エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

春は海から

2015年02月27日 | ポエム
相州と豆州の春は、海の彼方からやってくるのである。
海こそ、春霞の柔らかな湿度を満たす揺りかごである。



初春の海は、曇天の中でたゆたっている。
そのたゆたいが、眠気を誘うほどの穏やかさである。



漁船が、波間にたゆたう。
漁果があるのだろうか?
と思わせるほど、波間で遊んでいる。







「相州や海から来る春霞」







夕焼も朝焼も、同じ春である。



この映像は、あたかも夕焼のようであるけれど・・・実は朝焼だ。
宙が染まりゆく時間は、ゆったりとしている。

赤味は、朝夕同じ速さで変わってゆく。
そのテンポが、深く深く沁みてくる。



      荒 野人