エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ニオイスミレ

2015年02月21日 | ポエム
昨日我が家にやってきたのは、ニオイスミレ。
胸がキュンと締め付けられるような、甘い淡い匂いである。
ぼくはいま、少し鼻づまり状態だから鼻をくっつけて感じる。
従兄弟は、傍を通っただけでも匂うらしい。



西洋では、バラ、ユリ、スミレはトリオで、バラは「美(beauty)」を、ユリは「威厳(majesty)」を、スミレは「謙虚(modesty)」と「誠実(faithfulness)」をあらわすといわれ、この3つを兼ね備えたひとが理想の女性といわれます。
また、これらの花はいずれも聖母に捧げられ、多くの花々のなかで特別に扱われているのである。

我が家にきたのは、白色とすみれ色の二つである。







「マドンナや匂い菫のブーケ持つ」







可憐である。
スミレは春の季語。



宮崎京子 A.スカルラッティ作曲 すみれ



パヴァロッテイでも聴いてみましょう。




このA.スカルラッティ作曲「すみれ」は、ぼくも歌った。
巻舌を上手に使いこなして歌う。
懐かしい歌曲である。

ニオイスミレには、希望がその小さな花に詰まっている。
そうとしか思えない。



花言葉は「高尚」「秘密の愛」「奥ゆかしい」「控えた美しさ」である。

ニオイスミレの香気は、ヨーロッパでは古くから化粧品、ハーブティーやワインなどの飲み物、シロップ、お菓子など、さまざまなものにも使われて来た歴史がある。
ヴァイオレット・リキュールの香りはニオイスミレを用いるものと特筆され、他のスミレからはその独特の香りを出すことは出来ないとされるのである。



そして白無垢の、侵し難さよ!
ニオイスミレは、当分楽しめそうである。

そこで、ギリシャ神話から・・・。

「あるところにイアという美しい娘がいました。
 太陽神アポロンが彼女に一目ぼれをしますが、イアには婚約者がいたため、アポロンの愛を受け入れようとしません。
 それに怒ったアポロンがイアをスミレに変えてしまったのでした。」




       荒 野人