新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

アメリカ軍需産業の在庫整理である500発のトマホークは何の役にも立たない

2022年12月21日 12時00分50秒 | 防衛費

防衛ジャーナリストの半田滋は「新・安全保障論」で、「安全保障関連3文書改定は『安倍政治』の尻ぬぐいであり。米国製兵器の『爆買い』が防衛費を圧迫する」というタイトルの記事の中で、こんなことを暴露していた。
 

 昨年11月の講演で安倍晋三はこう言っていた。
「安倍政権において、スタンド・オフ・ミサイルという形で、具体的な能力について保持しました。この能力を打撃力、反撃能力としても行使できるようにしていくことが求められています。これは北朝鮮に対してだけではなく、南西沖についても応用できる
長射程ミサイルの導入は進めたから「敵基地攻撃の能力の保有」を政策として採用するべきだというのだ。最も重要なのは、その能力が朝鮮半島有事や台湾有事に「応用できる」と述べている点であろう。
 自衛隊が外国の戦争に参戦できるのは、安倍政権で制定した安全保障法に基づき、集団的自衛権を行使して米軍への攻撃に自衛隊が反撃できる「存立危機事態」が発令された場合である。
 岸田政権は今年5月、「存立危機事態における敵基地攻撃は可能」とする答弁書を閣議決定した。つまり日本が攻撃されていないにもかかわらず、他国を攻撃することはできるというのだ。
 これこそが先制攻撃である。
 この結果、国内法の安全保障関連法で認められた集団的自衛権行使が国際法では許されない先制攻撃に該当するという矛盾をはらむことになった。
 岸田政権は、安倍晋三が敷いた米国製兵器の「爆買い」路線を追従し、安倍晋三が制定した法律に従って外国の戦争に参戦可能とした。だから12月の3文書改定は「安倍案件」の総仕上げなのだ。

 
ところで、先日、「日本は侵略などされない。脅威を捏造し「防衛費倍増」する国民ダマシ」という記事で、中国や北朝鮮が日本に上陸侵攻してくることなどあるはずがないことを論理的に解説した、ジャーナリストの高野孟がさらに、こんな記事をかいていた。
 
