平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

TA-F333ESLの修理

2014-10-16 00:37:47 | アンプ製作と修理
 夏に手に入れていたソニーのアンプ、TA-F333ESLの修理をしています。前のオーナーが購入後に22年間使ったというワンオーナー物で、非常に程度が良くて接点洗浄とリレーの交換だけで済みそうです。



 この機種はネットでも修理の記事が多く、やはりリレー交換がポイントです。というのも、リアパネル内側のリレー基板が狭い所に押し込まれ、定電圧電源用の小さい方のブロックコンデンサーと、パワー段用の大きいブロックコンデンサーを固定するパーツが取り外しの邪魔となっているからです。


交換後のリレー基板

 リレー交換後に電源スイッチを入れ、ヒートシンクが少し熱すぎるので、バイアス電流を下げました。0.22Ωのソース抵抗両端電圧が、出荷状態では30mVですが、35mVまで増えていましたから、少なめに27mVにしました。この状態で122mAがバイアスとなります。0.027V÷0.22Ω=122.7mA。

 ボリュームと、ダイレクトスイッチのオンオフで少しノイズがありますが、とりあえず試聴。セイシェルの波飛沫(しぶき)の音が凄まじくて、鳥の声もうるさいほど。当時のこのアンプの評価は余り良いものではなく、高域に癖があって低域が物足りないというものでした。

 確かに、最初聴いた時は高域がちょっとという感じでしたが、はたと気がついて、トゥイーター用のコンデンサーをハイラムダに戻しました。フランスの、コンデンサーのフィルム巻取り機のメーカー、アルコトルニクス(ARCOTRNICS)製に換えていたのです。ヤフオクで、ラムダを超える高音質という謳い文句で出ていたことがあるのですが、日本の高級コンデンサーメーカーもアルコトルニクスの巻取り機を使っています。それで海外から取り寄せて試していたのです。

 アルコトルニクスは日本のニッセイというコンデンサーメーカーが買収し、一時はニッセイ扱いで海神無線にも出ていました。しかしニッセイが倒産し、今はどこのメーカー扱いなのか分かりません。コンデンサーメーカーが倒産しても、おそらくは台湾とかの企業が買い取って生産は続けるはずです。ブランドは変わりますが。

 肝心の音ですが、ハイラムダに交換したら高域の癖が無くなりました。何の事はない、オーディオ評論家の使っていたスピーカーのコンデンサーが悪かっただけなのです。アルコトルニクスのコンデンサーは安いだけのことがあって、少し余分な音が出るようです。

 このアンプは自家用ではなく、ミカエルを使っている読者にフィットすると思います。ソニーの333ESシリーズは息が長く、このアンプは初めてMOS-FETを終段に使ったので有名です。MOS-FETになってからのシリーズとしては、333ESL→333ESA333ESJと進化しましたが、333ESJだけがドライバー段もNEC製のMOS-FETを採用しただけで、基本的に余り変わっていません。85000円の定価でしたが、今なら15万円でも赤字になるかも。とにかく重いので、力のありそうな読者を探さないと Σ(´∀`;)

    エフライム工房 平御幸
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8 コメント

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Unknown (キジ猫)
2014-10-20 01:46:33
平様、こんばんは。ニッセイ電機は4年前に自己破産したものの、元社員が花巻市に立ち上げた新会社が事業をよみがえらせました。1990年にイタリア企業のアルコトロニクスを買収してからちょうど20年後の出来事ですね。イタリアが中国の毒牙から守ってくれたのでしょうか?

ニッセイ電機(株)破産申請ヘ / 負債総額 約110億円 公開日:2010.05.06
http://www.tsr-net.co.jp/news/flash/1201878_1588.html

ニッセイ電機:工場、新会社で再開へ 元社員中心に設立 /岩手
2010/09/30 毎日新聞 地方版 23ページ 322文字
 自己破産申請に伴い今年6月から事業停止した電気部品製造「ニッセイ電機」の花巻・一戸両工場で、元社員を中心に設立した新会社が10月から生産を再開させる。両工場で約50人の雇用を見込んでいるが、将来的には破産前の約150人を目指すという。
 新会社「New NISSEI Technology Corporation」(NNTC)は花巻市に本社を置き、工場を取得する。資金面などはニッセイの中国関連法人「中国日精グループ」が支援する。NNTCは9月に破産管財人と中国法人の3者で工場の譲り受け契約などを締結した。
 大石満雄市長は「新たな雇用の場の提供につながる」と歓迎し、一戸町の担当者も「破産前の雇用態勢になればありがたい」と話した。【湯浅聖一】

