絵を描きたいと思う人は最初に、大半が花か風景を描きたいと思います。難しいと思われる人物画を最初の課題に選ぶ人は少数です。しかし、花は易しそうで難しく、風景は思いの外に絵になってくれません。それで妥協点として静物画が選ばれます。でも、結果は悲惨。なぜでしょうか?それは、静物画も花も、基本は幾何形体にあるからです。幾何形体をパスして、上手になった人は皆無です。
絵の基本が幾何形体にあるという事。一番分かりやすい例は、静物ならリンゴ。花なら百合です。リンゴは花弁が5枚の花から実ができます。従って、実も横に切ると五角形の名残があり、尻の部分は完全にファイブスターとなっています。どんなに丸く見えるリンゴでも、この五角形のニュアンス一つでリンゴらしさが出るのです。
次に百合ですが、百合は二つの三角形が重なった6弁ですが、厳密にはチューリップと同じく外側の三枚は萼(がく)です。従って、二つの三角形が重なった六芒星が基本形となります。バラ科の桜や梅やリンゴは5弁だから五芒星が基本。この二つの星を、あらゆる角度からフリーハンドで綺麗に描くことができなければ、その応用形態である本物の花弁は描くことができません。
花弁の数が8枚のコスモスは、十字が二つ重なった基本形。花弁が10枚のものは、五芒星が二つ重なったものとなります。花弁がどんなに複雑に見えようが、花弁の付け根部分では基本形なのです。その基本形から、花弁の動きや厚みなどの違う個体差となるのです。
しかし、五芒星も六芒星も、フリーハンドで自由自在に描くことは簡単ではありません。頭の中で、イメージトレーニングを何ヶ月もやって、初めて綺麗に描くことが出来るようになります。ですから、最初に直方体や立方体から始め、次に円柱で楕円を描けるようになり、それから角錐や円錐でトレーニングします。
西洋画は概して花が下手ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチは例外的に上手です。これは、彼が幾何図形の達人でもあった必然で、東京芸大の油絵科程度ではろくに花も描けません。そういう意味では、花弁がやたら多くて、基本となる幾何図形がイメージできないバラは、西洋画のモチーフにしても粗(あら)が出ないという効果があります。バラばかり描く人は、基本的にデッサン力がなくて誤魔化しているのですよ。
ということで、円柱の観察の仕方を掲載します。この程度でも理解できない人が多く、大半の人は上の楕円の方を(短径方向に)厚く描きます。また、楕円を直接描かないで、パースの付いた四角(要するに台形)を描き、対角線と十文字で長径と短径を出し、そこから綺麗な楕円を描きます。人の目は左右差があり、また利き目によっても見え方が違ってくるので、画面を逆さまにして何度も補正します。
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エフライム工房 平御幸
絵の基本が幾何形体にあるという事。一番分かりやすい例は、静物ならリンゴ。花なら百合です。リンゴは花弁が5枚の花から実ができます。従って、実も横に切ると五角形の名残があり、尻の部分は完全にファイブスターとなっています。どんなに丸く見えるリンゴでも、この五角形のニュアンス一つでリンゴらしさが出るのです。
次に百合ですが、百合は二つの三角形が重なった6弁ですが、厳密にはチューリップと同じく外側の三枚は萼(がく)です。従って、二つの三角形が重なった六芒星が基本形となります。バラ科の桜や梅やリンゴは5弁だから五芒星が基本。この二つの星を、あらゆる角度からフリーハンドで綺麗に描くことができなければ、その応用形態である本物の花弁は描くことができません。
花弁の数が8枚のコスモスは、十字が二つ重なった基本形。花弁が10枚のものは、五芒星が二つ重なったものとなります。花弁がどんなに複雑に見えようが、花弁の付け根部分では基本形なのです。その基本形から、花弁の動きや厚みなどの違う個体差となるのです。
しかし、五芒星も六芒星も、フリーハンドで自由自在に描くことは簡単ではありません。頭の中で、イメージトレーニングを何ヶ月もやって、初めて綺麗に描くことが出来るようになります。ですから、最初に直方体や立方体から始め、次に円柱で楕円を描けるようになり、それから角錐や円錐でトレーニングします。
西洋画は概して花が下手ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチは例外的に上手です。これは、彼が幾何図形の達人でもあった必然で、東京芸大の油絵科程度ではろくに花も描けません。そういう意味では、花弁がやたら多くて、基本となる幾何図形がイメージできないバラは、西洋画のモチーフにしても粗(あら)が出ないという効果があります。バラばかり描く人は、基本的にデッサン力がなくて誤魔化しているのですよ。
ということで、円柱の観察の仕方を掲載します。この程度でも理解できない人が多く、大半の人は上の楕円の方を(短径方向に)厚く描きます。また、楕円を直接描かないで、パースの付いた四角(要するに台形)を描き、対角線と十文字で長径と短径を出し、そこから綺麗な楕円を描きます。人の目は左右差があり、また利き目によっても見え方が違ってくるので、画面を逆さまにして何度も補正します。
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