ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[8月10日(金)~12日(日)]

2012-08-14 22:34:24 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 2週間前の記事で、「ダークナイト ライジング」について、「ダークナイト」の方が衝撃度は上で、その理由として、ヒース・レジャーの存在感もさることながら、それ以上に「作品の基底にある価値観の問題。うーむ、うまく表現できない」と書きました。
 先週の「週刊文春」を見ると、町山智浩の「言霊USA」がやはりその2つを比較していました。まず「ダークナイト」は、正義を標榜するバットマンがかえってテロを呼び寄せてしまう皮肉な物語で、アメリカと9.11テロを象徴した傑作といわれた。一方「ライジング」の方は、アメリカ人が見れば「ウォール街を占拠せよ」運動を重ねずにはいられないはず。「ライジング」の敵役・ベイン軍団は武力革命を起こし、金持ちの資産を貧者に分配する。そしてバットマンは警察と手を組んで彼ら革命勢力と戦う。・・・という構図で、アメリカの保守や右翼の論客たちは「ライジング」を絶賛した、ということなんだそうです。なるほどそーか、そーなんだよなー。私ヌルボが書きたかったのもそこらへん。
 
 先週キネカ大森を持ち上げたからには行かなくちゃ、ということでミッドナイトFM観てきました。変質者役のユ・ジテの存在感が大きいですね。追われる悪役がなかなか捕まらないどころか、さらにひどい状況になっていくというのは「チェイサー」だの「悪魔を見た」だのいくつもあったなあ。それらを超えるのはちと難しいぞ。この作品もそうだけど。

          ★★★ Daumの人気順位(8月14日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①ヤコブへの手紙  9.4(28)
②どうぶつ会議 3D  9.2(25)
③アイス・エイジ 4:大陸移動説  8.8(114)
④サミーの冒険 2  8.8(77)
⑤名探偵コナン 11人目のストライカー(日本)  8.8(89)
⑥ベスト・エキゾチック・マリーゴールド・ホテル  8.5(159)
⑦Delicacy  8.4(55)
⑧ブルーバレンタイン  8.3(69)
⑨ダークナイト ライジング  8.2(2489)
⑩2度の結婚式と1度の葬式(韓国)  8.2(182)

 新登場は②だけです。
 その②「どうぶつ会議 3D」はドイツ製のCGアニメ。昨年の第24回東京国際映画祭で上映されました。原作はあのエーリヒ・ケストナーの絵本。岩波の子どもの本で出てますね。会議を繰り返すばかりで全然進展のない人間たちの会議に業を煮やして、世界中の動物たちが集まって会議を行い、国境をなくすとか、)軍隊の撤廃・戦争放棄等々を決めるという内容で、いかにも第2次大戦後間もない時代を反映した絵本でしたが、このアニメの方は、ミーアキャットのビリーがライオンのソクラテスとともに動物たちの王国になくてはならない水を求めて旅に出る・・・、なんて、ケストナーの物語とは全然違うじゃん。コメディアンのパク・ソングァンや、「ギャグコンサート」等に出演しているシン・ボラが声の出演。韓国題は「빌리와 용감한 녀석들 3D(ビリーと勇敢な野郎ども 3D)」です。日本公開は未定。音楽は、アルフレッド・ニューマンの息子のデヴィッドが担当してるんだな、ふーん。 ※3ヵ国予告編比較はいかが?→韓国語版、→ドイツ語版、→英語版

【専門家による順位】

①ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
②少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
③嵐が丘  7.7(4)
④二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑤ダークナイト ライジング  7.4(7)
⑥シスター  7.2(5)
⑦ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑧ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド  7.0(2)
⑨名探偵コナン 11人目のストライカー(日本)  7.0(1)
⑩泥棒たち(韓国)  6.8(6)

 新登場は⑥「シスター」だけです。今年第62回ベルリン国際映画祭で特別銀熊賞を受賞したフランス・スイス合作の作品。第13回全州国際映画祭でも開幕作として上映されました。ですが原題は「L'Enfant d'en haut」つまり高い所の子ども=いいとこのぼっちゃん。しかし主人公は山の麓に姉と住む12歳の少年で、高い所にあるスキー場でスキー客のウェアや鞄などを盗んで生計を立てているのです。ところが姉は仕事もなく弟に貢いでもらっているのになぜか弟に高圧的で、なんだか謎めいている・・・。韓国題は英語題と同じく「시스터(Sister)」。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月10日(金)~12日(日)] ★★★

