Cycle Log

トライアスロンのトレーニング、レース、機材、その他色々

最適なホイールが欲しい!その①ホイールの性能とは

2016-12-11 | 機材等
 いつもと同じく、私事であり私見である。

 この度コンポーネントを6700アルテグラから9100デュラエースに交換し、ギアが10Sから11Sになる。このため、2本所有していたホイールのうち、WH7900-C24-TLがギア数の関係で使えなくなってしまう(シマノの売り方が汚いのは評判の通りだと思うが、C24自体は良いホイールだった)。残るWH9000-C50-TUはスペーサーを外せば11Sで使えるが、なにぶんカーボンチューブラーホイールなので、扱いがちょっと面倒(特に、パンク修理用の予備タイヤの持ち運び)。なので、普段使い(トレーニングとロングライド)用のホイールを物色している次第。そこで、ホイール一般についても考えつつ、候補のホイールについて検討してみたい。
 
 個人的には、ホイールの性能の優先順は①剛性、②ブレーキ性能、③リムの軽量さ、④空気抵抗の低さ、⑤回転性能、?見た目くらいに考えている。ただ結局はバランスの問題なので、①剛性は必要十分なだけあればよく、②〜⑤はそれぞれ良ければ加点みたいな感じである。

・チューブラーかクリンチャーか、それともチューブレスか
 レース用としては、信頼性が高くホイールが軽量になるチューブラーが良い。クリンチャー(とチューブレス)の方が転がり抵抗が低いと最近話題ではあるが、TTでもなければ転がり抵抗性能は二の次である。決戦用としてはホイールの軽量さの方が重要と思っている。クリンチャーは万が一バーストした場合が危険なので、構造上ほぼバーストの危険がないチューブラーかチューブレスをできるだけ選びたいと思っている。チューブレスについては、ホイールの重量が重くなる分トラブルに強くなるので、トレーニングやロングライドに向いている。しかしながら、取り付けなどの難易度が上がるので、クリンチャーの方が無難かも。というわけで、決戦用としてはチューブラー、普段用としてはクリンチャーがやはり良いかなと思う。アルミリムのチューブラーホイールがあれば、それを普段用にしても良いかなとは思うのだけど。

・ナローリム(15mm)23Cかワイドリム(17mm〜)25Cか
 基本的には乗り心地とグリップと転がり抵抗(と多分ブレーキ性能)に有利なワイドリムが良く、ヒルクライムやクリテリウムなど軽量さや加速性が物を言う場面ではナローリムが良いのではないかと思う。サイクルスポーツの特集では、ワイドリムになったキシリウムについて反応性が悪くなったと酷評に近い評価がされていたが、リムが重くなったという意味では仕方ない評価だと思う。しかしながら、新型BORA等のカーボンホイールについてワイドリム化の弊害が語られてないことを考えれば、「アルミリムのワイドリムは重くなりすぎる」「カーボンリムのワイドリムはほとんど重くならない」ということではないかなと。
 なお、ヨーロッパのプロロード界ではワイドリム化が進んでいるわけだけど、スポンサーが用意しているからという理由を除けば、毎日長距離を走るプロには快適性の高いワイドリム25Cにメリットがある(スピードプレイ・ペダルが人気なのと同じ理由だと思う)のと、プロの脚力は多少の重量増をものともしないからだと思う。
 あと、今まで僕は普段使いでナローリム(C24-TL)を決戦用にワイドリム(C50-TU)を使っていたのだが、リム幅が違うとブレーキの調整が面倒。そのため、ナローリム時はブレーキのリリースレバーを閉め、ワイドリム時には開いていたのだが、推奨されない使い方(シマノの人に注意された)なので、所持ホイールはリム幅が揃っているとブレーキ調整が楽である。

・アルミリムかカーボンリムか
 ほとんど比べるまでもないのだが、基本的にはアルミリムの方が重い代わりにブレーキが効きやすく、カーボンリムの方が軽い代わりにブレーキが効きにくい。他、アルミリムだと現状クリンチャー(とチューブレス)一択で、カーボンリムだとチューブラーがほとんどだが、クリンチャー対応ホイールが出始めている。また、カーボンリムのブレーキについても、カンパニョーロ・フルクラムは3Diamant(ディアマント)、マヴィックはiTgMaxという名称で、カーボンリムをレーザーで焼き付けてブレーキ性能を向上させる処理を行っており、(雨天時も含め)アルミリムに匹敵するブレーキ性能を付与している。やはり、普段使いはアルミリム、決戦用はカーボンリムが良いか。

