依然として九州地方(特に熊本県)は線状降水帯の停滞により、台風並み以上の風水害に見舞われている。
とりわけ7年前に震度7の大地震に見舞われたのだが、用水路と道路が区別つかないほどの大量の雨量により、 用水路に軽自動車が転落したとのニュースもあった(その後運転手は無事)。
少なくとも過去の梅雨時の長雨とは大きく異なり最近の新しい呼び名の線状降水帯とゲリラ降雨が暴れまくっている。
一刻も早い「梅雨明け宣言」が待ち遠しいのだが、その後「酷暑」が続けば、「熱中症」の被害者が多発することになる。
地球規模の気候変動の.影響なのだろうが、高齢者にとっては益々生きづらい日々となりそうである。
さて、今週末は昨年の7月に旧統一協会のいわゆる宗教2世の若者により「天誅」を食らった安倍晋三の1周忌となる。
関連する記事を3つほど紹介しておく。
「銃撃事件から1年…膨張する「安倍は偉大な政治家だった」という虚像、反省しない自民党」
安倍晋三が奈良市で銃撃され死亡し、1年が経とうとしている。しかし、「結局、安倍とは何だったのか?」という総括ができているようには思えない。一方で、「安倍は偉大な政治家だった」という虚像をつくりあげる動きは加速している。 奈良県の自民党議員らでつくる有志団体は同市内の私有地に安倍の慰霊碑を設置するという。 さらには、安倍を「神」にする動きまで出てきた。「週刊新潮」の記事によると、奈良県吉野にある「吉水神社」の宮司が、安倍の“言霊”が降りてきたのを感じたという。宮司いわく「日本の神様である天照大御神の前には、実は17の神がいる。これと併せて安倍さんを“安倍晋三大人命”として祭り、鎮魂したいんや」。日本は八百万の神の国なので、便所の神様もいれば疫病神もいるのだろうが、多くの疑惑にまみれた一政治家を「天照大御神の前」の神々に並べるのは異常としか言いようがない。 産経新聞も相変わらず。論壇時評では〈「傑出した日本のリーダーであり、世界に冠たる政治家」(インド首相のモディ)だっただけに、その不在は自民党や保守勢力に暗い影を落とし、最長政権を築いた存在の大きさを改めて浮き彫りにしている〉などと書いていた。さらには、高市早苗や小池百合子の安倍評を引用し、〈日本を取り戻し世界を導いた稀代の名宰相〉などと歯の浮くようなセリフで礼賛。カルトは怖いですね。 時間の経過とともに人々の記憶は薄れていく。しかし、忘却は歴史に対する罪である。実際、ほとぼりも冷めたとばかりに悪党が動きだした。 旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に近い萩生田光一は、安倍の一周忌をメドに清和政策研究会の新会長を選出すべきなどと言い出した。 自民党神奈川県連は次期衆院選の公認候補予定者となる神奈川18区支部長に、山際大志郎を選んだ。統一教会とベタベタだった人物だ。 要するに、自民党はなにも反省していない。 |
「自民党・東京都連グチャグチャ…私憤丸出し萩生田会長の『独裁』強まり自壊へ一直線」
自民党の東京都連がグチャグチャだ。元凶は都連会長の萩生田政調会長。最大派閥の安倍派会長の最右翼とされるが、「萩生田独裁」が極まれば、都連は機能不全必至。マトモな有権者にとっていい流れだ。 ■私憤・私情がエスカレート 「私憤の丸出し。ただでさえ公明党との選挙協力が宙に浮いて取りこぼしかねない選挙区がいくつもあるのに、一体どういうつもりなのか」(自民関係者) 問題視されているのは、次期衆院選に向けて都連が7月3日まで実施する支部長の公募。事実上の候補者選定作業だ。 対象は石原伸晃元幹事長がトンズラした東京8区(杉並区の一部)、公明党の現職が新設区に移ったことで空きが出た12区(板橋区の一部と北区)、そして21年に自民入りした柿沢未途衆院議員のお膝元の15区(江東区)。通常は現職優先なのに、萩生田氏の「未途憎し」でルールがねじ曲げられた格好だ。決定打は4月の江東区長選。党推薦候補を柿沢氏が応援せず、対立候補を支援して勝たせたことだった。 「柿沢弘治元外相から地盤を引き継いだ未途さんは、なんだかんだ選挙は強い。前回も都連の本命だった安倍派の元職に5万票差で勝ち、追加公認された。公明党との関係も良好です」(都連関係者) 15区の公募には、IR汚職事件で控訴している秋元司元衆院議員も応募するという。 