新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

【井の中の「キングメーカーからは何も出てこない】

2024年08月12日 11時11分01秒 | 岸田文雄

昨夜は完璧な熱帯夜であった。
 
エアコンのないオジサンの寝室は2階で窓は開けっぱなしなのだが一晩中風が入ってこなかった。
 
仕方なく書斎の扇風機を運び回し続けたのだが歯が立たなかった。
 
自宅で熱中症で亡くなる老人もめずらしくないご時世なので、1時間おきにトイレに行き、その際ポットに入れた冷水を飲んでしのいでいた。
 
そしてついに体中に熱がこもる感じがしたので5時半ころ、昨夜の残り湯に暫し浸かった。
 
昨夜は36℃のお湯を入れて入浴したので、浴槽に入ったら明らかに30度そこそこで火照ったからだが冷やされることを実感しながら暫し寝てしまった。

このまま低温度で寝てしまえば低体温症となるので我に返り一命を失うことはなかった。
 
さて、昨日も伝えたがNHKでは強制的にテレビ画面に「『南海トラフ地震臨時情報』を垂れ流し各自で避難経路を確認しろ云々とのたまわっていたが、こんな人たちは避難するすべがない。
 
南海トラフ地震「想定震源域」周辺にも原発が…「まさか」におびえる伊方周辺住民 川内は老朽の不安も

日向灘で起きたマグニチュード(M)7.1の地震。気象庁は南海トラフ地震臨時情報を初めて発表し、「巨大地震注意」と打ち出した。今後心配なのが原発だ。他と比べて今回の震源地に近く、耳目も集めるのが九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)と四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)。脅威に耐えられるか。住民を守れるか。不安を抱く現地の声に耳を傾けた。
◆鹿児島県薩摩川内市は震度4で「防災対策推進地域」
 「川内原発に関して、まさに市議と意見交換した直後だった。ホールのランプもかなり揺れた」。薩摩川内市内に住む「川内原発建設反対連絡協議会」の鳥原良子会長が8日夕の地震発生時を振り返る。
 宮崎県で震度6弱を記録した今回の地震。市内は震度4だったが、「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されている。今後1週間程度は地震や津波への注意が呼びかけられた。
 1997年、最大震度6弱を記録した鹿児島県北西部地震があった。当時、最初の地震から約2カ月後に、より大きな揺れが起きた。次なる地震を懸念する鳥原さんは「何が起きるかは分からない。もっと大きな地震が起きたら逃げないといけない。とにかく早く川内原発は止めてほしい」と訴える。
◆「南海トラフ地震を考慮した耐震設計になっている」
 東京電力福島第1原発事故後の2014年、川内原発の2基は他に先駆け、原子力規制委員会による新規制基準の審査をクリアし、再稼働に至った。現在、1号機は定期検査中で、2号機が稼働している。九州電力は、今回の地震で異常が確認されていないとする。
 九州電力は東京新聞「こちら特報部」の取材に「南海トラフ地震を考慮した耐震設計になっている。地震や津波が原子炉施設の保安に重大な影響を与えると判断した場合、停止の措置について協議する」との答え。「大津波警報」が発令された場合、原則として原子炉を停止すると定めているという。
◆まもなく運転開始から40年
 とはいえ、川内原発は老朽化の不安がある。
子力規制委員会宛ての異議申立書を担当者に手渡す女性=2015年
 福島第1原発の事故後、原発の運転期間は「原則40年、最長60年」とされ、さらに昨年、停止期間分を追加延長することで60年超運転を可能にする改正電気事業法が成立している。川内原発の2基は今年から来年にかけ、運転開始から40年となるが、運転延長が認められた。
 鹿児島市在住で「反原発・かごしまネット」の向原祥隆(むこはらよしたか)代表は「原発の配管は総延長150キロとも言われる。そのうち1カ所でも壊れれば大変な事故につながりかねない。やはり古いほど不安も強まる」と話す。
◆「破滅的な事故」のリスクも
 九州南部は国内有数の火山地帯だ。可能性は高くないとはいえ、巨大噴火で火砕流などが原発施設に流れ込めば、破滅的な事故につながると指摘されてきた。
