安倍晋三の単なる「迂闊さ」なのかそれとも難しい質問にはまともに答えたくない性分からなのかはさておき、ネット上で、女性からの批判で炎上していた。
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<安倍首相 夫婦別姓への見解に批判殺到「もはや支離滅裂」>
2019/07/01 16::04 女性自身
6月30日に行われたネット党首討論で安倍晋三首相(64)は、選択的夫婦別姓について「経済成長とは関わりがない」と発言。Twitter上では女性を中心に批判の声が相次いでいる。
立憲民主党の枝野幸男代表(55)は「女性の社会参画を妨害している大きな要因は、日本が結婚したら同じ氏を名乗ることを強制されていること」「選択的夫婦別姓は女性の社会参画のために不可欠」と主張。首相の見解を求めた。
すると安倍首相は、選択的夫婦別姓の是非については答えず「いわば夫婦別姓の問題ではなくて、しっかりと経済を成長させ、みんなが活躍できる社会を作っていくことではないか」と述べた。
質問に正面から答えようとしない安倍首相に対し、司会の夏野剛(54)は「今のご返答は『選択的夫婦別姓はいらない』というご返答でよろしいでしょうか」と再度見解を求める。
すると安倍首相は「いわば経済成長とは関わりがないというふうに考えています」と、またも明言を避けた。
Twitter上では、安倍首相の一連の発言に批判が集まっている。
《経済成長の役に立たないのなら女性の権利はどうでもいいと思ってるわけですね》
《選択的夫婦別姓という人権で考えないとならない問題を、「経済成長としての課題ではない」という理由でまとも対応しない人物が推進する男女共同参画社会とは》
《もはや支離滅裂》
また選択的夫婦別姓を求めて国を提訴している、サイボウズ社長の青野慶久氏(48)は《強制的に名前を変えさせる現行制度は、精神的苦痛、変更の手間、旧姓との使い分けコストとリスク、多額のシステム改修、国際的なブランド毀損などを生んでおり、経済的にマイナスばかり》とツイート。夫婦同姓の強制は経済的観点からも不合理であると指摘した。
自民党ホームページに掲載された「総合政策集2019」「令和元年政策パンフレット」には選択的夫婦別姓についての言及は見当たらなかった。ただし6月19日、東京都議会が国に対して選択的夫婦別姓の法制化を求める請願を賛成多数で可決した際には、自民党だけが反対している。
また’17年12月に内閣府が実施した世論調査では、選択的夫婦別姓への賛成が42.5%、反対が29.3%となり、賛成が大きく上回っている。
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こんなツイートが多かったようである。
この人は、名前を奪われることの意味を、考えたこともないんだろうな。この名前で笑い、泣き、恋をして、社会と繋がり成長してきた。「経済成長」の窓からしか考えることのできない人物に「女性の活躍」など語る資格なし。
— 池内さおり Saori Ikeuchi (@ikeuchi_saori) 2019年7月1日
安倍首相 夫婦別姓への見解に批判殺到「支離滅裂」 https://t.co/zgFXfJU2f5
もっとも中にはこんな見方があることを指摘するツイートも。
多分、そんなに深い意味なんか無いんだろうと思います。アベさんの支持母体「日本会議」の皆さんが戦前回帰したがってますから、夫婦別姓なんて、言語道断なんでしょう。でもそれを公言できないから、「経済」を言い訳にしただけ。もちろん意味不明ですけど。
— sarah (@lovelovesarah) 2019年7月1日
なるほど、決して支離滅裂ではなく、自分の保守層の支持者にしか顔が向いていないということらしい。
せっかくG20大阪サミットを「無事終了」させ、これで参院選に・・・と思った瞬間にトランプ大統領と金正恩の2人のパフォーマンスによってすっかり影が薄くなってしまい、米国からも梯子を外された倍晋三。
じつは既に昨年の10月頃には、こんなことになっていたという。
6カ国協議のはずなのに、日本が除外されてる…。
— 白石草 (@hamemen) 2019年7月1日
朝鮮半島問題、5カ国協議の必要性で一致=ロシア | Article [AMP] | Reuters https://t.co/ZIrgkcBTIk
さて、参院選の公示日が決まったこの時期に、際立った2つの出来事が起きていた。
「商業捕鯨、31年ぶり再開 捕獲枠4割減 採算は不透明」
「政府、韓国への半導体材料輸出を規制 今後は他品目にも広げる方針」
【毎日新聞より】
上記2紙の記事に関して、「今回の参院選対策としての『商業捕鯨再開』と『半導体材料の韓国への輸出規制強化』の2件には、『没落国家・日本』の惨めさしか感じない。否、事態はそれ以上に深刻で、日本がいよいよ国際的孤立へ本格的に向かい始めたというほかない。」と「kojitakenの日記」のブログ主は嘆いていた。