国が作り上げたウソの脅威。元防衛相も認めた「島嶼防衛論」の無理筋」 
 
■日本が直面している「脅威」とは?/「K半島事態対処計画」の信じられないほどの虚妄性
冷戦の終わりを受けて日本でも、旧ソ連を筆頭に北朝鮮、中国の旧共産圏諸国(自衛隊の符牒でZ・Y・X)を仮想敵と設定しその“脅威”に日米韓(同A・B・C)の軍事同盟で立ち向かうというそれまでの安保の基本構想を抜本的に見直そうとする知的な試みが広がり始めたものの、折悪しく北朝鮮が核不拡散条約(NPT)を脱退して核・ミサイル開発に走ることを宣言、それに激怒した米クリントン大統領が一時は寧辺核施設を空爆で破壊し金正日を爆殺ないし斬首する作戦を決意する事態が生じ、たちまち旧ソ連に代わって北朝鮮が諸悪の根源であるかの時代の空気が出来上がった。その時期に自衛隊の統合幕僚会議が密かに練り上げたのが「K半島事態対処計画」である。
■空想力の産物
同計画の内容を詳しく紹介した半田滋『自衛隊vs北朝鮮』(新潮新書、03年刊)によると、当時の自衛隊が想定した北朝鮮の日本侵攻シナリオは
航空侵攻
弾道ミサイルによる攻撃、
正規軍の特殊部隊(ゲリラ・コマンドウ)による上陸攻撃
海上交通路妨害
の4つ。いずれも、空想力を精一杯拡張して「もしかしたらこんなことも起きるかもしれない」と並べてみたという体のもので、実際には、その時すでに米軍の核を含む攻撃に晒され米韓合同軍との地上戦も始まっているであろう危機の真っ最中に、直接の交戦国ではない(米軍基地を提供し自衛隊が後方支援を担当する間接の対米支援国ではあるが)日本に対し、1機の航空機はおろか1人の兵員さえ差し向ける必要などある訳がなく、また仮にあったとしてもそのゆとりがある訳がない。
約30年後の今日では、北のミサイル開発が進展し、総数700~1,000発のうち300~450発は日本に撃つのに丁度いいノドン級準中距離ミサイル(射程1,000~3,000kmに対し平壌~東京間は1,300km)と推定されるので、2.のミサイル攻撃が主な脅威シナリオとなるのだろうが、同計画策定の頃はほとんど重視されていなかった。それよりも、当時の自衛隊がそう信じ、また“脅威”の切迫感を世論に訴える手段としてメディアを通じて色々な形でバラ撒かれたのはむしろ3.で、それは「北朝鮮や韓国の一般の人々が難民となって大量に日本に雪崩れ込み、それに混じって武装したゲリラが上陸して騒乱を起こす」といったストーリー。新聞では読売と日経が特におどろおどろしい彩色を施してこれを繰り返し報道したと記憶する。
■22万人の難民が日本へ?
半田前掲書によると、戦争勃発直後に北朝鮮の人口の1%に当たる23万人7,000人、また韓国では44万人が難民となり、そのうち北朝鮮難民の5万人と韓国難民の22万人が日本に押し寄せるというのが、同計画の想定である。しかしこれはまあ、机上の空論というか、ほとんど与太話で、一度は立ち消えになりかけるが、2003年に北が再びNPTを脱退し06年に地下核実験を強行するとまたゾンビのように蘇り、さらに2010年の尖閣諸島での中国漁船衝突事件をきっかけとした野田政権による同諸島“国有化”で日中関係が緊張する中、今度は「中国軍や、漁民に偽装した海上民兵が尖閣を獲りに来る」という“中国脅威論”のネタとして化粧し直された。さらにこれに米バイデン政権による「台湾有事切迫論」のデマゴギーが被って来て、とうとう岸田政権の防衛費倍増への猪突猛進にまで繋がってしまった。
この“脅威”の旧ソ連から北朝鮮へ、さらに中国への横滑りについては、本誌は何度も述べているが、最近ではNo.896=17年7月3日号の沖縄での講演記録で触れているので、その部分を再録して参考に供す。
■誇大妄想の産物としての陸自「島嶼防衛論」
1つ嘘をつくと、それを取り繕おうとしてもっと大きな嘘をつくことになり、話があらぬ方向に転がって行ってしまうというのはよくあることで、例えば最近では安倍晋三首相の「獣医学部新設は今治市に限定する必要は全くない。速やかに全国展開をめざしたい」という6月24日の発言がその典型。お友だちの加計学園経営者から言われるままに獣医学部新設を認可させるべく官邸を通じて文科省に圧力をかけ、まさかお友だちに便宜を図るためとは言えないから、「国家戦略特区」という大袈裟な装置を持ち出して獣医師会という既得権益集団による岩盤規制に自らがドリルと化して穴を空けるという構図を描き出した。
ところが、今ではよく知られているように、実はこれは、岩盤規制でも何でもなかった。獣医師は総数が足りないことが問題なのではなく、防疫など公衆衛生に関わる国及び地方の公務員獣医師が待遇が悪く仕事もきついために敬遠されがちで、多くは簡単に儲かる都会でのペット病院開業に走るという就業先の“偏在”が主な問題で、これは獣医学部を新設して獣医師の数を増やすことによっては何も解決しない。だから獣医師会は新設に反対したのだが、安倍はそれを岩盤と錯覚してしまった。
