エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

浮寝鳥二羽

2013年02月16日 | ポエム
浮寝鳥は、いつもの鴨の池で白河夜船状態であった。
このあいだ、周りで工事をしている関係からだろう飛来数が減少したと書いた。



シベリアからエンヤコラと飛来して、わざわざ住環境の悪い池に居座る必要とて無い訳で、数が減るのは当然である。



この重機の先が鴨の飛来する池である。



鴨は怒っている!!
蓋し、当然である。
人間の都合で住環境の悪化を招いているのだから。

もう一度言う。
お役所のご都合主義には、ぼくもウンザリだ。



こんな状況なのだから、飛来して来てもこの池を見限って違う水辺を探すのだ。



しかし、この角度から見る限り鴨は、優しく穏やかな眼差しで人の行状を見ているかのようである。
鴨よ!すまぬ。

工事が一段落する時。
例えば、昼休み。
例えば早朝と夕方。

鴨は浮寝鳥となって、水面を揺れる。







「浮寝鳥時間流れず雲は落つ」



「水面なる重さに耐えて浮寝鳥」







実に穏やかな空間を演出しつつ、御休みになられている。
いや、お眠りになられているのである。

もうすぐ、温かさが増していく。
シベリア戻って、また飛来する時この池にお出で!
待っているから。



       荒 野人