そもそも、自公の選挙互助会が東京だけご破算になったのもまた、萩生田氏の私情に都連が振り回されたゆえんだ。新・東京28区をめぐる自公のバトルに起因する。 「萩生田会長は安倍派の安藤高夫元衆院議員を推している。日大医学部卒で医師の安藤氏は、会長の地元・八王子で総合病院を運営する医療法人の理事。日大にパイプがある。有形無形の支援を期待しているのでしょう」(前出の都連関係者) 公認が内定していた浪人中の伸晃氏が参院に鞍替えを表明したのも、都連は寝耳に水だったというから、いい恥さらし。衆院に鞍替えする丸川珠代元五輪相の後釜狙いだ。 「伸晃さんは森山選対委員長に話をしたから万事OKだと言わんばかり。森山派となった近未来政治研究会ですが、落選するまで長らく領袖だった自分の意向はスンナリ通ると思っているようです。もっとも、党役員は任期1年。2年後に森山さんが留任している保証はない。愚か者の後も愚か者、ってどうなんですかね」(前出の自民関係者) 自壊が待たれる。 |
まあ、「自戒の念」など全くない連中の集まりなので、「自壊が待たれる」のもそう遠くではない。
自民党の派閥内の権力争いは、広域暴力団組織とは何ら変わりはない。
「組長」がいなくなれば当然ながら椅子取りゲームならまだしも、争奪戦ともなれば穏やかではない。
「『安倍派』は『旧安倍派』になるだけ?安倍元首相一周忌直前でも不透明な派閥内権力争いの行方」
昨年7月8日、安倍晋三元首相が参院選中に銃撃されて命を落としてから、まもなく1年となる。今月8日には、昨年葬儀が営まれた東京・増上寺で一周忌法要が行われ、議員による焼香や一般からの献花も予定されている。
安倍氏亡き後の日本政界では、安倍氏がトップを務めた安倍派を中心に、「重しが取れた」(自民党関係者)ことによる大小さまざまな混乱も起きてきた。新しい会長が決まらないまま1年近くが経過した安倍派では、一周忌を1つの区切りとして新しい体制づくりを打ち出すかどうか、結論を出す最終段階にある。 |
「宏池会」出身の岸田文雄が策士であるならば、「安倍派」の混乱に乗じて分裂させて岸田派の人数を増やし、総裁選に臨むという野望も期待できるのだが、残念ながらそのような器ではない。
「異次元の少子化対策」という華々しい花火を打ち上げたところまではよかったが、肝心の財源問題となると、腰が定まらない。
「ついに岸田総理が『扶養控除の廃止』を検討しだしたヤバい理由…『田舎の高齢者政党』自民党の哀しき限界」
■子育て支援の「朝三暮四」 政府が今後、児童手当を拡充させる一方で扶養控除を廃止させる可能性を示唆したことで、世間から批判の声が集まっているようだ。 メディアが報じるところによれば、政府から出された素案における計算では、世帯年収がおよそ850万円ほどにもなれば、手当充実と控除廃止による実質的な収支がマイナスに転じることになる可能性もあるという。 〈政府は、児童手当の対象年齢を高校生相当にまで広げることを検討中だが、それにともなって扶養控除がなくなる可能性も浮上している。その場合、納める税金が増えるため、1万円の児童手当をもらっても、実質的には数千円のプラスにとどまったり、年収850万円以上の世帯では、むしろ今よりも負担が増えたりする可能性があることが、税理士の試算で明らかになった。 * 政府はこども関連予算倍増の一環として、児童手当の対象を高校生相当までに広げることを検討している。しかし、扶養控除廃止の可能性も出てきている。現在は、16歳から18歳の子どもがいる世帯の税負担を軽くするための扶養控除によって、所得を38万円少なく換算して、税金が課されているが、この控除をなくすとなると、納めるべき所得税や住民税が増える〉(日テレNEWS「児童手当拡充の一方、扶養控除廃止の可能性も 年収いくらだと実質マイナスになるのか?」2023年5月27日より引用) * 自民党内には、もとより児童手当の拡大に反対する議員も少なくないうえ、歳出拡大を渋る財務省の反発もある。各方面の意見を反映しながらある程度の所得で線を引く必要があったのだろうが、しかし世の中の反応は芳しくなかった。 ところで、世帯年収1000万円以上がいわゆる「高所得層」と言われた時代から、早くも世帯年収850万円が高所得のラインに変わってしまっていること自体に驚かされてしまう。