エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

秩父・宝登山の蝋梅

2013年02月22日 | ポエム
秩父路を走る。
ここは武州である。



宝登山は、秩父三大神社の一つ「宝登三神社」の奥宮が置かれている聖なる山である。
この山には、神話が残されている。

昔この山には山犬が多く棲息していたのである。
東国平定に向かう途次の日本武尊(ヤマトタケルノミコト)がこの山に登り始めたところ、山火事に遭遇した。
その際、山犬が山火事を消し無事に日本武尊を山頂に導いた、というのである。

従って、この宮を守るのは山犬である。
山犬・・・この時代の山犬であるから狼であろうと推測できるのである。



シリウスが降臨したのであろう。
神話の裏側は常に、そうした真実が隠される。
シリウスは日本語では「天狼星」である。







「蝋梅や従える空雲もなく」



「蝋梅の咲くほど時を留めたる」







誠に見事な蝋梅であった。
この程度の咲き具合こそ、芳香が強く放たれるのである。



青空の下、蝋梅鑑賞にはもってこいの一日であった。
山の中腹の、奥宮の横・・・西側園は、今満開の様相である。



疎らに咲く蝋梅も緑を背景に、点描のように美しく匂い立つのである。



      荒 野人