 懸念されるのは避難計画もだ。県原子力安全対策課の担当者は「南海トラフに特化した避難計画はない。南海トラフを含めた地震と原子力防災の計画をつくっている」と答えるものの、前出の鳥原さんは危ぶむ。
 「避難訓練はいつも同じ時期の昼間にやっていて、一部の人だけが参加している。実効性がない。避難のことが書いてあるしおりも多くの人が理解しているとは思えない」
◆「南海トラフ地震は本当に来るんやな、と落ち着かない」
 危機感を募らせるのは伊方原発がある愛媛県の住民らも。4月には県内で震度6弱の地震が起きていた。
「あの時ほどではなかったけど、ゆっさ、ゆっさと横揺れがして、慌ててテレビをつけたら、震源は『日向灘』と。『まさか南海トラフ?』と冷やっとした。そしたら本当に臨時情報が出て。南海トラフ地震は本当に来るんやな、と今は落ち着かない気持ちですね」
 市民団体「伊方から原発をなくす会」の近藤亨子(じゅんこ)さんが地震の発生当時を思い返す。自宅は伊方町に隣接する八幡浜市にある。
 伊方原発1、2号機は廃炉作業中で、3号機は定期点検中だった。今回は近隣で津波注意報が出たほか、伊方町で震度3を記録。四国電力によると、原発では揺れを感知しなかったという。
 毎月11日に原発前で廃炉を求めて座り込む近藤さんは「南海トラフのことも含めて、即時廃炉を申し入れたい」と口にする。
◆愛媛・伊方町では最高21.3メートルの津波を想定
 県の地域防災計画は、南海トラフで最大級の地震が発生した場合にM9を想定する。伊方町の震度は最大の7。原発は高台に建設されているとして、津波が直接、原子炉などに被害を及ぼすことは想定しないが、町内を襲う津波は最高で21.3メートルに達するとみる。
 伊方原発の運転差し止め訴訟の薦田(こもだ)伸夫弁護団長(愛媛弁護士会所属)は「伊方原発のある佐田岬半島は幹線道路が国道1本だけ。原発から1キロしか離れておらず、避難時は原発の近くを通らないといけない。海から逃げるとしても津波で港が破壊されれば難しくなる」と語る。1月の能登半島地震と同様、道路が寸断されれば、避難ができなくなる可能性も高いという。
 薦田さんは「南海トラフ地震による影響は訴訟でも大きな争点の一つ。四電は原発の建つ岩盤は強固だからと、揺れの想定を過小評価してきた。耐震性はずっと心配してきた」とも述べ「今回の臨時情報でさらに心配になっている市民は多いだろう」と推し量る。
 巨大地震などの危惧はかねて指摘されてきた。2020年には「地震や、約130キロ離れた熊本・阿蘇カルデラの火山のリスクに対する評価や調査が不十分」として広島高裁が運転差し止めの仮処分決定をした。伊方の運転差し止めの司法判断は17年に次ぎ2例目。ただともに覆された。
◆「M9の地震の想定震源域の中に原発があること自体、問題」
 改めて浮かんだ巨大地震のリスクを巡り、対岸の本州側でも警戒が強まる。
 広島市在住で伊方原発広島裁判原告団の哲野イサクさんは「原発から市役所まで約100キロしか離れていない。事故が起きれば広島も影響を受ける蓋然(がいぜん)性は高い」とし「そもそもM9の地震の想定震源域の中に原発があること自体、問題だ。極めて単純な事実だが、この機会によく考えなければならない」と訴える。
 本来なら、巨大地震の予兆を感じたタイミングで各地の原発の安全対策や防災対策を改めて検証すべきだが、その役目を担うはずの原子力規制委は最近、残念ぶりが目に付く。原子力行政に詳しいジャーナリストの政野淳子さんは能登半島地震を引き合いに出し「家屋倒壊や道路寸断が至るところで起きた。教訓にすべきなのに、国は全く向き合っていない」と批判する。
 規制委は能登の地震後も、住民避難などを扱う原子力災害対策指針の抜本的な見直しまで踏み込まない。「家が壊れたらどうするのか。避難所へ移るとしても道が寸断されていたらどうするのか。記者会見でも繰り返し尋ねたが、納得できる回答はない」
 政野氏は「伊方も川内も能登のようなことが起こりかねない場所にある。避難計画は住民を守る最後の砦(とりで)なのに今のままでは絵に描いた餅だ」と安全面の検証が心もとない現状を嘆き、「今の状況で原発は動かすべきではない」と述べた。
◆デスクメモ
 能登半島地震を受けた規制委の対応はひどい。特に住民避難がそうだ。道路寸断のリスクが明白になっても「自然災害への対応はわれわれの範疇(はんちゅう)外」と人ごと感を強く漂わせた。今回、「巨大地震注意」と打ち出した気象庁の方々は規制委にも警鐘を鳴らしてもらいたい。