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<参院選対策としての「商業捕鯨再開」と「半導体材料の韓国への輸出規制強化」に見る「没落国家・日本」の惨めさ>
「商業捕鯨再開」と「半導体材料の韓国への輸出規制強化」の2件は、日本という国が本当にダメになりつつあることを感じさせた出来事だった。当然メディアはこれらを批判的に報じるだろうと思っていたら、批判的視座など全くないか、「リベラル」系メディアであっても批判的な声があることを遠慮がちに言いつつ(=言い訳をしつつ)、基本的には肯定的に報じていた。ますますダメだこりゃ、と思った。
商業捕鯨については、その是非以前に日本が国際的に孤立する効果の方が問題だ。商業捕鯨を再開したところで捕鯨自体は衰退の一途をたどるだろうという指摘があって、それには強い説得力があるのだが、特に問題だと思うのは、参院選前のこの時期に商業捕鯨を再開することが、日本国民のナショナリズムを煽って選挙を自民党に有利に導こうとする意図から出ていると思われることだ。
その意図がより露骨に感じられるのが、フッ化水素など半導体材料の韓国への輸出規制強化の件であり、どこの途上国の所業かよ、プライドの欠片もないみっともない所業だよなあと思った。こう書くと、ただ原料を掘り出すだけの途上国とは違って、猛毒のフッ化水素の精製には先端技術が必要なんだと「日本スゴイ」論者が目を三角にして怒り出しそうだが、そんな技術的優位性はいつまでも続かない。かつて日本の自動車産業がマスキー法を乗り越えたのと同質のことを、韓国の半導体産業は短期間でやってのけるんだろうなあとしか思えない。
しかし、トランプに「安倍ジャパン・パッシング」をされても、朝日新聞までもが韓国にネガティブな記事しか出せなくなった日本のマスメディアおよび世論に、政権を正面から批判する気力と能力はもはや残っていないかのようだ。
時計の針を逆方向に動かすことはできない。既に衰退過程を相当に進んでしまった日本が今後なすべきことは、「過去の栄光」への懐古などではなく、厳しい現状を直視しつつ道なき道を切り開くことしかないはずなのだが、それをやろうとする気概など微塵も感じられない。
以上のように、私は今回の参院選対策としての「商業捕鯨再開」と「半導体材料の韓国への輸出規制強化」の2件には、「没落国家・日本」の惨めさしか感じない。否、事態はそれ以上に深刻で、日本がいよいよ国際的孤立へ本格的に向かい始めたというほかない。
それを食い止めるためには、せめて参院選では自公維の議席の「3分の2割れ」くらいは実現させたいと思うが、メディアや世論の鈍い反応を見ると、それさえも怪しいのではないかとの悲観的予想にますます傾いてしまう今日この頃だ。
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「日本がいよいよ国際的孤立へ本格的に向かい始めたというほかない」という「没落国家・日本」のあるべき姿を、最近は有料メルマガ「フーテン老人世直し録」を発行している元TBS記者だったジャーナリストの田中良紹がこう示唆していた。
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<同盟に頼らずに平和国家を創る法>
6/30(日) 18:04 田中良紹
・・・前略・・・
トランプは5月中旬にスイスの大統領を初めてホワイトハウスに招待し、緊張高まるイランとの仲介役を依頼した。国交断絶状態のイランで米国の利益代表を務めているのはスイスだからである。私は「永世中立国」のスイスが「永世中立国」であるがゆえに国際外交の舞台でなしえる役割があることを知った。
興味を持ってスイスを調べると、同盟関係を持たないがゆえに第一次世界大戦にも第二次世界大戦にも巻き込まれず、ドイツ、フランス、イタリアに囲まれながら200年以上も平和を維持してきたことを知った。
そして私の世代は子供の頃に「日本は東洋のスイスたれ」と教えられたことを思い出した。それを言ったのは占領軍のマッカーサーだが、子供心に「日本はスイスを見習い永遠に平和国家として生きろ」という意味だと思っていた。
スイスが200年以上も戦争に巻き込まれずに平和を維持できた理由は2つある。1つはどの国とも同盟関係を持たず「中立」を貫いたこと。もう一つは「自分の国は自分で守る」ことを徹底したからである。つまり「武装中立」がスイスの国是なのだ。
・・・中略・・・
当時の新聞はそれを「日本中立を維持 マ元帥侵略には断固防衛言明」との見出しで伝えた。つまり中華人民共和国誕生や朝鮮戦争が勃発する前のマッカーサーは、日本に中立でいることを望み、侵略があれば日本が自衛するのではなく米国が防衛する考えだった。それが「日本は東洋のスイスたれ」の意味だった。
