エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

八ヶ岳の麓はスズランの里

2011年05月02日 | ポエム
八ヶ岳の麓はスズランの里でもある。



甘い香りである。
東京でも咲くけれど、八ヶ岳のスズランの匂いは香りのステージが違うのである。






        スズランの微笑みに


      微笑むスズランにきみは魅せられたのだ
      きみの優しい指先で摘まれて
      スズランは香りを放った
      ぼくはその手をおしいただき
      口づけたのだった
      スズランの匂いに満ちたきみの指先は
      フローラのたおやかさと
      甘さに彩られた

      朝
      ウグイスが時を告げる
      たおやかに緩やかに甘やかに
      そして可憐にスズランの微笑みがこぼれ始める






葉影に隠れるように咲く。
八ヶ岳の麓は、だからウグイスの声で目覚める。

伸びやかに第一声を伸ばし、次いで抑揚をつけて啼くのである。
ウグイスも、どこかの木陰の枝で啼き続ける。



スズランが花開く。




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