃんとシステム構築してからやってくれ。日本のデジタル庁なんて超アナログの極みじゃないか。オードリー・タンがいる台湾のように、性別、経験にかかわらず人材を起用しろ。天下り官僚の姥捨山みたいな部署ばかりつくるから、新しいことが全く発展しないのだ。
 今政府はビビってる。せめて紙の保険証廃止はやめさせようではないか。

  
 
 
国民の個人情報を管理する政府への信頼感が必須のマイナンバーの取得なのだが、肝心の国会議員連中の取得状況はどうなのか?

全衆院議員464人を直撃「マイナカード、持ってる?」大物は回答拒否、推進派が“自分は紐づけせず”の卑怯」 
 

最大2万円分のポイント付与まで掲げて、政府は普及に躍起だが、はたして旗振り役の議員自身はマイナカードを取得しているのか。本誌は6月末、全衆院議員464人にアンケートを実施した。尋ねたのは「取得したか否か」、「健康保険証や公金受取口座と紐づけているか否か」について。うち、206人から回答を得た。
回答した議員の取得率は89.3%。総務省が6月25日時点で発表した、国民の取得率77.3%を上回る。各党派別に取得率を見ると、自民党は回答した90人のうち、取得していないのは金田勝年議員のみ。公明党は回答した27人全員が取得。同じく推進派である維新の会は、回答した24人中22人が取得、国民民主党は回答した5人全員が取得していた。
転じて、立憲民主党は回答した49人のうち39人が取得。また、共産党は回答した7人全員が未取得と、党としての方針が徹底されていた。
 取得した議員にその理由を聞くと、推進派の議員たちは「各種行政手続きの際に便利である。また、本人確認やワクチン接種証明書の取得にも必要であるため」(自民・中曽根康隆議員)、「利便性がよいから」(自民・船田元議員)、「マイナンバーカードの取得は国民として当然のことと考える」(自民・村上誠一郎議員)、「政府として全国民に取得をお願いしており、我が党としても推進をしているため」(維新・馬場伸幸議員)、「確定申告が電子でおこなえるので便利だから」(維新・小野泰輔議員)と答える一方、「銀行や証券会社から求められたから」(立憲・神津たけし議員)などの声もあった。
 マイナカード問題に詳しい、法政大学社会学部の白鳥浩教授は、アンケート結果を次のように分析する。
「現時点の国民のマイナカード取得率より高い数字になっているのは、取得した議員は積極的にアンケートに答えるからでしょう。また、小沢一郎議員ら、立憲や共産、れいわなど反対している党の議員はわかりますが、与党で大臣経験者の金田議員が取得していないのには驚きです」
 一方、未取得議員は22人。その理由は、「手続きに行く時間がないため」(維新・漆間譲司議員)などの声以外、総じてマイナカードに批判的だ。
 さらに今回、浮き彫りになったのは、マイナカードを取得したものの、保険証や銀行口座への紐づけをおこなっていない議員がかなりいることだ。取得した議員に占めるその割合は29.8%に上る。
 各党派で見ると、自民党はマイナカード取得者89人のうち、紐づけていない議員は16人(17.9%)。以下、公明党は11.1%、維新の会は45.4%、国民民主党は40%、立憲民主党は61.5%に達した。
 白鳥教授も、「注目すべきは紐づけていない議員」としてこう語る。
「アンケート結果では、取得した議員184人中55人と、3割近くが紐づけていません。しかも推進派である自民、維新、公明、国民の議員を合わせると31人もいる。紐づけていない議員のうち56.3%が推進派なのです」
 紐づけていない理由について、推進派議員の多くは「いずれ紐づける予定にしている」との回答が多いが、次のような驚くべき声もある。
「定期検診を受けている病院が、健康保険証と紐づけできていない(マイナ保険証を使えない)。いまだ保険証の提示を要する」(自民・甘利明前幹事長
「公金受取口座については、立場上受け取る意思がないので。健康保険証については、主治医診療所の準備がまだ整っていないと聞いていたため」(自民・高木啓議員
 国民には保険証との紐づけを急がせている張本人らが、この体たらくだ。
 一方、野党には、セキュリティ面を不安視し、紐づけていない議員が多かった。
「リスクを考えたため。現時点でのトラブルの内容だけでも、誤処方など『命』に関わる深刻さについて総理もデジタル相も認識が甘すぎる」(立憲・鎌田さゆり議員)
「健康保険証はデジタル法案審議の担当者だったため、自ら体験してみようと紐づけした。公金受取口座は、安全性など状況を見て判断しようと考え、紐づけていない」(立憲・後藤祐一議員)
「『健康保険証』『公金受取口座』の紐づけはおこなっていない。制度が安全に運用されていることが明らかにならないと不安が残るから」(立憲・篠原豪議員)
「紐づけていない人のなかには、甘利さんや船田元さん、村上誠一郎さんなど、国務大臣経験者もいます。自民の議員にも、セキュリティ面で問題があると答えている人が多い。少なからぬ議員が紐づけは慎重にすべきと思っているということです」(白鳥教授)
 また、政治アナリストの伊藤惇夫氏は「マイナカード問題は、政権を揺るがす事態になる」と警告する。
「アンケート結果を見ると、これほどトラブルが多発しているのに、政府が言うとおりにマイナカードを取得し、あとは政府がどうにかしてくれる、と考えている自民の議員が多い。きちんと問題意識を持って、党のなかから声をあげていかないとだめです。岸田総理は、秋までに総点検すると言っていますが、この2、3カ月でどうにかできる事態ではない。対応を間違えると、解散どころか政権自体を失いかねない。保険証は国民全員が持っているものですから」
 今回、いちばんあきれたのが、マイナカード普及の総責任者ともいうべき岸田首相や河野大臣、松本剛明総務大臣をはじめとする自民の大物議員が、いずれも回答拒否だったことだ。
 
