新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
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ゼレンスキー解散で日本の行く末はどうなる

2023年05月22日 13時38分22秒 | 岸田文雄外交

数か月前までは岸田文雄内閣はG7サミットを花道に退陣すると噂されていた。
 
確かに内閣支持率が30%台では今までの常識からみれば「危険水域」であったのだが、幸か不幸か政権を取って代わるという野党が皆無であることから今日まで延命してきた。
 
それがナント「岸田内閣支持率52%、4ポイント上昇 8カ月ぶり5割台」という日本経済新聞の調査が4月末に発表されたのだが、今週末にはもっと数字が高くなる可能性もある。
 
それでは昨日閉幕したG7の結果についての在京各紙(讀賣新聞・産経新聞は除く)の社説を読み比べてみた。
 
◆朝日新聞 「(社説)広島サミット閉幕 包摂の秩序構築につなげよ
 
*首相が最も力を入れたとする「核なき世界」への取り組みでも、今回、世界の関心を広島に向けさせた「実績」に安住してはならない。すべてが緒についたばかり、と自覚すべきだ。
 
◆毎日新聞 「国際秩序とG7 平和創出にこそ指導力を
 
*G7が主導すべきは、国際協調を復元し、「不戦の誓い」に再び魂を吹き込むことだ。 
  
◆東京新聞 「広島サミットを終えて 国際秩序立て直し図れ

*平和の配当をもたらした冷戦の終結は、米国と旧ソ連が軍備管理を足掛かりに対話を積み重ね、信頼関係を築いた努力が結実したものである。政治指導者はそうした歴史にこそ学ばねばなるまい。 
 
いずれもG7サミットが「成功した」わけではなく今後の課題に注文していたようである。
 
戦争体験者の老ジャーナリストは別の観点から歯に衣着せずに激しく批判していた。
 
本澤二郎の「日本の風景」(4811)」
 

<極右・カルト神社本庁・日本会議主催のG7広島サミットは厳島でウクライナ必勝祈願?宗教界の反発は必至>

 「安倍を超えた」とばかり一人はしゃぎ回る岸田文雄のG7サミットの日程は、やはり原始カルト教団の神社本庁・日本会議の意向に沿ったものだった。安倍の伊勢神宮サミットに次ぐ厳島神社サミット。戦前の国家神道復活を連想させた。「新しい戦前」ではなく、戦前そのものであろう。
 全国から赤紙一枚で召集された前途ある若者は、神社で必勝祈願して戦地で犬死にした。岸田は歴史を放棄して、東条英機よろしく再び死線を超えた。今回はG7もろとも地獄に堕ちろうというのか。うがちすぎではない。「靖国神社をのぞくと300万死者が歓迎する」との深刻な皮肉と悲鳴が聞こえてきている。民主主義が消えた一瞬か。
 厳島神社を見学するという参拝場面を、NHKは、全て映像として全国放映したことも分かった。解説までつけたが、神社関係者だった。伊勢はどうだったか知らないが、水没する大鳥居を背景にした記念撮影では、フランスのマクロンだけが喜びの手を振らなかった。歴史の教訓が頭をよぎったものだろう。
 イタリアの首相は、大洪水を理由にいち早く日本を離れた。代わりにウクライナの好戦派・ゼレンスキーが登場し、新聞テレビはG7会議を煽り続けた。この先には総選挙という段取りか。


 
世界で唯一の米国による原爆の被災地の広島で行われたので、当然ながら世の中から「核を廃絶」というメッセージを求めるのは被爆国としては当選であった。
 
核軍縮ビジョンをまとめながらも、2国間協議では核の抑止力を確認…広島サミットが閉幕
 

              【東京新聞より】
 
 
 
