日本海で屈指の漁場である大和堆(やまとたい)が日本のEEZ(排他的経済水域)であるにもかかわず、北朝鮮の木造船があちこちで操業していて、北の船とのトラブルを避けるために石川県漁協のイカ釣り船団(13隻)などは大和堆を避けて、北海道沖の漁場に移動しているという現状を過日このブログ(7月15日付)で伝えた。今月7日には、水産庁の漁業取締船が大和堆で北朝鮮籍とみられる船に追跡され、その際、相手の乗員が小銃の銃口を向ける姿が確認され、政府は北京の外交ルートを通じて北朝鮮に厳重抗議したとメディア各社が伝えている。いまでも日本海は緊迫した状態にある。
北朝鮮がなぜ大和堆の日本のEEZ内に繰り出してくるのかというと、沿岸国の経済的な水域を定めた国連海洋法条約に北朝鮮は締結していないこともあり、銃口をちらつかせながら堂々と違法操業を繰り返しているのだ。日本のイカ釣り船が大和堆に近づけなくなったもう一つの理由が、北朝鮮のイカ漁船は流し網を使う漁だからだ。そうすると、日本の漁船が近づかなくても、向こうの船から近づいてき場合、網がスクリューに絡まる恐れがある。日本のイカ釣り漁は釣り糸を一斉に海に垂らすので、漁船同士が近いづいても網がスクリューに絡まるという心配はない。
きょう(21日)の石川県の地元紙は、第九管区海上保安本部(本部・新潟市)の大型、中型の巡視船5隻が現場海域に出て集中取り締まりを開始したと報じている。音声で退去を伝え、それでも動かないようだと今度は放水で強制移動させることも実施しているようだ。すでに460隻に退去警告をした。しかし、北の木造船もすんなりと退去するとは思えない。何しろ大和堆はスルメイカの好漁場だ。イタチごっこが繰り返されるのではないか。
もう一つ気になるニュースがあった。日本のスルメイカの漁獲量は年々落ち込んでいて、イカの水産加工業が盛んな地域では輸入が急増、函館港(函館市)では2017年上半期(1-6月)でイカ輸入額が31億円に達したという(21日付・朝日新聞)。まさか、日本のEEZで違法に捕獲されたイカが第3国に流れ、めぐりめぐって日本に輸入されている可能性はないだろうかと勘ぐってしまった。
20日付のCNNによると、アメリカ政府高官の話として、北朝鮮がICBMを2週間以内に発射する可能性があると伝えている。アメリカは衛星でその準備の様子を察知したようだ。北は今月4日に初めてICBMの発射実験を行っている。日本海側の海と空にさらに不安要素は広がる。( ※写真は第九管区海上保安本部のホームページより)
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