 
ところで政界の住民には「巨大地震注意」なんかは「カエルの面にナントカ」らしく相変わらず権力闘争に明け暮れているようである。
 
 かつての「写真週刊誌」がこんな記事を書いていた。
  
小泉進次郎首相、9月に誕生へ…秘策は「土壇場出馬宣言」、勢いそのまま「麻生派を“撃破”」と専門家
 
「政策では間違ったことはしていない」
 自民党・麻生太郎副総裁の言葉が、永田町に波紋を呼んでいる。報道によれば、麻生氏は8月6日夜、都内の日本料理店で森山裕総務会長と会食をして、9月に迫る自民党総裁選について意見を交わしたという。
 その際、麻生氏は岸田首相が防衛費の大幅増を実現したことなどをあげ、冒頭のように岸田氏の政策を評価したという。
「麻生氏は50人以上を擁する麻生派を率いていますから、もちろん総裁選に与える影響力は大きい。岸田首相は、総裁選に出馬するかどうか明言していませんが、今回の麻生氏の発言が岸田首相の背中を押すのは間違いありません」(政治担当記者)
 だが、「常識で考えれば岸田首相の再選はあり得ない」と語るのは、元朝日新聞政治部デスクの鮫島浩氏だ。
「岸田首相は、裏金をめぐる派閥解消、政倫審への参加、政治資金規正法で公明党に譲歩するなど “独断専行” が続き、党内から相当反感を買っています。内閣の支持率も20%前後を低迷し、国民的な人気もない。
 総裁選は、次の総選挙の “顔” を選ぶわけですが、それがまた岸田首相では『政権交代も起こりかねない』という危機感が党内に充満しています。
 岸田首相も、現職総理として総裁選で負けたくないでしょうから、最後は出馬断念に追い込まれると予想しています」(以下カッコ内はすべて鮫島氏)
 岸田首相は、最近、党内の保守派からの支持を集めるためか、憲法改正に注力し始めるなど、再選をあきらめていない様子。だが、そんな “あきらめの悪い” 岸田首相に引導を渡すのが麻生氏だという。
「もともと、麻生氏と岸田首相の関係は冷え切っています。ですが、今回その麻生氏が岸田首相を評価したのは、気持ちよくやめてもらうためなんです。頭ごなしに『やめろ』と言ったら、岸田首相はヘソを曲げて麻生氏のライバル・菅義偉氏と組むかもしれない。
 だから、今回あえて首相を持ち上げてみせた。もし岸田首相が退陣を決意すれば、麻生氏は “見返り” として旧岸田派に幹事長ポストを渡すくらいのお礼はするでしょう。その際、幹事長は林芳正官房長官が有力だと思います」
■麻生氏が推薦するのは茂木敏充氏
 岸田首相の退任と引き換えに部下の役職を保証するという、水面下の交渉をおこなう麻生氏。そんな “キングメーカー” 麻生氏が次期総裁に推薦するのは、茂木敏充幹事長だ。
「麻生氏が一時持ち上げていた上川陽子外相は失速しましたし、有力な “手駒” はもう茂木氏しかいないんです。茂木氏は、党内人気がないから『党員投票』では厳しいかもしれないが、派閥の論理で『国会議員票』では勝てる可能性が残っています。
“コバホーク” こと、49歳の小林鷹之衆議院議員も “ポスト岸田” の候補として名前があがっていますが、いきなり小林氏というのは、現実にはありえません。
 ただ、20人くらいの推薦人集めで麻生氏が支援することはあるでしょう。小林氏は同世代や若手から一定の党員票を集めるでしょうし、決選投票で茂木氏を支援するなら、“ご褒美” として、小林氏に政調会長くらいのポストが与えられるかもしれません」
■注目は麻生氏と菅氏の “キングメーカー” 対決
 今回の総裁選で、注目すべきは麻生氏の暗躍だけではない。麻生氏と菅氏の “キングメーカー” 対決も見どころとなる。2021年の総裁選では、河野太郎デジタル相を担いだ菅氏だが、今回はどんな “絵” を描いているのか。
「今回、菅氏は石破茂元幹事長を担いでくるでしょう。石破氏が勝つには党員投票で圧勝し、第1回投票で過半数を得て決着を付ける必要がありますが、そこまでの実力はない。
 そこでいま、高市早苗氏を取り込もうとしています。憲法9条の削除を言い出し、タカ派である高市氏に接近して、安倍支持層を取り込もうとしている。しかし、安倍支持層は、安倍氏本人が石破氏と険悪だったことから、石破氏を嫌っているのでうまくいくかはわかりません」

