Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

伊万里 色絵草花梅樹文小皿

2019年10月25日 13時26分54秒 | 古伊万里

 この小皿は、ちょうど4年前に、田舎の骨董市で買ったものです。

 

表面    口径:14.4cm 高台径:8.8cm

製作年代 江戸時代前期

 

 

裏面

 

 

 この小皿を見つけた時、「どうするかな~、買うべきかな~、買うのをやめとくべきかな~」と迷ったものです。

 と、言いますのは、見ての通り、この小皿には盛大な疵があり、盛大に補修がしてあるからです(-_-;)

 いつも、いつも、こんな疵物ばっかり集めていますので、だんだんと、辟易してきたからです(-_-;)

 最近では、生意気にも、あまり疵物は買わないで、なるべくなら無疵のものを買おうと思うようになってきているんです。

 でもね、この手のものは滅多に市場には登場しません。無疵で5枚揃いだったら、確実に美術館入りでしょう。

 今時、この手の無疵の5枚揃いのものなど、田舎の骨董市などに登場してくるはずがありませんし、仮に登場してきたとしても、私などには、おいそれと購入できる金額ではありません(><)

 それで、「まっ、参考品ということで買っとくか」ということで購入を決断したわけです。

 私の場合は、こんなケースが多いんです。結局は、ガラクタばっかりが集まってくるんです(><)

 

 ところで、今、このブログ記事を書いていて、「おやっ!?」と思ったことがあります。

 それは、表面の写真の中央部をよく見ていただければ分かるかと思いますが、中央部がちょと尖って盛り上がっていることを発見したからです。

 普通、焼き物の場合は、表面の中央部は少し垂れ下がるんですよね。それが、この小皿の場合は、逆に盛り上がっているんです。

 特に伊万里の場合は、伊万里の土の耐火度が低いため、底面が垂れ下がってしまうので、それを防止するために、高台内に針支えをして焼くわけです。その場合は、焼き上がった時点で針支えを除去しますので、そこに目跡という疵が出来るんですが、この小皿には、裏面の写真の高台内を見れば分かりますように、それが見られないんですよね!

 それは、私が推測するに、この小皿を成形する際に、中央部が少しへたって垂れ下がることを予測し、予め、逆に、中央部を少し盛り上がらせて作ったからではないかと思うんです。ところが、この小皿の土の耐火度が意外と高かったため、中央部はへたらず、そのまま少し盛り上がったままで焼き上がってしまったからではないのかと、、、。

 よく観察してみると、新しい発見があるものですね(^-^;


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (つや姫日記)
2019-10-25 14:06:44
このサラの果物は柿のきですよね。

内側に円形にリースみたいなのが
何が巻き付いているのか???

疵は金色で補修してあるところですか?
柿の木の枝振りみたいで
補修と気がつきませんでした。

やはり伊万里は幼い頃から普段使いの物を店頭で見ていましたから
体が受け付けます。(笑)
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Unknown (ふぅ)
2019-10-25 14:40:55
さすがの観察力ですね~。
確かにこの手のものは市場には出ないでしょうし、まず料亭などで使われていることが多いと思います。手直しが派手なので出てきたということもあるんでしょうけど、割合上手な手直しですね。そっちに目が行きました(笑)
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Unknown (ころすけ)
2019-10-25 15:16:48
私はどうも色絵の良さが良くわからないのですが、初期の色絵なのですね。大きな金直しがされていても持ち帰るというのは、それなりの価値を見いだされたからと思います。
私も参考にしよ・・・何て思いで購入する事がありますが、(先日も購入)直してあるのであれば、掌で愛でる分には完品と変わりないように感じます。
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柿右衛門ルーツ (遅生)
2019-10-25 15:54:04
こういう珍品もあるのですね。
なるほど、目跡のない皿は、そういう風に作られたのかも知れませんね。
それにしても、この皿、絵付けや生地からして、これこそ柿右衛門のルーツではないでしょうか。
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つや姫日記さんへ (Dr.K)
2019-10-25 17:14:14
なるほど、、、!
普通、この手の物は、柿右衛門手とか、柿右衛門様式とか言われていますものね。
木は柿の木で、実は柿の実と思われても納得ですね。
でも、多分、この木は梅の木で、赤い実のように見えるのは梅花だろうと思います。
普通はそのように言われていますが、そんな見方もあるのかと、コメントに新鮮さを感じました(^-^;

