今年も残すところあと1週間。振り返ってみると、思い出深い1年ではあった。去年のいまごろは、指揮者・岩城宏之さんのベートーベン全交響曲コンサート(東京芸術劇場)をインターネット中継(05年12月31日~06年1月1日)するための準備で右往左往していた。
ネット配信を無事終え、その2週間後にイタリアのフィレンツェに調査のため渡航した。しかも、渡航前日の成田でパスポートを金沢の自宅に置き忘れたことに気がつき、フライト当日の朝、家人に送ってもらったパスポートを羽田空港に取りに行くというハプニングも。そんなあわただしい1年のスタートだった。
その後の仕事と生活のキーワードは「雪だるままつり」「フォーリンプレスツアー」「テレビ番組『われら里山大家族』」「長崎」「社会人大学院フォーラム」「南極教室」「三井物産環境基金」「ニュージーランド」「大学コンソーシアム石川シティカレッジ」「能登半島 里山里海自然学校」「マツタケ」「E-コマース」「エル・ネット番組」…と続く。
その傍らにはノートPCとデジカメと携帯電話が常にあった。写真を整理すると、そのフォルダが70余り。それらの写真をもとに今年書いたブログは2つのブログサイトを合計して200余りとなった。
今年の写真の中で印象に残った一枚はというとイタリアでのこと。国立フィレンツェ修復研究所を訪れた。世界でトップクラスの修復のプロたちが集う研究所である。許可を得て撮影をさせてもらった。修復士たちが傷んだ聖像を囲んで打ち合わせしている。ベッドに横たわり、「病んでいる私を救ってほしい」と訴える患者、その声に耳を傾ける医師、まるで病院のようなその光景に思わずシャッターを切った。日付は06年1月18日である。
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