ようやく修理完了です。とは言っても、出力にあるリレーが動作しないので、取り除いてバイパスの結線。リレーは音質劣化の一因とされ、取り除いた分の接触抵抗が減り、結果的に音質は良くなるので、日立リヴァーレのパスがつながりやすくなるかも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/cf/bfe4eab516ffb2b207be790f8040c249.png)
パワーアンプに同じ日立のHMA-9500Ⅱを使って試聴
脚の取り付けスペースが狭いので、真鍮製に換えるには取り付け穴の偏芯が必要
リレーが動作しない中、ミニアンプをパワーアンプにして回路の点検をしました。その結果、リレーの手前までノイズが無いことが分かり、リレーをバイパスすることに決めたのです。ところが、組み立てなおすハナから厄介な事に。交換していたHCA-4590から取り外した電源スイッチに問題があります。押したスイッチを戻すコイルスプリングが、取付金具の邪魔になるタイプだったのです。これでは取り付けられません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/80/a9846ad1c0d443afa6d7e62c16d0e066.png)
HCA-4590の電源スイッチはコイルスプリングが外付けで、取付金具の穴を通らない
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/5c/12d8c9c58892737eb2137fa8ade633ec.png)
ケンウッド製のアンプから取り外した電源スイッチ
コイルスプリングが芯の中に入っているので金具を通る
そこでちょっと悩みましたが、目の前にあるバラック組み立ての電源にスイッチがぶら下がっています。ケンウッドのKA-880Dという、1000円で落札した冥土インコリア製のジャンクから取り外したものです。多分、組み立てだけウリナラだったのだと思います。
これがスイッチの軸が少し長いだけで、金具にもピッタリ。ナットを挟んで取り付けると軸長も同じくらいになります。これで電源スイッチの問題は解決。途中でパネルが嵌らずに苦労しましたが、何とか解決して組み上がり。日立のパワーアンプ、HMA-9500Ⅱに繋いでテスト。音楽ソースはセイシェルの波と鳥の声です。
CDプレーヤーがパイオニア製の安物のままでいまいちですが、それでも音の評価はできます。前に使っていたパイオニアのC-90aに比べると、電源と重量の違いが音にも出て、やはり少し軽くて薄味の音に聞こえます。もっとも、値段はC-90aが180000円とHCA-8000の70000円と110000円もの差ですから、もともと比較するのが間違いなのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/c3/6659984bc667a6e8e5f721af7210e1d5.png)
ミニアンプに繋いで音出しのテスト中
日立のアンプはボリュームなどを金属のサブフレームを介して取り付ける
サブフレームはアースとつながるので、無いとハムノイズが出る
この状態で基板を持ち上げただけでブーンと鳴る
これが交流電圧が出て直らなかった理由かも
それでも、電解コンデンサーをオーディオ用のミューズや、シルミックⅡやファインゴールドにし、整流ダイオードもノイズの極小とされるショットキーバリアダイオードに変更したので、オリジナルよりも音の品位は上がっていると思います。パワーをガンガン入れない普通の使い方では差は分からないのでは。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/fb/ec057b79502b8157c04fd5b1b5795b3e.png)
緑色のコンデンサがミューズのバイポーラ(極性なし)
金色がニチコンのファインゴールド
今回は、日立のアンプだからということで、特別に日立の銅箔スチロールコンデンサも使いました。高価なので、今の市販品では使われなくなった高級コンデンサーです。その他、銀色のアルミ箔スチロールコンデンサも使用。抵抗も、ヨーロッパ製品で多用される金属皮膜抵抗にしました。オリジナルはカーボン抵抗が多用され、おそらくはリケノームと呼ばれるRM抵抗(カーボン抵抗を樹脂で固めたもの)です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/79/faea69614f09aa2cc7f2c02274d784df.png)
右上が銅箔スチロールコンデンサ
左中央の黄色い半固定は交換予定なので足が長いまま
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/7a/161dd3987563add3879f7291c382932b.png)
オレンジ色がオレンジドロップと呼ばれるフィルムコンデンサ
整流ダイオードのノイズ対策用に使われる
今回使ったショットキバリアダイオード(左オレンジの下の4本)はもともとノイズが少ないので、最近のアンプでは省略されることが多い
右上の青と橙の線がリレーを取り除いた短絡ケーブル
RM抵抗は、サンスイのアンプに多用されたものですが、メーカーの理研電具もなくなり、今では在庫のみの流通となっています。金皮(金属皮膜抵抗)とカーボンの音の違いはよく分からないのですが、カーボンは燃えるときに黒煙を上げるので、怖がりの僕は使いません。金皮なら焼き切れても煙は余り出ません。ただ、一般に金皮はノイズが少なく、カーボンは柔らか目の音とされています。
僕が修理した中では、ソニーのV-FETアンプ TA4650が普通のカーボン抵抗。やはり、柔らか目のサウンドです。DENONのPRA-2000は金皮が主流で切れのあるサウンド。パイオニアのC-90aも金皮が多いです。HCA-8000は高級機のHMA-9500Ⅱとのコンビではなく、中級機のHMA-8500とのコンビで作られたものなので、9500Ⅱに比べて甘いとされる8500と同様に、音作りを少し甘口に振っているようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/a9/c3b4bbb9c3940f4ef8c2679df01e32f7.png)