 
 
 国民を混乱させながら、自らは様子見する議員が多い実態が明らかになったいま、マイナカード“返納運動”が激しさを増しそうだ。

 
以前もつぶやいたのだが、岸田文雄政権内には、「マイナンバートラブル」を利用とする有象無象の輩がいるらしい。
 
 「マイナンバー保険証で支持率下落は不可避。焦る岸田が目論む“トカゲの尻尾切り”」
 
■健康保険証を“人質”に。マイナカード普及に焦る岸田の「次の目論見」
マイナンバーカードをめぐるトラブルが深刻化し、岸田政権を揺るがしている。
来年秋には今の健康保険証を廃止し、信頼感を失ったマイナンバーカードに一体化させるというから、なおさらコトは重大だ。
当メルマガでは今年4月13日号で、「マイナ保険証のリスクを心配する」と題する記事を掲載したが、まさかこんなに早く問題が顕在化するとは思ってもみなかった。
【関連】個人情報の流出は必至か。不安しかない「マイナ保険証」をゴリ押しする政府の無責任
いまのところ、トラブルのほとんどは入力ミスなど人為的なもので、システムに問題はないとされている。しかし、その見方は甘いような気がする。入力ミスはあらかじめ想定されたもので、それを前提にした安全システムを組み込んでいないこと自体、デジタル社会では致命的だ。
技術的に未熟なシロモノを全国民に保有させるために、健康保険証を廃止すると言い出した河野太郎デジタル大臣は、トラブル続きを責められて、苦し紛れの「逃げ口上」を考えついた。
6月25日に新潟県内で講演をしたさい、河野大臣はこう言い放ったという。
「マイナンバー制度は民主党政権が作った制度。作った時の人が『一回ちょっと立ち止まれ』みたいなことをいうと『お前が始めたんだろ』と言い返したくもなる」
おかしなことを言うものだ。確かに、マイナンバー制度の法案は2012年、民主党政権下の国会に法案が提出され、同年11月の衆院解散で廃案となったが、それを翌13年の国会に再度提出して成立させたのも、15年にマイナンバーカードを導入したのも、当時の安倍政権だった。
しかも、いま問題になっているのはマイナンバーカードであって、マイナンバー制度ではない。そもそも、マイナンバーとマイナンバーカード(マイナカード)は別物だ。
マイナンバーは、個人を番号で管理することにより、あらゆる収入を行政が把握するのが目的で、利用範囲を社会保障、税、災害対策に限定している。それ以外の利用は違法だ。
一方、マイナンバーカードは、氏名・住所・生年月日、電子証明書を記録したICチップを搭載し、そのデータの読み取りと暗証番号の入力により、本人であることを証明できる。こちらは利用制限はなく、コンビニで住民票の写しや印鑑登録証明書などを取得でき、2021年10月からは、健康保険証としての利用が始まった。マイナポータルというサイトにアクセスすれば、公金受取口座の登録・変更、年金に関する情報確認や、ごく一部ながら行政手続きの電子申請をすることが可能だ。
つまり、マイナンバーカードは電子的な身分証明書である。それに様々な個人情報を紐付けることによって、デジタル行政を進めようとしているのだろう。
だから、主としてその紐付けにかかわるトラブルをめぐる話のなかで、河野大臣が、民主党政権時代に提案されたマイナンバー制度自体に問題があるかのごとき発言をしたというのは実に意外だった。最初は、マイナンバー制度とマイナンバーカードを混同しているのだろうか、と疑った。
ところが、河野大臣は違いをちゃんとわかっていた。7月2日のNHK番組で、こう語ったのだ。
「マイナンバー制度とマイナンバーカードは、同じ名前をつけたものだから、かなり世の中で混乱してしまっている」
「次にカードを更新する時には、マイナンバーカードという名前をやめた方がいいんじゃないかと、私は個人的に思っている」
マイナンバー制度とマイナンバーカードが別物であることを河野大臣もさすがに認識していた。にもかかわらず、わざわざ「マイナンバー制度は民主党政権が作った制度」と関係のない事実を持ち出すのは、かなりタチが悪いと言わざるを得ない。

