エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

睡蓮

2013年08月15日 | ポエム
睡蓮。
美しくも、静かなイマージュである。

あたかも、鏡のように滑らかで、微動だにしない輝きに満ちた湖水を脳裏に浮かびあがらせる。
静謐な時間であり、駿列な現在を提示する。
同時に「気だるさ」を内包する。



見る角度によって、様相を異にする。
どこから見られても良いのだ、と主張する。
それが睡蓮である。







「睡蓮の時の生業定む午後」







小さな花が、しっかりと主張するのである。
しかも、水の面との比例も問わない。

負けないのである。



水の面は森羅万象を写しきるけれど、睡蓮には勝てない。
存在感の確固さである。

ぼくはこの日、カキーンと冷やした「葛桜」食べながら睡蓮に憧れ続けた。
和菓子の不思議な甘味である。



        荒 野人