エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

名残雪

2013年02月14日 | ポエム
朝起きて、白銀の世界が広がっていた。
だがしかし、日差しと共に溶けていく様があって名残雪と知れるのである。



雪が闇夜で舞う。
なんというイメージであろうか。

しかも、その積った果てに、敢え無く脆くも溶けてしまう。
諸行無常の自然の移ろいである。



今週中にもう一度雪が降るかもしれない・・・と天気予報は告げている。
けれども、昨夜を以って名残雪として欲しいものである。
こうまでして、季節の押し合いをする必要があるのだろうか。

芽吹いたり、膨らみかけたりした蕾たちをそろそろ大切にしようではないか。







「降れば溶け小気味よいほど名残雪」



「然り乍ら忽ち溶ける淡の雪」







何回も名残雪を詠む楽しさはある。
けれど、春浅しや春逡巡からもう脱却してもよかろうと思うのである。



日差しが淡くても融け入る。
淡雪の証左である。

昼前から、風が強まった。
まるで春一番のようであったけれど、実は北風であった。
もう春一番が吹かなくては・・・ならないではないか!!

ぼくの身体も、その細胞も希求している。



         荒 野人