八ヶ岳の麓はスズランの里でもある。
甘い香りである。
東京でも咲くけれど、八ヶ岳のスズランの匂いは香りのステージが違うのである。
スズランの微笑みに
微笑むスズランにきみは魅せられたのだ
きみの優しい指先で摘まれて
スズランは香りを放った
ぼくはその手をおしいただき
口づけたのだった
スズランの匂いに満ちたきみの指先は
フローラのたおやかさと
甘さに彩られた
朝
ウグイスが時を告げる
たおやかに緩やかに甘やかに
そして可憐にスズランの微笑みがこぼれ始める
葉影に隠れるように咲く。
八ヶ岳の麓は、だからウグイスの声で目覚める。
伸びやかに第一声を伸ばし、次いで抑揚をつけて啼くのである。
ウグイスも、どこかの木陰の枝で啼き続ける。
スズランが花開く。
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荒野人
甘い香りである。
東京でも咲くけれど、八ヶ岳のスズランの匂いは香りのステージが違うのである。
スズランの微笑みに
微笑むスズランにきみは魅せられたのだ
きみの優しい指先で摘まれて
スズランは香りを放った
ぼくはその手をおしいただき
口づけたのだった
スズランの匂いに満ちたきみの指先は
フローラのたおやかさと
甘さに彩られた
朝
ウグイスが時を告げる
たおやかに緩やかに甘やかに
そして可憐にスズランの微笑みがこぼれ始める
葉影に隠れるように咲く。
八ヶ岳の麓は、だからウグイスの声で目覚める。
伸びやかに第一声を伸ばし、次いで抑揚をつけて啼くのである。
ウグイスも、どこかの木陰の枝で啼き続ける。
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