今年はそれからちょうど70年目に当たる。私はもう一度マッカーサーの言葉を思い返す必要があると考える。それはその後の日本が全く逆の方向に進み、今では米国との同盟にしがみつき、それに対して米国が揺さぶりをかけ、軍事的にも経済的にも利益を吸い上げられそうになっているからだ。
マッカーサーが日本に真似ろと言ったスイスは、国土面積が日本の1割程度で人口は800万人弱、資源は何もなく山だらけで農地も少ない小国である。ところが現在では一人当たりGDPは世界トップクラス、一人当たりの総所得は世界第2位、国際競争力は世界第1位に評価されている。
国連が発表する世界幸福度ランキングでは北欧諸国に次ぐ6位、ちなみに米国は19位で、日本は年々順位を下げて今年は58位である。昔は産業もなく外国に傭兵を輸出するしかない貧しい国だったが、今では金融業、精密機械工業、化学薬品工業、観光業などで経済は豊かだ。
1815年にどの国とも同盟を結ばない「永世中立」を認められてから、スイスは「自分の国は自分で守る武装中立」を国是としてきた。そのため20歳から30歳の男性は徴兵される。しかし外国を攻撃する武器は持たず、あくまでも自衛のための訓練を行う。兵役を終えれば予備役として民間の防衛組織に所属し国民皆兵で国を守る。
スイスを侵略すれば利益より損失が大きいと思わせることが防衛の基本戦略である。軍事基地は岩山をくりぬいた地下に作られ、橋や道路やトンネルには敵の侵入を阻止するための爆薬が準備されている。敵が侵入すれば焦土作戦ですべてを破壊する構えを見せ、それを抑止力にしている。
核戦争に対しても核の傘に入るとか自ら核を持つことをせず、すべての家庭に核シェルターを作らせ、核シェルターの普及率は100%に達する。政府が補助金を出すことでそれを可能にした。日本はそれとは対照的に核シェルターの普及率は0.02%、日本政府がサイレンを鳴らして国民に地下に逃げろと指示しても、どこにも隠れるシェルターはない。
私は米国から高価なイージス艦やイージス・アショアを買うよりも、いざという時に国民を守るシェルター建設に予算を使うべきではないかと思っていたが、日米同盟を抑止力と考える日本政府は、スイスとは真逆の方向に日本国家を導いた。
同盟に頼らないスイスは従ってEUにも入らない。つい最近までは国連にも加盟しなかった。中立を脅かされることを国民が極力嫌うからである。しかし偏屈に孤立しているわけではない。国連のPKO活動には積極的に参加する。ただし武力行使には関わらない。経済制裁には加わることもある。つまり柔軟に外交を行う。
こうした政治的判断を支えているのは国民投票による直接民主制である。スイスは日本の九州程度の国土に26の州があり地方分権が徹底している。日本の徳川時代の「藩」と同じで税金や教育を自治体が独自に決める。また3万人以上の署名を集めれば議会が決めた法律を国民投票にかけ、反対が多ければ廃止することもできる。
10万人の署名があれば憲法改正の国民投票も行われる。これまで160回の憲法改正を行い、最近では食糧安全保障を憲法に明記した。日本の食糧自給率が4割に満たないのに山だらけのスイスの自給率は6割を超える。値段が高くても自国の農産品を優先して買う意識が国民にある。
私から見ると、抑止力としての焦土作戦は戊辰戦争で江戸を戦火から守るために勝海舟が考えた方法と同じであり、州の規模や分権の徹底は徳川幕藩体制の300諸藩を思い起こさせる。明治以来の中央集権の弊害を考えると、スイスのやり方はかつての日本となじみがあり、江戸時代が260年間平和であったように、200年以上も平和を維持していることも頷ける。
しかし同盟を嫌うスイスと同盟にしがみつく日本は対極に位置する。何が違うかを考えれば日本はいつからか他力本願になってしまったのではないか。平和憲法を護れば平和でいられる。あるいは米軍がいれば安全でいられる。両方とも他力に頼るところがよく似ている。まるで念仏を唱えれば極楽に行けると信ずる宗教のようだ。
日本の安倍総理は、米国とは同盟国、イランとは友好国という立場で、米イラン対立の仲介役に乗り出した。一方でトランプは「永世中立国」のスイスにも仲介役を依頼した。「同盟重視」の日本か「永世中立」のスイスか、どちらが仲介役として問題解決に寄与するか。これからの推移を見てみたい。それを契機に日本は自立して生きる生き方を少しは考えたらどうかと思う。
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子供の頃「日本は東洋のスイスたれ」と聞いたことがあり、その当時元気だった社会党が「非武装中立」を唱えていたが、安保条約推進派からは「非現実的」とあしらわれていた。
しかし安倍晋三のように「日米同盟」を深化させトランプ大統領にしがみ付いても日本は国として自立して生きる道筋は不明である。
世界の紛争の調停役として憲法9条を持つ日本こそが、「永世中立」のスイスのように他国から信頼される自立した国として生き延びることができるのではないだろうか、とオジサンは思う。