Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

色絵 剣先蓮弁文 猪口

2022年10月18日 15時38分27秒 | 古伊万里

 これも、一昨日の骨董市で買ってきたものです。

 

立面

 

 

剣先蓮弁文部分の拡大

剣先部分には金彩色が施されています。

 

 

底面

 

 

見込み面

 

 

見込み面の底部の拡大

見込み文様として鷺が描かれています。

 

 

 この手の猪口は、骨董市などでもよく見かけますし、図録等にもよく登場する器ですね。

 この猪口には、剣先蓮弁文の上部空間には何の文様も描かれていませんし、また、口縁の内側にも何の文様も描かれていませんが、物によっては、剣先蓮弁文の上部空間には文様を描かないけれども口縁の内側に何らかの文様を描いたり、或いは、剣先蓮弁文の上部空間と口縁の内側の両方に何らかの文様を描いたものなど、幾つかのバリエーションがあるようです。

 また、この手のものは大変に人気が高かったとみえ、江戸時代中期の終り頃から幕末・明治初め頃までの長期間にわたって作り続けられたようです。

 それだけに、その製作年代の特定に苦慮するところではありますが、幸いなことに、この猪口の場合は、見込み文様に鷺が描かれていますので、それを基に、かなりの精度でその製作年代を特定出来そうです。

 「柴田コレクションⅣ」(佐賀県立九州陶磁文化館発行)の巻末に「17世紀末から19世紀中葉の銘款と見込み文様」という論考(鈴田由起夫氏論述)が掲載されていますが、その中の「17世紀末から19世紀中葉の見込み文様」の中に、見込み文様としての鷺文様が登場してくるからです。

 それによりますと、見込み文様としての鷺文様は、1780~1820年代に登場するようです。

「柴田コレクションⅣ」のP.277から転載

 

 このことから考えますと、この猪口は、1780~1820年代(江戸時代中期の終り頃から江戸時代後期の始め頃)に作られたものと思われます。

 

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 1780~1820年代(江戸時代中期の終り頃から江戸時代後期の初め頃)

サ イ ズ : 口径9.9cm  高さ6.6cm  底径5.5cm


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ころすけ)
2022-10-18 16:04:44
色絵剣先文のそば猪口を拝見しました。そば猪口はあまり昔ほど興味が無いのですが、今回のモノは比較的著名な図柄ですので知っていました。ただ、逆富士山型のようなメリハリのある形は善い感じですね。また見込みに鷺が描かれているのは知りませんでした。

今回の骨董市は良い買い物をされましたね。再見した蔵春亭西畝の大皿は昨日よりも良く見えました。(^-^)/
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骨董 (ゆり)
2022-10-18 16:52:43
こんにちは。

知識は全然ないのですが、昨日の大皿良いものですね。
今日の 猪口も200年ほど前のモノなのですね。

昭和・平成と記念品やお引き出物などで絵皿・丼などを頂きましたが(お高いものでしょうに)、
大変失礼なのですが、我が家に古くからあるお皿などに比べると見劣りします。
子どものころから古いものを見慣れているのですが、普段使うには今のモノの方が割っても安心かななんて思う主婦です(;^_^A
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Unknown (pada)
2022-10-18 17:41:24
色絵とは言いながら、全然派手さのない渋い色絵で、剣先以外余分な装飾は無く好きなタイプです。
しかも、この窯印は素晴らしい!
これ、染錦になるんでしようか?
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ころすけさんへ (Dr.K)
2022-10-18 18:30:02
これは、よく見かける猪口ですよね。
「そば猪口」コレクターから見れば、これも「そば猪口」ということになるのでしょうけれど、普通の古陶磁コレクターから見れば、単なる「猪口」ですね。もっと分かり易く言えば、「向付」ですよね。