内側に円形にリースみたいに見える所は、皿を重ね焼きするために円形に釉薬を剥いで焼くんですが、その釉薬が剥げているところに色を塗って釉薬の剥げを見えなくしたためなんです。
普通、単に、一色で塗りつぶすんですが、この小皿の場合には、リースのように文様を描いてあるんですよね。
それだけに手間がかかっているわけですが、私には、何の文様なのか分かりません(-_-;)

そうです。疵は金色で補修してあるところです。
柿の木の枝振りみたいに見えますか!
補修とは気が付きませんでしたか!
そう言っていただけたら嬉しいです(^-^;
疵ものを買ってきた甲斐がありました(^-^;

つや姫日記さんにとっては、「伊万里は幼い頃から普段使いの物を店頭で見ていました」か(^-^;
三つ子の魂百までもと言いますものね。自然と体に馴染んでいるんでしょうね(^-^;

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ふぅさんへ (Dr.K)
2019-10-25 17:25:32
>さすがの観察力ですね~。

ありがとうございます(^-^;
でも、焼き物など作ったこともないですから、私の言うことなどあてにはなりませんが(^^;


この補修、なかなか上手ですよね。
これ、多分、プロが直したんではないかと思っています。
もっとも、最近では、素人でも上手に直す人がいますけれど、、、。
直しのほうに目が行きましたか。派手な直しですものね(笑)。
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ころすけさんへ (Dr.K)
2019-10-25 17:38:20
初期の色絵とまではいきませんが、かなり古い色絵かと思います。
この手のものは、市場に滅多に出てきませんから、大疵でも、ここで逃すと、もう手に入らないと思い、参考品としてばかりでなく、買うことにしたわけです。

大疵ですが、その直し部分を、↑ で「つや姫日記さん」が、「柿の木の枝振りみたい」と見てくれるくらいですから、鑑賞するぶんにはそれほど支障はなさそうですね(^-^;
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遅生さんへ (Dr.K)
2019-10-25 17:49:11
目跡のない皿は、このように成形されたのかな~と思っています。
中国の土は耐火度が高く、針支えなど必要ないようですが、少なくとも、伊万里の場合は、普通は、針支えが必要になるようですものね。

この手のものは、一般には、初期柿右衛門などと言われています。
柿右衛門様式のものの中では、初めの頃に登場したものですね。
古いだけに、現存数が少ないですから、滅多に市場には登場してこないんです(-_-;)
それなもので、大疵があったんですが、思い切って買ってしまいました。
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初期柿右衛門! (酒田の人)
2019-10-25 23:14:35
ウチにも似たような感じの品がありますが、その品も複数のニュウがあるキズ物です。
とはいえ、こういった品は滅多に目にすることがありませんから、傷よりもその希少性や魅力を正確に判断して購入されたドクターさんはさすがです。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2019-10-26 08:25:33
酒田の人さんのところにも似たようなものがありましたね。
確か、京都のお休み処さんから来たものでしたね。

酒田の人さんのところのものは、ニューだからまだいいです。鑑賞にはさほど支障がないですから、、、。
ところが、我が家のは目立った大疵です(><)
でも、↑ のコメントにありますように、その補修を樹木の延長と見てくれる方がいました(^-^;
それで、まんざら捨てた物でもないな~と思いました(^-^;

まっ、無疵に越したことはないですが、この手のものは滅多に手に入らないですものね。
やはり、買っておいてよかったな~と思っています。
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