さて、河野大臣のこの取り乱すさまを見て、つくづく思うのは、デジタル社会を進めるには、政府に対する国民の信頼が欠かせないということである。個人情報が筒抜けになることへの不安を払拭できないかぎり、マイナンバーカードを安心して使う気にはなれない。
北欧の小さな国エストニアがデジタル先進国になったのは、情報を包み隠さず国民に知らせる政府に信頼が寄せられているからだ。政府が作成した文書はWEB上で公開するよう法律で定められており、機密文書については、その理由を政府が開示しなければならない。
繰り返すようだが、国民の個人情報を収集するには、国の情報公開がきちんと行われる必要がある。そうでなくては、国民は不安で仕方がない。
国民に正確な情報を伝えないまま、無理やり、健康保険証を“人質”にとるやり方でカードの普及をはかろうとしているのが岸田政権であり、拙速なやり方で進める張本人が河野デジタル大臣である。「一回ちょっと立ち止まれ」と河野大臣に意見したのが誰かは知らないが、あたりまえのことだろう。
なにしろ、マイナ保険証のデータに他人の情報が登録されていたとか、公金受取口座に他人の口座が登録されていたとか、次から次へとトラブルが発覚しているのである。自治体や健康保険組合の職員の誤入力が原因らしく、岸田首相はマイナポータルで見ることができる29項目すべてのデータを総点検するよう指示をしているというが、それでこと足りるとは思えない。
ブロードバンドインフラが高い水準に達している日本だが、個々のデジタル技術には疑問がある。たとえば、マイナンバーカードを使った証明書交付サービスで別人の証明書が交付されるトラブル。これは富士通のシステムに何らかの欠陥があるからだろう。
デジタル社会に移行するには、異なる省庁が連携し、自治体や民間企業との協力を通じて、一元的なデジタルプラットフォームを構築する必要がある。日本では、各省がバラバラにIT投資、施策を進めてきたため、システムを統一するのが難しく、手続きの煩雑さ、情報の非効率性を生んでいる。
つまるところ、個人情報を守る技術が万全ではないにもかかわらず、性急にマイナカードの普及をめざしたために、トラブルが続出し、マイナカードへの不信感が膨らんでいるのが現状といえる。マイナカードを返納する動きも出ており、このまま保険証との一本化を強引に進めれば、すでに支持率が下降している岸田政権の自滅につながりかねない。
■岸田首相が描く甘すぎるシナリオの内容
永田町界隈では、再び衆院解散への警戒感が高まっている。自民党の萩生田光一政調会長や遠藤利明総務会長が内閣改造・党役員人事の時期について「8月か9月」と言っていることもあり、人事で政権のイメージを一新したうえで、9月下旬にも衆院を解散するのではないかという見方が強くなっているのだ。
内閣改造のポイントとなるのは、河野大臣の処遇だ。河野氏をこの問題の“A級戦犯”に仕立て上げ、岸田首相は暴走を食いとめる役回りを演じるために、内閣改造で河野氏をデジタル大臣の座から引きずり下ろし、健康保険証の廃止をとりやめる。そうすれば、来秋の自民党総裁選でライバルになるかもしれない河野氏にダメージを与え、岸田内閣支持率は好転するのではないか。そんな甘いシナリオがまことしやかに囁かれている。
だが、霞が関ですこぶる評判が悪い河野氏でも、国民的人気はなぜか根強い。岸田首相が河野潰しのチャンスととらえても不思議はないが、かりにそうだとしても筋書き通りにいくかどうか。下手をすれば、責任逃れの姿勢が反発を呼んで、かえって支持率が落ち、とても9月解散どころではなくなるかもしれない。