 麻生氏が推している茂木氏には派閥の支援がある。そして、小林氏という “飛び道具” もある。どう見ても菅氏が推す石破氏が不利な状況に見えるが……。だが、菅氏にはそんな状況を打破する “ジョーカー” を手札に隠しているという。
■菅氏の “ジョーカー” は小泉進次郎氏
「菅氏は小泉進次郎元環境相の出馬に期待しているんです。菅氏は石破氏を支援しているが、大本命は進次郎氏。進次郎氏は総裁候補のなかで43歳といちばん若いし、明るさもある。
 中身がないと言われることもあるが、それだけに敵も少ない。国民人気も高く、選挙の顔にもなる。自民党の裏金のイメージを消すには、ぴったりの人選です」
 しかし、これまで進次郎氏は総理総裁の夢を語ったことがない。
「父・小泉純一郎氏が『50歳までは総理を支えろ』ときつく命じてきました。まだまだ実力不足の進次郎氏が総理になっても、あっという間に “賞味期限” が来て使い捨てにされると危惧しているわけです。
 純一郎氏は、日本国よりも自民党、党よりも派閥の清和会、派閥よりも小泉家が大事な人。自民党を救うために息子の進次郎を犠牲にするのはイヤなんです。
 進次郎氏も、父親の言うことに従ってきました。兄の孝太郎氏が語っていますが、小泉家では父親の言うことは絶対なんです」
 そんな父・純一郎氏の信念に変化が生じたと感じさせる出来事が最近あった。
 森喜朗元首相、中川秀直元官房長官らと定期的に開いている会合で、2人から進次郎氏の総裁選出馬をすすめられると、純一郎氏は「そこまで言うんだったら、本人がやると言ったら、私は反対しない」と述べたという。8月2日、同席したジャーナリストの田原総一朗氏が明かしている。
「純一郎氏がそう言ったのは事実だと思います。これは森氏に言われたからではなく、純一郎氏本人がそう思ったのだと思います。これまで進次郎氏の総裁選出馬は『絶対ない』と言っていたのを、『本人が出ると言うなら反対はしない』というところまで軟化したわけですからね。
 純一郎氏の思惑はわかりませんが、進次郎氏を50歳まで温存しても、すぐに総理の器になれるのか、と考えたのかもしれません。むしろ、“進次郎待望論” が出ている時流に乗ったほうが面白いんじゃないかと。
 もともと “劇場型政治” の元祖ですから、どっちが面白いかで考える。『勝てるのなら出そう』という気持ちが芽生えてきたのでしょう。そう考えれば、進次郎氏が総裁選に出馬する可能性がグッと高まりましたね」
 そして、もし菅氏が進次郎氏を担いだ場合、麻生氏が担ぐ茂木氏に勝てる可能性は十分あるという。
「茂木氏は国民人気が1%とパッとしない。進次郎氏はまだ出馬を明らかにしていませんが、待望論が高まった土壇場で『出る』と言えば、一気に雪崩現象が起きる可能性があります。
 そうなると、10月解散総選挙も視野に入ってきます。目下ライバルだった立憲民主党は、都知事選の敗北で政権の受け皿にならないことがはっきりした。9月の代表選も泉健太氏、枝野幸男氏など代わり映えしない顔ぶれ。ますます失速するでしょう。
 新総裁になった進次郎氏が父親同様、『自民党をぶっ壊す』とでも言えば、解散総選挙も圧勝するかもしれません」
 はたして進次郎氏の判断は──。


 
 



 
政治ジャーナリストの安積明子は自らの取材に基づいてコンパクトにまとめていた。
 
菅 vs 麻生の「元総理バトル」が激化…「自民党のドン」をめぐる大戦争が始まった!
 
