この世で嘘がつける言葉よりも生まれ変わりにとって「体験」「感情」は重要な要素
NHK朝ドラ・カムカムエヴリバディのジョーこと大月錠一郎は、子のひなたと桃太郎の大げんか(けんかの原因は彼らにとっては見過ごすことのできない人生の岐路と思えるものか)の最中、トランペットを手に持って現れ、吹き出したがかすかな音色しか出なかった。そして、ひなたと桃太郎が未だ知らなかった自分の過去について語り始めるのである。錠一郎はトランぺッターだったこと、大阪の大会で優勝したがレコードデビュー寸前に原因不明の病にかかったこと、この病により日常生活には不自由がなかったがトランペットだけが吹くことができなかったこと トランペットを吹くことは戦争孤児であった彼にとって最大の喜びであったので、その命といえる「トランペット」を奪われ自暴自棄になり入水自殺を図ろうとしたこと そのとき自らも水に入った「るい」に錠一郎は助けられ、2人で生きていくことを決心して回転焼き屋を始めたこと さらに、錠一郎は病気になった当時の絶望感を語り、結婚後もしばらく医師や治療法を探し続けたことを明かした。そして「あきらめたというか、なんかふっきれたんかなあ」と呟き「ひなたと桃太郎の良きお父ちゃんとして生きられたらそれでいい。それで僕は幸せや」そして「で・・なにが言いたいかと言うとやな・・それでも人生は続いていく。そういうことや」と、ひなたと桃太郎に、この30年間の苦悩を語ったのである。
ここで初めてひなたと桃太郎(のみならずテレビの視聴者)は、錠一郎の心の苦悩を知ることになる。また錠一郎とるいの間にそんな過去があったなんて非常に驚き、単なる回転焼き屋を経営する夫婦でなかったことが分かるのである。
錠一郎の30年間の苦悩は本当に図り知れないものがある。その後、るいが錠一郎に諦めたなんて嘘だよねと真意を尋ねる。「この30年、(結婚後も)なんべんも試したけどあかんかった。はじめはしょっちょう、そのうち月に1回、3か月に1回、半年に1回、ここ10年は何年かに1回くらいになった・・」そして「トランペットが僕にさよならを言うてる。そんな気がする」と錠一郎は言って、トランペットをケースにしまったのである。
人は生まれ変わり、生まれ変わる度に精神はステップアップしていくという。この私たちがこの世で重視しているのは、「言葉」や「思考」であって、特に現代社会にあっては、学問という体系が出来上がっていて、「言葉」「思考」を駆使した論理的説明が求められる。しかし、特に「言葉」には嘘が生まれる。この生まれ変わりの精神向上に必要なのは、偽りのない「体験」やそのときの「感情」なのだという。錠一郎の苦悩・絶望は、他のだれもが経験したことのないような「体験」、そしてそのとき生まれた「感情」なのだ。これからいえば、錠一郎は、この世で稀有な経験をして、あらたな精神のステージに乗ったといえるのではないか。だれもがこのような経験をするものではないが、人生の生まれ変わりをするどこかの時点で、わたしたちにも同じような経験が待っているともいえよう。
この朝ドラ・カムカムエヴリバディはすでに終盤に入ったが、安子・るい・ひなたと続いた100年の物語は、再度るいを中心とした錠一郎とその子供たちのルーツをめぐる「旅」にもなりそうである。
参考:NHKテキスト カムカムエヴリバディ3月号
神との対話1 ニール・ドナルド・ウォルシュ著 サンマーク出版
NHK朝ドラ・カムカムエヴリバディのジョーこと大月錠一郎は、子のひなたと桃太郎の大げんか(けんかの原因は彼らにとっては見過ごすことのできない人生の岐路と思えるものか)の最中、トランペットを手に持って現れ、吹き出したがかすかな音色しか出なかった。そして、ひなたと桃太郎が未だ知らなかった自分の過去について語り始めるのである。錠一郎はトランぺッターだったこと、大阪の大会で優勝したがレコードデビュー寸前に原因不明の病にかかったこと、この病により日常生活には不自由がなかったがトランペットだけが吹くことができなかったこと トランペットを吹くことは戦争孤児であった彼にとって最大の喜びであったので、その命といえる「トランペット」を奪われ自暴自棄になり入水自殺を図ろうとしたこと そのとき自らも水に入った「るい」に錠一郎は助けられ、2人で生きていくことを決心して回転焼き屋を始めたこと さらに、錠一郎は病気になった当時の絶望感を語り、結婚後もしばらく医師や治療法を探し続けたことを明かした。そして「あきらめたというか、なんかふっきれたんかなあ」と呟き「ひなたと桃太郎の良きお父ちゃんとして生きられたらそれでいい。それで僕は幸せや」そして「で・・なにが言いたいかと言うとやな・・それでも人生は続いていく。そういうことや」と、ひなたと桃太郎に、この30年間の苦悩を語ったのである。
ここで初めてひなたと桃太郎(のみならずテレビの視聴者)は、錠一郎の心の苦悩を知ることになる。また錠一郎とるいの間にそんな過去があったなんて非常に驚き、単なる回転焼き屋を経営する夫婦でなかったことが分かるのである。
錠一郎の30年間の苦悩は本当に図り知れないものがある。その後、るいが錠一郎に諦めたなんて嘘だよねと真意を尋ねる。「この30年、(結婚後も)なんべんも試したけどあかんかった。はじめはしょっちょう、そのうち月に1回、3か月に1回、半年に1回、ここ10年は何年かに1回くらいになった・・」そして「トランペットが僕にさよならを言うてる。そんな気がする」と錠一郎は言って、トランペットをケースにしまったのである。
人は生まれ変わり、生まれ変わる度に精神はステップアップしていくという。この私たちがこの世で重視しているのは、「言葉」や「思考」であって、特に現代社会にあっては、学問という体系が出来上がっていて、「言葉」「思考」を駆使した論理的説明が求められる。しかし、特に「言葉」には嘘が生まれる。この生まれ変わりの精神向上に必要なのは、偽りのない「体験」やそのときの「感情」なのだという。錠一郎の苦悩・絶望は、他のだれもが経験したことのないような「体験」、そしてそのとき生まれた「感情」なのだ。これからいえば、錠一郎は、この世で稀有な経験をして、あらたな精神のステージに乗ったといえるのではないか。だれもがこのような経験をするものではないが、人生の生まれ変わりをするどこかの時点で、わたしたちにも同じような経験が待っているともいえよう。
この朝ドラ・カムカムエヴリバディはすでに終盤に入ったが、安子・るい・ひなたと続いた100年の物語は、再度るいを中心とした錠一郎とその子供たちのルーツをめぐる「旅」にもなりそうである。
参考:NHKテキスト カムカムエヴリバディ3月号
神との対話1 ニール・ドナルド・ウォルシュ著 サンマーク出版
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