エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

蝋梅のかほり

2010年01月22日 | 日記
いま東京では蝋梅が盛りを迎えているのである。
近づくと、良いかほりが周囲に漂い、人の気配すら消してしまうように匂っているのである。







        蝋梅のかほり


    周囲を圧倒する
    漂うかほりよ

    あなたのたおやかな感覚と
    匂い立つ
    蝋梅のかほり

    ノクターンのタッチが乱れて
    鍵盤の上で
    指が交差したまま中指が止まってしまった

    ノクターンのリズムは
    まるで条件反射ででもあるように
    音波にのったまま
    何億光年かの旅に出てしまった

    ほんのショート・トリップであるかのように偽装して
    あなたは
    残り香だけを残して
    去っていくのか

    蝋梅のかほりよ
    そのかほりは
    神経を撫で
    神経を逆立て

    甘噛みした神経を
    たぶらかせるのか

    蝋梅のかほりよ
    あなたの匂いよ
    そして光の流れよ
    自然の舞踏よ

    あなたをして
    悠久の流れに旅立たせよ







甘い香りが周囲を圧倒していたのである。
この季節、ぼくは匂いに誘われて蝋梅の花を探すのが好きである。

寒さは嫌いだけれど、花のかほりは別である。





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                         荒野人

寒さが戻った日

2010年01月22日 | 日記
寒さが戻ってきた。
今日の昼前までは、ポカポカ陽気と言っても過言ではない気配であった。

もっとも朝から日が当らない一日であったのだけれど、日が落ちてからは気温が一気に下がり、寒さが戻ったのである。

午前9時の空はこうであった。



こうした色合いだと「邪悪な雲!」と形容したくなるのは当然ではないか。
日差しが無く、肌が寒さを感じつつあった午前九時の空である。
言いかえれば「人恋しい」大気である。

虎ノ門のオフィスで打ち合わせであった。
桜田門から、日比谷公園を通り抜け虎ノ門に向かった。



紅葉した紅葉の葉が数葉枝に残って景色を作っている。
眼を凝らせば、もう冬も深まり、春を恋焦がれているのに秋の名残が残っている日比谷公園である。



イチョウの絨毯が残っているのである。
不思議な光景である。



公園内で、余り風が吹かず・・・吹いても風が回っていない証左である。
落葉したままのかたちで残っているのだ。

このイチョウの木の先に、梅が咲いていた。



白色系の梅花である。



赤色系の梅花である。
どちらの木も満開に近づきつつある。

梅の香りが立ちこめるかのようである。
高校生時代「梅香ちゃん」という後輩がいたな・・・!

部活で遅くなってしまったことがあって、ぼくは部長という責任上「梅香ちゃん」を自転車の後ろに乗せて家まで送って行った。

可愛かったのであった。
甘酸っぱい思い出である。

そんな事が思い起こされて、少しロマンチックになってしまった。
いまぼくは大人になってしまった。
当り前か!

でもそれは寂しいのである。



さらに見上げると「鈴かけ」の木に実が垂れ下がっている。
トゲトゲがはっきりしていて、寒気に立ち向かっているのである。

この木の下で「友と語らん・・・」である。



彼はなんという名前の小鳥であろうか?



日比谷公園はやはり都会のオアシスである。

生き物たちが生を謳歌(おうか)しているのである。




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