『被爆地が踏みにじられた』 核廃絶を求めるNGO・ICANの川崎哲氏が挙げた広島ビジョンの問題点
 

            【東京新聞より】
  
21日閉幕した先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)では、被爆地・広島から「核なき世界」に向けた実効性を伴う発信があるかが注目された。2017年にノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の国際運営委員を務める川崎哲あきら氏は、首脳らが「被爆の実相」に触れたことは一定の評価をしつつ、成果文書は「失敗」と酷評。「被爆地が踏みにじられた。深く失望し、憤りを感じる」と批判している。
◆原爆資料館の視察を完全非公開に
サミット初日の19日、G7首脳は史上初めてそろって原爆資料館を視察。8歳で被爆した小倉桂子さん(85)と面会して証言を聞くなど40分滞在した。川崎氏は、7年前のオバマ米大統領(当時)の滞在が10分間だったことを踏まえ「十分に長いとは言えないが意義はあった」と評価する。
 ただ、日本政府は自国の核抑止政策への影響を懸念する核保有国の米英仏に配慮し、視察を完全非公開とした。メディアの館内取材を認めず、どんな展示品を見たかの詳細も非公表で、首脳らが視察を通じて感じたことや表情は伝わってこなかった。川崎氏は「なぜ隠すのか。政府の写真公開もない。被爆者と会うのが悪いことのようで、被爆者に失礼だ」と怒り、政治指導者の発信としては不十分だったと指摘する。
◆やらないための言い訳ばかり
さらに問題視するのは、G7首脳として初めてまとめた核軍縮に関する「広島ビジョン」と首脳声明という二つの成果文書だ。
 19日発出の広島ビジョンでは、核兵器のない世界を「究極の目標」と位置付けたものの、中ロへの対抗を念頭に「全ての者にとっての安全が損なわれない形で」「責任あるアプローチを通じて」などの条件を付けた。「やらないための言い訳を並べ、核廃絶を達成するという政治的意思がない」と分析する。
 原爆資料館の視察や、被爆者の証言を反映した記述も見当たらない。被爆の実相に触れた一連の行事を最初の日程に組み込んだにもかかわらず「被爆の実相と文書が断絶している。被爆地が踏みにじられた感じだ」と批判する。
◆廃絶の約束も、非人道性への言及もなし

 核軍縮・不拡散に向け、広島ビジョンは核拡散防止条約(NPT)を基礎とすることを強調したが、NPTの過去の合意文書に明記されていた「核兵器の廃絶」の約束は盛り込まなかった。
 川崎氏が最も注目していた核兵器の非人道性への言及もなく、核兵器禁止条約にも触れなかった。中ロを非難する一方でG7の核保有は「侵略を抑止するもの」と正当化しており、川崎氏は「自分たちは防衛目的だからいいんだという開き直りがある」とみる。
 20日に公表された首脳声明は全40ページのうち、核軍縮の内容は1ページ分もなく、広島ビジョンの内容を踏襲しただけ。川崎氏は「成功か失敗かといえば失敗だ。政治的に何も約束していない。首脳たちに再考を促したい」と強調した。



政権忖度メディアが報じなかったこんなこともあった。
 

 
ところで、外務省で海外経験が豊富で著述家で芸術文化観光専門職大学教授でもある山中俊之が、今回のG7サミットの成果を冷静に多角的に分析しつつ、「広島劇場の幕は下りた。しかし、劇に酔っている暇はない」と指摘していた。
 
