風よ、ふたたび東御市を吹き渡れ!

2012-11-03 02:28:00 | 雑感
東御市のような地方の小さな町の場合、市議会議員選挙など身近な選挙は地縁や血縁によることが多く、いわゆる地盤・看板・カバンがモノをいい、よそ者・若者・馬鹿者は排除されてきました。そんな保守的な地域に4年前の選挙では旋風が巻き起こりました。よそからワインを造りたいという思いで一人やってきた農業青年に対し、2位を100票も引き離す1100票もの得票を与えたのです。

彼はこの地域に知り合いはいません。名前も知られてはいません。当然お金もありません。あったのはワインにかける情熱と、この地域を変えて行きたいという強い思いでした。そんな彼に多くの市民の皆さんは期待を込めたのでした。彼は泡沫候補と目されていたので、この結果は驚きをもって受け止められました。

私にも同様なことが言えます。わずか1か月前までサラリーマンで地域の事など何も知らず、当然知名度もありませんでした。選挙戦のさなか、ある方から「ところであんたさんは区長やったでごわすか」と聞かれたものです。区の役員は会計をやっただけでした。そんな私にも市民の皆さんは877もの票を与えていただき、8番目という高位で当選させていただきました。後援会の皆様の必死のご努力によって当選させていただいたのですが、最下位で当選できればいいと思っていた私自身驚きでした。

こうした二つのことから4年前の選挙の際、この地域を変えたいという風が確かに吹いたのだろうと思います。様々な利害や地縁・血縁で行われてきた選挙に少しずつではありますが、変化を目指す胎動と新しい政治を目指す息吹が感じられます。今回の舞台が丘計画に反対する住民運動もそうした動きの一つだと思います。すべて上から決められてきたこれまでのやり方に疑問を抱き、おかしいことはおかしいと発言する人々が少しずつではありますが出てきています。

今回の選挙で4年前を上回る風が東御市を吹き渡ることを期待します。あなたかませの政治ではなく、自ら参加する政治に変えることこそが求められているのだろうと思います。自ら選び取る政治は責任も伴い、決して楽なものではないと思います。しかしあえてそうした道を選択される人々が出てこられることを期待したいと思うのです。

風よ、ふたたび東御市を吹き渡れ!

舞台が丘の民意はどこにあるのか?

2012-11-03 00:23:17 | 議会活動
今朝の信濃毎日新聞に、今回の東御市議会議員選挙の争点と見られている「舞台が丘第2期事業」への、立候補予定者の賛否が掲載されていました。それによれば賛成は12人(54.5%)、反対は私も含め7人(31.8%)、どちらでもないは3人(13.6%)でした。賛否の理由は以下の通りでした。

● 「賛成」の理由

 ・ 利便性と合理性を考えると妥当
 ・ 防災拠点になる
 ・ 災害時の拠点になる
 ・ 利便性が向上し、市民益にかなう
 ・ 駐車場が拡大し、災害時の拠点が整備される
 ・ 利便性が向上する
 ・ 50年に1度の事業で時宜を得ている
 ・ 市役所に行きやすく、災害時に活用できる
 ・ 結果的に高校の建て替えを期待できる
 ・ 市長選で公約に掲げて当選した
 ・ 防災機能の強化が図られる
 ・ 中央公民館の耐震補強などが評価できる

● 「反対」の理由

 ・ 市道新設には慎重な対応を求めたい
 ・ 市民の意見を聞き、慎重に進めるべきだ
 ・ 住民アンケートで是非を問うべきだ
 ・ 市民に十分説明し、合意を得るべきだ
 ・ 無駄な事業。市民への経済援助が先だ
 ・ 利便性が高まらない
 ・ 市道を新設する根拠があいまい

● 「どちらでもない」の理由

 ・ 必要な事業か市民との議論が欠かせない
 ・ 市民の了解を得てじっくり進めるべきだ
 ・ 必要な事業だが、市民説明が十分でない

こうして賛成・反対の理由を一覧表にして気がつくのは、賛成の皆さんのご意見の主な理由は「防災に役立つから」というものであり、反対の皆さんの主なご意見は「市民合意が得られていない」というものです。「どちらでもない」という意見のおもな理由も「市民への説明が不十分」というものです。事業の必要性と市民合意の取り付け方が問われていると感じます。

いずれにしろこうした問題は第1期事業ではありませんでした。市民を巻き込んでの検討委員会での議論、数度に及ぶ市民説明会の開催、市民の意見を取り入れて当初の4階建てを3階建に設計変更するなど丁寧な説明に心掛けてこられました。この段階で住民の皆さんからの反対はありませんでした。

ところが第2期事業になってこうした丁寧な説明は影をひそめました。突然に東御清翔高校を通る道路が浮上、何が何でも道路を通すというかたくなな姿勢がうかがわれました。2月に行われた市民説明会も、市民の意見に耳を傾けるというより、市側の一方的な説明だけに終始しました。第1期計画に見られた事前の情報公開や市民参加は影をひそめ、強引な市政運営ばかりが目につきました。

誠に残念でなりません。その結果として住民運動が起き署名活動が行われ、かつてない住民監査請求までが行われることになりました。私は今回の問題の最大の原因は住民に対する説明不足にあると思います。

そうした視点で賛成の皆さんの理由を見たとき違和感を感じます。これまでの住民運動をどのように見ているのでしょうか。なぜ住民が署名活動をせざるを得なかったのかそのわけをどのように考えているんでしょうか。民意をどのようにとらえているのでしょうか。防災ということで目的がよければすべてが許されるわけではありません。合意の取り付け方もまた重要です。

すべては民意がどこにあるかです。市民の皆さんがこの問題でどのような判断をくだすのか、11月11日の投票結果に注目しています。

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