パイオニアのプリアンプ、C-90aが貝塚市に出張しているので、日立のコントロールアンプ、HCA-8000のジャンクを手に入れて修理中です。これが故障原因不明で難航中。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/25/6d4e79a7c4845ffa525f68accefccefb.png)
一度修理されて投げ出された形跡がある
ボリュームや中央の切替部が再ハンダされていた
プリアンプとコントロールアンプは、パワーアンプに信号を送るという意味では同じものなのですが、高音や低音の調整など、多機能のものはコントロールアンプと呼びます。プリアンプのプリは前という意味で、パワーアンプの前に置かれるからプリアンプ。コントロールアンプとプリアンプとの厳密な違いはないので、メーカーの趣味で型番にPとかCとか付けていますが、Pだとパワーアンプと混同するので、その場合はパワーアンプをメインアンプと呼び換えています。
日立はコントロールアンプだから、頭文字を繋げてHCAの表記を使っていました。最高級機はHCA-9000で、HCA-8000はプリアンプとしては二番目に位置します。コストダウンのための工夫というか苦労が散見され、これが修理には面倒なことになります。
まず、IC(集積回路)を多用するので、パーツが手に入らない。在庫が極少なので、手に入っても高価。今回は落札価格よりもパーツ代のほうが大きくなりました。
苦労の二番目は回路図が輸出仕様しか無いこと。HCA-7500Ⅱという型番の輸出仕様に比べて、使われているパーツが少なく、各部の電圧や抵抗値なども違います。東名高速の近くに日立のサービスセンターがあるので、往復一時間位で日本仕様回路図をコピーしてもらえるのですが、すでに廃棄されていれば徒労に終わります。
HCA-8000という型番は、日立リヴァーレのコントロールタワー、佐藤美弥さんの8番と同じ数字なので、なんとかして直したいと悪戦苦闘中です。
バレーボールのセッターは司令塔と呼ばれるように、ゲームをコントロールするからコントロールアンプと同じです。奇しくも型番と背番号が同じ。でも、丸一週間かかりきりでも直りません。パーツは福島などから取り寄せて、交換したほうが良さそうなものは全て交換。トランジスタやFETも、レコード再生の初段を除いて交換済みです。
このアンプは、そもそも電源スイッチが壊れていました。押してもすぐに戻るので、オンの状態をキープできません。すぐにオフになるのです。スイッチは特殊部品で手に入らないので、仕方なく安物のHCA-4590というコントロールアンプから流用。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/b5/fd671ff40e097559918ab1353df0784f.png)
HCA-4590の電源スイッチ
リレーも特殊なリードリレー(水銀リレー)が使われていましたが、リレー自体は壊れていなくて、制御用のICに4.7Vの電圧が出て、これが原因でリレーがオン状態になりません。パワーアンプに信号を送れないのです。バレーボールで言えば、守備から攻撃への繋ぎが悪いのと同じです。
怪しいスイッチの分解を含めて、ほとんどあらゆるパーツを点検しても直りません。こうなると、回路のパターンが目に見えない所で切れているクラック現象が考えられます。クラックがあれば、ハンダの下のパターンの切断なので、ハンダをやり直してもダメなことが多いのです。
コストを下げるために一枚基板なので、悪くない基板を避けて作業することも出来ません。たった一箇所の故障でも、基板を丸ごとひっくり返しての作業だから、そのうちに配線が疲労して切れてしまいます。
僕が今まで修理した中では、ソニーのV-FETアンプTA-4650、ヤマハのV-FETパワーアンプB-2、日立のプリメインアンプHA-6800に匹敵する難しさです。HA-6800はパターンが1箇所切れていました。故障箇所を見つけるまで、トランジスタがパチッと言って煙を出したのが数度。
このアンプではレコード再生なんかしないから、フォノイコライザーが壊れていても良いと思って点検していなかったのですが、まさか上流の使わない回路が下流に影響するケンチャナヨ設計だったりして…。
