25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

消費資本主義の時代

2016年02月17日 | 社会・経済・政治

  大学受験用の国語の問題集を買って来て、夜な夜な読んでいる。優れた文が選ばれている。思えば18歳でこのくらいの文が読めなければならないのか、たいしたものだと思う。また、平素では自分では気がつかず、選ぶことのない文も紹介されている。

 新聞に載る文は批評文であろうと、難しいものはない。平易に書かれている。

 さて、経済の話である。

 できるだけ単純に書きたい。現在の日本では、それほど、「消費 消費せよ」「設備投資せよ」と言われても、あんまり買うものがない。だから国内消費をいくらあおっても人は購買意欲がわかない。

 まして、政府は主に輸出企業の税金を安くしてあげ、69%を占める輸入企業には冷たい。値上げを狙っているからだ。輸出企業をいきうら優遇しても、政府の意に反して石油は下落、中国の経済減速があり、株価は乱交夏至、平均的には下がっているし、円は高くなりつつある。上がって消費者はなにをおいても値下げが好きなことは言うまでもない。

 どうしてインフレがよいのか、その意味は消費者から言えば理解しにくい。安いほうが有難いからだ。インフレでありがたいのは政府である。政府の借金がインフレで目減りするからである。だから政府は経済成長ばかりを叫んでいる。

 トリプルダウンなどというのは有り得ない。どの企業も先が見えないのである。何があるかわからない。だから内部留保してるのである。企業の実体生産力は落ちているのに、政府に支えられ、為替差に支えられているだけの話で、景気は上向きだ、などと言う経済学者がいる。だいたい経済学者のいうことで当たったためしがない。

 政府のやっていることは僕には無茶苦茶のように思える。

 例えば東北の復興のことだ。津波は逃げるが勝ちである。逃げる訓練、逃げる場所の確保が優先されるはずなのに、高い堤防を作っている。1000年に一度という津波なのにである。東北大震災のとき、津波の第一波は20分ほどかかった。20分あれば、十分逃げられる。高台移転などはせずともまた元の場所に家を建てる助成をすればいいと思う。

 そのために高速道路の無料化は撤廃された。JRは高すぎる。それで地方創生という。もう地方のものは東京にでるだけでもたいへんなことである。そこへホテル宿泊ができにくくなっている。

 建築物は作ればメンテナンスが要る。メンテナンス料も馬鹿にできないだろう。それに団塊世代が病院に通い始める。

 何が大事か。維持することが大事なのだ。そして教育の格差の解消をなくすことが必要なのだ。土建に使うお金があれば、教育にいくらかまわし、建設業の人で不足を解消すればよいのだと思う。

 現在は「消費資本主義」の時代なのだ。消費者の手のひらに政府もあるのだ。それが政治家にはわかっていないように思えてならない。