私も、これまで、この手の猪口をジックリ見ていなかったものですから、見込みに鷺が描かれているのかどうかは知りませんです。見込みに花などが描かれている例は知っていますが、、、。
これには、たまたま、鷺が描かれていることを、写真を撮っていて気付きました。

昨日アップした蔵春亭西畝造銘の大皿は、再見して、昨日よりも良く見えましたか(^-^*)
ありがとうございます。見る度にダンダント悪く見えるものもありますものね。
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ゆりさんへ (Dr.K)
2022-10-18 18:55:10
昨日アップした大皿も良かったですか(^_^) ありがとうございます。

そうなんです。今日アップした猪口も、作られてから200年ほどが経過しているんですよね。

現代作の高級な絵皿や丼などは古い物に比べますと見劣りがしますよね。
高級な現代作の食器も、柿右衛門とか古九谷等を写しているケースが多いですが、本物の柿右衛門や古九谷等には遠く及びませんものね。

高級な食器でなくとも、古い物には、手作り、手描きの良さとか温かみというようなものを感じますよね。
現代作の食器には、大量生産、粗製乱造という感じが伝わってきますものね。
両者を比較しますと、普段使いには現代作の食器ということになるでしょうか、、、。
もっとも、たまの晴れの日には古い食器を、というところでしょうか(^-^*)
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padaさんへ (Dr.K)
2022-10-18 19:12:45
色絵でも少量ながら金彩まで使用しているのに、それほどの派手さを感じないんですよね。
そんなところがあるので、この手の猪口の人気が高かったんですね(^-^*)

この猪口には、剣先蓮弁文以外の余分な装飾がなく、スッキリしていますよね。
padaさんの好きなタイプですか(^_^)

見込み文様の鷺文は、買う時は気付きませんでしたが、アップするために写真を撮っていて気付きました。
なかなか上品な描き込みの絵で、私も気に入りました。
なんか、得した気分です(^-^*)

染付以外に赤、緑、黄の他に少量ながら金彩まで使っていますから、染錦ということになるのでしょうね。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2022-10-18 19:57:55
この手の色絵剣先文の猪口はバリエーションがあるようですが
この品は明らかにウチの剣先文よりも時代があるようです。
色絵の発色も濃いめでいい感じですが、なんと言っても形がいいですよね!
ウチのはずんぐりしていて猪口と言うよりは向付に近いですが
この品はすらっと良い姿をしています。
さすがにドクターさん、良い品は見逃しませんね!。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2022-10-18 20:55:24
先日、酒田の人さんのブログで、この手の色絵剣先文の猪口を見せてもらったばかりでしたよね。
それで、たまたま、一昨日の骨董市に出ていましたので、買うべきかどうか迷いましたが、酒田の人さんの色絵剣先文の猪口を見たばかりでもありますし、やはり欲しくなり買ってしまったわけです。

酒田の人さんのところの色絵剣先文の猪口が取り持った縁なのかもしれませんね(^_^)
良いご縁に恵まれてよかったです(^-^*)
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Dr.Kさんへ (遅生)
2022-10-18 21:23:01
やはり、剣先蓮弁文は、そば猪口の中でも別格ですね。見込みの鷺との相性もバッチリです。
それに、他の模様が無い方が、剣先蓮弁文の有り難さが増します(^.^)
良い品がゲットできましたね。
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遅生さんへ (Dr.K)
2022-10-19 08:45:19
剣先蓮弁文は、なかなか良いですよね(^_^)
長期間、多くの人に愛された所以ですね(^-^*)

見込みの鷺も、老眼が進んでいることもあって、買う段階では、「何か描いてあるな、、、」程度にしか見えなかったのですが、紹介のために写真を撮っていて、なかなか良い鷺が描かれていることに気付き、ちょっと得をした気分になりました(^-^*)

この手の猪口は、よく見かけるわけですが、そろそろ市場に現われなくなるかもしれないな~と思い、思いきって今回購入しました(^-^*)
タイミングが良かったかもしれません(^-^*)
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