エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

綿雲

2015年02月24日 | ポエム
綿雲、春隣の雲である。
一年中雲は遊弋(ゆうよく)するし、形も千変万化する。
どれと云って、季節を限定出来ないとする論もある。



だがしかし、綿雲は春隣であることは論を俟たない。

この日の夕焼けは見事であった。
春夕焼と云って良かろう。

赤さが際立っていた。
空の粉塵が赤く照らされるからであろう。
粉塵は、花粉であったりするのだけれど・・・。
大陸からの砂塵、春の霞もそうである。



言い換えれば、春隣の夕焼けの特徴である。







「色深み痛点ゆるむ春夕焼」







ぼくはいつまでも、そこを立ち去り難く佇んだ。



夕焼けの気配から、やがて日が暮れて薄暮に包まれぼくは帰宅した。



夕食が遅くなったのは・・・論を俟(ま)たない。



      荒 野人