日本がどんどん貧しくなっている世情を痛感せずにはいられない。この調子では、年収500万円が高所得層の仲間入りをする日も近いかもしれない。なんともさもしい議論である。 年間3.5兆円の予算を投じる、少子化対策の「加速化プラン」を発表するなど、様々な点でこれまでの政権とは一線を画す岸田政権の「異次元の少子化対策」であるが、しかしいざ財源の議論になると歯切れが悪くなり、現役世帯向けの控除を廃止したり社会保障負担を増額したりと、事実上の「現役世代同士のカネの奪い合い」という奇妙な方法論を出さざるを得ないという現状がある。 それは自民党の子育て政策における最大のボトルネックになっている。 現役世代や将来世代のための政策であるにもかかわらず、現役世代同士や将来世代同士でパイの奪い合いをさせる——そんな奇妙な発想に至ってしまうのは、自民党が正真正銘の高齢者政党であるためだ。 |
「2025年は『自民党衰退』の大転換点になる…年金という「国家ぐるみのネズミ講」が永田町をひっくり返す日」
■2025年という「大転換点」 「高齢者に不利な政策を出すことができず、出せたとしてもその負担は最小化される」という自民党の風土は別にいまにはじまったことではないし、これまでそれが政局において大きな問題点になっていたわけではなかった。しかし2020年代後半からはそうではなくなるだろう。かれらの栄光を終わらせかねない、最大のアキレス腱になってしまう可能性はきわめて高い。 加速度的に深刻化する少子化と、「2025年問題」に象徴される高齢化がだれの目にもあきらかになり、将来の社会保障費の増大やマンパワーの枯渇の問題が、いよいよ無視できないスケールで顕在化している。 * 1人の女性が生涯で出産する子どもの数を示す「合計特殊出生率」は去年1年間で「1.26」となり、過去最低となったことが分かりました。去年1年間に生まれた子どもの数も過去最少になっています。 厚労省によりますと、2022年の合計特殊出生率は前の年から0.05ポイント下がって「1.26」でした。7年連続の減少で、これまでで最も低かった2005年と並び、過去最低となりました。 また、去年1年間に生まれた子どもの数は前の年から4万人余り減って77万747人でした〉(TBS NEWS DIG「【速報】2022年の合計特殊出生率は「1.26」2005年に並ぶ過去最低に 出生数は過去最少77万747人 人口減少進む」 2023年6月2日より引用) * 高齢者が将来世代にしわ寄せする形で社会経済的にも福祉的にも優遇される状況を、批判的(風刺的)に述べた古市憲寿氏や成田悠輔氏が炎上した理由がもはや分からなくなるくらいに、いま世の中の潮目は変わりつつある。自民党としてはこれまでどおりの「福祉の充実」をアピールしているのに、そのたびに現役世代からの怒りの声が殺到するようになっている。その怒りの熱量は日増しに高まっている。自民党はいまさらこの方針を変えることはできない。だからこそ、他の政党には付け入るチャンスが出てくることになるだろう。 ■自民と立憲は「同じ保守」に見えている 残念ながら、最大野党の立憲民主党は自民党にも負けず劣らずの高齢者政党で、かれらが若者世代向けの政党にモデルチェンジを図る可能性は低い。社民党や共産党はそれ以上に論外だ。現実的なところだと、現時点で「将来世代のための政党(労働者向け政党)」としての旗色を鮮明にする可能性があるのは日本維新の会と国民民主党になるだろう。実際、そうした期待感の高まりは世論調査でも浮かび上がってきており、維新が衆院選の投票先として大きくポテンシャルを伸ばしている。 中高年層のリベラル派がアクティブなインターネット論壇では「維新は自民の補完勢力」といった批判的(揶揄的)論調が定説のように語られているが、実際にはそれは世の中の意見を正確に反映しているわけではない。立憲民主党(と日本共産党)こそ「高齢者福祉の充実」の点では自民党と一致団結している(そして、大して重要でないところで反対したり必死に揚げ足取りをしているだけの)補完勢力のように思われているのだ。 いま20代や30代の、世の中では若手~中堅として位置付けられている現役世代の人びとにとっては、日本維新の会こそがむしろ「高齢者を守り、票を得る」という自民党の既得権益に食い込む「対抗勢力」と見なされつつあるのが実情に近い。 ■「保険」とは名ばかりの破綻したシステム 社会保険は曲がりなりにも「保険」という名を冠している。 にもかかわらず、高齢や既往歴などのハイリスクな要因を持つ人ほどその保険料が安くなり、しかも加入者の割合としてはそういう人が今後どんどん増えていくという、通常の保険商品では絶対にありえない、どうあがいても破綻は避けられない制度設計がなされている。 通常の「保険」であるなら、その保険料はローリスクな人ほど安くなる。ハイリスクな人ほど低コストで高リターンを受け取るような常軌を逸したシステムは、掛け金を支払ってくれる人の絶対数が多ければ騙し騙しやっていけるかもしれないが、ハイリスクな顧客の絶対数がそれより増えてしまえば維持不可能になる。それでも強引に維持しようとすれば、破綻するのがわかっているのに新規会員を集めてカネを巻き上げる「ねずみ講」になる。こと社会保険においては国が強制的な徴収によってそれをバックアップする「国家公認のねずみ講」と化しつつある。 社会保険を、世の中に流通する他の保険と同じように「健康な人やローリスクな人ほど支払う保険料を安くするべきでは?」と自民党内で2016年に提案したのは小泉進次郎議員だったことを忘れてはならないだろう。 小泉議員はインターネットではその言動が批判や嘲笑の的となる「ネタ」のような扱いを受けているが、この件については、彼の提言はきわめて常識的であったといえる。というか、社会保険の受益者と負担者の人口バランスから言って遅かれ早かれそうしなければならない(早ければ早いほどよい)のは明らかなのだが、小泉議員が提唱した2016年当時は自民党内部からも世間からも激しいバッシングを受けた。 かりに小泉議員が2020年代後半にこれと同じ政策を世の中に向かって提起したなら、世間からのその反応はまったく違ったものになるだろう。自民党内でも、現役世代のために「社会保障費」の問題にメスを入れられるとしたら、SNSインテリからのウケは大変によくないだろうが、小泉進次郎をおいてほかにはいないと言わざるを得ないだろう。 ■自民党の「栄光」の終わり いずれにしても、年間100兆円を超す高齢者向けの社会保障費という大問題が、このままなあなあで済まされ、世間に忘れ去られることはない。社会保険や厚生年金がゴッソリ持っていかれている毎月の給与明細を見れば、誰もが嫌でもこの話題を思い出さずにはいられないからだ。 すでに破綻していることが明白なシステムをそれでも強引に成り立たせようとするため、毎年のようにこの「ねずみ講」の掛け金は増え続けている。世間の値上げラッシュも相まって、いよいよ看過できない水準にまで達してきている。 いまでこそ他の政党を寄せ付けない圧倒不変のポジションを得ているかのように見える自民党だが、高齢者票に依存した政党であるために「高齢者福祉問題」で大ナタを振るえないというこのアキレス腱のせいで、2020年代後半からは大きな衰退期に入る可能性がある。かれらが戦後から現代まで続いてきたその栄光を失うとしたら、まさにこの問題によってだ。 いま、社会保障の合理化の方法論としてベーシックインカムをはっきりと提言しているのは国民民主党と日本維新の会の二党であり、さらにいえば年金を賦課方式から積み立て方式に変えることを公約としてはっきり明示しているのは日本維新の会だけになる。 とくに維新は、世間からまったく注目されていないローカル政党に過ぎなかったころには、政策面ではほとんど顧みられていなかったかもしれない。だが、全国政党としての地位を得ようとしている現在では、多くの有権者とくに若者層がその政策に気づけば、国政選挙や国会論争において大きな台風の目になりえるだろう。 |
自民党が2020年代後半からは大きな衰退期に入る可能性は十分にあるかもしれない。
しかし、「圧倒不変のポジションを得ているかのように見える自民党」が存在するから、国民民主党や日本維新の会が「ゆ党」という立場であたかも存在感を示しているだけであり、古市憲寿や成田悠輔などの、「老人排斥炎上コメント」は閉塞感溢れる若者たちに一服の清涼感を与えたに過ぎない。
だからと言って、自民党が本格的に「瓦解」の道を歩みそうなときに自浄作用が全く働かなかったら、国民民主党や日本維新の会に政権をゆだねられるのかと言えば、それは全く別問題であろう、とオジサンは思う。