平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ドボルザーク 交響曲第8番

2012-10-20 00:35:31 | 芸術
 バラの本画も何とか完成しそうなので、余裕を漕いでクラシックのマイブームを紹介します。ドボルザーク作曲『交響曲第8番 ト長調 作品88』。

 この曲は、終楽章の主題が「コガネムシは金持ちだ」の旋律に似ていると、芸大寮で吹きこまれた悩ましい曲。コガネムシの呪縛から解き放たれるには、名演奏でイメージを刷新しなくてはなりません。とは言っても、手持ちはMXTVで放送された、カラヤンとウイーン・フィル盤しかありません。 

 ウイーン・フィルのメンバーは、カール・ベーム来日公演から10年近く経ており、より成熟した全盛期の趣があります。カラヤンは晩年で、FM誌でも振り間違いが目立つようになってきたと評価されている頃です。確かに、フィナーレの辺りでは指揮と演奏が若干ずれています。でも、この時期のウイーン・フィルなら、誰が振っても崩れるようなことはなかったと思います。

 僕がこの曲で一番好きなのは、第三楽章のワルツです。愛する人と一緒に踊りたいワルツという選択肢があれば、迷わずに一番に推すと思います。情熱的で美しく、そして優雅で情感たっぷり。DVDに焼いたので見てもらった人もいますが、アマゾンの評価も良いので、安心して推奨できます。

 ワルツは難しいと思っている人は多いですが、ズン・チャッ・チャの三拍子という固定観念がダメなのです。クラシックの三拍子は、乗馬の三拍子から来ているので、基本的には二拍子なのです。馬が首を前後させる二拍子に、足の運びの三拍子が加わった感じです。

 だから、ワルツでリズムを取るときは、手を波のように前後に動かす二拍子か、円を描くような二拍子に、最後だけチャチャとアクセントを加えると良いのです。「ズン・チャッ・チャ」ではなく、「ズン チャチャ」の二拍子の感じ。これで三拍子のワルツとなります。あとは緩急のテンポに乗るだけです。

 競馬で、最後の直線で騎手が追う時に、手綱を持った手は前後の二拍子。でも、ムチは馬の足の運びに合わせるので、自然に三拍子になります。芝が深くて体全体で追わなくてはならない欧州の競馬では、このアクションが見せ場となります。腰まで前後させて馬のスタミナを引き出すのですから、リズム感が悪いと馬に負担をかけてしまいます。

 芸大のコンニャク体操で、足と腕を二拍子と三拍子で別々に取るという訓練がありました。あるいは、左右の腕で片方が二拍子、片方が三拍子とか。最初は別々でも、2×3で6拍目には同じになります。

 ベームの来日公演のDVDでも、アンコールで『美しく青きドナウ』が演奏されていますが、さすがにウインナワルツの本場です。ただ、ヨハン・シュトラウス自体が音楽家としてはイマイチなので、どうしてもアンコール向きの位置に座ることになります。子供のいる家庭向きですね。時として子供が邪魔なカップルは、やっぱりドボルザークです。

    エフライム工房 平御幸
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