それで、加計を特別扱いしたのはおかしいということで非難が集中すると「いや、加計のためだけにやったのではない」と弁解し、それに説得力を与えようとして「速やかに全国展開をめざす」ことになって、ますます問題の本質からかけ離れてしまう。獣医師会が「驚愕の発言」と声明したのは当然である。
■最初は「北朝鮮の難民」という話だった!
陸上自衛隊の「島嶼防衛論」もこれと似ていて、最初の嘘が次の強弁を呼び、それを繕うために別の屁理屈を編み出して、段々収拾がつかなくなって大仰な話に発展してしまった。
中国軍が尖閣を手始めに離島を奪いに来るということで、すでに与那国島に沿岸監視隊基地を設けたのを手始めに、今後石垣島、宮古島、奄美大島に地対空・地対艦の攻撃ミサイルを備えた基地を展開することが計画されている。小西誠が『オキナワ島嶼戦争』(社会批評社、16年12月刊)で指摘するように、これは結局のところ、中国との通常兵器による全面戦争を想定した米国の「エアシーバトル」戦略に従って、日本自衛隊も共同作戦の一端を担って、奄美・琉球諸島のラインで中国の艦船・航空機を阻止して東シナ海の中に封じ込めることを狙った配置である。
ところがこの「島嶼防衛論」は、最初は「北朝鮮が国家崩壊し、北朝鮮の難民が一部は武装して大挙来襲して離島を占拠する」という話から始まった。それがいつの間にかこんな日中戦争シナリオにまで膨張してしまったのである。
北朝鮮が初めて地下核実験を行ったことを発表したのは2006年10月。米国はただちに、北に対する先制攻撃シナリオを含めた軍事的対応策の検討に入り、日本との間でも12月から朝鮮半島有事の日本への波及を想定した共同作戦づくりが始まった。07年1月4、5日付の朝日新聞は、その中で日本政府が想定しているのは「北の難民10~15万人」が押し寄せることだと伝え、それを受けて時の麻生太郎外相は1月7日の会見で「北朝鮮崩壊で10~15万人の難民が日本に上陸し、しかも武装難民の可能性が極めて高い」と発言した。
以後、これが「いま日本が直面する危機」といった調子で面白おかしく取り上げられ、それが何年間も続いた。その中で、最初は「九州から中国地方の海岸まで」どこにでも押し寄せてくるぞという話から、次第に「いや、危ないのは離島だ」というふうに絞られていく。
「文化戦略会議」という文化人の集まりがあって、そこで時折、会員同士のトークのサロンが開かれる。09年1月は森本敏さん(後に野田内閣の防衛相、現拓殖大学総長)の担当で、私が指名されて2人で対談した。私はこう言った。
「北朝鮮の難民が大挙して日本の離島に押し寄せ一部に武装ゲリラが混じって…というあの話はいったい何ですか。仮に北が国家崩壊して大量の難民が出るとして、ほぼ全員が中国東北地方に逃げるに決まっている。鴨緑江も豆満江も少し上流に行けば歩いて渡れる。国境の向こうには中国籍の朝鮮族が180万人もいて、中には遠い親戚くらいいるかもしれない。間違っても「資本主義地獄」と教えられている日本には来ない。もし米朝が戦争になっていれば、韓国も日本も戦場化しているからなおさら危ない。それでも日本に行こうと思ったとしても、船がない。船があっても燃料がない」
「それに大体、武装難民と言うけれど、命からがら脱出して救助を求めてくるはずの難民が、どうして武装する必要があるのか。かえって救助されにくいでしょう。それとも、離島を奪って立て籠もるんですか。何日間、持続可能だというのか。あるテレビ討論番組でそういう風に言ったら、『いや、正確に言えば、難民に混じって軍の特殊部隊が日本に潜入してくることが危険なんだ』と答えた人がいた。しかし、その特殊部隊の任務は何なのか。破壊工作?どこの何を。しかも仮に任務を達成しても、それを報告すべき本国政府がすでに存在していないでしょうに、と」すると森本さんは苦笑いして、「実は冷戦が終わって、ソ連軍が着上陸侵攻してくるというシナリオが消えてしまって、北海道の陸上自衛隊がやることがなくなっちゃったんだ」とズバリ事の本質を指摘した。
「そうでしょう」と私。「ソ連の脅威が消えたのなら、北海道の原野に戦車1,000両並べて迎え撃つはずだった陸自を大幅縮小すればいい。当時は、陸自を3分割して、コンパクトなハイテク国土防衛隊、災害緊急派遣部隊、国連軍・PKO専門部隊に再編しようという案もあった。それを今度は北朝鮮が怖いという話にすり替えて──これを私は「脅威の横滑り」と呼んでいるが──冷戦時代の編成をそのまま維持しようとするので話がおかしくなる。北の武装難民だなんて架空の話で国民を脅したり騙したりするのは止めた方がいいですよ」。

