Explore

相棒CBR1000RR (SC59)でのツーリングや色々
趣味を楽しむブログです(^ω^ 三 ^ω^)

とある大手小売アパレルで退職強要された元同僚の話。

2018年10月26日 | 繊維業界の転職
僕は繊維業界に入って今年で14年目になる。
大して有名なブランドも製品もやってないけど、あらゆるブランドに目を通した経験も有り、それなりに生産部隊の経験も長い。人づてに色々と企業の裏側を見聞きすることも多い。
この会社は凄いな、かっこいいなと思うことも有れば、あの会社は無いわ、、ってこともある。多くは無いけど。そんな事例を1つ書いてみようと思う。

とある大手小売企業である。
飲食やアパレル、インテリアなど業態が幅広く、どれも世間からの評価は高い。
僕が以前勤めていた会社から距離が近く、個人的に好きな店も有るので昼休憩時間とかによく足を運んだ。
若い子向けのアパレルにいた時である。
当時20代半ばのA君がその企業に販売員として転職した。やっぱり20代〜40代まで幅広く、根強く流行していて憧れのブランドだ。本人の強い希望があったのだと思う。
神奈川の店舗に配属になって、朝が早いと聞いていた。

3ヶ月くらい経った時、A君が事務所に遊びにきた。5年以上勤めていた為、社員とも仲が良く、ちょくちょくそんな感じで来て飲みに行くこともあった。
しかし、3ヶ月ぶりにA君を見てやや言葉を失う。
明らかに痩せていて、目が虚ろだ。
話を聴くと、いつからか社内異動があった。彼の異動先は、本社だったか忘れたけど、商品を各店舗に配給する為の管理部門みたいな部署だった。今まで販売員として好きなブランドの服を着て、売り場で活躍していたが、今は狭い部屋で40代の女性1名と2人で日々パソコンに向かう仕事をしていると聞いた。一瞬理解が出来なかった。
なぜそんなことになっているのか。
慣れないパソコン操作、気性の激しい40代女性。当然モチベーションは地に落ちていた。
給与も低かった。渋谷系メンズの営業時代と比べても数万円下がった。聞くと中小企業の新入社員レベル。彼のスキルには到底見合わない金額だ。彼は高卒で働いている。22で社会人になる4大卒と比べたら、4年もキャリアが長い。これはメンズの会社でもアドバンテージが有った。

絶句した。。
毎日辞めたいと思っていると言う。
彼は若い割には長い販売員経験と端正なルックスを活かして狭い門をくぐり抜け、憧れのブランドに採用された。そのブランドは採用率が低い。ちょっと信じがたいが、別のOBで、数年かけてチャレンジを繰り返し採用された人もいた。
せっかく手にした切符を捨てたくないという思いがひしひしと伝わってきた。売り場に戻る日を夢見て耐える日々だという。

彼はルックスも良く、スタイルも良い。最初はゴリゴリの渋谷系のスタイルだったが、社内でワーク、ストリート系に造詣が深い社員に触発されて、大きく変わった。茶髪のロン毛から黒髪で2ブロックショート・ヒゲに。白Teeにブルーデニムが似合う。とても同じ人間とは思えないくらい、かっこよくなった。
チャラチャラしていたのは最初だけで、年齢に見合わないほど敬語や気遣いが出来る好青年だ。どちらかといえば硬派で男からも印象が良いタイプ。
僕は最初期に一度衝突したこともあるが、その後の関係性は良かった。彼と仕事をするのは楽しかった。

そんな彼が、見る影も無く痩せて落ち込んでいる姿を見た時、小売大手企業に怒りを覚えた。
話を聞くと彼がいるのは退職強要部屋としか思えない。明らかに悪意極まるパワハラである。
世の中では支持を集めて、業界ではリーダーシップをとる有力企業だ。経営陣がラフな格好してメディアに出たり、有力バイヤーが東コレにも関わったりしている。その影では、販売員の扱いがひどい、給与が低過ぎる。A君のような若いやる気のある人間を潰すようなことをしている。
本当に酷い話だ。

しばらくして、彼はようやく転職を決意した。
販売員の長い経験を活かし、代理販売員会社に採用されたらしい。当時レディースの有名ブランドで活躍していた。自分より若い社員のマネジメントも任されているらしく、給与は渋谷系メンズ営業の時よりはるかに跳ね上がったという。
それを聞いて本当に安心した。
現況を話す彼は、体型も元に戻り自信に満ちて頼もしく見えた。
それから僕はメンズの会社を退職して、会社自体も無くなって彼とは会ってない。
順調にキャリアを積んでいるのではないかな。

小売企業の販売員というのは、最も重要な資産だと思う。しかし、実際に高待遇されているのは、一部の経営陣と企画、MD、バイヤーである。SPA化すると、生産部隊よりもそれらの旗艦組織の力が強いとも聞く。感性や数字を扱う彼らが高待遇なのは構わないが、販売員の負担が大きいことに見て見ぬふりをしている気がしてならない。
彼らはコストではない。資産である。会社やブランドを代表して顧客に接して、会社の業績に直結する重要な仕事をしている。
企業評価サイトで小売各社の評価見ても、必ず販売員や中途の本社勤務から、組織の歪さ、キャリアアップが見えない、給与が低いという言葉が並ぶ。
僕が書いた事案は稀なのか、日常茶飯事なのか、実態は分からない。僕は大手小売に勤めた経験が無いから。しかし、少なくとも僕がA君の件を通じて感じた怒りはこの先消えることは無いと思う。






