エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

武蔵野の林で若葉のフェロモンを浴びた

2011年05月19日 | 日記
武蔵野の自然は、東京の近郊にその姿を留めている。
西武線沿線や京王線沿線などに点在する。
車窓からの眺めも良いのである。



武蔵野台地の範囲は、東京都区部の西半分と北多摩地域および西多摩地域の一部、さらに埼玉県南部の所沢市や狭山市などの地域を含む。
小京都・川越は武蔵野台地の北端に位置するのである。



林は美しい。
ヒトの手が入らなければ、もっと美しい筈である。



小道は手軽な散策を提供してくれる。



見上げると、葉と葉が重層的に重なって絵画を観ているようでもある。
また、藤城清治の影絵の世界のようでもある。



ハクウンボクの白い花である。



いまは、ヤマボウシも咲いていて林は白い花の饗宴である。



満開である。



これはサンシュユの実生である。
前にも紹介したけれど、韓式漢方の生材として珍重されている。
韓国では、精力増強に資すると言う。



桜の実生である。
食べると渋い。
小さくて渋いのである。

サクランボの木では無いのであるから止むを得ないけれど、少しだけ寂しい。



これはコナラの葉の重なりである。
陽を透しつつ、一葉一葉が存在を確かに主張している。

こんな気配が大好きである。

古今、武蔵野台地は文学で数多く表現されてきた。

 •武蔵野(国木田独歩)
 •武蔵野夫人(大岡昇平)
 •次郎物語(下村湖人)
 •居酒屋兆治(山口瞳)
 •場所(瀬戸内寂聴)
 •父の肖像(辻井喬)

などが知られている。
ぼくたちは、下村湖人の「次郎物語」であろう。
長じて「武蔵野」「武蔵野夫人」と読み継いできたのである。

武蔵野・・・なんという素敵な言葉の響きであろうか。
ぼくは、今日この武蔵野の林で若葉のフェロモンを全身に浴びたのである。




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