         勢い続く「泥棒たち」、1,000万人に迫る

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・泥棒たち(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・・・・1,138,556・・・・・・・・・9,237,475・・・・・・・・66,782・・・・・・・801
2(29)・・風と共に去りぬ(韓国)・・・・・・・・8/08・・・・・・・・・・・・・・・961,793・・・・・・・・・1,343,487 ・・・・・・・・・9,587・・・・・・・694
3(5)・・私は王である(韓国)・・・・・・・・・・・8/08・・・・・・・・・・・・・・・271,093 ・・・・・・・・・・490,592 ・・・・・・・・・3,390・・・・・・・471
4(2)・・ダークナイト ライジング ・・・・・・・・7/19・・・・・・・・・・・・・・・240,446・・・・・・・・・6,073,551・・・・・・・・45,072・・・・・・・367
5(3)・・サミーの冒険 2・・・・・・・・・・・・・・・8/01・・・・・・・・・・・・・・・218,639 ・・・・・・・・・・967,343 ・・・・・・・・・7,441・・・・・・・370
6(4)・・アイス・エイジ 4 大陸移動説・・・7/25 ・・・・・・・・・・・・・・118,625 ・・・・・・・・1,453,209 ・・・・・・・・10,993・・・・・・・271
7(新)・・どうぶつ会議・・・・・・・・・・・・・・・・・8/08 ・・・・・・・・・・・・・・・86,564 ・・・・・・・・・・123,247・・・・・・・・・・・827・・・・・・・241
8(新)・・ステップアップ・レヴォリューション・・8/15・・・・・・・・・・・・21,029・・・・・・・・・・・・22,245・・・・・・・・・・・177・・・・・・・・90
6(6)・・名探偵コナン・・・・・・・・・・・・・・・・・7/19 ・・・・・・・・・・・・・・・・18,044 ・・・・・・・・・・499,974 ・・・・・・・・・3,204・・・・・・・・82
     11人目のストライカー(日本)
10(7)・・怖い話(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・・・・・・・13,955 ・・・・・・・・・・315,775 ・・・・・・・・・2,332・・・・・・・・65
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「泥棒たち」は先週から減ったとはいっても今回も100万人を超える数字で、1,000万人の大台も目の前です。
 また、1~3位がすべて韓国作品というのは久しぶり。
 2・7・8位の3作品が新登場です。
 2位「風と共に去りぬ」はチャ・テヒョン主演の時代劇コメディ。
金よりも貴重だったという氷の倉庫が西氷庫(ソビンゴ)で、国家が許可した商人らに管理させていたのですが、邪魔者を謀略で排除して氷を手中に収めた男がチョ・ミョンス。それに対し、彼により父親を失った無念を晴らすため、その息子が西氷庫の氷20万枚を強奪する計画を立て、さまざまな分野(盗掘とか爆弾作りとか)の専門家を集めるのですが・・・。予告編(→コチラ)を見ると、やっぱりコメディっぽい雰囲気で、楽しそうではあります。
 7位「どうぶつ会議」は上述しました。やっぱり韓国題の「ビリーと勇敢な野郎ども」の方が内容に合ってるかも・・・。
 8位は「ステップアップ・レヴォリューション」は若者に人気のダンス映画シリーズの第4弾。日本では劇場公開は第1作だけでしたが・・・。この映画については、タイ在住の方のブログ記事が詳しく、また興味深かったです。7月29日の記事ということは、韓国より早く上映しているんですね。3Dでも2人の料金が480バーツ(約1200円)、やっぱり安いなー。映画の内容ですが、プロのダンサーを目指すマイアミのホテルオーナーの娘が、ダンスチームのリーダーをやってるそのホテルのウェイターと惹かれあい、チームに加わる。チームは最初はYouTubeのヒット数を上げて賞金を稼ぐことが目的だったが、ある事件をきっかけに、地域開発計画に対してダンスで抗議活動をするようになる、というもの。先のブログの主は「自分的には、STEP UPシリーズ中最高作だと思います」とのこと。また「タイ人は、音楽、踊り、単純なストーリーを好むため(インド人も同じ?)、この手の映画は向いていると思います」ですと。韓国題は「스텝업4:레볼루션」。日本公開は未定。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・少年は残酷な弓を射る・・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・・・・・・3,645 ・・・・・・・・・・・・・22,160 ・・・・・・・176・・・・・・・・・・14
2(新)・・シスター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/09 ・・・・・・・・・・・・・・・2,236 ・・・・・・・・・・・・・・3,989・・・・・・・・・31・・・・・・・・・・19
3(3)・・二つの扉(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・6/21・・・・・・・・・・・・・・・・・672 ・・・・・・・・・・・・・66,638 ・・・・・・・458・・・・・・・・・・12
4(2)・・ぴちぴち(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・7/25・・・・・・・・・・・・・・・・・・501・・・・・・・・・・・・・11,148・・・・・・・・・76・・・・・・・・・・・9
5(4)・・カフェ・ド・フロール ・・・・・・・・・・・・・・7/19 ・・・・・・・・・・・・・・・・・286 ・・・・・・・・・・・・・・3,792・・・・・・・・・26・・・・・・・・・・・5

 新登場は2位「シスター」のみ。内容等は上述の通りです。
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