  「『天地人』が岸田首相に味方、稀代の演出家と俳優によるG7広島サミットの成果
世界の動き、広島という場所、ゼレンスキー大統領の3つが揃った歴史的会合

 
■主演:ゼレンスキー大統領、出演:各国首脳、演出:岸田文雄
岸田首相は、政治家であると同時に、稀代の演出家かもしれない。歴史に残る劇場型G7広島サミット(主要7カ国首脳会議)を終えての率直な感想だ。
 1975年にフランスのランブイエで第1回が開催された主要国の首脳によるサミット。今回の広島サミットで49回目を迎える(緊急時開催を除く)。
 サミットに向けては、シェルパと言われる外交当局責任者(日本では経済担当の外務審議官)が事前に会談や共同声明の内容を精緻に詰める。そのためサプライズが多いわけではない。いや、外交当局からすれば、サプライズがあると困るというのが本音だろう。
 今回は、そのような外交的な慣行を大きく裏切った。もちろん、首相の意向を受けた外交当局が、秘密裡にゼレンスキー大統領の対面での出席を調整していたことは間違いない。しかし、このようなサプライズ演出は、外務省の本来業務からは離れたことだ。
稀代の劇場型サミットが、岸田首相の演出であることは間違いない。
 主演のゼレンスキー大統領が元俳優であることも、劇場型サミットの演出に大きく貢献した。
 今回のG7広島サミットでは、天(=世界の動き)、地(=広島という場所)、人(=ゼレンスキー大統領)が味方した。
■自身の選挙区でサミットを開催した意味
天(=世界の動き)とは、ロシアのウクライナ侵攻や中国の経済的威圧に対して、西側諸国が結束する必要性がかつてなく高まっていたことだ。
 現在は戦時である。各国の利害を抑えて結束することが求められることは議論の前提のようなものだ。
 地(=広島という場所)とは、被爆地・広島から核兵器に関するメッセージを世界に発信できたという点だ。
 日本の都市の知名度を世界で調査すると、広島は、東京を除き最上位級に来ることは間違いない。私が長く住んでいた中東でも、ヒロシマと言って知らない人は稀だ。被爆地ヒロシマは、世界どこに行っても知られている都市名である。
 日本でのG7サミットを振り返れば、東京以外では沖縄、北海道・洞爺湖、伊勢志摩で開催されている。いずれも開催地が決定した当時の首相の選挙区からは離れている。自分の選挙区のある都道府県での開催は、我田引水との批判があるので避けたのであろう。
 それでも今回の開催地として広島を選んだのは、究極的な核廃絶を訴えるために恰好の場所であるからにほかならない。
 招待国を含め、全首脳が原爆資料館を訪問して慰霊碑に献花した。被爆者にとって焦点の一つであった核兵器禁止条約についての言及はなく、残念ながら核廃絶に向けては大きな前進はなかった。
 しかし、首脳は原爆の実相について胸に刻んだことであろう。世界に向けて原爆の悲惨さを理解してもらう契機にはなったと言える。
 最後の人(=ゼレンスキー大統領)は、戦時下の大統領が危険を冒してサミットに参加したことだ。
■ゼレンスキー大統領の参加だけでないサミットの成果
ゼレンスキー氏は、個別に各国首脳と会談をしてきたが、主要国の首脳が一堂に会する会議に出席したのは戦争開始後、初めてのことだ。各国首脳がウクライナへの支援を次々と表明するサミットとなった。世界のメディアも、ゼレンスキー大統領の参加については大きく報道していた。
 このように、G7広島サミットは、天地人が味方した歴史上かつてないサミットとなったのだ。
 サミットの成果としては、中国との関係において、デカップリング(切り離し・分断)ではなく、デリスキング(De-Risking)という概念を打ち出した点に注目したい。
「デリスキング(De-Risking)」は、中国による経済的威圧を避けるため、欧州連合(EU)が先に打ち出した政策だ。中国との経済関係は維持しながらも、中国の資源や商品への過度な依存を軽減することで、リスクを減らすというものだ。
私は、多くの企業の中国事業を含めたグローバル展開を支援させていただいている。このようなデリスキングの考え方は企業の経営戦略との整合性があると感じる。
 米中対立と言われていても、多くの日本企業にとって中国は重要な顧客であり生産基地だ。過度なデカップリング(切り離し・分断)は、中国のみならず、日本を含む西側諸国の経済利益を損なう。
 政治や外交では、各国の政治・安全保障上の利益が過度に強調され、経済ビジネスの視点が軽視されることもある。ビジネスパーソンは、政治・外交が再びデカップリング指向に向かわないように監視・提言すべきだ。
■今思い出すべきジョージ・ケナンの言葉
ロシアのウクライナ侵攻については、西側諸国の結束と数々の軍事支援が表明された。戦争長期化が懸念される中、ウクライナ優位の下、停戦交渉が進むことを期待したい。
 戦争終結後の平和構築においては、為政者に対して戦争責任を問うた上で、戦後の米ソ冷戦時に米国務省でソ連封じ込め政策の骨格を作ったとされるジョージ・ケナン(1904〜2005)の言葉を思い出したい。
 ジョージ・ケナンは、NATO(北大西洋条約機構)が、チェコ、ハンガリー、ポーランドなど東欧圏を加盟させる拡大路線をとることを推進した際、「これは新たな冷戦の始まりだ。ロシア人はいずれ強く反発するだろう」と発言している(ジョージ・F・ケナン「アメリカ外交50年」船橋洋一氏解説)。
 国際政治・外交においては、過度に相手国を追い詰めることは邪道だ。
ロシアのウクライナ侵攻が、力による一方的な国際秩序の変更であることは論をまたない。一方で、2003年の米国が仕掛けたイラク戦争も、類似のものであるとの理解が国際社会では根強いことも忘れてはならない。
広島劇場の幕は下りた。しかし、劇に酔っている暇はない。戦争惨禍は続き、終息は見えない。
 今後、真に求められるのは、ジョージ・ケナンのように世界を鳥瞰した立場から平和と経済発展の双方を構築・実践していく推進力ではないだろうか。

 
すでに国会内の野党・ゆ党の体たらくから、「『ゼレンスキー解散』で大増税がやって来る」という声も聞こえてくるのだが、当分の間はこれを押し返す力がどこにも存在しないことが日本の不幸の始まりかもしれない。
 
やはり広島サミットは「岸田文雄による岸田文雄のためのサミット」であった、とオジサンは思う。
 
 
 

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