今回は、「伊万里 染錦 桐・鳳凰文大皿」の紹介です。
この大皿については、既に、今では止めてしまっている拙ホームページの「古伊万里への誘い」で紹介していますので、紹介文はそこに書いたものを紹介することとし、この大皿の紹介文に代えさせていただきます。写真は新たに撮り直しました。
なお、この大皿を買ってきたのは昭和56年のことですが、当時は大皿に人気があり、値が張ってなかなか買えなかったんです(><) それで、やむなく、大傷のものを買ってきて我慢していました(泣)。
伊万里 染錦 桐・鳳凰文大皿
表面
中心部分の拡大
桐文の拡大
鳳凰文の拡大
裏面
鎹(カスガイ)留めの右半分の画像
鎹(カスガイ)留めの左半分の画像
裏面外周の文様(これが3カ所描かれています)
製作年代: 江戸時代後期
サ イ ズ : 口径;46.3cm 高台径;25.5cm
<古伊万里への誘い>
*古伊万里ギャラリー7 古伊万里様式色絵桐・鳳凰文大皿・・・平成13年11月1日登載
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この大皿は、大皿には珍しく派手さがない。赤が少ないからだろうか。赤は、真ん中のほうに、蛾とおぼしきものに少量使われているにすぎない。
周囲には桐と鳳凰が3点づつ交互に配され、真ん中のほうには、なんだかわからない植物の葉3枚と蛾とおぼしきもの3点が描かれている。
この画面に共通するのは「3」だけである。それぞれの文様には関連がない。季節感も一致しなければ、物語性の一致もない。
伊万里では良くやる手である。何の関連もないものを、それぞれに貼り付ける。しかし、そこには破綻もなければ違和感もない。全体が不思議とマッチするのである。
私は、「桐」と「鳳凰」というその高貴な文様の取り合わせ、更には、桐に「金」を塗って豪華さを出すというその演出の華麗さに魅せられた。また、これらが、この大皿を上品にまとめている理由だろう。
もっとも、私が一番気に入ったのは、その割れっぷりである。真っ二つで、裏には鎹(カスガイ)が10個も使われて留めてあったのである。
描き込みの少ないのは自信の表れではないでしょうか。
真ん中の虫はトンボでしょう。前へしか進まないので勝虫と言われ、武家社会では縁起物でしたから。
裏側のミノムシのような奇妙な物、漆器などで見たことがあります。能の羽衣を象徴する羽衣か迦陵頻伽かどちらかハッキリしませんが、いずれにしても晴れやかな図柄です。
御目出度尽くしの大皿ですね。
私にとっては、この程度の大きさが精一杯で、しかもブチ割れしか買えませんでした(><)
真ん中の虫はトンボですすか。なるほど、勝虫と言われ、武家社会では縁起物だったんですね。納得です😃
ありがとうございます。
<裏側のミノムシのような奇妙な物>は、私は、最初は、よく鍋島の宝尽し文に出てくる宝文の一つの「隠蓑」かなと思いました。
でも、普通、単独で、隠蓑だけが登場しないので、何を描いたものなのかなと思ったものですから、何もコメントしませんでした(><)
なるほど、羽衣か迦陵頻伽かもしれませんね。