企業研究で店を見に行ったら商品がダサかった件。

2018年10月26日 | 繊維業界の転職
今度面接受ける企業のブランドについて調べている。なんとなくぼかして書くと、カジュアルアパレルメーカーで、担当予定ブランドは結構老舗でニッチなライセンスブランド。
メーカーが手がける旗艦カジュアルウェアは本当に素晴らしい。店に行ったら、1時間半くらい店員と話してしまったくらい。さすがのブランド力と商品力だと思った。だけど、問題は担当予定ブランドだ。店見に行ってみたら、思ってた以上にダサい。。笑。
ある程度想像はしてたけど、想像以上に観光地の土産屋みたいな風情だ。ぶっちゃけ一気にやる気が無くなった。

店を見てどう思いましたか?って質問されると思うけど、マジでダサいっすね!!って言いかねない。。笑。必死に褒める言葉を探している。
面接は行くよ。人材会社のメンツがあるから。とりあえず。。
でも相当面接官の人柄が良いとか無いと、もう株が上がることは無いと思う。
失敗した。書類応募する前に店とか見に行けば良かった。

ちなみに2店舗見たけど店員も良くなかった。
派遣なのかな。。109のギャル服売ってるみたいな店員。WE○Oやライトオンにいるような店員。
商品に付いてるメリットタグのことさえ、答えられなかった。生産国、ブランド背景にも疎い。
販売員教育とか、商品説明会とかちゃんとやってないんじゃないだろうか。
先日先に面接受けたファッションアパレルは、まぁ価格帯も全然違うけども、凄く良かった。10店舗まわって7人くらい話した店員全て、笑顔も良いしプロだと感じた。
今回の企業も、旗艦ブランドの店員は凄く良かった。ファンを増やせる人だなって感じ。
でも担当予定ブランド、、笑。

あれじゃ駄目だって。。このご時世、なんであんな店出していられるのか。
多分、親会社の存在がでかいと思う。どの程度親が介入してるのか知らないけど、超大手の傘下だ。数年前、会社が吹き飛ぶくらいのとんでもない巨額損失出したのに廃業しなかった。危機感が無いのだ。あの損失で吹き飛ばないのはユニクロ、無印くらいである。普通の、中小アパレルに耐えられる額じゃなかった。
さらに、いわゆる成功体験を持つ会社だ。
ただ作れば儲かった時代を経験している。
業界は違えど、シャープや東芝みたいなもんである。

商品の質も良くなかった。まず上代が低い。つまり原価が低い。Tシャツなんて現地仕入れ額で$5.00切るんじゃないだろうか。
プリントは型ズレしてるし、縫製も悪い。用尺削ってるようにも見えた。素材も、僕がいた若い子向けのアパレルで使ってたような、パサパサした安っぽい生地が多かった。
近年売れてるアウターだけは良かった。コストバランスが優れている。着た感じも悪くない。

想像にはなるけど、親会社が仕入れ計画や予算策定・発注許可、原価率などを管理しているのではないだろうか。老舗の味を売りにしてる割には、それを求めて買いにくる顧客に合わない品質バランスである。サイトのブランド説明はいかに本国のブランドに実績と伝統が有るか讃えてるが、現在の国内の売り場、製品と結びつかない。

ネットで検索すると、大体の人はライセンシーである今回の会社を知らない。質問サイトで偽物ですか?なんて聞いてる人もいる。ライセンスホルダーの海外メーカーから何着も並行輸入してる人もいた。

やっぱり、老舗な企業は何かしら闇を抱えてると感じる。それは製品や店を見るとはっきり分かる。惰性でやってるのか、本気でMD、企画、販売やってるのか、すぐに分かる。

分かりやすい例で言うと、百貨店とセレクト小売ブランドである。百貨店は自分達で売る気が無い。百貨店卸ファッションブランドも、本当にカッコいいとか、好きで買い付けや洋服作りをやっているかというと疑問だらけだ。揃って売り場も客も見えていない。
逆に、セレクト小売は常に売り場を鍛え続けている。wwdかなんかでUAの経営陣も言っていた。何がユーザーに支持されるのか自らが実践してファッションに打ち込んでいる。

ライセンスの成功体験で言えば、やっぱり三陽商会である。バーバリーが無くなった今、取り返しが付かないほど凋落している。
なぜ本国よりも優秀なものづくりが出来るのに、200名以上のリストラになるのか。
これ以上アパレル転職現場に人材流出させるのは辞めてほしい。僕は凄く迷惑している。。笑。
ブラックレーベルを見るといつも思うが、客がいない。あのバーバリーじゃない大柄チェック柄、そもそも誰が買うのか。自社ブランドを長年鍛えて続けてきた競合たるトゥモローやアバハウス、巧みな業態変換で派生してきたセレクト小売には絶対に勝てないと思う。

翻って今回の企業。
売れてるアウターの流行が終わった時、事業部は生き残れないのではないか。メインブランドでは無いので会社が傾くことは無いだろうが。
仮に安定して売れたとして、海外ライセンスホルダーがジャパン社作って切り捨てられる可能性もある。もしかしたら小売業界でちやほやされてる現状を見て、今でもうずうずしているんじゃないだろうか。

まぁうまいこと話して面接はなんとかしようと思う。今後の参考くらいにはなるだろう。
あと旗艦ブランドは興味あるから、出来たら話を広げてみようかな。