25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

ピケティ 『21世紀の資本』を読む

2014年12月29日 | 社会・経済・政治
 今年の仕事はすべて終え、昨日は息子家族もやってきて、騒々しい日々が続くことになる。息子は31歳となり、これから最もエネルギーも充実し、会社の中核となっていく年代になる。資本主義が行き詰まりを見せている中で、どんな社会になっていくのか、彼らは追い続けている。
 彼の出版社から「人類700万年の物語」がでていて、内館牧子が紹介していたので、帰郷する前にもっているかと尋ねたら、もっているというので、持参してほしいと頼んだ。雑誌「現代思想」や「ユリイカ」は尾鷲の書店でも売っていて、このところ、「ロシア」「戦争」と興味ある特集を組んでいたのが尾鷲の書店で目にとまっていた。12月は「ピケティ 『21世紀の資本』を読む 格差と貧困の新理論」がとてもよく売れているらしい。やはりこの種の本を読む人もいるということには日本も捨てたものではないな、という気がする。しかし1億人以上の人口がいて、100万部売ったとしてもわずか1%。10万部となると0.5%である。書籍を1万部も売るというのはとても難しい時代になっている。芥川賞作家でも作家業だけでは食べていけない時代である。

 ネット右翼やヘイトスピーチを煽る人たちも、実はほんの少数である、それが情報発信力や心情に訴える言説を行うとなんだか大衆というものは感染されていく。左翼という言葉も、右翼という言葉も昔の時代の言葉で、新しい言葉が創出されなければならない。科学者たちの研究は日々進化していくのに、過去の概念に捕らわれている人も多い。悪しき因習はやめるほどの、例えば戒名をつけてもらうだけでお金がかかる、という風なことは新しい潮流の中で改革されていってほしい。
 また不労の所得でお金がザブザブ入り、ほんのわずかな人がお金を持ち、教育さえまともに受けさせられない人々。そんな格差は現在の資本主義の論理ではますます格差を広げていくばかりである。
 日本は近い将来に必ず破綻する日が来る。破綻なくして再生は有り得ないと僕は思っている。どのように破綻を防ぐかという処方箋をどの政治家もどの政党も提案することができない。

 僕個人にとっては2014年は忘れらない年になりそうである。悲喜交々であった。日本の政治の世界も悪い意味で大きな転換点であった。1000兆円を越える借金を脇におき、お金をばらまく政治をなおも行っている。すべて国民の貯蓄を担保にした借金である。日銀はいつまでも異次元の金融緩和、国債を買い支え続けるのだろう。

 僕は前向きな人間だが、この財政問題ばかりはネガティブに考えてしまう。楽観視できる材料がない。
 僕はただひたすら個人的に頑張るだけである。