よみがえりといえば、火の鳥シリーズはン十年前に全集が出たときに大人買いしました。太陽編が一番好きです。カムイ伝は高校時代、日本史の先生が必読図書として寄付した全巻が図書室にありましたがいつも貸出中で読まずじまいだったのが悔やまれます…

パCS途中でTVを付けたら6回4-0で禿鷹がリードしていたのですぐ切ってふて寝していたら、次につけた父が「延長戦だ」と。あわててスピーカーでラフマニノフ2番を鳴らしていたら禿鷹は4点で止まったまま撃沈の報。霊験あらたかなスピーカーです。
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キジ猫さんへ (平御幸)
2014-10-20 03:45:15
キジ猫さん今晩は。

情報ありがとうございます。新会社を立ち上げていたんですね。ニッセイのオレンジ色のフィルムコンデンサーはオーディオ用として人気があり、在庫限りということで心配していましたが入荷になっていました。

NISSEI APS ポリプロピレン・フイルム・コンデンサー
http://www.wakamatsu-net.com/cgibin/biz/page.cgi?cate=2110&page=#21100020

岩手に工場があったとは知りませんでした。岩手の読者のプリアンプにおごっていますw

火の鳥は芸大寮の時に買いました。僕は復活編が強く印象に残っています。ブッダも全部読みました。

日ハムと禿バンクは自分もネットで途中経過は知っていました。バレーボールのチケット購入から帰ったら日ハムが勝っていたのでびっくりしました。本当にスピーカー効果かも。
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Unknown (ふく)
2014-10-20 12:48:35
先生、こんにちは。

オレンジ色のフィルムコンデンサーは火の鳥の色ですね。ショウナンパンドラも追いきりの時ソックスと手綱の前掛けがオレンジ色でした。日本ハムもオレンジ色のイメージがあります。
スピーカーさんは命綱に勝利の導きにと大忙しですね!
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ふくさんへ (平御幸)
2014-10-20 16:00:33
ふくさんこんにちは。

コンデンサーは色とりどりで集めるのが楽しくなります。使うときはストックが減るので寂しいです。

電球形蛍光灯3個のうち2個が立て続けに切れた orz

近くのコジマでは在庫ゼロです。高価なLEDタイプだけ。ヨーカードーで見つけましたがストック限りかも。昼光色100Wタイプなので余計に手に入りません。
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Unknown (gan_chan)
2014-10-20 16:41:59
先生,こんにちは.
以前アルバイトしていた会社の顧客にニッセイ電機がありましたが,コンデンサーメーカーのニッセイとは知りませんでした.というか,コメントを読むまでニッセイ電機の事は忘れておりましたorz
オレンジ色のフィルムコンデンサーは人気なのですね.復活していてなによりです.
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gan_chanさんへ (平御幸)
2014-10-20 16:54:10
gan_chanさんこんにちは。

東北は意外に電子関係の会社が多いですね。岩手は日本のチベットと言われた時代が懐かしいです。

松下のテクニクスブランドが復活しました。しかし超高級オーディオ専門で、受注生産だけとか。完全復活までは遠いですね。

http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2014/09/jn140904-1/jn140904-1.html
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Unknown ()
2014-10-26 22:58:51
先生 こんばんは

テクニクス復活のニュースはいいきっかけになって欲しいです。
ハイレゾ音源が世に出始めていますが、これがきっかけになって、
よりよい音を求める人が増えてくれると、よい製品が世に出やすくなりますね。

やっぱり、豊かな人生にはいい音楽が欠かせないし、
いい音楽はいい音で聞きたいです。
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訓さんへ (平御幸)
2014-10-26 23:21:38
テクニクスの新しいアンプは、GaN-MOSFET(ガリウム窒素モス)というデバイスを搭載した最新の製品です。

現在はシリコンカーバイトMOS-FETが最新ですが、これですら高価で手が出せません。GaN-MOSFETが若松通商で買えるのはいつになることか。
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