エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ひたすら雲

2013年02月19日 | ポエム
ひたすら雲を眺めた。
冬の雲は存在感がある。

言い換えれば「奥行きがある」のである。
けれどもこの日、一部の雲は晩秋の雲のようであった。



そう・・・薄っぺらいけれど筆で描いたように繊細な雲である。
右下の裸木が荒涼としていて、かろうじて冬と察知できるのである。







「来る春の心構えや雲流る」



「先行きの融けいる空の春霞」







雲の流れ行く先は雲にしか分からない。
それは詩人の感慨。

大気の流れと共にどこかに逢着する。
その生々流転に人は、涙する。



この雲の曖昧にして、変わり行くさまが雲の天才たる所以である。



雲が追いかけっこをしている。
ぼくも飛天になって空を泳いでみたい。
中東に行けば、飛天になれるだろうか?



       荒 野人