松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

和ろうそくを灯す時 その5

2009-05-28 21:27:03 | 和ろうそくを灯す時
櫨の和ろうそくは高いというイメージがありますが、実は今よりも昔の方がはるかに高価で、とても庶民には手の出せない代物でした。

ある時、昔は櫨蝋屋さんが通夜に出向く際、蝋燭を二本お供えしていたものだと聞きました。そのままお葬式やその後の法要で灯せますから、遺族にとっては非常にありがたいものだったそうです。

それを聞いて以来、私もお葬式や法要に出向く時は、必ず和ろうそくをお供えすることにしました。

お葬式の受付で、2号の和ろうそく5本入りの袋に、法事用の「のし」を貼り付けて、ご香典代わりにして差し出します。香典袋ばかりの中で、ちょっと違和感はありましたが、まあ中身をよく見れば和ろうそくだとわかるし、なんとなく受付の人も「ああ、和ろうそく。」と納得したような感じです。初めて差し出した時は、ちょっと気恥ずかしい気もしましたが、今のところ特に支障はないようでした。

こうして葬式時や法要で和ろうそくをお供えするようになって、しばらく経つと、
「あの時にもらった和ろうそくを灯したら、すごくきれいでよかった。」という感想を、時折いただくようになりました。

やっぱり人が亡くなった時に、和ろうそくをお供えしてよかった。

自分が買ったろうそくは、もったいなくてなかなか灯せないものですが、亡くなった方にお供えされる和ろうそくだと、法要の機会に合わせて灯しやすいものです。

私はふと、みんなが法要の時に和ろうそくをお供えする習慣ができれば、遺族はスムーズに和ろうそくを灯せるようになり、灯すことで和ろうそくの良さを知ることができるのではないかと思いました。

そうだ。みんなにこのやり方を勧めてみよう!

お葬式や法要の機会が来るたびに、私はしきりに和ろうそくをお供えしろと、周囲の家族や知り合いに勧めはじめました。きっとみんなもこの考えに同調してくれるだろうと思ったからです。

ところが、自分が思ったほど反応はよくありませんでした。

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