小さく生んで大きく育てる?

2012-10-06 00:35:19 | 議会活動
私が市議会議員になってから早いもので4年になります。いま考えてみると、区長経験もない一介のサラリーマンが立候補するなどということはほとんど考えられないことです。何の知名度もなく行政経験もない、まして政治についてとんとうとい私が市議会議員に立候補する事自体、まわりの知人達にとっては青天の霹靂だったのではないでしょうか。「何を血迷ったか」と思われたのではないでしょうか。もちろん家族も大反対でした。

立候補した理由は引退される議員さんに熱心に勧められたこともありましたが、やはりいまの市政をなんとかしたいという思いでした。当時しなの鉄道に跨線橋をかけ田中駅南口建設問題がありました。当初予算3億円が倍になり、さらに8億円になるということを聞いたときは信じられませんでした。こんな野放図なやり方でいいのかと思ったものです。最終的には南口へのトイレや自転車置き場を削減したため工事費は8億円を切りましたが、それでもそんな無計画ともいえるようなやり方で予算が立てられ、それを議会がなんらチェックできないということに腹立たしい思いがしたものです。

振り返ってみて、舞台が丘事業についても当初25億円が35億円になり、さらに道路も造ることで51億円にまで膨れ上がっていることは、南口の時とあまり変わっていないように見えます。民間であれば事業計画をきちんと立てることは常識です。これからの経済動向を探り、マーケット調査を行い、何度も何度もシュミレーションを重ね、その上で決断します。もし経営判断を誤れば会社自体がやって行けなくなります。

ところが行政は大違い。最初は小さくはじめて、途中で増額に次ぐ増額を重ね、最終的には当初予算を大幅に上回る事業が目白押しです。これを業界用語では「小さく生んで大きく育てる」などと言っているようです。議会においても最後の形が見えていないため、事業が始まってしまえば途中で増額になっても「始まってしまっているし、まあしょうがないか」となってしまいます。「小さく生んで大きく育てる」ことは議会対策上も有効なのです。一度賛成した事業を後になって反対することは「あの時賛成したじゃないか」と言われなかなか難しいのです。

しかし市民の立場に立てばとんでもないことです。すべて市民の税金です。最初に手のうちをすべてさらけ出してもらわなければ、その事業が適切なものかどうか正しい判断できません。最初は里山登山だったはずが、最後には切り立った岸壁を登っていたということになりかねません。

日めくりカレンダー