今回は、「染付 椿文 中皿」の紹介です。
これは、昭和61年に(今から35年前に)、東京・平和島の「全国古民具骨董市まつり」会場で買ったものです。
表面
裏面
あちこちに、ベタベタと、製作中に付いた陶工の指跡が見られます。
今なら、そのような物は不良品として廃棄されるところですね(~_~;)
そんなところを古伊万里好きは喜ぶんです。一般の方から見たら変人ですよね(笑)。
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代前期
サ イ ズ : 口径;21.4cm 高さ;3.7cm 底径;12.5cm
なお、この中皿を手に入れる経過などを、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」に紹介していますので、次にそれを再度引用し、この中皿の紹介に代えさせていただきます。
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<古伊万里への誘い>
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*古伊万里ギャラリー84 古九谷様式染付椿文中皿 (平成17年3月1日登載)
このお皿は、さる骨董市で昭和61年に購入したものである。もう既に我が家に来てから19年の歳月が流れている。月日の経つのは早いものだ。
しかし、19年の歳月の経過とともに私はすっかり骨董品になってしまったが、このお皿には何の変化もみられない。陶磁器にとっては、19年程度の時の経過など問題にならないようである。それだけに、せめて我が家にいる間だけでも大切にしてあげたい。そして、生き長らえてもらい、立派な「骨董品」に育っていってほしいものである。
ところで、このお皿の購入に際しては思い出がある。
私が手にとってシゲシゲと見ていると、誰かの強い視線を感じたのだ。その視線の方向をたどっていくと、2~3軒隣の女性店主が、ジットこちらの様子を伺っているではないか。そのうち、その女性店主は立ち上がり、私の背後にまわってきたのである。私がそのお皿を買うのを止めて立ち去ったら、すかさず買い取る算段であろう。
骨董市での攻防にはキビシイものがある。ひとたび手を離して立ち去りかけようものなら、間髪をいれず、それを狙っていた次なる者が手をのばす。即断即決を迫られるのだ。私も、何度か、そのような釣り落としの体験をし、その都度、苦い思いを味わわされてきている。
「ここはもう買うことに決めざるを得まい。しかも、値引交渉などしている余裕はない。」と判断し、即購入となった。しかも、定価どおりで!
私が買ってしまったら、案の定、それを狙っていたくだんの女性店主は、「私もそれ欲しかったのよね~。私、そんなの大~好きなの!」ときた。いかにも未練たっぷりであった。
釣り落とした魚は大きく感じるものである。私も、もしこのお皿を釣り落としていたら、今でも深く大きな未練を引きずっていることであろう。
なお、このお皿についての解説をまだしていないので、ここで少々。
このお皿は、いわゆる生掛けで、とろりとした、しっとりとしたその肌合いはなんともいえない。裏面には、陶工が釉薬を掛ける際につけた指跡がベタベタと残り、そこがまたたまらない魅力でもある。
江戸時代前期 口径:21.4cm
女主人は悔しかったでしょうね。彼女に言わせれば、何よ、あの男は、ハタシ?、でしょうか(^.^)
釣りそこねた魚の話は、それこそ小冊子くらいにはなりますね(^^;
お客様にとっては、せっかく早く行っても、既にプロに引き抜かれてしまった後では、面白みがなくなりますものね。
お客様を楽しませるための計らいでしたよね。
今では、前日に有料入場させて、そこで競争させているんですよね。
市としては、どちらが盛るんでしょうかね、、、?
女主人からみたら、私はハタシに見えたかもしれませんね(^_^)
風貌も、いかにもハタシらしかったかもしれませんから(爆)。
彼女からみたら、憎らしくてしょうがなかったでしょうね、、、。
遅生さんにとっては、釣り逃した魚の話は、本物の魚の話だけでも、長編小説が書けるほど豊富なんでしょうね(^-^*)
ハタシとは?
古伊万里ってほんとに不思議です。
藍色だけで
落ち着き払って。。。
人間だったら自分の魅力を知り尽くしている人というところでしょうか。♪
美しいですね。
「ハタシ」というのは、お店を持たないで骨董品を売買しているプロのことです。旧家などから骨董品を買い出してきて、それを、骨董品を扱っているお店に売っているプロのことです。
藍色の一色だけでも綺麗ですよね。
元は、中国で発明されたもので、中国では「青花(せいか)」と言ってます。
文字通り、青色の花ですよね。
日本では「染付(そめつけ)」と言ってますが、その語源は「藍染め」からきていると言われています。
「藍染め」も藍色一色なんですが、実に美しいですよね(^-^*)