 
防衛費増額の根拠に「我が国を取り巻く安全保障環境が大幅に変化した」ということがよく言われるのだが、現実的に日本が侵略されるという具体的な事実は皆無なのである。
 
岸田文雄の防衛予算増額も実はすでにこの世にいない安倍晋三の置き土産というよりは「負の遺産」なのである。
 
したがってすでに何度もつぶやいたのだが、「安倍元首相の要らぬ“置き土産”。日本という国を葬る6つの「負の遺産」処理ができなければ岸田文雄の明日はない。
 
タダの人になりたくない。岸田内閣「使い捨て」を目論む勢力の正体」 
  
■岸田氏はフジサンケイですら支持率37%。総理大臣は使い捨てで良いのか?
12月8日、岸田首相総理は防衛費の倍増のための財源として約1兆円を増税で調達するための検討を進めるなどと言い出しました。ただでさえ、宗教団体の問題で支持率が超低空飛行となっている政権ですが、更に厳しい状況と言えます。
もっとも、支持層の岩盤まで掘られてしまうと、それ以上は下がりませんから、居直って政権運営をしているという感じもありますが、それでも、異常な事態です。
驚いたのは、保守系のフジサンケイGである、FNNの世論調査です。調査は12月17・18日の両日実施ということですから、最新です。その結果、
岸田内閣を「支持する」は、11月より1.6ポイント減って、37.0%、「支持しない」は57.5%
岸田首相は、防衛費を大幅に増額する方針を決めたが、これを「評価する」は45.8%、「評価しない」は48.3%で評価が分かれた。
一方、防衛費増額のための増税を決めたことを「評価する」は25.6%で、「評価しない」が69.5%だった。
旧統一教会をめぐる問題では、岸田首相の対応を「評価する」は35.2%で、「評価しない」が54.3%だった。
フジサンケイですから、故安倍晋三氏の「防衛費増額は国債でオッケー」という「遺言?」が念頭にあるとか、複雑な事情もあるのかもしれません。ですが、支持率の37%はかなり厳しいですし、防衛費増税への反対が70%というのは、かなりショッキングです。
こうなると、菅政権の汚染水問題での判断と同じように、内閣と引き換えに政策を通す、つまり岸田内閣は「使い捨て」というムードも漂ってきました。
では、岸田内閣を「使い捨て」にするような「誰か絶対的に偉い人」というのが具体的な人物としているのかというと、いないわけです。2F氏(Second Floor。つまり二階俊博)でもないし、麻生さんでもないし、参院自民党がそこまで偉いわけでもありません。
漠然とした党の組織というものがあり、今は「4月の地方選で負けるとタダの人になるのでイヤ」というムードが地方に強かったりして、そうしたムードの全体が「キングメーカー的な権力」を漠然と形成して、内閣を「使い捨て」にしようとしている、そんな感じです。
つまり国策とか国家意思というものも、実は漠然としていて非常に曖昧なのかもしれません。これは、防衛装備が充実しているとかしないとか、言う以前のかなり怖い状況です。
日本の場合は、負ける戦争を選択して国民を極限的な苦痛に追い詰めた経験から、政府に権限を与えると自分の生命が脅かされるという感覚が長く続きました。そこに多少の真理はあるにしても、やはり現在の「国家の意思が内閣を使い捨てにしている」状況というのは異様です。タコが自分の足を食べているうちに、全てが無になってしまうようなアナーキーなナンセンスを感じるからです。
問題は、やはり総理のコミュ力だと思います。総理になるためには密室で派閥の合従連衡を勝ち取れればいいのですが、総理になった途端に「国策を決断し、国民に説明する」という全く違うスキルを試されるのです。
サッカーで言えば、選手でもないトレーナーさんとか、データスタッフなどに、突然「W杯の本番でPK打ってくれ」と頼むような話です。あるいは、野球の場合で言えば、「ビールいかがスカ」とか言ってスタンドでビールを打っているバイトの人に、一軍戦の打席に立って佐々木朗希投手と勝負しろとか、そのぐらいの「無理ゲー」ではないかと思うのです。
総理になるまでは「例の件は、あの線でよろしく」とか「オタクとの温度差はまあ置いておいて」などといった、曖昧話法でノラクラノラクラやっていた政治家が、総理になったらマイクの前に立って「国民の皆さん」とやれ、これは大変です。だって、全くスキルが無いわけですから。
この問題を何とかするのは、そんなに難しい話ではありません。2つやればいいだけです。
1つは党議拘束を外すのです。そうすれば、一つ一つの法案について、議員は選挙区の有権者と対話して、賛否を決めなくてはなりません。そこで民意を裏切ったら、次の選挙では落ちるからです。今の日本の政治はその緊張感がないので、派閥のボスから総理になっても、有権者と真摯に向き合えないのです。
もう1つは、予備選をしっかり全国巡業でやるのです。一方的な演説をして駆け回るのではなく、市町村レベルでの対話集会をTVガチンコ生中継を入れたり、ネット中継しながら延々とやるのです。そうすれば政治家は否が応でも鍛えられるし、そうした長い地方巡業で勝ち残った時点ではかなりのスキルが付くはずです。
この2つをやらず、とにかく政治は「例の件よろしく」で権力行使してきた人物をいきなり国民と対話させるというのは、とにかく無理があります。昔の政治家は立派で、今はだめとか言う議論もありますが、佐藤栄作も、福田赳夫も、大平、鈴木、中曽根、竹下、宮沢、細川、村山、橋本…みんなこの点ではかなりいい加減でした。
世論との対話力というスキルでは、角栄とか小泉純一郎はあったかもしれませんが、彼らの場合は政策の総論は立派でしたが中身のない部分を言葉で埋めていた感じがあります。それはそれとして、この2人のコミュ力は確かなものがありました。もう一人、例外は亡くなった安倍晋三で、原籍右派で、コミュ力は天然で、結果は中道実務(但し守旧派)という不思議な人でしたが、本当に過去50年で、この3人以外は全くダメでした。
とにかく制度が人を育てるようにしないとダメです。党議拘束解除、全国巡業での予備選、この2つを強く推奨します。

最後に、元朝日新聞・記者佐藤章の「税金をアメリカに貢ぐ岸田総理と安倍の亡霊!500発のトマホークは何の役にも立たない!2倍防衛費はアメリカ軍需産業の在庫整理でしかない」という動画を紹介しておく。
 
 

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