ということで、膨大なパーツの数だけ、もう一度隅から隅まで点検するので、週末も修理は続きます orz
エフライム工房 平御幸
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/25/6d4e79a7c4845ffa525f68accefccefb.png)
一度修理されて投げ出された形跡がある
ボリュームや中央の切替部が再ハンダされていた
プリアンプとコントロールアンプは、パワーアンプに信号を送るという意味では同じものなのですが、高音や低音の調整など、多機能のものはコントロールアンプと呼びます。プリアンプのプリは前という意味で、パワーアンプの前に置かれるからプリアンプ。コントロールアンプとプリアンプとの厳密な違いはないので、メーカーの趣味で型番にPとかCとか付けていますが、Pだとパワーアンプと混同するので、その場合はパワーアンプをメインアンプと呼び換えています。
日立はコントロールアンプだから、頭文字を繋げてHCAの表記を使っていました。最高級機はHCA-9000で、HCA-8000はプリアンプとしては二番目に位置します。コストダウンのための工夫というか苦労が散見され、これが修理には面倒なことになります。
まず、IC(集積回路)を多用するので、パーツが手に入らない。在庫が極少なので、手に入っても高価。今回は落札価格よりもパーツ代のほうが大きくなりました。
苦労の二番目は回路図が輸出仕様しか無いこと。HCA-7500Ⅱという型番の輸出仕様に比べて、使われているパーツが少なく、各部の電圧や抵抗値なども違います。東名高速の近くに日立のサービスセンターがあるので、往復一時間位で日本仕様回路図をコピーしてもらえるのですが、すでに廃棄されていれば徒労に終わります。
HCA-8000という型番は、日立リヴァーレのコントロールタワー、佐藤美弥さんの8番と同じ数字なので、なんとかして直したいと悪戦苦闘中です。
バレーボールのセッターは司令塔と呼ばれるように、ゲームをコントロールするからコントロールアンプと同じです。奇しくも型番と背番号が同じ。でも、丸一週間かかりきりでも直りません。パーツは福島などから取り寄せて、交換したほうが良さそうなものは全て交換。トランジスタやFETも、レコード再生の初段を除いて交換済みです。
このアンプは、そもそも電源スイッチが壊れていました。押してもすぐに戻るので、オンの状態をキープできません。すぐにオフになるのです。スイッチは特殊部品で手に入らないので、仕方なく安物のHCA-4590というコントロールアンプから流用。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/b5/fd671ff40e097559918ab1353df0784f.png)
HCA-4590の電源スイッチ
リレーも特殊なリードリレー(水銀リレー)が使われていましたが、リレー自体は壊れていなくて、制御用のICに4.7Vの電圧が出て、これが原因でリレーがオン状態になりません。パワーアンプに信号を送れないのです。バレーボールで言えば、守備から攻撃への繋ぎが悪いのと同じです。
怪しいスイッチの分解を含めて、ほとんどあらゆるパーツを点検しても直りません。こうなると、回路のパターンが目に見えない所で切れているクラック現象が考えられます。クラックがあれば、ハンダの下のパターンの切断なので、ハンダをやり直してもダメなことが多いのです。
コストを下げるために一枚基板なので、悪くない基板を避けて作業することも出来ません。たった一箇所の故障でも、基板を丸ごとひっくり返しての作業だから、そのうちに配線が疲労して切れてしまいます。
僕が今まで修理した中では、ソニーのV-FETアンプTA-4650、ヤマハのV-FETパワーアンプB-2、日立のプリメインアンプHA-6800に匹敵する難しさです。HA-6800はパターンが1箇所切れていました。故障箇所を見つけるまで、トランジスタがパチッと言って煙を出したのが数度。
このアンプではレコード再生なんかしないから、フォノイコライザーが壊れていても良いと思って点検していなかったのですが、まさか上流の使わない回路が下流に影響するケンチャナヨ設計だったりして…。
ということで、膨大なパーツの数だけ、もう一度隅から隅まで点検するので、週末も修理は続きます orz
エフライム工房 平御幸