昨日3月14日は北陸新幹線の「長野-金沢間」が開業して1周年だった。東京から金沢までの所要時間は最速で2時間26分に。新幹線の利用客は在来線特急が走っていたころに比べて3倍に
増えた。ここ数日の新聞報道=写真=などによると、去年4月から今年1月の観光客数は、兼六園が前年同期比で1.6倍に増えて、NHKの連続テレビ小説「まれ」のロケ地となった輪島市では、朝市の入込客数が1.3倍になってという。
上記は誰もが予想した新幹線効果だったが、意外なこともあった。首都圏からの乗客が増えたのだとばかり思っていたら、仙台方面からの客が激増していたことだった。石川県が去年4-6月の3ヵ月で観光客の居住地を調べたところ、前年比の伸び率は関東圏からは180%、宮城県も180%と同じく増加している。確かに仙台駅から大宮駅(埼玉)で乗り換えれば、金沢駅まで乗車時間3時間25分で到着する。これは兼六園で実感した。料金所の近くで立っていると、中国語や英語に混じって、東北なまりの言葉もよく聞こえるのだ。団体客だったので余計目立ったのかもしれない。
北陸新幹線で喜んでばかりはいられない統計もある。3月1日に石川労働局が発表した、石川県内の卒業予定の大学生、短大生、高専生、専修学校生ら学生の就職内定率だ。全体としては、内定率89.8%と、1996年から調査を始めて過去最高との数字だった。数字だと、就職希望者6436人のうち5780人が内定を得た(1月末調べ)。ところが、さらく詳しく数字を拾ってみると、大学生の県内内定者が減っているのだ。大学生の就職内定者3585人、うち県内内定者は1376人、割割り合いにして35.6%。昨年同期では1327人で38.3%だったので、2.7%の落ち込み。この数字は過去5年間で最低なのだ。これは一体どういうことか。
「ストロー現象」だ。北陸新幹線の沿線(東京や長野方面)からの求人数が増加している。まるでストローに吸い込まれるようにして、就職する学生が関東方面へと逆流している、と言える。どれだけの求人数があったかは、統計的に定かではない。「リクナビ」など求人情報サイトを経由した就活が主流になってきて、実態が見えるのは、結果の統計だけだ。
首都圏などからの求人が増え、学生たちの就活の選択肢が増えることはいいことに違いない。ただ、これが現象として、あるいはトレンドになって加速すると、地域を担う若者たちが減少することを危惧するのである。
⇒15日(火)朝・金沢の天気 くもり

上記は誰もが予想した新幹線効果だったが、意外なこともあった。首都圏からの乗客が増えたのだとばかり思っていたら、仙台方面からの客が激増していたことだった。石川県が去年4-6月の3ヵ月で観光客の居住地を調べたところ、前年比の伸び率は関東圏からは180%、宮城県も180%と同じく増加している。確かに仙台駅から大宮駅(埼玉)で乗り換えれば、金沢駅まで乗車時間3時間25分で到着する。これは兼六園で実感した。料金所の近くで立っていると、中国語や英語に混じって、東北なまりの言葉もよく聞こえるのだ。団体客だったので余計目立ったのかもしれない。
北陸新幹線で喜んでばかりはいられない統計もある。3月1日に石川労働局が発表した、石川県内の卒業予定の大学生、短大生、高専生、専修学校生ら学生の就職内定率だ。全体としては、内定率89.8%と、1996年から調査を始めて過去最高との数字だった。数字だと、就職希望者6436人のうち5780人が内定を得た(1月末調べ)。ところが、さらく詳しく数字を拾ってみると、大学生の県内内定者が減っているのだ。大学生の就職内定者3585人、うち県内内定者は1376人、割割り合いにして35.6%。昨年同期では1327人で38.3%だったので、2.7%の落ち込み。この数字は過去5年間で最低なのだ。これは一体どういうことか。
「ストロー現象」だ。北陸新幹線の沿線(東京や長野方面)からの求人数が増加している。まるでストローに吸い込まれるようにして、就職する学生が関東方面へと逆流している、と言える。どれだけの求人数があったかは、統計的に定かではない。「リクナビ」など求人情報サイトを経由した就活が主流になってきて、実態が見えるのは、結果の統計だけだ。
首都圏などからの求人が増え、学生たちの就活の選択肢が増えることはいいことに違いない。ただ、これが現象として、あるいはトレンドになって加速すると、地域を担う若者たちが減少することを危惧するのである。
⇒15日(火)朝・金沢の天気 くもり