読者に送って頂いたヤマハのホーントゥイーター JA-0506Ⅱ
取り付け用のリングがブチルゴムで接着されて取れないのでそのまま
なお、読者制作のアンプが続々と完成しているので、前回の最後に画像を追加しています。そのうち、画像と本人コメントをまとめたいと思います。
エフライム工房 平御幸
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/cf/bfe4eab516ffb2b207be790f8040c249.png)
パワーアンプに同じ日立のHMA-9500Ⅱを使って試聴
脚の取り付けスペースが狭いので、真鍮製に換えるには取り付け穴の偏芯が必要
リレーが動作しない中、ミニアンプをパワーアンプにして回路の点検をしました。その結果、リレーの手前までノイズが無いことが分かり、リレーをバイパスすることに決めたのです。ところが、組み立てなおすハナから厄介な事に。交換していたHCA-4590から取り外した電源スイッチに問題があります。押したスイッチを戻すコイルスプリングが、取付金具の邪魔になるタイプだったのです。これでは取り付けられません。
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HCA-4590の電源スイッチはコイルスプリングが外付けで、取付金具の穴を通らない
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ケンウッド製のアンプから取り外した電源スイッチ
コイルスプリングが芯の中に入っているので金具を通る
そこでちょっと悩みましたが、目の前にあるバラック組み立ての電源にスイッチがぶら下がっています。ケンウッドのKA-880Dという、1000円で落札した冥土インコリア製のジャンクから取り外したものです。多分、組み立てだけウリナラだったのだと思います。
これがスイッチの軸が少し長いだけで、金具にもピッタリ。ナットを挟んで取り付けると軸長も同じくらいになります。これで電源スイッチの問題は解決。途中でパネルが嵌らずに苦労しましたが、何とか解決して組み上がり。日立のパワーアンプ、HMA-9500Ⅱに繋いでテスト。音楽ソースはセイシェルの波と鳥の声です。
CDプレーヤーがパイオニア製の安物のままでいまいちですが、それでも音の評価はできます。前に使っていたパイオニアのC-90aに比べると、電源と重量の違いが音にも出て、やはり少し軽くて薄味の音に聞こえます。もっとも、値段はC-90aが180000円とHCA-8000の70000円と110000円もの差ですから、もともと比較するのが間違いなのです。
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ミニアンプに繋いで音出しのテスト中
日立のアンプはボリュームなどを金属のサブフレームを介して取り付ける
サブフレームはアースとつながるので、無いとハムノイズが出る
この状態で基板を持ち上げただけでブーンと鳴る
これが交流電圧が出て直らなかった理由かも
それでも、電解コンデンサーをオーディオ用のミューズや、シルミックⅡやファインゴールドにし、整流ダイオードもノイズの極小とされるショットキーバリアダイオードに変更したので、オリジナルよりも音の品位は上がっていると思います。パワーをガンガン入れない普通の使い方では差は分からないのでは。
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緑色のコンデンサがミューズのバイポーラ(極性なし)
金色がニチコンのファインゴールド
今回は、日立のアンプだからということで、特別に日立の銅箔スチロールコンデンサも使いました。高価なので、今の市販品では使われなくなった高級コンデンサーです。その他、銀色のアルミ箔スチロールコンデンサも使用。抵抗も、ヨーロッパ製品で多用される金属皮膜抵抗にしました。オリジナルはカーボン抵抗が多用され、おそらくはリケノームと呼ばれるRM抵抗(カーボン抵抗を樹脂で固めたもの)です。
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右上が銅箔スチロールコンデンサ
左中央の黄色い半固定は交換予定なので足が長いまま
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オレンジ色がオレンジドロップと呼ばれるフィルムコンデンサ
整流ダイオードのノイズ対策用に使われる
今回使ったショットキバリアダイオード(左オレンジの下の4本)はもともとノイズが少ないので、最近のアンプでは省略されることが多い
右上の青と橙の線がリレーを取り除いた短絡ケーブル
RM抵抗は、サンスイのアンプに多用されたものですが、メーカーの理研電具もなくなり、今では在庫のみの流通となっています。金皮(金属皮膜抵抗)とカーボンの音の違いはよく分からないのですが、カーボンは燃えるときに黒煙を上げるので、怖がりの僕は使いません。金皮なら焼き切れても煙は余り出ません。ただ、一般に金皮はノイズが少なく、カーボンは柔らか目の音とされています。
僕が修理した中では、ソニーのV-FETアンプ TA4650が普通のカーボン抵抗。やはり、柔らか目のサウンドです。DENONのPRA-2000は金皮が主流で切れのあるサウンド。パイオニアのC-90aも金皮が多いです。HCA-8000は高級機のHMA-9500Ⅱとのコンビではなく、中級機のHMA-8500とのコンビで作られたものなので、9500Ⅱに比べて甘いとされる8500と同様に、音作りを少し甘口に振っているようです。
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読者に送って頂いたヤマハのホーントゥイーター JA-0506Ⅱ
取り付け用のリングがブチルゴムで接着されて取れないのでそのまま
なお、読者制作のアンプが続々と完成しているので、前回の最後に画像を追加しています。そのうち、画像と本人コメントをまとめたいと思います。
エフライム工房 平御幸