・スチールスポークかアルミスポークか
 ほとんど気にする人もいないと思うが。基本的にはスチールスポークの方が耐久性が高い代わりに剛性が低く、アルミスポークの方が剛性が高い代わりに耐久性が低い。が、ホイールの実質的な寿命は3〜6年程度だろうから、アルミスポークだからと言って耐久性を気にすることはないと思う。それに、アルミスポークはカンパニョーロ・フルクラムとマヴィックくらいしか採用しているホイールはほとんどない。重要なのはアルミスポークを使うことで剛性が上がるということで、このためにフルクラム・レーシングゼロやマヴィック・キシリウムは低いリムハイトにも関わらず、高い剛性を得ている(カンパニョーロ・シャマルについては、G3スポークパターンにより適度に剛性を落としている)。

・ハイハイトリム(ディープリム)かローハイトリムか
 個人的にはローハイトリムは〜30mm、ミドルハイトリムは35〜50mm、ハイハイトリムは60mm〜くらいで区別している。最近まで、シマノとカンパニョーロ・フルクラムは24mm、35mm、50mmくらいの刻みで各ハイトのリムを販売していたが、シマノとフルクラムの最新モデルでは40mmというハイトが販売されている。35mmと50mmはオールラウンドよりではあるが、その中でも35mmではヒルクライム寄り、50mmでは平坦寄りの扱いだったので40mmというのは万能に近い絶妙のハイトだと思っている。ハイトの違いで注目されるのは空気抵抗の違いとリムの軽量さだが、ホイール剛性への影響も重要。リムが高いほど剛性が高くなり、少ないスポーク数でも剛性を確保しやすくなる。私見では横風の影響を受けやすく剛性の確保がシビアでない前輪をローハイトめ、横風の影響を受けにくく駆動のために剛性が重要な後輪をハイハイトにする、エンヴィのスマートシステムがベストではないかと思う。WH9000-C35-TUの前輪とWH9000-C50-TUの後輪を組み合わせて使うということを検討してみたが、結局C35の前後輪とC50の前後輪のセットで使うだろうなという結論に至った。

・ハブの回転性能
 大手三社のハブの回転性能については、カンパ・フルクラムCULT>カンパフルクラムUSB>シマノ・デュラエース>マヴィックが世評である(マヴィックの新型ハブInstant Drive 360についてはわからない)。丈夫さについては、矢印の向きが逆になる。ハブの回転については当然良いに越したことはないが、スピードの乗った下り坂以外ではそれほど差が出るものではないと思っている。むしろ、丈夫さの方が重要。そういう意味では、5年以上デュラエース・ハブを使っているが、全く不具合が出ないし回転も良いのでバランス的には最高かもしれないと思っている。その分、多少重量があるが、ハブの重量などほとんど問題にならないとも思っている。

・PEO処理について
 ブレーキング性能の向上も良いが、リムが黒くなり見た目が良くなるのがすごく良い。まあ、普通のアルミリムでもVittoriaのCorsaを履けば見た目が結構上品になる。

 以上より、個人的に思っていること。
・普段使いにはアルミクリンチャー(チューブレス)、決戦用はカーボンチューブラー。
・ワイドリムや25Cタイヤは、ヒルクライム以外ではかなり有用なのではないかと思う。特にロングライド。
・パンクリスクを考えれば、チューブレスは積極的に選べるタイヤ。パンクしにくいし、したとしても補修剤の注入やパッチの貼り付け、チューブの挿入とパンク修理の選択肢は多い。しかしながら、タイヤを嵌めるのにコツがいる。
・ハブの回転性能とタイヤの摩擦抵抗は良いに越したことはないが、それでも二の次三の次。
・リムの軽量さは正義。が、最終的には、ホイールの性能は剛性を中心とした、バランスが重要。
・PEO処理等、ブレーキングの強力なホイールを選びたいが、最終的にはロードバイクのブレーキはタイヤ次第。リムの回転が止まっても、タイヤが道路を滑ったら(ロックしたら)ほとんど意味がない。
 
 以上、とりあえずのホイール総論であった。基本的には、大手三社のホイールを想定して書いている。次回は、個別のホイールの検討。

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