 
どうやらこの大「トカゲの尻尾」を切るということは「 諸刃の剣」になりそうだということらしい。
 
しかし岸田文雄政権の狡猾なことは、「マイナトラブル」に国民の関心を引き寄せた裏での行為である。 
 
一部メディアでは1面で取り上げていたが、テレビメディアではほとんどがスルーしていたこの問題。   
 
油断も隙もありゃしない マイナカードのドサクサに自公は殺傷武器輸出解禁へ
 

 
「自民党に声が届いていないと国民が感じ、政治の根幹である信頼が崩れている」「岸田文雄の特技は『人の話をよく聞く』ということだ」
 およそ2年前に行われた自民党総裁選前後の会見でこう繰り返し、国民に向かって「聞く力」を強くアピールしていたのは岸田首相だった。
 それまでの独善的な安倍・菅政権の政治とは異なり、いかにも国民生活に寄り添うかのような触れ込みだったが、蓋を開けてみれば結局、前任者と変わらず。いや岸田の方が偽善者ヅラしている分だけ安倍、菅よりもタチが悪いと言っていいだろう。どれほど問題が起きようとも知らんふり。結論ありきで突き進み、責任も取らず何でも強行する。悪政の典型だ。
 トラブルが続出しているマイナンバーカードの問題もそうだ。「人の話をよく聞く」というのであれば、いったん立ち止まって制度設計からやり直し、国民の信頼を得る仕組みに改めればいいのに「総点検」などと言うばかりで反省はゼロだ。
 そうかと思いきや、マイナンバーカードの混乱の裏では、地元漁協らが猛反対している東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出を今夏にも強行しようと前のめり。IAEA(国際原子力機関)が示した「(海洋放出は)国際的な安全基準に合致する」とした報告書を公表し、「問題なし」という世論づくりに躍起になっている。
■民主主義の正当性が問われている
 国民世論の注意、関心が別の方に向いている間に他の大きな政治課題にこっそり手を付ける。
 全く油断も隙もありゃしないが、マイナンバーカードのドサクサに紛れて福島原発処理水の海洋放出を強行しようとしている以上に問題なのが、防衛装備品の輸出ルール緩和に向けた動きだろう。
 自民、公明両党は5日、開いた防衛装備品をめぐる実務者協議で、現在は日本と安全保障面で協力関係にある国などに限定されている輸出対象国について、防衛装備移転三原則を定めた閣議決定文の前文に「国際法違反の侵略を受けた国への支援」を明記するよう求める報告書を両党の政調会長に提出した。
 報告書にはまた、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を念頭に、日本が他国と共同開発・生産した装備品の第三国移転を認める意見が大半を占めたことも記載。現在、装備品の輸出が認められている「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の5類型を巡っては、自民党がこれを撤廃し、殺傷能力を持つ装備品輸出を可能にすべきだと主張。これに対し、公明党は地雷除去や教育訓練などの項目追加にとどめるよう求め、報告書は両論併記となったのだが、「殺傷能力のある装備品の輸出は認められない」とする今の政府解釈に関する論点整理について、自公が「密室協議」で次々と決めているなんて、どう考えても近代国家の姿じゃない。民主主義の正統性もへったくれもないだろう。ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「重要なことを密室で勝手に解釈を変えてしまうのはアベ政治の手法そのものですが、とりわけ武器輸出については慎重であるべきです。なし崩し的に決めていいはずがない。自民党の村上元行革担当相が5日付の毎日新聞夕刊で指摘していましたが、今の岸田政権はハト派ではなく、安倍政権以上にタカ派。国民もその動向を注視する必要があるでしょう」
