今回のお遍路の天気は、
雨は大丈夫でしたが、
時折強い風の吹く日でした。
まあ、雨も困りますけど、
この風もなかなか手ごわいんですよねえ。
ウインドブレーカーとか
着ていったらいいやんと言われますが、
そういうことではなく
実はお参りの時に、
ろうそくや線香に火をともすのに
結構手間がかかるんですよねえ。
ライターがなかなかつかなくてね。
お寺の片隅で体を小さくかがめて
火をつける作業をしています。
100均に行けば、
そういうときでも火がつけやすい
という入れ物のようなものを
売っているのですが、
まあこれ以上お遍路時の荷物を
増やしたくないというのも
あるので導入はしていません。
こんな時に狭いろうそく場の扉の前で
必死に火をつけようとする
おばさんたちも多く、
順番待ちですごい時間がかかったりするんです。
気の利く先達さんはそんなときに、
そういう周りをあまり考えないお遍路さんに
いろんな注意をしてくれるのですが、
そうでない先達さんもおられるので
なかなかうまくいきません。
え?doironが直接注意すればええやんって?
いやあ大阪のおばちゃんに
遍路素人の私が
そんな恐れ多いことはできませんなあ。
ここの山門や堂宇は道よりも
低い位置にあります。
山門もこうして下に下がってくぐっていきます。
そんなことから罪ある人は
閻魔地獄に落ちていくとか
あるいはこの寺を現生と来生の
関所寺といったりされているようですね。
山門のところでほっこりしゃがみこんでいる
猫に見守られて入っていきましょう。
この48番西林寺に行った時も、
そんな風の強い時でした。
お寺の周りには大きな木が
植えられています。
そんな木からたくさんの葉っぱが
風に乗って飛んできますので、
ここではそんな姿を
絵にしてみることにしました。
これ。
う~ん、昔は(といっても今年ですが)
こんな木の描き方には大変苦労しましたが、
近頃はかなり慣れてきたようです。
クスノキ、松、竹、ビャクシンなどは、
それとなく描けそうな気になってきました。
あ、そうそう、ここではお堂の近くに
紅葉する木がありましたので、
それをひとつ描いてみましたが、
ちょっと難しかったですねえ。
またネットでいろんなアドバイスを
探しながら、別紙で
練習しないといけませんねえ。
この寺は今の場所ではないところに
行基が開基したお寺で、
そのご弘法大師が巡錫した時に
今の位置に寺を移し
伽藍を再興したそうです。
この公園のふちに
「杖の淵公園」
というところがあります。
そこが弘法大師が地元民のために
杖を突いて水を涌き起こして
湖を作った所とされています。
行ってみれば「弘法水」の揺蕩う池ですね。
弘法大師のこういう行動は、
これまでも各地で見てきました。
熊野古道にも杖で作ったという
井戸がいっぱいありましたし、
奈良の橿原神宮や
京都の石清水八幡宮の側にも
ありましたねえ。
こうして探したらきっともう
すごい数になるんでしょう。
お遍路している人の中には、
杖を持っている人もいますよねえ。
昔の難所越えには欠かせなかったようです。
ではこういう難所も少なくなった
今ではいらないのかというと、
実はいまはこの杖が弘法さんの化身で、
これを持って歩くことが
「同行二人」なんだというそうです。
そしてもう一つ意味があって、
昔は遍路をしている人が
道で亡くなったときに、
服の中に「六文銭」が縫い込んで会って、
これで葬儀をしてくれ
という意味だったのですが、
じつはこの杖もこれを墓にして
立ててくれという意味があるそうなんです。
杖の先には
「空・風・火・水・地」の
5文字が刻まれているそうですので、
そのまま「五輪の塔」の墓を表すんだそうです。
続く