エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

玉蘭花の白い顔

2010年01月23日 | 日記
台北の街角には寺院が良く似合う。
線香の煙や匂いに癒されるのである。

台湾の街にはヒーリング・スポットが点在するのだ。
そして、そぞろ歩きの旅人には「愛・・・アガペー」を感じさせるのである。
少し古いかな?




            玉蘭花の匂い立つ街角


         信仰の篤(あつい)い賜物
         玉蘭花が街角に匂い立つ

         篤い思いが込められた
         その白い花弁に
         ぼくは
         思いの全てを
         書き込んだ

         やがてその筆圧痕は茶褐色に変色して
         広大無辺の宇宙に散華していった

         玉蘭花の甘い匂いは
         きみの流した
         汗の甘さだろうか

         きみのうなじに口づけた
         その甘さは
         ぼくを虜(とりこ)にしてしまった

         ぼくは
         広大無辺の宇宙を
         漂い
         流れて
         行き着くところも無いまま
         きみの汗の甘さを
         追憶の彼方へと放擲(ほうてき)した

         ぼくはそうして
         記録されることも
         物語になることもなく
         言い伝えられもしない
         陳腐(ちんぷ)な伝説になってしまうのだ

         きみは
         言葉になって 
         ぼくを語るのだろうか





玉蘭花である。
この花を数珠のように繋(つな)げて、神仏に捧げるのである。
敬虔な行為である。
人の精神世界が伺われる美しい行為であるのだ。




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