ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国の文化] 「懐かしの70・80年代」は流行歌のジャンルだけではない(上)

2011-07-08 22:12:24 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 久しぶりにネット通販で購入した韓国本の中で、「우리들의 행복했던 순간들(私たちの幸せだった瞬間)」は、おもしろそうかな、というヨミがバッチリ! 大正解の買い物でした。
 副題は「70・80년대의 추억과 낭만 이야기(70・80年代の想い出とロマンの物語)」です。

     
 【表紙。写真もおもしろい。ブルース・リーに鍾路書籍に・・・・。】

 最近の韓国歌謡界で「想い出(추역.追憶)」という言葉がキーワードになっていることは知っていました。
 韓国TVの愛好家は人気番組の通称「ナカス」(나는 가수다.私は歌手だ)や、セシボン人気ですでに実感しているでしょう。
 新聞・雑誌等のニュースでも、ちょっと見たところでも<政策共感>の4月19日の記事「アイドルが席巻している歌謡界に「7080ノレ(70・80年代の歌)」が流行る理由は?」、7月5日の「幾湖日報」の記事「1970年代、その頃その歌…青春を振り返る親父世代」等々、各メディアでもさまざまに報道されています。
※後者では、東仁川の音楽茶房でステージ再現、ゲストの熱唱に中壮年層の観客が感動のるつぼ、とか・・・。

 ところが、上掲のこの本「私たちの幸せだった瞬間」を開くと、<想い出>ブームは歌謡界だけではなく、生活のすべてにわたるといえるほど多様なジャンルに及んでいることがわかります。
 私ヌルボのところに届いた本は、初版発行(2010年9月)のちょうど1ヵ月後の発行で第3刷。
 その間、教保文庫では推薦書にあげ、また、その本の内容等も詳しく紹介しています。

 この目次を眺めただけでも、70年代以降の韓国の流行・風俗等が概観できるだけではなく、その当時青春時代を過ごした人たちの心情をうかがい知ることができ、(まだ読み始めたばかりですが)興味深く読めそうです。
 もちろん、映画「ALWAYS三丁目の夕日」をはじめ、現代の日本で昭和30年代がなぜか懐かしく、美しく回顧されたりしているように、回想の過去と、当時の現実の間には当然落差はあるでしょうが・・・。

 以下、その目次を訳出したものを列記します。内容がわかりにくいものは私ヌルボが簡単に説明をつけました。長くなるので、2回に分けて記事にします。
映画関係=オレンジ
 音楽・芸能関係=ピンク
 文学関係=紺
 スポーツ関係=茶

プロローグ 過ぎ去ったすべてのものが美しい
 
≪①私の心の想い出 1つ目≫文庫版を脇に挟んで生ギターを弾いた私の若き日の青春
大学歌謡祭 胸を躍らせたアンファン・テリブル
「馬鹿たちの行進」 70年代の風俗図と肖像画
「ベン・ハー」 荘厳な戦車競走が圧巻の善と悪の対決

三中堂文庫 読書の渇きを癒してくれた心の糧
金芝河 70年代を拒否した抵抗詩人
徐守男(ソ・スナム)と河清一(ハ・チョンイル) 明るい歌で全国を席巻したデュエット・コンビ
ソン・チャンシク 自由を謳歌した味わい深いシンガーソングライター
団体映画観覧 列をなして映画館に行ってみれば
李文烈(イ・ムニョル) 悪魔的な天才性をもった文学の鬼神
李美子(イ・ミジャ) 哀切さと哀しみを歌に昇華させたエレジーの女王
趙容弼(チョー・ヨンピル) 一世を風靡した永遠の歌手王
南珍(ナム・ジン)と羅勲児(ナ・フナ) 永遠のトロット・ライバルの元祖

車範根(チャ・ボムグン) 不世出のサッカー名将
崔仁浩(チェ・イノ) 文学の大衆化時代を開いた天才作家

≪②私の心の想い出 2つ目≫貧しかったから幸せだったのだ、ロマンとアクションの70・80
音楽喫茶のDJ 重たい声でレコード盤を回したその男
鍾路書籍と教保文庫 心の糧を提供した文化の拠点
サンデー・ソウル 幼稚極まりない大衆通俗雑誌の代名詞
86と88 世界へ飛び込んだ2つの行事
 ※1986年はアジア大会(ソウル)、1988年はソウル・オリンピック。
三南劇場 その映画館の隅に座って
セマウル運動 農村近代化に赫々たる功を立てた国民運動
国民教育憲章 教育の道を示した26年間の憲章
農繁期休校 5月に迎えた短い休み
民防共訓練 北傀が攻めて来たらどうする
陽地茶房(ヤンジタバン) モナリザに似たマダムと太ももが部厚かったレジ
  ※陽地は日当たりのよい所。鍾路にあった代表的茶房(タバン)で、ある時は全国で最大の面積を誇った。今も陽地茶房は全国処々でその命脈を維持している。庶民のサランバン(応接間)として、あるいは不法頽廃性売買の温床、一名チケット茶房として。
練炭 オンドルのたき口近くの油紙を真っ黒にした熱さ
慰問ハガキ ワラビのような手でこつこつ書いた感謝の手紙
クリスマスシール 私のささやかなお金が誰かの結核を治療できれば


 うーむ、色が派手すぎたかな? →(下)に続く。
コメント (2)
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