■ポスト岸田」をめぐる総裁選
9月に予定される自民党総裁だが、なかなか「本命」が決まらない。岸田文雄首相は続投する意欲満々だが、世論調査での数字がいまいちだ。たとえば8月のJNNの世論調査では、内閣支持率は31%と前月比4.1ポイント上昇し、不支持率は66.4%と5.1ポイント減少して改善を見せたが、「次期総裁選で岸田首相は交代した方が良い」との回答が7割を占めた。
一方で「次の自民党総裁に相応しい国会議員」としては、各調査ともに石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境大臣と河野太郎デジタル大臣の名前が上位を占める。このうち石破氏と河野氏は次期総裁選に意欲を示しているようだ。もし出馬すれば、石破氏にとって5度目、河野氏にとって3度目の挑戦になるが、勝利への道はやはり遠いといえるだろう。自民党総裁選は議員票が鍵となるからだ。
民主党から政権奪還を目指して行われた2012年の総裁選では、石破氏は165票の党員算定票を獲得。安倍晋三元首相らを押さえて1位になったが、過半数を制するに至らず、議員票のみで行われた決戦投票で89票しか獲得できなかった石破氏は、108票を得た安倍元首相に敗退した。
2021年の総裁選で河野氏が獲得した党員票は169票と、岸田首相より59票も多かった。しかし河野氏は議員票を86票しか得ることができず、146票を獲得した岸田首相はもちろん、114票を獲得した高市早苗経済安全保障担当大臣よりも少なかった。
■キングメーカー同士の戦い
このように自民党総裁選で勝つためには、党内でいかに支持を集めるかが重要になる。そのためには強力な後ろ盾が必要だ。たとえば2021年の総裁選で2名の女性候補が出馬できたのは、高市氏には安倍元首相の支援があり、野田聖子元総務大臣には二階派から推薦人が「貸し出された」ためだった。
当時はほぼ派閥を単位にして票読みが行われたが、昨年末の「政治とカネ問題」を契機に派閥は解消され、麻生派と茂木派のみ政策集団として存続している。
そして54名の麻生派を率いる麻生太郎副総裁はキングメーカーの座を狙い、45名(衆参両議長を除く)の平成研を率いる茂木敏充幹事長は次期総裁の座を狙う。いずれも岸田首相が就任時に設定したガバナンコードにより次期総裁選後には現在の党の役職に留まることはできないが、残されたチャンスを生かすべく蠢(うごめ)いている。
キングメーカーとしての麻生氏の「持ち駒」は、副総裁として支える岸田首相と麻生派所属の河野氏だ。ただし河野氏は岸田内閣の現職閣僚であるため、すぐさま次期総裁選に出馬表明することは難しいだろう。
その河野氏が麻生派を離脱してくれるのを望んでいるのが、麻生氏と同様に「総理経験者」である菅義偉前首相だ。
安倍政権ではトロイカ体制を組んでいた麻生氏と菅氏だが、菅政権末期の2021年9月に政権浮揚策として麻生氏に河野氏の党役員登用をもちかけたところ、「お前と一緒に河野を沈めるわけにはいかねえ」と断られたことから、2人の関係はいまいちしっくりいっていないと言われている。また派閥を温存させている麻生氏に対し、菅氏は派閥を造らないという政治スタイルを堅持するなど、共通点はあまりない。
ただ「(自分の)首相への再登板はない」と述べる菅氏だが、キングメーカーへの野心は捨てていない。「菅さんは派閥を持たないが、一定数の側近がいる。彼らにポストを与えなければならないから、しっかり見極めたいのだろう」と、ある自民党関係者は語る。
■「小泉進次郎」という切り札
その菅氏が将来の総裁候補と考えていると言われるのが、同じ神奈川県連に所属する河野氏や小泉氏で、菅政権で官房長官を務めた加藤勝信氏についても「仕事をきちんとする人」と好意的だ。
石破氏についても、菅氏は「期待できる方だ」と高評価。7月1日には武田良太元総務大臣と3人で会食するなど、接近を図っていた。
しかも石破氏が麻生氏とあまり関係が良くない事実も、菅氏にとって都合が良い。問題はただひとつ、石破氏が当選するのかどうかという点だ。
前述の自民党関係者は、「石破さんが当選する可能性が高ければ、菅さんは石破さんに乗るだろう」と断言する。一方で石破氏の態度はまだ不鮮明だが、石破氏に近い人は「石破さんは自分からあえて本心を言い出す人ではない、他の人から請われて出馬したいのだ」と説明。お盆に地元で支持者に出馬を請われることになっているようだが、それまでは菅氏と石破氏は両すくみの状態だ。
もっとも菅氏には「小泉進次郎」というカードもある。2009年の衆院選で初当選して以来、小泉氏は自民党のスターとして育てられてきた。最近では「50歳までは総裁選に出るな」と言っていた父・純一郎氏が態度を和らげたとの話も聞こえてくるが、だからといってまだ43歳の小泉氏を、慌てて出馬させる必要もないだろう。「持ち駒」を使い分けることも、キングメーカーの醍醐味といえるだろう。
次期総裁選は2人のキングメーカーの戦いでもある。その勝利は自民党で最高権力を握るということを意味し、日本を支配できるということだ。ただし次期衆院選で負けることは許されない。最大のネックとなる「政治とカネ」問題は、いつになったら解消されるのか。

   
 結局のところ「勝ち馬」に乗るか馬主になるか、いずれにしてもこやつらは「自民党で最高権力を握る」ということしか眼中になく、今後の日本をどう導いていくのかというビジョンが全くないことが国民にとって大きな悲劇である。 

 

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