先日のセミナーで元鳥取県知事の片山善博さんから「違和感を覚える」として傍聴のほか、議会の議論がわかりにくいというご指摘もいただきました。片山さんのご指摘は以下の通りです。
議会運営についても違和感を感ずる。議会は何を議論しているかわからない。自分の関心があるテーマについて傍聴したいがいつ行っていいかわからない。そのテーマについてはこの日の、この時間に行けばいいということも何も知らされない。これは議題ごとに議論していないからだ。何をいつ議論したかわからない、これは日本の議会の致命的欠陥だ。
確かに市民の皆さんの目から見たら議会は何をやっているかわからないと思われることでしょう。まず議会にかかる議案自体あらかじめ公表されていません。新聞等で報道されることもありますがまれです。その議案がいつ審議されるかもわかりませんし、どのような審議が行われたかもわかりません。
もし傍聴しようと思っても公開されているのは本会議だけ、委員会の傍聴は委員長の許可が必要になります。実質的な議論は委員会で行われますので、よほどその議案に興味がなければ議論の経過はわかりません。委員会傍聴に委員長の許可が必要なのは、委員会室が狭いため傍聴席を用意する必要があるからですが、許可でなくてもいいのではないかと思います。
委員会審議の傍聴はこれまでにも何度かありましたが、議員にしてみれば身近に市民の方が傍聴しているので緊張感を強いられ、その結果真剣な議論が行われたように記憶しています。
委員会審議の中で公聴会や参考人という制度があります。これは議長の承認のもとに学識経験者や利害関係者、一般市民の方のご意見をお聞きする制度ですが、この5年間で行われたのは1回だけです。多様な意見を聞くためにもっと開かれてもいいのではないかと思います。
議案の採決の結果や審議経過は「市議会だより」で詳細にわたって公表されます。しかし事前に本会議や委員会の日程、一般質問の内容やおおよそのスケジュールなどもっと公表してもいいのではないでしょうか。市民の皆さんにもっと市政や議会に関心を持てもらう仕組みづくりが大切だと感じています。
議会が何をやっているかわからない状況の中で、議会に関心を持っていただくことはできません。先般の議会報告会の出席が悪かった背景にはこうしたことも影響しているものと思います。