歴程日誌 ー創造的無と統合的経験ー

Process Diary
Creative Nothingness & Integrative Experience

全生園=人権の森の樹木をまもろう

2005-03-07 |  宗教 Religion
(ハンセン病資料館の増築工事にともなう樹木伐採に抗議する次の様なメールを、工事担当者である、国土交通省関東地方整備局営繕部宛てに送りました。)

国土交通省関東地方整備局営繕部 御中

多磨全生園 ハンセン病資料館の増築の担当責任者の方にメールを致します。
先週末に、ハンセン病資料館前のバス停の側の欅の木が伐採されているのを目撃致しました。
これは、昭和15年に植樹された欅ですから樹齢65年、全生園の歴史をみつめてきた樹木です。ご承知かと思いますが、全生園の樹木は、療養所の緑化委員のかたがたによって植樹されたものです。1979年に刊行された多磨全生園患者自治会篇の「倶会一処」によりますと、これらの樹木は、

「地域住民から、有形、無形の援助を受けてきたその感謝のしるしに、開発によって緑の少なくなった東村山市に森を残しておく。1971年より、11万坪の敷地に植樹を始めた。私たちが地上をさるとき、センターと森が残るであろう。」

とあります。現在、療養者は平均年齢が約80歳といわれていますが、私どもは、多磨全生園を「人権の森」として残すことを考えられた入園者の方のご意志を尊重すべきである考えております。

資料館の増築ということも大切な事業とは思いますが、増築にさいして、全生園の歴史と深い関わりのある樹木を、工事の便宜のために簡単に伐採しないことを切に求めます。

樹木の移植等のことなどについては相応のご配慮はされたと思いますが、停留場のそばの欅の木を伐採する必然性があったのでしょうか。

樹木もまた、それを植えた人々と「共に生きてきた」歴史があります。伐採することは簡単ですが、一本の木を育てるには半世紀を要します。今後、増築工事をされる際に樹木の「いのち」を大切に配慮されて行われることを切に希望致します。

全生園=人権の森 の樹木のためにー

(署名)  田中 裕       
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