エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

気持ちの良い空に訣別す

2013年08月27日 | ポエム
雨上がりの今日は、爽やかに晴れ上がった。
気持ちの良い空である。



蝉時雨は、晩夏を報せる如く降り注ぐ。
だがしかし、騒がしくは無いのだ。
いとおしくもある。



去り行く夏の日々よ!
耀かしく煌めいた夏の日よ!
さらば、甘やかだった夏の日々。

そうだ、この秋は東北に行こう。
返す刀で、奄美の海のブルーに会いに行こう。
美しくも情感溢れる我がふるさと、日本であるのだから。







「空翔る耀く雲の秋茜」







空は高く、広い。
遊弋したい衝動が、突き上げてくる。
自然の美とは、そうしたものだ。





君との日々に訣別する、
寂しい秋よ!
だがしかし、
煌めくであろう、
落葉松の黄葉よ!
繊細に織り成す、
一片よ!
ぼくの心を・・・
突き刺すな。
しかしてぼくは滅寂の世紀へと、
入りぬ。
君の、
あまりにも悲惨な冷酷は、
ぼくを打ちのめす。
寂しい秋よ!
いまこそ言おう。
さらば、
と。





晩夏。
交尾の季節であるのだろう、そこここでトンボが子孫を残そうとしている。
充実した季節である。



なんだか、寂しさに満ちた風であった。
爽やげる風であるのにだ!



        荒 野人