■平和国家から死の商人へ変わりつつある
繰り返すが、「殺傷能力のある武器輸出」に関してはこれまで、政府・与党は共同開発・生産を除いて「できない」としてきたものだ。戦後の日本は「平和国家」を掲げ、これを国是とし、武力による紛争解決を禁じた。政府は1970年代までに武器輸出三原則を確立。以来、「全面禁輸策」の姿勢を貫いてきた。
 安倍政権が2014年に防衛装備移転三原則に変更したものの、共同開発を除く輸出は、救難、輸送、警戒、監視、掃海の5類型に限定し、殺傷能力のある武器は輸出できない、としてきたのだ。
 だが、昨年12月、岸田内閣が改定した「国家安全保障戦略」に武器輸出の制限見直しが明記され、要件緩和のための与党協議が本格化した途端、「5類型に殺傷能力のある武器は含まないとする解釈は確定していない」などと言い出したからワケが分からない。
 しかも、なぜ、突然、これまでの解釈が変わったのか。憲法との整合性をどう考えるのかという問題について、自公の実務者協議の内容は一切分からず、どんな議論を経たのかも謎のままというデタラメ。
 殺傷能力のある武器輸出の解禁は、国際紛争の助長につながりかねない上、日本が紛争の当事者として巻き込まれる可能性もあるだろう。戦後の日本がコツコツと築き上げてきた平和国家に対する国際的な信頼だって失いかねないのだ。
■「戦争する国づくり」の動きが顕著に
 それなのに与党も岸田政権も平気の平左。防衛装備移転三原則であれば、国会審議を経ずに閣議決定で好き勝手に改定できると考えているのだろう。前出の横田氏が指摘した通り、安倍政権以降、続いている独裁政治の手法だ。
 敵基地攻撃能力の保有を打ち出し、5年で総額43兆円という防衛予算の倍増に加え、殺傷能力のある武器輸出も拡大する。
 さらに武器を生産する国内企業の設備投資や輸出関連経費を、国が助成する法律も成立させるなど、今の日本の姿は、どこをどうみても平和主義や専守防衛を捨て去り、軍事大国化へとまっしぐらだ。
 そして、その旗振り役を先頭に立って務めている岸田なのだが、そんな男が11日からリトアニアで開かれるNATO首脳会議に出席すれば、世界はどんな目を日本に向けることになるのか。ちょっと考えれば分かるはずだ。
 安倍政権以降続く「戦争する国づくり」は岸田政権になって、よりその動きが顕著になってきた。本来であれば、戦争国家へ急ぐ岸田政権は放逐が必要と、今こそメディアが世論形成し、厳しい姿勢で臨むべきなのだが、そんな声は聞こえてこない。むしろ、「タブーなき議論が始まった」などと報じているメディアもあるからクラクラする。
 武器取引反対ネットワークの杉原浩司代表はこう言う。
「平和国家から死の商人国家へと、これまでの日本の形が変わるような重大なことを与党の密室協議で決め、その議論の内容すら国民には分からない。本当にメチャクチャな政治です。少なくとも国会できちんと時間をかけて丁寧に議論するべき。主権在民の民主主義国家として、こうしたやり方は許しがたく、到底認めることはできません」
 岸田は今こそ、「政治の根幹である信頼が崩れている」という自身の言葉をかみしめるべきだ。

  
11日からリトアニアで開かれるNATO首脳会議に関してはこんな記事があった。
 
ネオコンがウクライナで始めた戦争で窮地に陥ったNATOが7月11日から首脳会議
 

 
最近のまともなメディアやジャーナリストの口調は「岸田文雄政権は安倍晋三政権より一層悪くなっている」ということである。
 
安倍晋三の保守丸出しの言動はや政治の私物化は、ある意味で分かりやすく批判も浴びることが多かった。
 
しかし岸田文雄政権は、すべてが「ステルス」性が強く、国民が気が付かないうちにトンデモナイことに巻き込まれるのではないだろうか、とオジサン思う。 

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